特許ウォッチ

公開番号2025096745
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-30
出願番号2023212638
出願日2023-12-18
発明の名称浴室用椅子
出願人アロン化成株式会社
代理人個人,個人
主分類A47C 5/10 20060101AFI20250623BHJP(家具;家庭用品または家庭用設備;コーヒーひき;香辛料ひき;真空掃除機一般)
要約【課題】立ち座りの際は邪魔にならず、使用時は適当な位置に配置される跳ね上げ可能な肘掛け部を備えた折り畳み式の浴室用椅子を提供する。
【解決手段】脚フレームと肘掛け部と背もたれ部と座部とを備えた折り畳み式の浴室用椅子において、肘掛け部は、脚フレームに回動可能に支持されるヒンジ部と、ヒンジ部から肘掛け部の前端にかけて形成された肘掛け本体部と、肘掛け本体部の前端に形成されたグリップ部とを有し、そしてヒンジ部の回転面と平行な面であって且つヒンジ部の内側側面に接する面を内側基準面としたとき、肘掛け本体部の内側縁部は、ヒンジ部から肘掛け本体部の前端へ向かうにつれて内側基準面に対して外側へ向けた変位量を増加させた後に減少させる弓形形状を有し、且つ肘掛け本体部の前端における内側縁部は内側基準面よりも外側に配置されている浴室用椅子が提供される。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項１】
脚フレームと、
肘掛け部と、
背もたれ部と、
水平な展開状態と垂直な折り畳み状態との間で回動可能に脚フレームに取り付けられる座部と、を備えた浴室用椅子において、前記肘掛け部は、
前記脚フレームに回動可能に支持されるヒンジ部と、
使用者の腕を載置するため、前記ヒンジ部から前記肘掛け部の前端にかけて形成された肘掛け本体部と、
使用者の手の平を支持するため、前記肘掛け本体部の前端に形成されたグリップ部とを有し、そして
前記ヒンジ部の回転面と平行な面であって且つ前記ヒンジ部の内側側面に接する面を内側基準面としたとき、
前記肘掛け本体部の内側縁部は、前記ヒンジ部から前記肘掛け本体部の前端へ向かうにつれて、前記内側基準面に対して外側へ向けた変位量を増加させた後に減少させる弓形形状を有し、且つ前記肘掛け本体部の前端における内側縁部は、前記内側基準面よりも外側に配置されていることを特徴とする浴室用椅子。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記肘掛け本体部は、前記ヒンジ部から前記肘掛け本体部の前端にかけて同一幅で形成された部分を有していることを特徴とする請求項１に記載の浴室用椅子。
【請求項３】
前記ヒンジ部の回転面と平行な面であって且つ前記ヒンジ部の外側側面に接する面を外側基準面としたとき、
前記肘掛け本体部の内側縁部の前記内側基準面に対する外側へ向けた最大変位量は、前記肘掛け本体部の外側縁部の前記外側基準面に対する外側へ向けた最大変位量よりも大きいことを特徴とする請求項２に記載の浴室用椅子。
【請求項４】
前記グリップ部は前記肘掛け本体部の幅を直径とした円弧形状を有し、前記円弧形状は前記肘掛け本体部の前記内側縁部および前記外側縁部と連続して形成されていることを特徴とする請求項３に記載の浴室用椅子。
【請求項５】
前記脚フレームは、前記背もたれ部および前記肘掛け部が取り付けられた前脚フレームと、前記前脚フレームに折り畳み可能に取り付けられた後脚フレームを有し、そして
前記座部は、前記後脚フレームに回動可能に支持されていることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の浴室用椅子。
【請求項６】
前記背もたれ部を任意の高さに調節する高さ調節手段を備え、そして
前記背もたれ部は、前記前脚フレームに昇降可能に取り付けられていることを特徴とする請求項５に記載の浴室用椅子。
【請求項７】
前記高さ調節手段は、前記前脚フレームに固定される凸部と、そして前記凸部と係合する複数の凹部を有し、前記背もたれ部に取り付けられるラック部とを備えていることを特徴とする請求項６に記載の浴室用椅子。
【請求項８】
前記前脚フレームの上部水平部分の真下または一部が前記上部水平部分よりも後方において前記上部水平部分よりも下方に延びた舌形状を有し、前記前脚フレームに取り付けられる把手部を備えていることを特徴とする請求項５に記載の浴室用椅子。
【請求項９】
回り止めを有し、前記前脚フレームに固定される固定手段と、そして
前記回り止めと係合し、前記前脚フレームに着脱可能に取り付けられるシャワーヘッド固定用フックとを備えていることを特徴とする請求項５に浴室用椅子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、浴室において使用される、跳ね上げ可能な肘掛けを備えた折り畳み式の浴室用椅子に関し、特に肘掛け部の形状を、ヒンジ部から肘掛け部の前端へ向かうにつれて外側へ向けた変位量を増加させた後に減少させ、且つ肘掛け部の前端をヒンジ部よりも外側に配置したことを特徴とする畳み式の浴室用椅子に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
従来より、高齢者、被介護者、身体障害者等（以下、「被介護者等」という。）は、入浴に際し、立位姿勢で身体を洗ったり、シャワーを浴びたりするのが困難であることが多いので、被介護者等が腰を掛けるための座部と、背中を持たせ掛けるための背もたれ部と、被介護者等の立ち座り動作を補助するための肘掛け部を支持する脚部フレームを備えた浴室用椅子が利用されている。
【０００３】
浴室用椅子は、使用していないとき、狭い浴室の中で保管場所を必要として邪魔になることから、例えば特開２０１１－６７４４８号公報（特許文献１）や特開２０２０－１４２０４９号公報（特許文献２）に記載されているように、座部および肘掛け部を折り畳んでコンパクトにすることができる折り畳み式の浴室用椅子が知られている。また、特許文献１，２に記載の浴室用椅子は、肘掛け部も跳ね上げ式とすることにより体格が異なる被介護者等に対しても肘掛け部が立ち座り動作の妨げにならないように配慮されている。
【０００４】
さらに、例えば特開２００４－２９０６０６号公報（特許文献３）には、脚フレームの支柱よりも外側へオフセットして配置された左右一対の肘掛け部を前記支柱に着脱できるように取り付け、そして左右の肘掛け部を互いに交換することにより、前記肘掛け部を脚フレームの支柱よりも内側へオフセットして配置された形態へ変化させることで、被介護者等の体格に応じて肘掛け部の位置を調節可能にしたシャワーチェアが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１１－６７４４８号公報
特開２０２０－１４２０４９号公報
特開２００４－２９０６０６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかし、特許文献１に記載されている浴室用椅子の場合、肘掛け部は脚部の支柱に跳ね上げ可能に取り付けられているが、前記支柱よりも外側へオフセットして前記支柱に着脱不能に取り付けられ、且つ肘掛け部の後端から前端まで同一幅で延びているため、例えば被介護者等が小柄であったり痩せ型であると、被介護者等の体格に合わせて肘掛け部を適正な位置に配置することができない、被介護者等は安定した着座姿勢を保持できなくなるという問題があった。
【０００７】
また、特許文献２に記載されている浴室用椅子の場合、肘掛け部は脚部の支柱に跳ね上げ可能に取り付けられ、且つ肘掛け部の外側縁部は肘掛け部の後端から前端まで直線状に延びているのに対して、内側縁部はその中間付近が外側縁部に最も近づくように湾曲して延びている。そのため、特許文献２に記載の浴室用椅子では、肘掛け部の中間付近での左右肘掛け部同士の間隔が最も広く、被介護者等が安定した着座位置を保持するには有利であるが、肘掛け部の前端付近での左右肘掛け部同士の間隔が狭くなるため、立ち座りの際に被介護者等の臀部が肘掛け部の前端に干渉して邪魔になり極めて危険であるという問題があった。また、特許文献２に記載の肘掛け部は、前端および後端よりも中間付近の幅寸法が短く細くなるため、被介護者等の腕を安定して支持できないという問題があった。
【０００８】
さらに、特許文献３に記載されているシャワーチェアの場合、脚フレームの支柱に対して、オフセットして配置された左右一対の肘掛け部を互いに交換可能とすることにより被介護者等の体格に応じて肘掛け部の位置を調節することができるが、肘掛け部を跳ね上げることができないため、被介護者等がシャワーチェア（座部）上で身体を回転させるなど姿勢を変えることが困難となり、また、シャワーチェアをコンパクトに折り畳むこともできないという問題があった。
【０００９】
そこで、本発明は、跳ね上げ可能な肘掛けを備えた折り畳み式の浴室用椅子において、立ち座りの際は肘掛け部が邪魔にならず、使用時は肘掛け部が適当な位置に配置されることにより被介護者等の着座姿勢を安定して保持することができる前記浴室用椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明者等は、折り畳み可能な浴室用椅子において、被介護者等の体格に合わせるのに適しており、且つ立ち座りの際に邪魔にならない肘掛け部の形状や構成について鋭意検討を重ねた結果、肘掛け部の形状および構成を、ヒンジ部から肘掛け部の前端へ向かうにつれて外側へ向けた変位量を増加させた後に減少させ、且つ肘掛け部の前端をヒンジ部よりも外側に配置にすることで上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
（【００１１】以降は省略されています）

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