特許ウォッチ

公開番号2025084251
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023198007
出願日2023-11-22
発明の名称冷蔵庫
出願人日立グローバルライフソリューションズ株式会社
代理人ポレール弁理士法人
主分類F25D 11/00 20060101AFI20250527BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】冷蔵庫の消費電力の増加原因を、冷凍サイクルの構成部品の故障や劣化によるものか、真空断熱材の劣化によるものかを診断し、この結果を表示することができる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】診断手段は、冷蔵庫の消費電力を計測する消費電力計測部100と、消費電力計測部で求められた、所定の条件での冷蔵庫の基準消費電力と現在の冷蔵庫の実消費電力との電力差を推定する電力差推定部110と、真空断熱材の経時劣化に基づく消費電力への影響を表す電力影響値を推定する電力影響値推定部160と、電力影響値と電力差との関係から真空断熱材の劣化を診断する診断部170と、診断結果に応じて異なった表示を行う表示制御部180とを備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
外箱、及び内箱と、前記外箱と前記内箱の間に介装された真空断熱材とからなる断熱箱体と、前記断熱箱体に形成された冷蔵室、及び/又は冷凍室と、前記冷蔵室、及び/又は前記冷凍室のそれぞれに設けられた断熱扉と、前記冷蔵室、及び/又は前記冷凍室に冷気を供給する冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルを制御する制御手段を備えた冷蔵庫において、
前記制御手段は、故障診断を実行する診断手段を備えており、
診断手段は、前記冷蔵庫の消費電力を計測する消費電力計測部と、前記消費電力計測部で求められた、所定の条件での前記冷蔵庫の基準消費電力と現在の前記冷蔵庫の実消費電力との電力差を推定する電力差推定部と、前記真空断熱材の経時劣化に基づく前記消費電力への影響を表す電力影響値を推定する電力影響値推定部と、前記電力影響値と前記電力差との関係から前記真空断熱材の劣化を診断する診断部と、診断結果に応じて異なった表示を行う表示制御部とを備える
ことを特徴とする冷蔵庫。
続きを表示（約 910 文字）【請求項２】
請求項１に記載の冷蔵庫において、
前記基準消費電力は、前記冷蔵庫の使用初期に計測された前記消費電力である
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項３】
請求項１に記載の冷蔵庫において、
前記基準消費電力、及び前記実消費電力は、前記冷蔵庫における前記消費電力の変化が少ない時間帯に計測された前記消費電力である
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項４】
請求項１に記載の冷蔵庫において、
前記電力影響値は、経過時間の情報を基に推定される
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項５】
請求項４に記載の冷蔵庫において、
前記電力影響値は、前記経過時間の他に、前記真空断熱材の温度、及び前記真空断熱材の湿度を基に推定される
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項６】
請求項５に記載の冷蔵庫において、
前記経過時間は、前記基準消費電力が求められた時刻からの前記経過時間である
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項７】
請求項６に記載の冷蔵庫において、
前記基準消費電力を求める時刻から前記実消費電力を求める時刻までの所定時間は、前記経過時間と同じ時間長である
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項８】
請求項１に記載の冷蔵庫において、
前記診断部は、前記電力差と前記電力影響値の大小関係に基づいて、前記真空断熱材の劣化を判断する
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項９】
請求項８に記載の冷蔵庫において、
前記診断部は、前記電力差が前記電力影響値より小さい時に前記真空断熱材の劣化と判断する
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項１０】
請求項８に記載の冷蔵庫において、
前記診断部は、前記電力差が前記電力影響値より小さい時に前記真空断熱材の劣化と判断し、前記電力差が前記電力影響値より大きい時に前記冷凍サイクルの構成部品の故障や劣化と判断する
ことを特徴とする冷蔵庫。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、食品や飲料を冷蔵保存、及び/又は冷凍保存する冷蔵庫に関するものである。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
近年の二酸化炭素の削減や省エネルギーの観点から、家電製品においても消費電力を低減することが求められている。例えば、冷蔵庫においては、低消費電力化を達成するために断熱性能の向上が求められ、断熱性能を向上するために、冷蔵庫の壁面を構成する金属製薄板よりなる外箱と樹脂成形された内箱との間に、真空断熱材が設けられている。
【０００３】
このような、真空断熱材を用いた冷蔵庫においては、真空断熱材の劣化（真空度の低下や外包材の破損等）を推定し、その対策を使用者に報知することが要望されている。そして、真空断熱材の劣化を推定する一例として、特開２０１４－１５６９６５号公報（特許文献1）に記載の技術が知られている。
【０００４】
特許文献1には、真空断熱材の劣化を推定する際に、圧縮機の出力を上げて、冷蔵庫の庫内温度を所定温度に維持することで、劣化を推定する技術が開示されている。すなわち、圧縮機の出力を上げることで消費電力が増加するが、その消費電力の増加量を計測し、消費電力の増加分から真空断熱材の劣化を診断するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１４－１５６９６５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
ところで、冷蔵庫の劣化全般に伴う消費電力の増加は、真空断熱材の劣化だけではなく、冷凍サイクルの構成要素、例えば圧縮機、膨張弁、凝縮器、送風機、冷媒配管等の故障や劣化でも増加する。このため、消費電力の増加を計測するだけでは、真空断熱材の劣化や冷蔵庫の故障/劣化の原因を詳細に評価することは困難である。
【０００７】
上述したように、冷蔵庫の消費電力の増加原因を把握することは重要である。冷蔵庫の消費電力の増加が、圧縮機、膨張弁、凝縮器、送風機、冷媒配管等の冷凍サイクルを構成する構成部品の故障や劣化による場合、使用者に対して故障した構成部品の交換を促す情報を提供することが求められる。
【０００８】
一方、真空断熱材の劣化で消費電力が増加した場合、真空断熱材は冷蔵庫の外箱と内箱の間に挟まれた状態で設置されており、交換が困難である。このため、真空断熱材の劣化が原因の場合は、将来の真空断熱材の劣化を予測し、例えば、消費電力を電気料金に換算し、将来の電気料金がどの程度増加するか等を表示し、使用者が買い替え時期を判断できる情報を提供することが求められる。
【０００９】
本発明の目的は、上述した事情に鑑み、冷蔵庫の消費電力の増加原因を、冷凍サイクルの構成部品の故障や劣化によるものか、真空断熱材の劣化によるものかを診断し、この結果を表示することができる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明は、外箱、及び内箱と、外箱と内箱の間に介装された真空断熱材とからなる断熱箱体と、断熱箱体に形成された冷蔵室、及び/又は冷凍室と、冷蔵室、及び/又は冷凍室のそれぞれに設けられた断熱扉と、冷蔵室、及び/又は冷凍室に冷気を供給する冷凍サイクルと、冷凍サイクルを制御する制御手段を備えた冷蔵庫において、制御手段は、故障診断を実行する診断手段を備えており、診断手段は、冷蔵庫の消費電力を計測する消費電力計測部と、消費電力計測部で求められた、所定の条件での冷蔵庫の基準消費電力と現在の冷蔵庫の実消費電力との電力差を推定する電力差推定部と、真空断熱材の経時劣化に基づく消費電力への影響を表す電力影響値を推定する電力影響値推定部と、電力影響値と電力差との関係から真空断熱材の劣化を診断する診断部と、診断結果に応じて異なった表示を行う表示制御部とを備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

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