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公開番号2025117766
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012661
出願日2024-01-31
発明の名称根菜類の引抜力測定補助具及び根菜類の引抜力測定方法
出願人国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人個人,個人
主分類A01D 33/02 20060101AFI20250805BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】土中で塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を安定して計測することができる根菜類の引抜力測定補助具及び根菜類の引抜力測定方法を提供すること。
【解決手段】本発明の根菜類の引抜力測定補助具10は、畝Eに合わせたかまぼこ状の畝抑え部材11と、畝抑え部材11によって形成される茎葉取り出しスペース12と、畝抑え部材11の両側に配置する一対の側面部材13とを備え、一対の側面部材13には、側板面13Vと踏み板面13Hとが形成され、しょ梗の引抜力を荷重測定器Fで計測する際には、一対の側面部材13を畝Eの両側に配置するとともに畝抑え部材11を畝Eに配置し、茎葉取り出しスペース12から茎葉を取り出し、踏み板面13Hを押さえつけて用いることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を荷重測定器によって計測する際に用いる根菜類の引抜力測定補助具であって、
畝に合わせたかまぼこ状の畝抑え部材と、
前記畝抑え部材によって形成される茎葉取り出しスペースと、
前記畝抑え部材の両側に配置する一対の側面部材と
を備え、
一対の前記側面部材には、側板面と踏み板面とが形成され、
前記しょ梗の前記引抜力を前記荷重測定器で計測する際には、一対の前記側面部材を前記畝の両側に配置するとともに前記畝抑え部材を前記畝に配置し、前記茎葉取り出しスペースから茎葉を取り出し、前記踏み板面を押さえつけて用いる
ことを特徴とする根菜類の引抜力測定補助具。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記畝抑え部材が、一方畝抑え部材と他方畝抑え部材とで形成され、
前記茎葉取り出しスペースが、前記一方畝抑え部材と前記他方畝抑え部材との間に形成され、
前記一方畝抑え部材と前記他方畝抑え部材との間隔によって、前記茎葉取り出しスペースの幅を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の根菜類の引抜力測定補助具。
【請求項3】
前記一方畝抑え部材と前記他方畝抑え部材とを連結する接続部材を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の根菜類の引抜力測定補助具。
【請求項4】
前記側板面には、前記畝の高さに応じて畝抑え部材を上下方向に移動させる高さ調整部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の根菜類の引抜力測定補助具。
【請求項5】
前記踏み板面に重ねて用いるステップ部材を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の根菜類の引抜力測定補助具。
【請求項6】
塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を荷重測定器によって計測する根菜類の引抜力測定方法であって、
畝に合わせたかまぼこ状の畝抑え部材によって、前記しょ梗の周辺の前記畝を押圧し、
前記畝抑え部材によって形成される茎葉取り出しスペースから茎葉を取り出し、
前記荷重測定器によって前記しょ梗又は前記茎葉をあらかじめ設定した所定方向に引っ張ることで、前記塊根部から前記しょ梗が分離する前記引抜力を計測する
ことを特徴とする根菜類の引抜力測定方法。
【請求項7】
前記所定方向が、鉛直方向から所定角度を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の根菜類の引抜力測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を荷重測定器によって計測する際に用いる根菜類の引抜力測定補助具、及び塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を荷重測定器によって計測する根菜類の引抜力測定方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
青果用カンショの収穫作業では、自走式イモ類収穫機の機上で株ごとにつながって掘り上げられる塊根を手作業で分離する作業が必要であり、塊根分離作業が収穫の能率向上と生産規模拡大を妨げる要因となっている。
そこで、収穫作業の能率を向上するためには、塊根分離を行えるかんしょ茎葉処理機が望まれている。かんしょ茎葉処理機によって、しょ梗を引き抜くことで土中のいもを分離し、茎葉を細断して畝間に排出するという一連の作業を連続化することができれば、カンショ掘取り作業等に要する作業時間を20%以上削減できる。
非特許文献1は、収穫時のいもの損傷を少なくするために1株ごとにしょ梗を手で引きちぎる、つる処理作業の機械化を開示している。
非特許文献2は、サツマイモの茎葉細断処理としょ梗引抜きを一工程で行うトラクタ用作業機を開示している。
特許文献1は、子芋の分離性能を確保しつつ、簡易な構成によってコスト上およびメンテナンス上の問題を解決することができる芋分離装置または芋分離方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-135437号公報
【非特許文献】
【0004】
吉田良、他4名、「サツマイモのつる処理機の開発」、徳島県立農業試験場研究報告 35号、1999年9月、p.1-6
“サツマイモ茎葉処理・藷梗引抜き機”、[online]、2008年、研究成果情報、鹿児島県農総センター・大隅支場・農機研究室、[令和6年1月5日検索]、インターネット<URL:https://www.naro.affrc.go.jp/org/karc/seika/kyushu_seika/2007/2007055.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献1は、つる(茎葉)を処理する機械であり、いもの引抜力の計測については記載されていない。
また、非特許文献2の作業機によれば、サツマイモの茎葉処理から引抜きが一貫して可能となるが、引抜力を考慮していない。
また、特許文献1で開示している芋分離装置または芋分離方法についても、土中で塊根部を分離するものではない。
このように、カンショを含む根菜類において、土中で塊根部を分離するために必要な引抜力を計測したものはなく、茎葉を挟持して塊根部を土中に残しながら引抜くために必要な引抜力は明らかでない。
図6は塊根部としょ梗との分離を説明するための図である。
図6(a)の写真に示すように、つるを引っ張るとしょ梗とともに塊根部が抜けてしまう。
図6(b)では、しょ梗とともに塊根部が土中に残った状態を示している。このまま塊根部がしょ梗とともに抜けてしまうと、掘り上げられた塊根部からしょ梗を手作業で分離する作業が必要となってしまう。
図6(c)に示すような、しょ梗が分離した状態の塊根部を土中に残すことができれば、塊根部を掘り起こした後に、塊根部からしょ梗を手作業で分離する作業が不要となる。
図6(d)は、しょ梗が分離した状態の塊根部を土中に残す概念図である。
図6(d)に示すように、土表面Aを部材Bで抑え、しょ梗Cを適正な引抜力Xで引っ張ることで、塊根部Dを土中に残したまま、しょ梗Cを引き抜くことができる。
【0006】
本発明は、土中で塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を安定して計測することができる根菜類の引抜力測定補助具及び根菜類の引抜力測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の本発明の根菜類の引抜力測定補助具10は、塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を荷重測定器Fによって計測する際に用いる根菜類の引抜力測定補助具10であって、畝Eに合わせたかまぼこ状の畝抑え部材11と、前記畝抑え部材11によって形成される茎葉取り出しスペース12と、前記畝抑え部材11の両側に配置する一対の側面部材13とを備え、一対の前記側面部材13には、側板面13Vと踏み板面13Hとが形成され、前記しょ梗の前記引抜力を前記荷重測定器Fで計測する際には、一対の前記側面部材13を前記畝Eの両側に配置するとともに前記畝抑え部材11を前記畝Eに配置し、前記茎葉取り出しスペース12から茎葉を取り出し、前記踏み板面13Hを押さえつけて用いることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の根菜類の引抜力測定補助具10において、前記畝抑え部材11が、一方畝抑え部材11aと他方畝抑え部材11bとで形成され、前記茎葉取り出しスペース12が、前記一方畝抑え部材11aと前記他方畝抑え部材11bとの間に形成され、前記一方畝抑え部材11aと前記他方畝抑え部材11bとの間隔によって、前記茎葉取り出しスペース12の幅を変更することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の根菜類の引抜力測定補助具10において、前記一方畝抑え部材11aと前記他方畝抑え部材11bとを連結する接続部材14を有することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の根菜類の引抜力測定補助具10において、前記側板面13Vには、前記畝Eの高さに応じて畝抑え部材11を上下方向に移動させる高さ調整部15を有することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の根菜類の引抜力測定補助具10において、前記踏み板面13Hに重ねて用いるステップ部材16を有することを特徴とする。
請求項6記載の本発明の根菜類の引抜力測定方法は、塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を荷重測定器Fによって計測する根菜類の引抜力測定方法であって、畝Eに合わせたかまぼこ状の畝抑え部材11によって、前記しょ梗の周辺の前記畝Eを押圧し、前記畝抑え部材11によって形成される茎葉取り出しスペース12から茎葉を取り出し、前記荷重測定器Fによって前記しょ梗又は前記茎葉をあらかじめ設定した所定方向に引っ張ることで、前記塊根部から前記しょ梗が分離する前記引抜力を計測することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の根菜類の引抜力測定方法において、前記所定方向が、鉛直方向から所定角度を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の根菜類の引抜力測定補助具を用いることで、土中で塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を安定して計測することができる。
また、本発明の根菜類の引抜力測定方法によれば、土中で塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を安定して計測することができる。
そして、根菜類の引抜力を計測することで、サツマイモ収穫作業の機械化を推進することができるとともに、収穫作業に適した根菜類の育種を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施例による根菜類の引抜力測定補助具を示す構成図
本実施例による根菜類の引抜力測定方法を示す写真
同根菜類の引抜力測定方法によって計測した、品種別による、引抜力、しょ梗切断率、及び塊根の引き上げ率を示す図
同根菜類の引抜力測定方法によって計測した、地域別による引抜力を示す図
同根菜類の引抜力測定方法によって計測した、植付方法の違いによる引抜力を示す図
塊根部としょ梗との分離を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の実施の形態による根菜類の引抜力測定補助具は、畝に合わせたかまぼこ状の畝抑え部材と、畝抑え部材によって形成される茎葉取り出しスペースと、畝抑え部材の両側に配置する一対の側面部材とを備え、一対の側面部材には、側板面と踏み板面とが形成され、しょ梗の引抜力を荷重測定器で計測する際には、一対の側面部材を畝の両側に配置するとともに畝抑え部材を畝に配置し、茎葉取り出しスペースから茎葉を取り出し、踏み板面を押さえつけて用いるものである。本実施の形態によれば、土中で塊根部からしょ梗を分離するために必要な引抜力を安定して計測することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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