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公開番号
2025127215
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-01
出願番号
2024023807
出願日
2024-02-20
発明の名称
鉄系酸素吸収剤含有層を備えた多層容器
出願人
東洋製罐株式会社
代理人
弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類
B65D
81/26 20060101AFI20250825BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約
【課題】鉄系酸素吸収剤を含有する酸素吸収層を備えた容器において炭酸ガス置換を行った後に加熱加圧殺菌を行った場合でも、容器内の水素濃度が有効に制御された容器を提供する。
【解決手段】オレフィン系樹脂から成る基材層、バリア層、及び還元鉄を含む酸素吸収剤を含有する酸素吸収層を少なくとも備える積層体から成り、内容物充填後に炭酸ガス置換を行って密封され、加熱加圧殺菌処理に付される容器において、前記積層体の20℃100RH%における酸素透過率(ml/m
2
・day・MPa)と50℃における酸素吸収量(ml/cm
2
・hr)の積が6.0以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
オレフィン系樹脂から成る基材層、バリア層、及び還元鉄を含む酸素吸収剤を含有する酸素吸収層を少なくとも備える積層体から成り、内容物充填後に炭酸ガス置換を行って密封され、加熱加圧殺菌処理に付される容器において、
前記積層体の20℃100RH%における酸素透過率(ml/m
2
・day・MPa)と50℃における酸素吸収量(ml/cm
2
・hr)の積が6.0以上であることを特徴とする容器。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
前記酸素吸収層が、前記酸素吸収層のベース樹脂100質量部当たり1~30質量部の酸素吸収剤を含有する請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記バリア層が、エチレンビニルアルコール共重合体から成る請求項1又は2記載の容器。
【請求項4】
前記積層体100質量部当たりエチレンビニルアルコール共重合体が13質量部未満の量で含有されており、前記酸素吸収層の厚みが前記バリア層の厚みの1.5倍以上である請求項3記載の容器。
【請求項5】
前記オレフィン系樹脂が、ポリプロピレンである請求項1又は2記載の容器。
【請求項6】
前記基材層が、内層及び外層であり、前記酸素吸収層が前記バリア層よりも内層側に位置する請求項1又は2記載の容器。
【請求項7】
前記バリア層と、外層の間にリプロ層を備えた請求項6記載の容器。
【請求項8】
前記加熱加圧殺菌処理後の密閉容器が、容器内水素ガス濃度が0.1~20%となる請求項1又は2記載の容器。
【請求項9】
前記密封容器における、前記加熱加圧殺菌処理後、減圧状態を24時間維持した後の密閉容器の底部及び蓋の容器軸方向位置と、加熱加圧殺菌処理後2週間経過した後の密閉容器の底部及び蓋の容器軸方向位置との変位最大変動量が0.1mm以下である請求項8記載の容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄系酸素吸収剤を含有する酸素吸収層を備えた容器に関するものであり、より詳細には、内容物充填後に炭酸ガス置換を行うと共に加熱加圧殺菌に付された場合にも容器の膨出が有効に防止された容器に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
内容物の保存性に優れた容器として、従来よりバリア層及び鉄系酸素吸収剤を含有する酸素吸収層を備えた多層容器が知られている。
例えば下記特許文献1には、ポリプロピレンから成る内外層と、外層側に位置するEVOHから成る第一の中間層(バリア層)と、内層側に位置する鉄系の酸素吸収剤を含有する樹脂組成物から成る第二の中間層(酸素吸収層)を備えた多層プラスチック容器が記載されている。
【0003】
内容物の保存性を向上させるために、容器内のヘッドスペースを炭酸ガスや窒素ガスでガス置換することも知られており、例えば下記特許文献2には、酸素吸収性積層材料から成る包装材料において、液状食品を加熱・密封包装する前に該液状食品中に溶存する酸素を窒素ガス及び/または炭酸ガスで置換し、あるいは充填後ヘッドスペース中の空気を窒素ガス及び/または炭酸ガスで置換することによって、加熱・密封包装あるいは加熱殺菌した後の包装体ヘッドスペース中に酸素ガスが実質的に含まれない液状加工食品が記載されている。
【0004】
炭酸ガス等による置換は、炭酸ガス等による品質保持効果が得られるだけでなく、ガス置換による容器内の酸素除去もでき、また炭酸ガス置換後にレトルト殺菌のような加熱加圧殺菌処理に付されると、炭酸ガスが内容物に溶けることで、容器内が陰圧となって、容器が密閉されていることが一目で確認可能な状態となるという、利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3630706号公報
特開2000-14374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような鉄系酸素吸収剤を含有する酸素吸収層を備えた容器においては、炭酸ガス置換を行った後に加熱加圧殺菌処理を行うと、炭酸ガスと酸素吸収剤中の鉄が反応して水素が発生し、この水素ガスによって容器が膨らんでしまうことがわかった。特に底面が広いトレイ状の容器や、可撓性の蓋材により密閉された容器においては、平面状の底部や蓋材において、水素ガスによって生じた膨らみが目立ちやすく、密閉性は確保されているとしても、内容品の腐敗や菌の繁殖が生じている等の疑義が生じることになり、内容品に問題がない場合でも、商品として出荷できないものと判断されてしまうため、正確な検査を行うことが困難になる。
【0007】
従って本発明の目的は、鉄系酸素吸収剤を含有する酸素吸収層を備えた容器において炭酸ガス置換を行った後に加熱加圧殺菌を行った場合でも、容器内の水素濃度が有効に制御された容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、オレフィン系樹脂から成る基材層、バリア層、及び還元鉄を含む酸素吸収剤を含有する酸素吸収層を少なくとも備える積層体から成り、内容物充填後に炭酸ガス置換を行って密封され、加熱加圧殺菌処理に付される容器において、前記積層体の20℃100RH%における酸素透過率(ml/m
2
・day・MPa)と50℃における酸素吸収量(ml/cm
2
・hr)の積が6.0以上であることを特徴とする容器が提供される。
【0009】
本発明の容器においては、
(1)前記酸素吸収層が、前記酸素吸収層のベース樹脂100質量部当たり1~30質量部の酸素吸収剤を含有すること、
(2)前記バリア層が、エチレンビニルアルコール共重合体から成ること、
(3)前記積層体100質量部当たりエチレンビニルアルコール共重合体が13質量部未満の量で含有されており、前記酸素吸収層の厚みが前記バリア層の厚みの1.5倍以上であること、
(4)前記オレフィン系樹脂が、ポリプロピレンであること、
(5)前記基材層が、内層及び外層であり、前記酸素吸収層が前記バリア層よりも内層側に位置すること、
(6)前記バリア層と、外層の間にリプロ層を備えること、
(7)前記加熱加圧殺菌処理後の密閉容器が、容器内水素ガス濃度が0.1~20%となること、
(8)前記密封容器における、前記加熱加圧殺菌処理後、減圧状態を24時間維持した後の密閉容器の底部及び蓋の容器軸方向位置と、加熱加圧殺菌処理後2週間経過した後の密閉容器の底部及び蓋の容器軸方向位置との変位最大変動量が0.1mm以下であること、
が好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の容器は、エチレンビニルアルコール共重合体等のガスバリア性を有するバリア性樹脂から成るバリア層により容器外からの酸素を遮断すると共に、酸素吸収剤を含有する酸素吸収層により容器内の残存酸素を吸収することによって、容器内の酸素濃度が著しく低減されていることから内容物の保存性に顕著に優れている。
その一方、積層体の酸素透過率及び酸素吸収層の酸素吸収量を適正な値に制御することによって、炭酸ガス置換による二酸化炭素と酸素吸収剤中の還元鉄との反応により発生する水素量を低減させると共に、発生した水素を容器外に適切に逃すことが可能となり、内容物を充填し炭酸ガス置換を行った後にレトルト殺菌のような加熱加圧殺菌処理を行った場合でも、水素ガスによる容器の膨出を効率よく抑制することができ、適正な品質検査を行うことができる。更に内容物として、炭酸ガスの溶解が少ないものを選択することによって、更に容器の膨出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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