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公開番号
2025092098
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023207754
出願日
2023-12-08
発明の名称
ネオンの製造方法およびネオンの製造装置
出願人
エア・ウォーター株式会社
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
F25J
3/02 20060101AFI20250612BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約
【課題】ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造するにあたり、吸着塔にかかる負荷を低減し、ネオンを効率よく製造できる方法を提供する。ネオンを効率よく製造できる装置を提供する。
【解決手段】ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造する方法であって、前記原料混合ガスと酸素含有ガスを触媒に接触させて水素ガスを水に変換する水素ガス変換工程と、前記水素ガス変換工程を経て得られたガスから水を除去する水除去工程と、前記水除去工程を経て得られたガスを精留して窒素を除去する第1窒素精留分離工程と、前記第1窒素精留分離工程を経て得られたガスを吸着剤に接触させて窒素を除去する不純物ガス吸着分離工程と、前記不純物ガス吸着分離工程を経て得られたガスを精留してヘリウムガスを除去するヘリウム精留分離工程と、を含むネオンの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造する方法であって、
前記原料混合ガスと酸素含有ガスを触媒に接触させて水素ガスを水に変換する水素ガス変換工程と、
前記水素ガス変換工程を経て得られたガスから水を除去する水除去工程と、
前記水除去工程を経て得られたガスを精留して窒素を除去する第1窒素精留分離工程と、
前記第1窒素精留分離工程を経て得られたガスを吸着剤に接触させて不純物ガスを除去する不純物ガス吸着分離工程と、
前記不純物ガス吸着分離工程を経て得られたガスを精留してヘリウムガスを除去するヘリウム精留分離工程と、
を含むネオンの製造方法。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記第1窒素精留分離工程と前記不純物ガス吸着分離工程との間に、
前記第1窒素精留分離工程を経て得られたガスを、-196℃~-210℃の冷媒との間で熱交換した後、気液分離してガスを分離するガス分離工程を含み、
前記不純物ガス吸着分離工程では、前記ガス分離工程を経て得られたガスを吸着剤に接触させる請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記不純物ガス吸着分離工程では、-100℃以下で温度スイング吸着法により不純物ガスを除去する請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記不純物ガス吸着分離工程と前記ヘリウム精留分離工程との間に、
前記不純物ガス吸着分離工程を経て得られたガスを精留して窒素を除去する第2窒素精留分離工程を含み、
前記ヘリウム精留分離工程では、前記第2窒素精留分離工程を経て得られたガスを精留してヘリウムガスを除去する請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記不純物ガス吸着分離工程では、常温で圧力スイング吸着法により不純物ガスを除去する請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記原料混合ガスは、更に一酸化炭素を含み、
前記原料混合ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に変換する一酸化炭素変換工程と、
前記一酸化炭素変換工程を経て得られたガスから二酸化炭素を除去する二酸化炭素除去工程と、
を含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造する装置であって、
前記原料混合ガスと酸素含有ガスが接触する触媒を備えた触媒塔と、
前記触媒塔からのガスに含まれる水を除去する水除去設備と、
前記水除去設備からのガスを精留して窒素を除去する第1窒素除去精留塔と、
前記第1窒素除去精留塔からのガスと、-196℃~-210℃の冷媒との間で熱交換する熱交換器と、
前記熱交換器からの流体を気液分離する気液分離器と、
前記気液分離器からのガスに含まれる不純物ガスを温度スイング吸着法により吸着する温度スイング吸着塔と、
前記温度スイング吸着塔からのガスを精留してヘリウムガスを除去し、ネオンを精製させるネオン精製精留塔と、
を含むネオンの製造装置。
【請求項8】
ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造する装置であって、
前記原料混合ガスと酸素含有ガスが接触する触媒を備えた触媒塔と、
前記触媒塔からのガスに含まれる水を除去する水除去設備と、
前記水除去設備からのガスを精留して窒素を除去する第1窒素除去精留塔と、
前記第1窒素除去精留塔からのガスに含まれる不純物ガスを圧力スイング吸着法により吸着する圧力スイング吸着塔と、
前記圧力スイング吸着塔からのガスを精留して窒素を除去する第2窒素除去精留塔と、
前記第2窒素除去精留塔からのガスを精留してヘリウムガスを除去し、ネオンを精製させるネオン精製精留塔と、
を含むネオンの製造装置。
【請求項9】
前記原料混合ガスは、更に一酸化炭素を含み、
前記原料混合ガスが接触する触媒を備えた第2触媒塔と、
前記第2触媒塔からのガスに含まれる二酸化炭素を除去する二酸化炭素除去設備と、
を含む請求項7または8に記載の製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネオンの製造方法およびネオンの製造装置に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ネオンは、蛍光灯などの放電用封入ガスとして用いられたり、半導体や液晶関連のレーザ向けなどの用途で用いられている。
【0003】
ネオンは、空気中に約18ppm含まれており、深冷空気分離装置(Air Separation Unit;ASU)にて原料空気から酸素、窒素、アルゴン等を分離する際に残ったガス(以下、残ガスということがある。)から分離することにより製造できる。原料空気を液化蒸留して酸素、窒素、アルゴン等を製造する際に、窒素より沸点の低いヘリウム、ネオン、水素等は凝縮されない残ガスとして下部精留塔の上部から放出される。この放出は、ヘリウム抜きと呼ばれることがある。ヘリウム抜きにより放出された残ガスには、ネオンが含まれているため、ネオンは、残ガスから分離することにより製造できる。残ガスには、ネオンの他、ヘリウムおよび水素が含まれているが、窒素も混入してしまう。ネオンを製造するにあたっては、ネオンを精製するまでに窒素をいかに除去するかが重要となる。
【0004】
残ガスからネオンを製造する方法としては、非特許文献1や特許文献1の技術が知られている。非特許文献1には、残ガスを精留塔で精留して窒素濃度を33%まで低減した後、触媒に水素と酸素を接触させて水素を除去し、次いで、低温吸着を2回行ってから、最終精製してネオンを製造する方法が記載されている。特許文献1には、残ガスから凝縮分離操作で大部分の窒素を除去する工程と、合成ゼオライトを用いた常温圧力変動式吸着法によって残留する窒素を除去する工程と、活性炭を用いた-100℃以下の低温圧力変動式吸着法によって水素を除去してネオンとヘリウムを分離する工程とからなるネオン、ヘリウムの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3268177号
【非特許文献】
【0006】
W.H.Isalski、「Separation of Gases」(Monographs on cryogenics.5)、Clarendon Press,1989、p.100-101
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1では、ネオンを最終精製するにあたり冷媒として液化水素を用いているが、液化水素の温度は-259.2℃~-253℃であり、窒素の固化温度は-210℃であるため、最終精製に供するガスに窒素が含まれていると最終精製時に窒素が固化し、配管等を閉塞してしまう。従って非特許文献1では、最終精製工程の前に窒素をできる限り除去するために、低温吸着を2回行う必要がある。特許文献1では、合成ゼオライトを備えた常温圧力変動式吸着塔と、活性炭を備えた-100℃以下で操業される低温圧力変動式吸着塔を併用している。こうした吸着塔を操業するにあたっては、吸着塔に備えられている吸着剤に吸着したガスを吸着剤から脱着させて吸着剤を再生する必要がある。そのため、連続操業するには吸着塔を複数配置し、一方の吸着塔では所定のガスを吸着させつつ、他方の吸着塔では吸着させた所定のガスを脱着させる必要がある。また、吸着塔で吸着除去するガスの種類と量が増えると、吸着塔にかかる負荷が増大するため、吸着塔の使用時間を短くして切替え、吸着と再生を繰り返す必要がある。或いは吸着塔の台数を増やしたり、吸着塔を大きくして処理能力を高める必要がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造するにあたり、吸着塔にかかる負荷を低減し、ネオンを効率よく製造できる方法を提供することにある。本発明が解決しようとする他の課題は、ネオンを効率よく製造できる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の通りである。
[1] ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造する方法であって、前記原料混合ガスと酸素含有ガスを触媒に接触させて水素ガスを水に変換する水素ガス変換工程と、前記水素ガス変換工程を経て得られたガスから水を除去する水除去工程と、前記水除去工程を経て得られたガスを精留して窒素を除去する第1窒素精留分離工程と、前記第1窒素精留分離工程を経て得られたガスを吸着剤に接触させて不純物ガスを除去する不純物ガス吸着分離工程と、前記不純物ガス吸着分離工程を経て得られたガスを精留してヘリウムガスを除去するヘリウム精留分離工程と、を含むネオンの製造方法。
[2] 前記第1窒素精留分離工程と前記不純物ガス吸着分離工程との間に、前記第1窒素精留分離工程を経て得られたガスを、-196℃~-210℃の冷媒との間で熱交換した後、気液分離してガスを分離するガス分離工程を含み、前記不純物ガス吸着分離工程では、前記ガス分離工程を経て得られたガスを吸着剤に接触させる[1]に記載の製造方法。
[3] 前記不純物ガス吸着分離工程では、-100℃以下で温度スイング吸着法により不純物ガスを除去する[2]に記載の製造方法。
[4] 前記不純物ガス吸着分離工程と前記ヘリウム精留分離工程との間に、前記不純物ガス吸着分離工程を経て得られたガスを精留して窒素を除去する第2窒素精留分離工程を含み、前記ヘリウム精留分離工程では、前記第2窒素精留分離工程を経て得られたガスを精留してヘリウムガスを除去する[1]に記載の製造方法。
[5] 前記不純物ガス吸着分離工程では、常温で圧力スイング吸着法により不純物ガスを除去する[4]に記載の製造方法。
[6] 前記原料混合ガスは、更に一酸化炭素を含み、前記原料混合ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に変換する一酸化炭素変換工程と、前記一酸化炭素変換工程を経て得られたガスから二酸化炭素を除去する二酸化炭素除去工程と、を含む[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7] ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造する装置であって、前記原料混合ガスと酸素含有ガスが接触する触媒を備えた触媒塔と、前記触媒塔からのガスに含まれる水を除去する水除去設備と、前記水除去設備からのガスを精留して窒素を除去する第1窒素除去精留塔と、前記第1窒素除去精留塔からのガスと、-196℃~-210℃の冷媒との間で熱交換する熱交換器と、前記熱交換器からの流体を気液分離する気液分離器と、前記気液分離器からのガスに含まれる不純物ガスを温度スイング吸着法により吸着する温度スイング吸着塔と、前記温度スイング吸着塔からのガスを精留してヘリウムガスを除去し、ネオンを精製させるネオン精製精留塔と、を含むネオンの製造装置。
[8] ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造する装置であって、前記原料混合ガスと酸素含有ガスが接触する触媒を備えた触媒塔と、前記触媒塔からのガスに含まれる水を除去する水除去設備と、前記水除去設備からのガスを精留して窒素を除去する第1窒素除去精留塔と、前記第1窒素除去精留塔からのガスに含まれる不純物ガスを圧力スイング吸着法により吸着する圧力スイング吸着塔と、前記圧力スイング吸着塔からのガスを精留して窒素を除去する第2窒素除去精留塔と、前記第2窒素除去精留塔からのガスを精留してヘリウムガスを除去し、ネオンを精製させるネオン精製精留塔と、を含むネオンの製造装置。
[9] 前記原料混合ガスは、更に一酸化炭素を含み、前記原料混合ガスが接触する触媒を備えた第2触媒塔と、前記第2触媒塔からのガスに含まれる二酸化炭素を除去する二酸化炭素除去設備と、を含む[7]または[8]に記載の製造装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明のネオンの製造方法によれば、ネオン、ヘリウム、水素、および窒素を含む原料混合ガスからネオンを製造するにあたり、吸着塔にかかる負荷を低減し、ネオンを効率よく製造できる。本発明のネオンの製造装置によれば、ネオンを効率よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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