TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025092985
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-23
出願番号
2023208444
出願日
2023-12-11
発明の名称
アルミニウム合金基板のリサイクル方法、磁気ディスクの製造方法、磁気ディスク、およびハードディスクドライブ
出願人
株式会社UACJ
,
古河電気工業株式会社
代理人
アインゼル・フェリックス=ラインハルト
,
個人
,
個人
主分類
C22B
21/06 20060101AFI20250616BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】リサイクル性に優れたアルミニウム合金基板のリサイクル方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金基板とアルミニウム合金基板上に少なくとも1層の皮膜と
を有するリサイクル材から皮膜を除去してアルミニウム合金材を得る皮膜除去工程と、ア
ルミニウム合金材を少なくとも一部の原料として使用してアルミニウム合金の溶湯を調製
する工程と、調製した溶湯を加熱保持する工程と、加熱保持した溶湯を鋳造してアルミニ
ウム合金鋳塊を得る工程と、を有するアルミニウム合金基板のリサイクル方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
アルミニウム合金基板と、前記アルミニウム合金基板上に少なくとも1層の皮膜とを有
するリサイクル材から前記皮膜を除去してアルミニウム合金材を得る皮膜除去工程と、
前記アルミニウム合金材を少なくとも一部の原料として使用してアルミニウム合金の溶
湯を調製する工程と、
調製した溶湯を加熱保持する工程と、
加熱保持した溶湯を鋳造してアルミニウム合金鋳塊を得る工程と、
を有するアルミニウム合金基板のリサイクル方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記皮膜はNiを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金基板のリサイクル方法。
【請求項3】
前記皮膜除去工程において、前記リサイクル材を溶液中に浸漬させることにより、前記
リサイクル材から皮膜を除去する、請求項1または2に記載のアルミニウム合金基板のリ
サイクル方法。
【請求項4】
前記溶液は硝酸イオンを含む酸性溶液である、請求項3に記載のアルミニウム合金基板
のリサイクル方法。
【請求項5】
前記酸性溶液は、40~60℃の温度を有し、硝酸イオン濃度が25質量%以上であり
、
前記皮膜除去工程において、前記リサイクル材を酸性溶液中に1時間以上、浸漬させる
、請求項4に記載のアルミニウム合金基板のリサイクル方法。
【請求項6】
前記酸性溶液中の、硝酸イオン以外のアニオンの合計濃度が5質量%以下である、請求
項4に記載のアルミニウム合金基板のリサイクル方法。
【請求項7】
前記皮膜除去工程において、各々の前記リサイクル材が接触しないように、複数の前記
リサイクル材を溶液中に浸漬させる、請求項3に記載のアルミニウム合金基板のリサイク
ル方法。
【請求項8】
前記リサイクル材を構成するアルミニウム合金基板は円環状である、請求項1または2
に記載のアルミニウム合金基板のリサイクル方法。
【請求項9】
請求項1または2に記載のアルミニウム合金基板のリサイクル方法により得た前記アル
ミニウム合金鋳塊を加熱して均質化処理を行う工程と、
均質化処理をしたアルミニウム合金鋳塊を圧延してアルミニウム合金板とする圧延工程
と、
前記圧延工程により得たアルミニウム合金板を、円環状ディスクブランクに加圧平坦化
する工程と、
加圧平坦化した円環状ディスクブランクに切削加工と研削加工を施してめっき用アルミ
ニウム合金基板を得る工程と、
前記めっき用アルミニウム合金基板に、脱脂、エッチング及びジンケート処理を施すめ
っき前処理工程と、
めっき前処理を施したアルミニウム合金基板の表面に無電解でのNi-Pめっき処理を
施した後、Ni-Pめっき処理を施した表面を研磨して磁気ディスク用アルミニウム合金
基板を得る工程と、
前記磁気ディスク用アルミニウム合金基板の表面に、磁性体を付着させて磁性体層を形
成する工程と、
を有する磁気ディスクの製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の磁気ディスクの製造方法によって得られた磁気ディスク。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金基板のリサイクル方法、磁気ディスクの製造方法、磁気デ
ィスク、およびハードディスクドライブに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
コンピュータやデータセンターを始め、各種電子機器の記憶装置としてHDD(ハード
ディスクドライブ)が広く使用されている。HDDは磁気ディスクが情報の記憶を担って
いるが、当該磁気ディスクの基板には磁気ディスク用アルミニウム合金基板が使用される
。磁気ディスク用アルミニウム合金基板には、良好なめっき性を有するとともに機械的特
性や加工性が優れたJIS 5086(3.5質量%以上4.5質量%以下のMg、0.
50質量%以下のFe、0.40質量%以下のSi、0.20質量%以上0.70質量%
以下のMn、0.05質量%以上0.25質量%以下のCr、0.10質量%以下のCu
、0.15質量%以下のTi、0.25質量%以下のZn、残部Al及び不可避的不純物
)によるアルミニウム合金基板が使用され、一例では該アルミニウム合金基板に無電解N
i-Pめっき処理を施した後に、表面を平滑に研磨する工程で製造されている。
【0003】
例えば、前記JIS 5086合金を用いた磁気ディスク用アルミニウム合金基板は、
以下の製造工程により製造される。まず、所望の化学成分としたアルミニウム合金を鋳造
し、その鋳塊を均質化した後に熱間圧延し、次いで冷間圧延を施し、磁気ディスクとして
必要な厚みのアルミニウム合金板を作製する。このアルミニウム合金板は、必要に応じ冷
間圧延の途中等に焼鈍を施すことが好ましい。次に、このアルミニウム合金板を円環状に
打ち抜いて円環状ディスクブランクとし、前記製造工程により生じた歪み等を除去するた
め、円環状ディスクブランクを積層し、両面から加圧しつつ焼鈍を施して平坦化する加圧
焼鈍を行う。このようにして作製された円環状ディスクブランクに、前処理として切削加
工、研削加工、脱脂処理、エッチング処理、ジンケート処理(Zn置換処理)を施し、次
いで下地処理として硬質非磁性金属であるNi-P無電解めっき処理をし、該Ni-Pめ
っき処理を施した表面を研磨することで磁気ディスク用アルミニウム合金基板が製造され
る。
【0004】
近年、クラウドサービスの発展に伴い、データセンターの新設や既存のデータセンター
における大容量HDDへの交換が積極的に進んでいる。そのような昨今の状況から、HD
Dの大容量化は必要不可欠となっている。HDDの大容量化には、磁気ディスクの搭載枚
数を増やすこと、および磁気ディスク1枚あたりの容量を増やすことが重要である。前者
においては磁気ディスクの厚さを薄くする必要があり、後者では磁気ディスク用アルミニ
ウム合金基板表面のNi-Pめっき表面の欠陥を少なくする必要がある。上記両者の方法
は技術的には可能であるが、上記両者の方法を行うと磁気ディスクの製造工程において歩
留まりが悪くなる。具体的には、前者について磁気ディスクを薄くすると圧延や研削等に
おいてより高い加工精度が求められることとなり、後者のNi-P表面の欠陥については
発生数の閾値がより厳しくなる。つまりは、不良品となる磁気ディスク用アルミニウム合
金基板の数量が増えることとなり、今後の磁気ディスクの需要を考慮すると磁気ディスク
用アルミニウム合金基板の不良品が増えていくことは容易に予想される。
【0005】
近年では環境保全への関心の高まりから、金属製品のリサイクル技術の確立が必要不可
欠となってきている。また、金属の種類としては地政学的なリスクが顕在化していること
も明らかになってきた。アルミニウムは比較的リサイクルがしやすい金属種ではあるが、
その合金系によりリサイクルの難易度は変わる。例えば、アルミ缶材料であれば同じ合金
を集めて原料とすることができるため、容易に再びアルミ缶材料とすることができる。し
かし、熱交換器用材料として使用されるアルミニウムクラッド材は異なる組成のアルミニ
ウム合金の多層構造となっており、各層を分離することが不可能である。このため、アル
ミニウムクラッド材全体を再溶解および鋳造することが必要となり、再溶解・鋳造時に元
々の合金組成から変化してしまうため、リサイクルした先の用途の使用範囲が限られてく
る可能性がある。
【0006】
一方、磁気ディスク用のアルミニウム合金は、めっき欠陥不具合の改善を目的に高純度
の地金を多量に使用しFeやSi等の含有量を制限した高コストの材料である。そのため
、可能な限りリサイクルすることで、高純度の地金の使用量を減らすことが可能となる。
これにより、高純度の地金を製造する量を削減でき、少なからず環境保全への一助となる
。
【0007】
磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造工程において圧延や研削等で所定の基準を
満たさず不良品となった場合には、そのまま原料の一部として再利用することが可能であ
る。しかし、表面にNi-Pめっき層等の皮膜が形成された磁気ディスク用アルミニウム
合金基板の状態で不良品となると、そのリサイクルは複雑となる。すなわち、磁気ディス
ク用アルミニウム合金基板にはNi-Pめっき層等の皮膜が付与されているため、例えば
HDDの筐体等の鋳物合金として使用することが可能となる。この一方で前述の通り、高
純度の地金を多量に使用したアルミニウム合金を単に鋳物として再利用することは、リサ
イクルの効率としては悪かった。このため、不良品となった磁気ディスク用アルミニウム
合金基板を圧延材、好ましくは再び磁気ディスク用のアルミニウム合金材として再利用す
ることが望まれていた。
【0008】
このような背景から、アルミニウム合金からのNi-Pめっき層等の皮膜の分離、およ
びアルミニウム合金基板の回収方法の技術確立が求められている。
【0009】
例えば特許文献1には、Ni-Pめっき層が付与されたままのアルミニウム合金基板を
、Al-Si系合金用の原料として再利用する手法が開示されている。この技術ではアル
ミニウム合金基板の再利用は可能であるが、高純度の地金を使用したアルミニウム合金基
板を効率的に利用することが困難であった。
【0010】
特許文献2には、Ni-Pめっき層を除去した後の基板を、再びめっき工程に戻して再
利用する手法が開示されている。この技術では、再生したアルミニウム合金基板は再利用
可能とする。しかし、昨今の磁気ディスク用アルミニウム合金基板はNi-Pめっき層の
欠陥に対する要求が極めて厳しくなっている。このため、Ni-Pめっき層等の皮膜を剥
離したアルミニウム合金基板をそのまま再利用すると、表面にダメージを受けた状態でア
ルミニウム合金基板にめっき処理が施されるため、めっき表面の欠陥が多発する可能性が
あった。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社UACJ
未塗装の缶蓋用アルミニウム合金板
4日前
株式会社UACJ
未塗装の缶蓋用アルミニウム合金板
4日前
株式会社UACJ
未塗装の缶蓋用アルミニウム合金板
4日前
株式会社UACJ
未塗装の缶蓋用アルミニウム合金板
4日前
宏幸株式会社
金属回収方法
3か月前
個人
高強度せん断補強筋用の鋼材
3か月前
株式会社神戸製鋼所
鋼材
2か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
3か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
3か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼線
18日前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
線材
18日前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
住友金属鉱山株式会社
銅の製造方法
5日前
JFEスチール株式会社
浸炭鋼部品
3か月前
日本製鉄株式会社
鉄道車輪
1か月前
日本製鉄株式会社
鉄道車輪
1か月前
JFEスチール株式会社
亜鉛回収方法
7日前
日本精線株式会社
銅合金
3か月前
日本製鉄株式会社
軸受用鋼管
1か月前
日本製鉄株式会社
焼結鉱の製造方法
1か月前
株式会社村田製作所
スズイオンの分離方法
2か月前
株式会社プロテリアル
合金部材及び合金部材の製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
熱間圧延鋼材
3か月前
株式会社小松製作所
耐摩耗部品
1か月前
中部リサイクル株式会社
銅含有物の製造方法
3か月前
住友金属鉱山株式会社
酸化亜鉛鉱の製造方法
4か月前
個人
セラックを用いた成型体及び構造体の製造方法
4か月前
山陽特殊製鋼株式会社
肉盛層
25日前
大同特殊鋼株式会社
軟磁性材料
4か月前
大電株式会社
アルミニウム素線及びアルミニウム電線
3か月前
三菱マテリアル株式会社
銅合金板
28日前
続きを見る
他の特許を見る