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公開番号2025089837
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2023204744
出願日2023-12-04
発明の名称粘着剤層形成材料、粘着シート中間体、粘着シートの製造方法、および、粘着シート
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類C09J 201/00 20060101AFI20250609BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】溶剤の使用量を低減し、紫外線照射前には優れた粘着力を発揮し、紫外線照射後には糊残りなく被着体から剥離し得る粘着シートが提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態の粘着剤層形成材料は、モノマー成分と;光酸発生剤と;0.1重量%溶液の波長365nmにおける吸光度が0.25以下である光重合開始剤と、を含む。また、本発明の実施形態の粘着シート中間体は、粘着剤前駆体層と、基材と、を含み、粘着剤前駆体層は粘着剤層形成材料から形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
モノマー成分と;光酸発生剤と;0.1重量%溶液の波長365nmにおける吸光度が0.25以下である光重合開始剤と、を含む、粘着剤層形成材料。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記モノマー成分が多官能エポキシモノマーを含む、請求項1に記載の粘着剤層形成材料。
【請求項3】
エチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリルモノマーをさらに含む、請求項1に記載の粘着剤層形成材料。
【請求項4】
粘着剤前駆体層と、基材と、を含む粘着シート中間体であって、
該粘着剤前駆体層が、請求項1から3のいずれか1項に記載の粘着剤層形成材料を用いて形成される、粘着シート中間体。
【請求項5】
基材に請求項1から3のいずれかに記載の粘着剤層形成材料を用いて粘着剤前駆体層を形成し、粘着シート中間体を形成することと、
該粘着シート中間体に波長340nm~波長360nmにピークトップを有するUVランプを用いて積算光量が10mJ/cm

~1000mJ/cm

となるよう紫外線を照射することと、を含む粘着シートの製造方法。
【請求項6】
光カチオン重合体と、0.1重量%溶液の波長365nmにおける吸光度が0.25以下である光重合開始剤と、を含む粘着剤層と、基材と、を含む粘着シート。
【請求項7】
前記粘着剤層のフーリエ変換赤外分光法で測定した波数805cm
-1
~815cm
-1
における紫外線照射前ピーク値P

と、前記粘着剤層に積算光量2000mJ/cm

の紫外線を照射した後の波数805cm
-1
~815cm
-1
におけるピーク値P

とが、P

/P

≦0.8の関係を満たす、請求項6に記載の粘着シート。
【請求項8】
半導体加工用に用いられる、請求項6に記載の粘着シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤層形成材料、粘着シート中間体、粘着シートの製造方法、および、粘着シートに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
粘着シートは、被着体の表面保護、および、固定を目的として広く用いられている。例えば、半導体ウエハの加工工程では、被着体である半導体ウエハをバックグラインド工程、および、ダイシング工程で適切に保持するために用いられる。近年、チップの微細化および薄型化が進められており、加工時に半導体ウエハを薄く研削しても半導体ウエハを適切に保持可能な粘着力が要求される。粘着シートは代表的には、粘着剤層と基材から構成される(例えば、特許文献1)。半導体ウエハの加工に用いられる粘着シートでは、剥離時に糊残りなく容易に剥離するため、紫外線照射により粘着力を低下させる粘着シートが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-31620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、環境負荷の低減のため、溶剤の使用量を低減することが試みられている。溶剤の使用量を低減可能な重合体の重合方法として光重合法を用いる方法が知られている。しかしながら、この方法を用いる場合、得られた粘着剤に光重合開始剤を添加しても十分に粘着力が低下しない場合がある。剥離時の糊残りを抑制するため、紫外線照射前には優れた粘着力を発揮し、紫外線照射後には糊残りなく被着体から剥離し得る粘着シートが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.本発明の実施形態の粘着剤層形成材料は、モノマー成分と;光酸発生剤と;0.1重量%溶液の波長365nmにおける吸光度が0.25以下である光重合開始剤と、を含む。
2.上記1の粘着剤層形成材料において、上記モノマー成分は多官能エポキシモノマーを含んでいてもよい。
3.上記1または2に記載の粘着剤層形成材料は、エチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリルモノマーをさらに含んでいてもよい。
4.本発明の別の局面においては粘着シート中間体が提供される。この粘着シート中間体は、粘着剤前駆体層と、基材と、を含み、該粘着剤前駆体層は、上記1から3のいずれか1つに記載の粘着剤層形成材料を用いて形成される。
5.本発明のさらに別の局面においては粘着シートの製造方法が提供される。この製造方法は、基材に上記1から3のいずれかに記載の粘着剤層形成材料を用いて粘着剤前駆体層を形成し、粘着シート中間体を形成することと、該粘着シート中間体に波長340nm~波長360nmにピークトップを有するUVランプを用いて積算光量が10mJ/cm

~1000mJ/cm

となるよう紫外線を照射することと、を含む。
6.本発明のさらに別の局面においては、粘着シートが提供される。この粘着シートは、光カチオン重合体と、0.1重量%溶液の波長365nmにおける吸光度が0.25以下である光重合開始剤と、を含む粘着剤層と、基材と、を含む。
7.上記6に記載の粘着シートにおいて、上記粘着剤層のフーリエ変換赤外分光法で測定した波数805cm
-1
~815cm
-1
における紫外線照射前ピーク値P

と、上記粘着剤層に積算光量2000mJ/cm

の紫外線を照射した後の波数805cm
-1
~815cm
-1
におけるピーク値P

とが、P

/P

≦0.8の関係を満たしていてもよい。
8.上記6または7に記載の粘着シートは、半導体加工用に用いられてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態の粘着剤層形成材料、粘着シート中間体、および、粘着シートの製造方法によれば、溶剤の使用量を低減し粘着シートを製造し得る。本発明の実施形態の粘着剤シートは、紫外線照射前には優れた粘着力を発揮し、紫外線照射後には糊残りなく被着体から剥離し得る粘着シートが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による粘着シート中間体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.粘着剤層形成材料
本発明の実施形態の粘着剤層形成材料は、モノマー成分と;光酸発生剤と;0.1重量%溶液の波長365nmにおける吸光度が0.25以下である光重合開始剤(以下、光重合開始剤(A))と、を含む。本発明の実施形態の粘着剤層形成材料は粘度が低く(例えば、25℃で20Pa・s以下)、有機溶剤等の希釈剤を用いることなく被着体に塗布することができる。また、本発明の実施形態の粘着剤層形成材料は、後の波長340nm~波長360nmにピークトップを有するUVランプを用いて積算光量が10mJ/cm

~1000mJ/cm

となるよう紫外線を照射した後、粘着剤に含まれるベースポリマーを構成するモノマー成分、および、粘着剤に含まれ得る添加剤で構成されるものであり、実質的に有機溶剤を含まない。本発明の実施形態によれば、製造工程での有機溶剤の使用量を低減し、粘着剤および粘着シートを製造可能な粘着剤層形成材料が提供され得る。この粘着剤層形成材料を用いて形成した粘着剤前駆体層に被着体に塗布した後、粘着剤前駆体層に波長340nm~波長360nmにピークトップを有するUVランプを用いて積算光量が10mJ/cm

~1000mJ/cm

となるよう紫外線を照射すれば粘着剤前駆体層中で光酸発生剤から酸が発生し、モノマー成分が光カチオン重合され得る。その結果、光カチオン重合体を含む粘着剤層が基材上で形成され、粘着シートが得られ得る。また、粘着剤層形成材料に含まれる光重合開始剤(A)は、形成された粘着剤層に含まれる。したがって、形成された粘着剤層は紫外線硬化型粘着剤層として機能し得る。したがって、例えば、本発明の実施形態の半導粘着シートは、半導体ウエハ加工工程に好適に用いられ得る。
【0009】
A-1.モノマー成分
モノマー成分としては、任意の適切なモノマーが用いられる。例えば、エポキシモノマー、(メタ)アクリルモノマー、エポキシアクリレートモノマー、ビニルモノマー等が挙げられる。好ましくはエポキシモノマー、および、(メタ)アクリルモノマーであり、より好ましくはエポキシモノマーと(メタ)アクリルモノマーとの組み合わせが用いられる。エポキシモノマー、および、(メタ)アクリルモノマーを用いれば、エポキシモノマーのカチオン重合と(メタ)アクリルモノマーのラジカル重合との2つの重合系を用いた硬化(デュアルキュア)が可能となり、UV重合を用いた粘着シートの製造と、半導体ウエハ加工後のUV硬化による粘着シートの軽剥離化とを両立することが可能となり得る。モノマー成分は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
A-1-1.エポキシモノマー
エポキシモノマーとしてはエポキシ基を有する任意の適切な化合物を用いることができる。好ましくは、官能基を有するエポキシモノマーが用いられる。例えば、4-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、m,p-クレジルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル等の単官能エポキシモノマー;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノールなどのビスフェノール化合物またはこれらの誘導体、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノールなどの脂環構造を有するジオールまたはこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールなどの脂肪族ジオールまたはこれらの誘導体などをエポキシ化した2官能のもの、トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のもの、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂などをエポキシ化した多官能のものなどが挙げられる。好ましくは、多官能エポキシモノマーが用いられる。エポキシモノマーとしては、より好ましくは多官能エポキシモノマーが用いられ、さらに好ましくはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノールなどのビスフェノール化合物またはこれらの誘導体等が用いられる。これらの多官能エポキシモノマーであれば、エポキシ基によるカチオン重合時に架橋反応が生じ、より凝集力が高く、優れた粘着特性を有する粘着剤層を有する粘着テープが得られ得る。エポキシモノマーは1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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