特許ウォッチ

公開番号2025083560
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2025043255,2021005861
出願日2025-03-18,2021-01-18
発明の名称ポリオール含有組成物、発泡性ポリウレタン組成物、及びポリウレタンフォーム
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 18/00 20060101AFI20250523BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】難燃性を有し、かつ黄変が発生しにくいポリウレタンフォームを形成可能なポリオール含有組成物を提供する。
【解決手段】ポリイソシアネートと反応させて、ポリウレタンフォームを得るためのポリオール含有組成物であって、ポリオール、発泡剤、触媒、赤燐系難燃剤、及び着色剤を含有し、前記着色剤が黒色系着色剤及び青色系着色剤からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、ポリオール含有組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
ポリイソシアネートと反応させて、ポリウレタンフォームを得るためのポリオール含有組成物であって、
ポリオール、発泡剤、触媒、赤燐系難燃剤、及び着色剤を含有し、
前記着色剤が黒色着色剤及び青色系着色剤からなる群から選択される少なくとも１種であることを特徴とする、ポリオール含有組成物。
続きを表示（約 640 文字）【請求項２】
前記着色剤が青色系着色剤である、請求項１に記載のポリオール含有組成物。
【請求項３】
前記触媒が三量化触媒を含む、請求項１又は２に記載のポリオール含有組成物。
【請求項４】
前記三量化触媒が４級アンモニウム塩を含む、請求項３に記載のポリオール含有組成物。
【請求項５】
前記触媒がイミダゾール誘導体を含む、請求項１～４のいずれか１項に記載のポリオール含有組成物。
【請求項６】
前記触媒がビスマス又は錫を含む、請求項１～５のいずれか１項に記載のポリオール含有組成物。
【請求項７】
前記発泡剤がハイドロフルオロオレフィンを含む、請求項１～６のいずれか１項に記載のポリオール含有組成物。
【請求項８】
請求項１～７のいずれか１項に記載のポリオール含有組成物と、ポリイソシアネートとを含有する、発泡性ポリウレタン組成物。
【請求項９】
ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、赤燐系難燃剤、及び着色剤を含有する発泡性ポリウレタン組成物であって、
前記着色剤が黒色着色剤及び青色系着色剤からなる群から選択される少なくとも１種であることを特徴とする、発泡性ポリウレタン組成物。
【請求項１０】
イソシアネートインデックスが２００以上である、請求項８又は９に記載の発泡性ポリウレタン組成物。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、ポリオール含有組成物、発泡性ポリウレタン組成物、及びポリウレタンフォームに関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性及び接着性から、例えば、マンションなどの集合住宅、戸建住宅、学校の各種施設、商業ビルなどの建築物の断熱材として用いられている。ポリウレタンフォームは、ポリオール含有組成物とポリイソシアネートとを混合して発泡させ、スプレー装置などを使用して天井や壁、屋根などの対象物に吹き付けることで得られる。
【０００３】
ポリウレタンフォームは、軽量であるものの、有機物であるため燃えやすく、火災が発生した場合には、火がポリウレタンフォームに燃え移って延焼をもたらす恐れがある。そこで、ポリウレタンフォームに難燃性を付与する手段として、ウレタン樹脂組成物に赤燐を必須成分とした難燃剤を添加することが挙げられる（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特許第６２００４３５公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、従来の赤燐含有ポリウレタンフォームは、赤燐により難燃性が良好となるものの、赤燐由来の赤みがかった色となり、意匠性が求められる用途では敬遠されることがある。さらに、ポリウレタンフォームは、施工後、経時劣化に伴う黄変が発生し、それにより外観が悪化し意匠性が損なわれるという問題もある。
【０００６】
そこで、本発明は、難燃性を有し、かつ長期間使用しても黄変の発生が抑制され、意匠性の高いポリウレタンフォームを形成可能なポリオール含有組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者は、鋭意検討の結果、ポリオール、発泡剤、触媒、及び難燃剤を含有するポリオール含有組成物において、意匠性が求められる用途では敬遠されていた赤燐系難燃剤を、特定の着色剤と併用することで、難燃性を高めつつ、経時劣化しても意外にも補色効果により黄変が抑制され、意匠性が高いポリウレタンフォームを得られることを見出した。本発明は、以上の知見に基づき完成されたものであり、以下の［１］～［１１］を提供する。
［１］ポリイソシアネートと反応させて、ポリウレタンフォームを得るためのポリオール含有組成物であって、ポリオール、発泡剤、触媒、赤燐系難燃剤、及び着色剤を含有し、前記着色剤が黒色着色剤及び青色系着色剤からなる群から選択される少なくとも１種であることを特徴とする、ポリオール含有組成物。
［２］前記着色剤が青色系着色剤である、［１］に記載のポリオール含有組成物。
［３］前記触媒が三量化触媒を含む、［１］又は［２］に記載のポリオール含有組成物。
［４］前記三量化触媒が４級アンモニウム塩を含む、［３］に記載のポリオール含有組成物。
［５］前記触媒がイミダゾール誘導体を含む、［１］～［４］のいずれか１項に記載のポリオール含有組成物。
［６］前記触媒がビスマス又は錫を含む、［１］～［５］のいずれか１項に記載のポリオール含有組成物。
［７］前記発泡剤がハイドロフルオロオレフィンを含む、［１］～［６］のいずれか１項に記載のポリオール含有組成物。
［８］［１］～［７］のいずれか１項に記載のポリオール含有組成物と、ポリイソシアネートとを含有する、発泡性ポリウレタン組成物。
［９］ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、赤燐系難燃剤、及び着色剤を含有する発泡性ポリウレタン組成物であって、前記着色剤が黒色着色剤及び青色系着色剤からなる群から選択される少なくとも１種であることを特徴とする、発泡性ポリウレタン組成物。
［１０］イソシアネートインデックスが２００以上である、［８］又は［９］に記載の発泡性ポリウレタン組成物。
［１１］［８］～［１０］のいずれか１項に記載の発泡性ポリウレタン組成物を、反応及び発泡させてなる、ポリウレタンフォーム。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、難燃性を有し、かつ長期間使用しても黄変が抑制され、意匠性が高いポリウレタンフォームを形成可能なポリオール含有組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
［ポリオール含有組成物］
本発明のポリオール含有組成物は、ポリイソシアネートと反応させて、ポリウレタンフォームを得るためのポリオール含有組成物であって、ポリオール、発泡剤、触媒、赤燐系難燃剤、及び着色剤を含有する。
【００１０】
＜着色剤＞
本発明の着色剤は、黒色着色剤及び青色系着色剤からなる群から選択される少なくとも１種である。着色剤が黒色着色剤であることで、ポリウレタンフォームの色が黒色又は黒色に近い灰色となるため、赤燐系難燃剤の赤色や、経時劣化により黄変を有効にマスキングして意匠性を高めることができる。
また、着色剤が青色系着色剤であると、赤燐系難燃剤によって赤色に着色されることも相まって、黄変による着色が補色効果により効果的にマスキングされ、ポリウレタンフォームの色が灰色又は灰色に近くなり、意匠性を高めることができる。
本発明においては、意匠性をより一層高める観点から、着色剤は青色系着色剤であることが好ましい。なお、本発明で用いられる用語「青色系着色剤」は、青色着色剤のみならず、青色に近似する色の着色剤、具体的には、紫色着色剤、水色着色剤などであってもよいが、青色着色剤が好ましい。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許