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公開番号
2025131609
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-09
出願番号
2025081746,2021532503
出願日
2025-05-15,2019-08-16
発明の名称
ドナー臓器における糖鎖抗原除去のための酵素組成物、それに関連する方法および使用
出願人
ザ・ユニバーシティ・オブ・ブリティッシュ・コロンビア
,
ユニバーシティ・ヘルス・ネットワーク
,
UNIVERSITY HEALTH NETWORK
代理人
個人
,
個人
主分類
C12N
9/24 20060101AFI20250902BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ドナー臓器からA抗原を酵素的に切断するための灌流流体、およびドナー臓器からex vivoでA抗原を酵素的に切断する方法を提供する。
【解決手段】灌流流体は、2つの酵素である、GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼを含み、灌流流体は、さらに、緩衝細胞外溶液および/またはクラウディング剤を含んでもよい。さらに、本明細書に記載された組成物は、細胞生存性に適した温度およびpHレベルにおいて活性を有することが見出された。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ドナー臓器からA抗原を酵素的に切断するための灌流流体であって、前記灌流流体は、
(a)精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、
(b)精製ガラクトサミニダーゼタンパク質と、
を含む、灌流流体。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
(a)GalNAcデアセチラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号17、配列番号23、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、および配列番号35のうちの1つ以上から選択される精製タンパク質であり、
(b)ガラクトサミニダーゼは、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号19、配列番号21、配列番号36、および配列番号37のうちの1つ以上から選択される精製タンパク質である、請求項1に記載の灌流流体。
【請求項3】
請求項1に記載の灌流流体であって、前記灌流流体は、配列番号2、4、5、17、23、29、31、および32~35のうちの1つの配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から本質的になるGalNAcデアセチラーゼ活性を有する精製酵素と、配列番号7、9、10、19、21、36および37のうちの1つの配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から本質的になるガラクトサミニダーゼ活性を有する精製酵素とを含む、灌流流体。
【請求項4】
請求項1または2に記載の灌流流体であって、前記灌流流体は、
(a)配列番号2、配列番号4および配列番号5の精製フラボニフラクター・プラウティGalNAcデアセチラーゼタンパク質である、前記精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、
(b)配列番号7、配列番号9および配列番号10の精製フラボニフラクター・プラウティガラクトサミニダーゼタンパク質である、前記精製ガラクトサミニダーゼタンパク質と
の1つ以上から選択される酵素を含む、灌流流体。
【請求項5】
請求項1または2に記載の灌流流体であって、前記灌流流体は、
(a)配列番号17または配列番号32の精製クロストリジウム・テルチウムGalNAcデアセチラーゼタンパク質である、前記精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、
(b)配列番号19または配列番号36の精製クロストリジウム・テルチウムガラクトサミニダーゼタンパク質である、前記精製ガラクトサミニダーゼタンパク質と
の1つ以上から選択される、灌流流体。
【請求項6】
前記GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼが、1μg/ml以下でA抗原を切断することができる、請求項1~5のいずれか1つに記載の灌流流体。
【請求項7】
前記GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼが、約6.5と約7.5との間のpHでA抗原切断活性を有する、請求項1~6のいずれか1つに記載の灌流流体。
【請求項8】
前記GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼが、4°Cと37°Cとの間の温度でA抗原切断活性を有する、請求項1~7のいずれか1つに記載の灌流流体。
【請求項9】
前記灌流流体が、緩衝細胞外溶液をさらに含む、請求項1~8のいずれか1つに記載の灌流流体。
【請求項10】
前記緩衝細胞外溶液が、Steen(商標)、Perfadex(商標)、Perfadex Plus(商標)、EuroCollins溶液、ヒスチジン-トリプトファン-ケトグルタル酸(HTK)溶液、ウィスコンシン大学溶液(UW)、Celsior溶液、腎臓灌流溶液(KPS-1)、京都大学溶液、IGL-1溶液、およびクエン酸塩溶液から選択される、請求項9に記載の灌流流体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2018年8月17日に出願された米国仮特許出願第62/719,272号「糖鎖抗原切断のための酵素組成物、それに関連する方法、使用、装置およびシステム」の利益を主張する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【0002】
本発明は、酵素組成物の分野に関する。特に、本発明は、ドナー臓器において抗原を切断するための酵素組成物、ならびに当該組成物を用いて抗原を切断するための方法および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
血液型Aの人の血漿がB抗原に対する抗体を含み、逆もまた同様であり、それによって不適合な輸血により補体の活性化と赤血球(RBC)溶解を生じ得る(Daniels 2010)ため、血液型の正確な適合は、輸血医学における中心的な要件である。これらの細胞表面抗原は、A型血液およびB型血液それぞれに対して、α‐1,3‐結合‐N‐アセチルガラクトサミン(GalNAc)またはガラクトース(Gal)で終端する糖鎖構造である。一方、O型赤血球はこれらの末端糖を含まず、全般的に輸血され得る(Garratty 2008)。したがって、患者の血液型が不明または不明確な場合である緊急時に備えて、O型赤血球を血液バンクに十分に供給する必要がある。しかし、供給は限られていることが多い。
【0004】
AまたはB RBCをOに変換する手段としてAまたはB RBCからGalNAcまたはGal構造を酵素により除去する概念がGoldstein(Goldstein 1982;US4609627およびCA2272925)によって最初に提案され、実証された。グリーンコーヒー豆由来のα‐ガラクトシダーゼを用いて、B型RBCをO型に変換し、続いて輸血を行い、成功した(Kruskall 2000)。しかしながら、必要とされた酵素量から、このアプローチは非実用的なものであった。A型の変換はより困難であるが、これは主にA型の血液型は内部結合が異なる多くのサブタイプが存在するためである(Clausen1989)。同様に、α‐ガラクトシダーゼはB型抗原の除去に用いられている(例えば、EP2243793参照)。A型の変換を含む実用的な変換への大きな進歩は、四糖類基質を用いて、AおよびB変換活性の両方に関する細菌のライブラリのスクリーニングによってなされた。中性pH値で高い抗原切断活性を示すグリコシダーゼの二つの新しいファミリーが発見された(CAZy GH109 α‐N‐アセチルガラクトサミニダーゼおよびGH110 α‐ガラクトシダーゼ(Liu2007))。両酵素はそれぞれの抗原を完全に除去して対応するRBCを変換した。しかしながら、特にA型の変換には相当量の酵素が必要であり(60mg酵素/血液単位)、さらなる発展を制限している。細胞から糖鎖抗原をより効率的に除去する酵素は有用であろう。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、部分的には、本明細書中に記載されるような、ガラクトサミニダーゼおよびGalNAcデアセチラーゼの組合せが、以前に同定されたA抗原切断酵素よりも桁違いに効率的であるという驚くべき発見に基づく。例えば、ある条件下では、いくつかのGalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼ酵素は、1μ/ml以下でA抗原を切断でき得る。さらに、酵素の組み合わせによる切断効率は、赤血球の生存能力を維持するのに適したpH(すなわち、約6.5と約7.5との間のpH)において維持される。さらに、酵素は、4°Cと37°Cとの間の温度で活性を有することが見出され、これはまた、血液の採取、洗浄および保存プロトコルに適している。さらに、酵素の効率は、クラウディング剤(例えばデキストラン)の添加によってさらに向上する。また、同じ2段階除去プロセスがドナー臓器に適用され得ることも理解されている。
【0006】
しかしながら、ドナー臓器がより長く灌流される場合、より多くの酵素を使用してドナー臓器が灌流され得る時間を短縮することができ、またはより少ない酵素を使用することができることが、当業者によって理解されるであろう。
【0007】
ある実施形態によれば、(a)精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、(b)精製ガラクトサミニダーゼタンパク質と、を含む、ドナー臓器からA抗原を酵素的に切断するための灌流流体が提供される。
【0008】
さらなる実施形態によれば、灌流流体が提供され、当該灌流流体は、(a)配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号17、配列番号23、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、および配列番号35のうちの1つ以上から選択される精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、(b)配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号19、配列番号21、配列番号36および配列番号37のうちの1つ以上から選択される精製ガラクトサミニダーゼタンパク質とを含む。
【0009】
さらなる実施態様によれば、灌流流体が提供され、当該灌流流体は、配列番号2、4、5、17、23、29、31および32~35のうちの1つの配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から本質的になるGalNAcデアセチラーゼ活性を有する精製酵素と、配列番号7、9、10、19、21、36および37のうちの1つの配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から本質的になるガラクトサミニダーゼ活性を有する精製酵素とを含む。
【0010】
酵素は、(a)配列番号2、配列番号4および配列番号5の精製フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)GalNAcデアセチラーゼタンパク質である、精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、(b)配列番号7、配列番号9および配列番号10の精製フラボニフラクター・プラウティガラクトサミニダーゼタンパク質である、精製ガラクトサミニダーゼタンパク質との1つ以上から選択することができる。酵素は、(a)配列番号17および配列番号32の精製クロストリジウム・テルチウム(Clostridium tertium)GalNAcデアセチラーゼタンパク質である精製GalNAcデアセチラーゼタンパク質と、(b)配列番号19および配列番号36の精製クロストリジウム・テルチウムガラクトサミニダーゼタンパク質である精製ガラクトサミニダーゼタンパク質との1つ以上から選択することができる。GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼは、1μg/ml以下でA抗原を切断でき得る。GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼは、約6.5と約7.5との間のpHでA抗原切断活性を有し得る。GalNAcデアセチラーゼおよびガラクトサミニダーゼは、4°Cと37°Cとの間の温度でA抗原切断活性を有し得る。灌流流体は、緩衝細胞外溶液をさらに含み得る。緩衝細胞外溶液は、Steen(商標)、Perfadex(商標)、Perfadex Plus(商標)、EuroCollins溶液、ヒスチジン-トリプトファン-ケトグルタル酸(HTK)溶液、ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)溶液(UW)、Celsior溶液、腎臓灌流溶液(KPS-1)、京都大学(Kyoto University)溶液、IGL-1溶液、およびクエン酸塩溶液から選択することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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