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公開番号2025128845
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2024025799
出願日2024-02-22
発明の名称極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置
出願人日本電子株式会社
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類G01N 1/28 20060101AFI20250827BHJP(測定;試験)
要約【課題】クライオ電子顕微鏡用の試料を手作業で作製する場合と比べて、試料を容易に作製することを目的とする。
【解決手段】作製装置10は、気相反応機構12と液相反応機構14と凍結機構16とを含む。気相反応機構12は、試料用グリッド28に対して気相反応を行う。液相反応機構14は、気相反応後に、試料用グリッド28に対して液相反応を行う。凍結機構16は、液相反応後に、試料用グリッド28を冷媒によって凍結させる。これにより、氷包理法によって試料が作製される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
試料用グリッドに対して気相反応を行う気相反応機構と、
気相反応後に、前記試料用グリッドに対して液相反応を行う液相反応機構と、
液相反応後に、前記試料用グリッドを冷媒によって凍結させる凍結機構と、
を含むことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
前記液相反応は有機反応である、
ことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
【請求項3】
請求項2に記載の極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
前記有機反応は化学結合を生じさせる、
ことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
【請求項4】
請求項3に記載の極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
前記液相反応機構は、第1化学結合と第2化学結合とを生じさせる、
ことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
【請求項5】
請求項4に記載の極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
前記液相反応機構は、
反応液を収容する反応液容器と、
サンプル溶液を収容するサンプル容器と、
ピペット機構と、
を含み、
前記ピペット機構は、
前記反応液容器に収容されている反応液を前記試料用グリッドに吐出し、その後、前記試料用グリッド上の反応液を吸引する機能と、
前記サンプル容器に収容されているサンプル溶液を前記試料用グリッドに吐出し、その後、前記試料用グリッド上のサンプル溶液を吸引する機能と、
を有し、
前記試料用グリッド上に反応液が吐出されることで前記第1化学結合が生じ、
前記第1化学結合が生じた後に、前記試料用グリッド上にサンプル溶液が吐出されることで前記第2化学結合が生じる、
ことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
【請求項6】
請求項5に記載の極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
前記ピペット機構は、前記試料用グリッドにおいて反応液が吐出された面にサンプル溶液を吐出する、
ことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
【請求項7】
請求項5に記載の極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
前記液相反応機構は、更に、
前記試料用グリッド上の反応液を洗浄するための洗浄液を収容する洗浄液容器を含み、
前記ピペット機構は、
前記第1化学結合が生じた後に、前記試料用グリッドにおいて反応液が吐出された面に洗浄液を吐出することで反応液を洗浄する、
ことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
【請求項8】
請求項7に記載の極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
反応液を前記試料用グリッドに吐出してから洗浄液を前記試料用グリッドに吐出するまでの時間を制御する制御装置を更に含む、
ことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
【請求項9】
請求項5に記載の極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
前記ピペット機構は、
反応液を吐出及び吸引するためのピペットチップと、サンプル溶液を吐出及び吸引するためのピペットチップと、を交換して、反応液及びサンプル溶液のそれぞれを吐出及び吸引する、
ことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
【請求項10】
請求項7に記載の極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、
前記ピペット機構は、
反応液を吐出及び吸引するためのピペットチップと、洗浄液を吐出及び吸引するためのピペットチップと、サンプル溶液を吐出及び吸引するためのピペットチップと、を交換して、反応液、洗浄液及びサンプル溶液のそれぞれを吐出及び吸引する、
ことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
タンパク質等の物質の構造を解析する装置として、極低温透過型電子顕微鏡(つまり、クライオ電子顕微鏡)が知られている。
【0003】
クライオ電子顕微鏡用の試料の作製方法として、急速凍結固定法の一種である氷包理法が知られている。氷包理法は、例えば、メッシュ状の形状を有する金属製のグリッド上に試料の溶液を滴下し、余剰な溶液をグリッドから取り除き、その後、薄膜となった試料を冷媒によって急速に凍結することで、アモルファス氷となった試料を作製する方法である。冷媒として、例えば、液体エタン、液体プロパン又は液体窒素等が用いられる。
【0004】
特許文献1には、グラフェングリッドの作製方法が記載されている。当該作製方法では、亜塩素酸ラジカルに紫外光又は可視光を照射することで発生する活性ガスを、グラフェンが支持膜として張り付けられたグリッドに対して曝すことで、酸化グラフェングリッドを生成する。酸化グラフェングリッドにエピクロロヒドリンを反応させることで、グリッド上にエポキシ基を付与する。グリッド上のエポキシ基がタンパク質と反応することで、タンパク質をグリッド上に化学固定した状態で試料を作製することができる。グリッド上にタンパク質を化学固定することで、気液界面に存在する変性タンパク質を排除することができる。また、タンパク質の結晶化を防ぐことができるので、タンパク質の配向性を低くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2022/039251号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に記載の作製方法では、当該作製方法に含まれる各工程がすべて作業者による手作業で行われる。そのため、試料の作製が失敗することが多く、また、作業者の熟練度が試料作製の結果に反映されてしまう。このように、特許文献1に記載の作製方法では、クライオ電子顕微鏡用の試料を容易に作製することはできない。
【0007】
本開示の目的は、クライオ電子顕微鏡用の試料を手作業で作製する場合と比べて、試料を容易に作製することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの態様は、極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置において、試料用グリッドに対して気相反応を行う気相反応機構と、気相反応後に、前記試料用グリッドに対して液相反応を行う液相反応機構と、液相反応後に、前記試料用グリッドを冷媒によって凍結させる凍結機構と、を含むことを特徴とする極低温透過型電子顕微鏡用試料の作製装置である。
【0009】
上記の構成においては、作業者による手作業によらずに、気相反応機構によって気相反応が行われ、液相反応機構によって液相反応が行われる。こうすることで、試料を手作業で作製する場合と比べて、試料を容易に作製することができる。試料は特に限定されないが、タンパク質等の有機物質が試料の一例に相当する。
【0010】
例えば、前記液相反応は有機反応であり、前記有機反応は化学結合を生じさせる。前記液相反応機構は、第1化学結合と第2化学結合とを生じさせてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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