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公開番号
2025091796
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023207257
出願日
2023-12-07
発明の名称
リチウム化合物の製造原料液の製造方法、水酸化リチウム粉末の製造方法及び炭酸リチウム粉末の製造方法
出願人
DOWAテクノロジー株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C01D
15/02 20060101AFI20250612BHJP(無機化学)
要約
【課題】リチウムイオン電池などの廃棄物を酸浸出し、得られた浸出液を被処理水として処理して高純度のリチウム化合物の製造原料として有用なリチウム含有液を得るプロセスに関して、廃棄物となり得る物質の生成量を抑制したプロセス等を提供することを目的とする。
【解決手段】被処理水に所定の工程1を実施し、得られた処理液Aに所定の工程2を実施し、得られた処理液Bに所定の工程3を実施し、得られた処理液Cに所定の工程4を実施する、リチウム化合物の製造原料液の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
リチウムイオンと、ナトリウムイオンと、リチウムイオン及びナトリウムイオン以外の金属イオンと、フッ化物イオンと、塩化物イオンとを含む酸性の被処理水を処理してリチウム化合物の製造原料液を製造する方法であって、
前記被処理水の処理においては、
前記被処理水にカルシウム化合物を添加し及び被処理水のpHを弱アルカリ性にすることで固形物を形成した後、該固形物を含有する被処理水を固液分離処理して処理液Aを得る工程1と、
前記処理液Aにアルカリ物質を添加して処理液AのpHをアルカリ性にすることで固形物を形成した後、該固形物を含有する処理液Aを固液分離処理して処理液Bを得る工程2と、
前記処理液Bにシュウ酸イオン源及び/又は炭酸イオン源を添加して固形物を形成した後、該固形物を含有する処理液Bを固液分離処理して処理液Cを得る工程3と、
前記処理液Cを、アニオン交換層とカチオン交換層とを備えるバイポーラ膜、及びカチオン交換膜を備えた電気透析装置により電気透析することで、前記カチオン交換膜を透過したリチウムイオン及びナトリウムイオンを含むアルカリ液を、前記リチウム化合物の製造原料液として得る工程4と
を実施する、リチウム化合物の製造原料液の製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記工程1に供される被処理水のpHが0.1~2.5であり、
前記工程1において、前記被処理水のpHを7.1~9.0にし、
前記工程2において、前記処理液AのpHを9.8~13.0にする、請求項1に記載のリチウム化合物の製造原料液の製造方法。
【請求項3】
前記処理液Cをナノフィルターによりろ過し、得られたろ液に逆浸透膜処理を実施して濃縮液を得る工程3’を実施し、該工程3’で得られた濃縮液を前記工程4に供する、請求項1に記載のリチウム化合物の製造原料液の製造方法。
【請求項4】
前記カルシウム化合物及びアルカリ物質が消石灰であり、前記ナノフィルターがポリピペラジン又はポリアミドで形成されている、請求項3に記載のリチウム化合物の製造原料液の製造方法。
【請求項5】
前記工程1に供される被処理水が、リン酸イオンを更に含み、前記金属イオンとして、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、鉄イオン、銅イオン及び亜鉛イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項4に記載のリチウム化合物の製造原料液の製造方法。
【請求項6】
前記工程1に供される被処理水中の、リチウムイオンの含有量が1000ppm以上であり、ナトリウムイオンの含有量が100ppm以下であり、フッ化物イオンの含有量が1000ppm以上であり、塩化物イオンの含有量が10000ppm以上であり、リン酸イオンの含有量が400ppm以上であり、鉄イオンの含有量が5ppm以上であり、ニッケルイオンの含有量が300ppm以上であり、アルミニウムイオンの含有量が1500ppm以上である、請求項5に記載のリチウム化合物の製造原料液の製造方法。
【請求項7】
前記被処理水が、リチウムイオン電池を含む廃棄物を焙焼工程、破砕工程及び磁選工程を含む粒状化処理に供して得られた粒状物を、塩酸で浸出して得られた浸出液である、請求項1に記載のリチウム化合物の製造原料液の製造方法。
【請求項8】
前記アルカリ液中の、リチウムイオンの含有量が2000ppm以上であり、ナトリウムイオンの含有量が800ppm以下である、請求項7に記載のリチウム化合物の製造原料液の製造方法。
【請求項9】
前記工程3において炭酸アンモニウム及び/又は重炭酸アンモニウムを使用し、
前記工程4で得られるアルカリ液がさらにアンモニアを含み、
前記アルカリ液からアンモニアを蒸発させて、前記アンモニアの少なくとも一部が除去されたアルカリ液を、前記リチウム化合物の製造原料液として得る工程5を更に実施する、
請求項8に記載のリチウム化合物の製造原料液の製造方法。
【請求項10】
リチウムイオン電池を含む廃棄物を、500~1000℃で加熱したのち、粉砕機を用いて破砕して前記廃棄物を粒状化し、得られた粒状物に対して磁力選別を行い、得られた非磁着物を塩酸に浸漬して塩酸浸出液を得て、該浸出液を前記被処理水として、請求項1~9のいずれかに記載のリチウム化合物の製造原料液の製造方法を実施する、リチウム化合物の製造原料液の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム化合物の製造原料液の製造方法、水酸化リチウム粉末の製造方法及び炭酸リチウム粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年は、製品寿命や製造不良等の理由により廃棄されたリチウムイオン電池や基板などの廃棄物から、各種の有価金属を回収することが広く検討されている。
【0003】
前記リチウムイオン電池においては、代表的に使用される材料として、正極についてコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リン酸鉄リチウム及びマンガン酸リチウムが挙げられ、電極の集電体としてアルミ箔や銅箔が挙げられ、電解液についてヘキサフルオロリン酸リチウムが挙げられ、電池の外装缶についてアルミニウムや鉄が挙げられる。また基板の配線の材料は代表的には銅である。従ってリチウムイオン電池や基板などの廃棄物から回収できる有価金属の例としては、コバルト、ニッケル、マンガン、銅、リチウム、アルミニウム、鉄などが挙げられる。これらの金属を高い収率で低コストで回収すべく、様々な検討がなされている。
【0004】
回収する有価金属は高純度な物質として得られれば価値が高い。高純度な物質を得るためには様々な手法を組み合わせて分離を行うことになる。回収の方式について、一般論として、廃棄物を炉に投入して高温下で全て熔解し、有価物のメタルとスラグとに分離する乾式処理と、酸や中和や溶媒抽出などの方法を用いる湿式処理が挙げられる。湿式処理は、消費するエネルギーが少なく、使用する薬剤や条件の適切な設定により、有価金属を個々に分離することができるというメリットがある。
【0005】
廃棄物の湿式処理を検討したものとして、例えば特許文献1には、コバルト、ニッケル及びマンガンに着目し、特定の前段中和工程と後段中和工程を行って、これらの金属を含む中和残渣を得ることが記載されている。
特許文献2には、陽イオン交換膜、バイポーラ膜、陰イオン交換膜を備えたバイポーラ電気透析装置により硫酸ナトリウム及びリチウムを含む水溶液を処理して、リチウム含有水酸化ナトリウム水溶液を得ること、当該水溶液がpH調整剤として利用できることが記載されている。
【0006】
特許文献3には、リン酸鉄リチウムバッテリー材料内から遊離した材料を含む黒色塊供給材料を酸浸出し更に処理していく方法として、酸浸出液中の鉄及びリンを沈殿として除去するために、水酸化カルシウムによりpHを8~11に調整すること、及びリチウムを炭酸ナトリウムと反応させて炭酸リチウムとすることが記載されている。
【0007】
なお特許文献4には、リチウム含有塩水を原料として水酸化リチウム一水和物を製造する工程において、塩水中のカルシウムを低減するためにシュウ酸処理することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2023-63319号公報
特開2012-171827号公報
特表2023-516663号公報
特表2011-518257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
リチウムイオン電池などの廃棄物を酸浸出して得られた浸出液は、リチウムイオン、フッ化物イオン、浸出に用いられた酸由来の(共役塩基である)陰イオンなどを含んでいる。またナトリウムイオンも微量含んでいる。
【0010】
リチウムは、水酸化リチウムや炭酸リチウムなどのリチウム化合物の形態でリチウムイオン電池の製造に用いられる。前記の浸出液のような被処理水からリチウムを回収してリチウムイオン電池の材料として再利用することを考えた時、バッテリーグレードのリチウム化合物には高い純度が求められており、リチウム以外の成分を十分に除去してリチウムを回収することが求められる。
(【0011】以降は省略されています)
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