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公開番号
2025113519
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-04
出願番号
2024007717
出願日
2024-01-23
発明の名称
レトルト用包装袋
出願人
株式会社クラレ
代理人
弁理士法人せとうち国際特許事務所
主分類
B65D
65/40 20060101AFI20250728BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約
【課題】レトルト処理直後のガスバリア性に優れるレトルト用包装袋を提供する。
【解決手段】バリア層(AS)を最外層に、熱融着層(B)を最内面にそれぞれ備え、バリア層(AS)が、エチレン単位含有量が20~50モル%、けん化度が90モル%以上のEVOH(a1)及びPA(a2)を含有し、EVOH(a1)とPA(a2)の質量比(a1/a2)が55/45~98/2である樹脂組成物(a)からなり、熱融着層(B)が、融点130~170℃のポリオレフィン樹脂(b)を主成分として含み、樹脂組成物(a)が、アルカリ金属イオン(K)を40~2000ppm含有し、融点が130℃未満の樹脂を主成分として含む層、融点が200℃以上のポリエステルを主成分として含む層、融点が200℃以上のポリアミドを主成分として含む層、及び平均厚みが1μm以上の金属層を有さない、レトルト用包装袋。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
バリア層(AS)を最外層に、熱融着層(B)を最内層にそれぞれ備え、
バリア層(AS)が、エチレン単位含有量が20~50モル%、けん化度が90モル%以上のエチレン-ビニルアルコール共重合体(a1)及びポリアミド(a2)を含有し、エチレン-ビニルアルコール共重合体(a1)とポリアミド(a2)の質量比(a1/a2)が55/45~98/2である樹脂組成物(a)のみからなり、
熱融着層(B)が、融点130~170℃のポリオレフィン樹脂(b)を主成分として含み、
樹脂組成物(a)が、アルカリ金属イオン(K)を40~2000ppm含有し、
融点が130℃未満の樹脂を主成分として含む層、融点が200℃以上のポリエステルを主成分として含む層、融点が200℃以上のポリアミドを主成分として含む層、及び平均厚みが1μm以上の金属層を有さない、レトルト用包装袋。
続きを表示(約 900 文字)
【請求項2】
樹脂組成物(a)のみからなるバリア層(AM)をさらに有し、バリア層(AM)がバリア層(AS)と熱融着層(B)の間に位置する、請求項1に記載のレトルト用包装袋。
【請求項3】
ポリオレフィン樹脂(b)が、ポリプロピレンを主成分として含有する、請求項1又は2に記載のレトルト用包装袋。
【請求項4】
融点130~170℃の接着性樹脂(c)を主成分として含む接着層(C)をさらに有し、少なくとも1層の接着層(C)が、バリア層(AS)又はバリア層(AM)に隣接して位置する、請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項5】
接着性樹脂(c)が、酸変性ポリプロピレンを主成分として含有する、請求項4に記載のレトルト用包装袋。
【請求項6】
融点130~170℃のポリオレフィン樹脂(d)を主成分として含む防湿層(D)をさらに有し、防湿層(D)が、バリア層(AS)と熱融着層(B)の間に位置する、請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項7】
ポリオレフィン樹脂(d)が、ポリプロピレンを主成分として含有する、請求項6に記載のレトルト用包装袋。
【請求項8】
樹脂組成物(a)が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン及び亜鉛イオンからなる群から選択される少なくとも1種の多価金属イオン(L)を10~500ppm含有する、請求項1又は2に記載のレトルト用包装袋。
【請求項9】
熱融着層(B)がポリプロピレンを主成分として含み、
レトルト用包装袋の平均厚みに対するポリプロピレン系樹脂を主成分とする層の合計平均厚み比率が0.75以上である、請求項1又は2に記載のレトルト用包装袋。
【請求項10】
120℃30分間のレトルト処理10時間後において、JIS K 7126-2:2006に記載の方法で測定した酸素透過速度(20℃、65/100%RH条件下)が20cc/(m
2
・day・atm)未満である、請求項1又は2に記載のレトルト用包装袋。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はレトルト用包装袋に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【0002】
食品を長期保存するための包装材料には、酸素バリア性をはじめとするガスバリア性が要求されることが多い。ガスバリア性が高い包装材料を用いることで、酸素による食品の酸化や微生物の繁殖を抑制できる。可食期間をさらに延長した食品として、包装材料に食品を充填した後に、加圧下で熱水殺菌処理(以下、単に「レトルト処理」と略記することがある)を行うレトルト食品が増加している。レトルト用包装材料向けのガスバリア層には熱水処理後にガスバリア性が低下しない性質(以下、単に「レトルト耐性」と略記することがある)が求められ、アルミニウム箔や、耐熱性の高いポリエステルフィルム上にシリカ(酸化ケイ素)やアルミナ(酸化アルミニウム)の透明蒸着層を積層したガスバリアフィルムが一般に使用されている。アルミニウム箔を使用する場合には、ガスバリア性に加えて遮光性を付与でき、シリカやアルミナの蒸着層を積層したガスバリアフィルムを使用する場合には、内容物の視認性を付与できる(特許文献1及び2)。
【0003】
ガスバリア性樹脂として広く包装材料に使用されるエチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」と略記することがある)は、分子中の水酸基同士が水素結合することによって結晶化、高密度化してガスバリア性を発現するが、レトルト処理によりEVOHが吸水すること等に起因し、ガスバリア性が低下する等の問題がある。レトルト処理によるガスバリア性の低下を抑制する手段として、特許文献3には、EVOHとポリアミド(以下、PAと略記することがある)とを混合して製造した樹脂組成物が記載されており、かかる樹脂組成物は、EVOH単体に比べてレトルト耐性が向上し、レトルト用包装材料として好ましく利用できることが報告されている。さらに、特許文献4には、特定の変性EVOHとポリアミドを混合して製造した樹脂組成物は、優れたレトルト耐性と屈曲耐性を有することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-331578号公報
特開2002-308285号公報
WO2015/174396号公報
特開2015-151428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、環境問題や廃棄物問題が契機となり、市場で消費された包装材料を回収して再資源化する、いわゆるポストコンシューマーリサイクル(以下、単にリサイクルと略記することがある)の要求が世界的に高まっている。リサイクルにおいては、回収された包装材料を裁断し、必要に応じて分別・洗浄した後に、押出機を用いて溶融混合する工程が一般に採用される。この点においては、包装材料はできる限り単一材料で構成されることが求められており(モノマテリアル化)、それによって高純度で高品質な再資源化原料を得ることができる。特に、アルミニウム箔や融点の高いポリエステル及びポリアミドは、包装材料として広く使用されるポリオレフィン系樹脂との相溶性・分散性に劣るため、リサイクル性を阻害する場合がある。
【0006】
したがって、融点が200℃以上のポリエステルを主成分として含む層、融点が200℃以上のポリアミドを主成分として含む層、及び平均厚みが1μm以上の金属層を有さず、かつ、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む層の厚み比率が高い(例えば75%以上)モノマテリアル化を意識した包装袋であっても、レトルト処理直後のガスバリア性の低下を抑制できるレトルト用包装袋が求められている。
【0007】
しかしながら、上記文献3、4に記載されたレトルト用包装袋は、レトルト処理後にガスバリア性が経時的に回復する傾向を示すが、ガスバリア性の回復速度を加速するためには、ポリエステルやポリアミドといった透湿性の高い樹脂を主成分とする層を樹脂組成物層と隣接して使用する必要があり、融点が200℃以上のポリエステルを主成分として含む層及び融点が200℃以上のポリアミドを主成分として含む層を有さない層構成とすることが困難であった。また、レトルト食品の可食期間は、包装袋を通して侵入する酸素の累積侵入量に大きく依存するため、レトルト処理後にガスバリア性が経時的に回復する場合であっても、レトルト処理直後のガスバリア性が大きく低下している場合や、ガスバリア性の回復に長時間を要した場合には、レトルト食品の可食期間の延長に制限がかかる場合があった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、融点が200℃以上のポリエステルを主成分として含む層、融点が200℃以上のポリアミドを主成分として含む層、及び平均厚みが1μm以上の金属層を有さず、かつ、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む層の厚み比率が高い(例えば75%以上)包装袋であっても、レトルト処理直後のガスバリア性の低下を抑制できるレトルト用包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、特定のEVOH及びポリアミドを含む樹脂組成物からなるバリア層を最外層に有するレトルト用包装袋は、ポリエステルやポリアミドを主成分とする隣接層を有さない場合でも、レトルト処理直後の外観に優れるとともに、レトルト処理直後のガスバリア性の低下を抑制できることを見出した。すなわち、上記目的は、
[1]バリア層(AS)を最外層に、熱融着層(B)を最内層にそれぞれ備え、
バリア層(AS)が、エチレン単位含有量が20~50モル%、けん化度が90モル%以上のエチレン-ビニルアルコール共重合体(a1)(以下「EVOH(a1)」と略記する場合がある)及びポリアミド(a2)(以下「PA(a2)」と略記する場合がある)を含有し、EVOH(a1)とPA(a2)の質量比(a1/a2)が55/45~98/2である樹脂組成物(a)のみからなり、熱融着層(B)が、融点130~170℃のポリオレフィン樹脂(b)を主成分として含み、樹脂組成物(a)が、アルカリ金属イオン(K)を40~2000ppm含有し、融点が130℃未満の樹脂を主成分として含む層、融点が200℃以上のポリエステルを主成分として含む層、融点が200℃以上のポリアミドを主成分として含む層、及び平均厚みが1μm以上の金属層を有さない、レトルト用包装袋;
[2]樹脂組成物(a)のみからなるバリア層(AM)をさらに有し、バリア層(AM)がバリア層(AS)と熱融着層(B)の間に位置する、[1]のレトルト用包装袋;
[3]ポリオレフィン樹脂(b)が、ポリプロピレンを主成分として含有する、[1]又は[2]のレトルト用包装袋;
[4]融点130~170℃の接着性樹脂(c)を主成分として含む接着層(C)をさらに有し、少なくとも1層の接着層(C)が、バリア層(AS)又はバリア層(AM)に隣接して位置する、[1]~[3]のいずれかの包装袋;
[5]接着性樹脂(c)が、酸変性ポリプロピレンを主成分として含有する、[4]のレトルト用包装袋;
[6]融点130~170℃のポリオレフィン樹脂(d)を主成分として含む防湿層(D)をさらに有し、防湿層(D)が、バリア層(AS)と熱融着層(B)の間に位置する、[1]~[5]のいずれかの包装袋;
[7]ポリオレフィン樹脂(d)が、ポリプロピレンを主成分として含有する、[6]のレトルト用包装袋;
[8]樹脂組成物(a)が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン及び亜鉛イオンからなる群から選択される少なくとも1種の多価金属イオン(L)を10~500ppm含有する、[1]~[7]のいずれかのレトルト用包装袋;
[9]熱融着層(B)がポリプロピレンを主成分として含み、レトルト用包装袋の平均厚みに対するポリプロピレン系樹脂を主成分とする層の合計平均厚み比率が0.75以上である、[1]~[8]のいずれかのレトルト用包装袋;
[10]120℃30分間のレトルト処理10時間後において、JIS K 7126-2:2006に記載の方法で測定した酸素透過速度(20℃、65/100%RH条件下)が20cc/(m
2
・day・atm)未満である、[1]~[9]のいずれかのレトルト用包装袋;
を提供することで達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、融点が200℃以上のポリエステルを主成分として含む層、融点が200℃以上のポリアミドを主成分として含む層、及び平均厚みが1μm以上の金属層を有さず、かつ、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む層の厚み比率が高い(例えば75%以上)包装袋であっても、レトルト処理直後ガスバリア性に優れるレトルト用包装袋を提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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