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公開番号2025134852
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2025102701,2023071410
出願日2025-06-18,2020-01-31
発明の名称創薬のためのヒトスフェロイドの使用方法
出願人アクソシム, インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人
主分類C12Q 1/02 20060101AFI20250909BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、一つの実施形態において、ヒト人工多能性幹細胞を使用して、治療薬の毒性および発見のための三次元ヒト器官組織を生成する方法を開示する。
【解決手段】一つの実施形態では、ハイスループットマイクロタイタープレートに野生型およびレット病の3Dスフェロイドの両方を負荷し、薬物ライブラリーに曝露し、野生型細胞の挙動に対する疾患回復についての活性を測定および分析する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スフェロイドに対する一つまたは複数の化合物のカルシウム振動活性を逆転または回復させる効果を検出する方法であって、前記方法は、
直径が均一なヒト細胞の一つまたは複数のスフェロイドを、一つまたは複数の試験化合物と接触させる工程であって、ここで、前記スフェロイドは、自閉症患者の細胞、レット症候群患者の細胞、またはレット症候群のモデルに由来する細胞から得られる工程;および
一つまたは複数のスフェロイドに対する一つまたは複数の化合物の前記カルシウム振動活性を逆転または回復させる効果を検出する工程
を含む、方法。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記一つまたは複数のスフェロイドは、マルチウェルプレートのウェル内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各ウェルが一つのスフェロイドを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェルは、カルシウムを検出するのに有用な蛍光分子とさらに接触され、経時的な蛍光の量または変化は、一つまたは複数のウェルで検出される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記蛍光の量または変化は、蛍光のピークの量、一つもしくは複数の前記ピークの振幅、一つもしくは複数の前記ピーク間のピーク間隔、一つもしくは複数の前記ピークの幅、またはそれらの組み合わせを検出する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記一つまたは複数のスフェロイドはニューロンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記一つまたは複数のスフェロイドはニューロンおよびアストロサイトを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
心臓細胞、肝臓細胞、腎臓細胞、膵臓細胞、肺細胞、内皮細胞または上皮細胞を含む一つまたは複数のスフェロイドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記一つまたは複数のスフェロイドは、レット病(Rett disease)患者由来の細胞を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記一つまたは複数のスフェロイドは、ミクログリア細胞またはオリゴデンドロサイトを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2019年2月2日に出願された米国出願第62/800,430号の出願日の利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
生物医学研究のツールとしてのマウスや他の動物の使用は十分に確立されている。それらの存在は、低コストで、維持が容易で、急速に繁殖する哺乳動物モデルで、疾患の病因および治療プロファイリングを評価する能力を提供する。長年にわたり、自発的および化学的に誘発されたマウスモデルを研究するフォワードジェネティクスアプローチから、遺伝子工学によるノックアウトを介して遺伝子機能を研究するリバースジェネティクスアプローチへの転換が図られてきた。標準的な遺伝子工学技術を通じて、構成的および組織特異的な機能喪失変異の両方を研究することにより、遺伝子機能、経路、および疾患の病態生理学に関して膨大な量の情報が得られている。しかしながら、進歩は、従来の遺伝子工学に関連するコストによって妨げられてきた。その多くは、胚性幹(ES)細胞を標的とし、生殖細胞系伝達を確立し、選択可能なマーカーから離れて(breed away)繁殖させるのに必要な時間に関連している。さらに、異なる近交系由来のES細胞における効率の欠如は、異なる遺伝的背景での表現型の探索を制限してきた。この制限は、単一の近交系背景の疾患モデルを、疾患浸透度が異なる可能性のある異種の患者集団と比較する際に考慮すべき重要なポイントである。
【0003】
動物実験は、ヒト用の薬の開発および試験において、試験管またはペトリ皿の実験だけでは得られない非常に貴重な情報を提供する。それらは、薬物がどのように吸収され、どのように生きている動物の体内に広がるか、およびそれが標的組織および他の組織にどのように影響するかを提供する。それらはまた、体がどのように薬物を処理して排除するかを伝える。ほとんどの薬物では、これは主に肝臓と腎臓によって行われる。これらの研究は、薬剤をヒトの治験に進めるかどうか、およびもしそうなら、ヒトにとって妥当な開始用量を決定するのに役立つ。しかしながら、種の違いのために、ヒト以外の動物で効果的かつ安全なものは、ヒトではそうではない可能性がある。
【0004】
動物研究に関する科学雑誌の出版物は、通常、「この効果は動物でのみ実証されており、人間では再現されない可能性がある」という免責事項を含む。そして、非常に正当な理由がある。レビューでは、ヒト以外の動物で医学的介入が試験された研究、およびその結果がヒトの試験で再現されたかどうかを調べた。
【0005】
NatureやCell等の権威ある科学雑誌で最も引用されている非ヒト動物研究では、その後のヒトランダム化試験で再現されたのはわずか37%であり、ヒト試験では18%が矛盾していた。より少ないジャーナルであまり引用されていない非ヒト動物の研究は、さらに低い成功率を有すると仮定するのが安全である。別のレビューでは、ヒトおよび非ヒト動物で行われた6つの医学的介入による治療効果(利益または害)は、該介入の半分のみで類似していることが見出された。すなわち、非ヒト動物とヒトの試験の結果は、しばしば一致しなかった。
【0006】
非ヒト動物試験とヒト試験の不一致は大きな問題を引き起こす可能性がある。非ヒト動物の治験段階への薬の開発はすでに信じられないほど高額の費用がかかるが、それをヒトの臨床試験に持ち込むことは莫大な費用、しばしば数千万ドルを追加する。有望な薬がヒトの治験で印象に残っていない場合、それは多くのお金、時間、および労力を浪費したことを意味する可能性がある。
【0007】
しかし、はるかに問題なのは、非ヒト動物の試験では安全であるように見えるが、ヒトでは安全ではないことが判明した薬である。結果は悲劇的なものになる可能性がある。たとえば、サリドマイド(つわりを治療する薬)は、妊娠中のラットおよびマウスに投与しても先天性欠損症を引き起さないが、ヒトでは、1950年代と1960年代に、重度の四肢奇形を含む先天性欠損症の国際的な流行を引き起こした。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、ヒトiPSC細胞株から生成された組織を使用するヒトモデルの使用を提供し、それにより、薬物の安全性および治療試験のための動物モデルの代替を提供する。前臨床創薬および毒性試験のために目的の疾患をモデル化する細胞株が選択される。本開示のヒト組織疾患モデルは、脳、心臓、肺、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓、皮膚、目、筋肉、および/または骨等のほとんどの器官について生成することができる。アッセイは、組織モデルのいずれか一つ、またはそれらの任意の組み合わせを使用することができる。一つの実施形態では、モデルは自閉症スペクトラム障害のモデルであり、したがって、スクリーニングで特定された治療化合物を使用して、自閉症スペクトラム障害または同様の障害、たとえばレット症候群の一つまたは複数の症状を予防、抑制、または治療することができる。自閉症スペクトラム障害(ASD)は、小児期の初期に始まり、ヒトの生涯を通じて続く神経学的および発達障害である。それは、ヒトがどのように行動し、他者と交流し、コミュニケーションし、そして学ぶかに影響を与える。したがって、様々な異なる組織を有する薬物スクリーニングアッセイは、ASDを有する患者の一つまたは複数の器官または組織における一つまたは複数の症状を治療するのに有益な一つまたは複数の化合物を同定することができる。
【0009】
たとえば、レット症候群は、成長遅延、正常な動きおよび協調の喪失、コミュニケーション能力の喪失、異常な手の動きおよび眼球運動、呼吸障害、認知障害、発作(seizure)、脊柱側弯症、不規則な心拍、および睡眠障害を含むが、これらに限定されない神経学的および発達的症状(developmental symptom)を特徴とするため、多くの臓器系に影響を及ぼす。したがって、様々な異なる組織を有する薬物スクリーニングアッセイは、レット症候群患者の一つまたは複数の器官または組織における一つまたは複数の症状を治療するのに有益な一つまたは複数の化合物を同定することができる。
【0010】
一つの実施形態では、方法は、治療薬化合物の試験および発見のために、人工多能性幹細胞(iPSc)によって生成されたヒト疾患組織モデルを提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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