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公開番号
2025085806
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-05
出願番号
2025047317,2019504144
出願日
2025-03-21,2018-09-28
発明の名称
粘着剤組成物、及び粘着テープ
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C09J
133/06 20060101AFI20250529BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】ポリプロピレン樹脂等の難被着体に対して粘着力が高く、かつ軟質ポリ塩化ビニル樹脂に対して、経時的な粘着力の低下を抑制した粘着剤組成物、及び該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供する。
【解決手段】本発明の粘着剤組成物は、重量平均分子量が55万~100万であるアクリル系重合体(X)100質量部、軟化点が140~160℃である粘着付与樹脂(Y)3~9質量部、及び架橋剤(Z)を含む粘着剤組成物である。前記アクリル系重合体(X)は、アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)を60質量%以上含む(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)100質量部と、カルボキシル基含有モノマー(B)5~18質量部とを含むモノマー成分の重合体である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
重量平均分子量が55万~100万であるアクリル系重合体(X)100質量部、軟化点が140~160℃である粘着付与樹脂(Y)3~9質量部、及び架橋剤(Z)を含む粘着剤組成物であり、
前記アクリル系重合体(X)は、アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)のみからなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)100質量部と、カルボキシル基含有モノマー(B)10~18質量部とのみからなるモノマー成分の重合体である、アクリル系粘着剤組成物。
続きを表示(約 770 文字)
【請求項2】
前記カルボキシル基含有モノマー(B)がアクリル酸である、請求項1に記載のアクリル系粘着剤組成物。
【請求項3】
前記架橋剤(Z)が金属キレート系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1又は2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープ。
【請求項5】
基材の少なくとも一面に、請求項1~3のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層が積層された、粘着テープ。
【請求項6】
前記基材がレーヨン成分を0.1~60質量%含有するパルプ繊維不織布である、請求項5に記載の粘着テープ。
【請求項7】
前記基材が、熱可塑性樹脂と可塑剤を含有する請求項5に記載の粘着テープ。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタールである請求項7に記載の粘着テープ。
【請求項9】
前記基材が、前記熱可塑性樹脂と可塑剤を含有する繊維よりなる不織布、及び多数の気泡を有する多孔質体のいずれかである請求項7又は8に記載の粘着テープ。
【請求項10】
前記基材が、熱可塑性樹脂と可塑剤を含有し、多数の気泡を有する多孔質体であって、
前記多孔質体は、ISO 16940に従って機械インピーダンス測定(MIM)により測定される0~50℃の範囲における1次反共振周波数の損失係数が0.2以上、かつ、0~30℃の範囲における2次反共振周波数が800Hz以下である請求項7~9のいずれか1項に記載の粘着テープ。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤組成物、及び該粘着剤組成物を用いた粘着テープに関する。より具体的には、例えば、軟質ポリ塩化ビニル樹脂を被着対象とし、また、可塑剤を含有する基材が粘着テープの基材として用いられる粘着剤組成物、及び該粘着剤組成物を用いた粘着テープに関する。
続きを表示(約 4,600 文字)
【背景技術】
【0002】
粘着テープは、作業性に優れることから、養生、梱包、補修等を目的として、広く使用されている。例えば、アクリル系の粘着剤層を有する粘着テープは、耐候性、耐久性、耐熱性、透明性等の各種物性に優れているため、車両、住宅、電子機器内部等において部材を固定するために広く利用されている。
粘着テープとしては、基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられる粘着剤層を備えたものが多く用いられており、粘着剤層を構成する材料は、被着体に対する粘着力を左右するため、被着体の材料種類に応じた設計が必要になる。特許文献1では、アクリル系の粘着剤層を有する粘着テープを、軟質ポリ塩化ビニル樹脂に使用した場合の可塑剤の移行に起因する経時的な粘着力の低下を問題にしており、これを解決するために、特定のアクリル系共重合体と金属キレート架橋剤とを配合した粘着剤組成物を用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-199843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、軟質ポリ塩化ビニル樹脂を原材料とする部材、シート等が車両の内装材として用いられることが多く、このような内装材を被着対象とした粘着テープが必要とされている。そのため、上記した軟質ポリ塩化ビニル樹脂中の可塑剤の移行に起因する粘着力低下の課題をより高度に防止することが求められている。
また、一般に粘着テープは、車両用部材として広く用いられている極性の低いポリプロピレン樹脂等の被着体に対して粘着力が低く、このような難被着体に対しても、高い粘着力が要求されている。このような難被着体に対する粘着力を向上させる方法として、粘着剤層に粘着付与樹脂を一定量含有させる技術が知られているが、粘着付与樹脂を含有させる場合には、該粘着付与樹脂が上記した可塑剤の移行を促進してしまい、軟質ポリ塩化ビニル樹脂に対する経時的な粘着力低下という問題が生じる。したがって、軟質ポリ塩化ビニル樹脂に対する経時的な粘着力の低下を抑制しつつ、ポリプロピレン樹脂等の難被着体に対する粘着性も改善された粘着剤層を有する粘着テープが求められている。
また、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含む多孔質体を基材として用いる場合もあり、このような基材に対しても可塑剤の移行に由来する粘着力の低下を抑制できる、粘着テープが求められている。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、粘着付与樹脂を一定量含む粘着性組成物であって、経時的な粘着力の低下を抑制した粘着剤組成物、及びこれを用いた粘着テープを開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、特定の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと特定量のカルボキシル基含有モノマーとの重合体であるアクリル系重合体と、特定の粘着付与樹脂と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物、並びに該粘着剤組成物を用いた粘着テープが前記課題を解決できることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]~[18]に関する。
[1]重量平均分子量が55万~100万であるアクリル系重合体(X)100質量部、軟化点が140~160℃である粘着付与樹脂(Y)3~9質量部、及び架橋剤(Z)を含む粘着剤組成物であり、
前記アクリル系重合体(X)は、アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)を60質量%以上含む(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)100質量部と、カルボキシル基含有モノマー(B)5~18質量部とを含むモノマー成分の重合体である、粘着剤組成物。
[2]前記アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)がn-ブチル(メタ)アクリレートを含む、上記[1]に記載の粘着剤組成物。
[3]前記カルボキシル基含有モノマー(B)がアクリル酸である、上記[1]又は[2]に記載の粘着剤組成物。
[4]前記粘着付与樹脂(Y)がロジン系粘着付与樹脂である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[5]前記粘着付与樹脂(Y)が、分子量600以下の成分の含有量が13質量%以下である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[6]前記架橋剤(Z)が金属キレート系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤からなる群から選択される少なくとも一つである、上記[1]~[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7]上記[1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープ。
[8]基材の少なくとも一面に、上記[1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層が積層された、粘着テープ。
[9]前記基材がレーヨン成分を0.1~60質量%含有するパルプ繊維不織布である、上記[8]に記載の粘着テープ。
[10]前記基材が、熱可塑性樹脂と可塑剤を含有する上記[8]に記載の粘着テープ。
[11]前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタールである上記[10]に記載の粘着テープ。
[12]前記基材が、前記熱可塑性樹脂と可塑剤を含有する繊維よりなる不織布、及び多数の気泡を有する多孔質体のいずれかである上記[10]又は[11]に記載の粘着テープ。
[13]前記基材が、熱可塑性樹脂と可塑剤を含有し、多数の気泡を有する多孔質体であって、
前記多孔質体は、ISO 16940に従って機械インピーダンス測定(MIM)により測定される0~50℃の範囲における1次反共振周波数の損失係数が0.2以上、かつ、0~30℃の範囲における2次反共振周波数が800Hz以下である上記[10]~[12]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[14] 前記基材が、ポリビニルアセタールと可塑剤を含有し、かつ多数の気泡を有する多孔質体であって、
前記多孔質体は、伸長ひずみが300%以上、かつ、50%圧縮応力が70kPa以下である上記[10]~[12]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[15]前記基材が、ポリビニルアセタールと可塑剤を含有する繊維からなる不織布であって、
前記不織布は、目付が100~800g/m
2
であり、縦10cm、横10cm、厚さ4mmの不織布サンプルを縦10cm以上、横10cm以上、厚さ1cmの鉄板上に置き、一定の落球高さから不織布サンプルの中央に向かってJIS B 1501に準拠した1/2インチSUS玉を落したときの跳ね返り高さを測定したときの跳ね返り係数(跳ね返り高さ/落球高さ)が0.1以下である上記[10]~[12]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[16]粘着剤層のゲル分率が30~50質量%である、上記[7]~[15]のいずれかに記載の粘着テープ。
[17]軟質ポリ塩化ビニル樹脂を被着体として使用する、上記[7]~[16]のいずれかに記載の粘着テープ。
[18]車両内装用として用いられる、上記[7]~[17]のいずれかに記載の粘着テープ。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ポリプロピレン樹脂等の難被着体に対して粘着力が高く、かつ軟質ポリ塩化ビニル樹脂に対して、経時的な粘着力の低下を抑制した粘着剤組成物、及び該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することができる。
また、粘着テープの基材に可塑剤を含有させても、経時的な粘着力の低下を抑制することが可能な粘着剤組成物、及び該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
反発保持力の評価方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[粘着剤組成物]
本発明の粘着剤組成物は、重量平均分子量が55万~100万であるアクリル系重合体(X)100質量部、軟化点が140~160℃である粘着付与樹脂(Y)3~9質量部、及び架橋剤(Z)を含む粘着剤組成物であり、アクリル系重合体(X)は、特定のモノマー成分の重合体を用いている。本発明において、アクリル系重合体(X)は、アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)を60質量%以上含む(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)100質量部に対して、カルボキシル基含有モノマー(B)を5~18質量部含むモノマー成分の重合体である。
本発明の粘着剤組成物を用いることで、軟質ポリ塩化ビニル樹脂等の被着体に対する粘着力が高くなり、かつ経時的な粘着力の低下が生じにくくなる。その理由については定かではないが、次のように推定している。通常、粘着剤組成物を軟質ポリ塩化ビニル樹脂により形成されたシートの表面に貼付して使用する場合、軟質ポリ塩化ビニルシート中に含まれる可塑剤が、軟質ポリ塩化ビニルシート表面から、粘着剤組成物により形成された粘着剤層の方に移行しやすく、これにより粘着力が低下すると考えられる。
これに対して、本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層は、カルボキシル基含有モノマーを比較的多く含んでいるアクリル系重合体を含有している。そのため、該アクリル系重合体は極性が比較的高い高酸価の状態にあり、相対的に極性の低い可塑剤の移行を阻害しやすくなり、その結果、粘着剤層の粘着力の低下が抑制されると推察される。さらには、アクリル系共重合体の分子量が高く、また、場合によっては架橋密度が高いことも加わり、可塑剤移行の阻害を通じた粘着力の低下を抑制する効果が高まるものと予想される。
また、後述するように、粘着テープの基材が可塑剤を含有する場合も同様に、基材から粘着剤層への可塑剤の移行が阻害され、それにより、粘着剤層の粘着力の低下が抑制されると推察される。
以下、本発明の粘着剤組成物を構成する各成分について説明する。
【0010】
<アクリル系重合体(X)>
本発明の粘着剤組成物に含まれるアクリル系重合体(X)は、アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)を60質量%以上含む(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)100質量部に対して、カルボキシル基含有モノマー(B)を5~18質量部含むモノマー成分の重合体である。
本明細書において、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を示し、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを示す。
(【0011】以降は省略されています)
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