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公開番号2025083811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197408
出願日2023-11-21
発明の名称電動台車の制御装置
出願人スズキ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類B60L 15/20 20060101AFI20250526BHJP(車両一般)
要約【課題】自在輪の反転により生じる横振れの影響を抑制する。
【解決手段】前輪211および後輪212の一方に自在輪を備え、電動モータ311の動力を前輪211および後輪212の他方である駆動輪に伝達可能に構成する。電動台車1が走行を停止した後、走行を再開する際の駆動輪の回転方向が、走行停止前とは反対となる進行方向切替時にある場合に、電動台車1の平面視において自在輪の接地点Pgと転舵軸Ax12とを結ぶ車輪中心線Ax13が走行再開後の電動台車1の進行方向Drに対して傾斜した状態で、電動台車1を停止させる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項１】
前輪および後輪の一方に自在輪を備え、電動モータの動力を前記前輪および前記後輪の他方である駆動輪に伝達可能に構成された電動台車の制御装置であって、
前記台車が走行を停止した後、走行を再開する際の前記駆動輪の回転方向が、走行停止前とは反対となる進行方向切替時にあるか否かを判定する切替時判定手段と、
前記切替時判定手段により前記進行方向切替時にあると判定した場合に、前記台車の平面視において前記自在輪の接地点と転舵軸とを結ぶ車輪中心線が、前記走行再開後の前記台車の進行方向に対して傾斜した状態で、前記台車を停止させる第１切替時停止手段と、を備える、電動台車の制御装置。
続きを表示（約 1,600 文字）【請求項２】
前記第１切替時停止手段は、停止後の前記台車の向きを前記走行再開後の前記台車の進行方向に対して傾斜させる、請求項１に記載の電動台車の制御装置。
【請求項３】
前記駆動輪として左車輪および右車輪を備えるとともに、前記左車輪に対して動力を伝達可能に配設された第１電動モータと、前記右車輪に対して動力を伝達可能に配設された第２電動モータと、をさらに備え、
前記第１切替時停止手段は、前記第１電動モータによる前記左車輪の回転速度と前記第２電動モータによる前記右車輪の回転速度とを異ならせることにより、前記停止後の前記台車の向きを傾斜させる、請求項２に記載の電動台車の制御装置。
【請求項４】
前記停止後の前記台車の向きは、前記台車の前後方向中心線が前記走行再開後の前記台車の進行方向に対してなす角度が５°以下となる向きである、請求項３に記載の電動台車の制御装置。
【請求項５】
前記第１切替時停止手段により前記台車の向きを前記走行再開後の前記台車の進行方向に対して傾斜させた状態で前記台車を停止させた後、走行を再開させるまでの間に、前記台車の前後方向中心線が前記走行再開後の前記台車の進行方向に沿うように、前記台車の向きを復帰させる走行前予備動作手段をさらに備える、請求項３に記載の電動台車の制御装置。
【請求項６】
前記走行再開後、前記台車が所定距離を走行するまでの間、前記左車輪および前記右車輪のうち、前記走行前予備動作手段により前記台車の向きを復帰させた際の前記台車の旋回方向とは逆側に備わる一方の車輪の回転速度を、他方の車輪の回転速度よりも上昇させる揺動抑制手段をさらに備える、請求項５に記載の電動台車の制御装置。
【請求項７】
前記車両の周囲の状況を検知可能に構成された外界センサをさらに備え、
前記第１切替時停止手段は、前記進行方向切替時において前記台車を停止させる際に、前記外界センサにより前記車両の少なくとも左右のいずれか一側に障害物を検知した場合は、前記台車に最も近い前記障害物から前記自在輪が離れる方向に前記台車の向きを傾斜させる、請求項２に記載の電動台車の制御装置。
【請求項８】
前記車両の周囲の状況を検知可能に構成された外界センサをさらに備え、
前記第１切替時停止手段は、前記進行方向切替時において前記台車を停止させる際に、
前記外界センサにより前記台車の左右のいずれか一側に障害物を検知した場合は、前記障害物から前記自在輪が離れる方向に前記台車の向きを傾斜させ、
前記外界センサにより前記台車の左右の両側に障害物を検知した場合は、前記台車の向きを傾斜させる操作を禁止する、請求項２に記載の電動台車の制御装置。
【請求項９】
予め設定された前記台車の走行経路を記憶する走行経路記憶手段と、
前記走行経路記憶手段に記憶されている走行経路に沿って前記台車を走行させるように、前記電動モータを自動的に制御する走行制御手段と、をさらに備える、請求項１から８のいずれか一項に記載の電動台車の制御装置。
【請求項１０】
前輪および後輪の一方に自在輪を備え、電動モータの動力を前記前輪および前記後輪の他方である駆動輪に伝達可能に構成された電動台車の制御装置であって、
前記台車が走行を停止した後、走行を再開する際の前記駆動輪の回転方向が、走行停止前とは反対となる進行方向切替時にあるか否かを判定する切替時判定手段と、
前記切替時判定手段により前記進行方向切替時にあると判定した場合に、前記台車の平面視において前記自在輪の接地点と転舵軸とを結ぶ車輪中心線が、前記台車の前後方向中心線に対して傾斜した状態で、前記台車を停止させる第２切替時停止手段と、を備える、電動台車の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、電動台車の制御装置に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
走行用の車輪として、上下方向の転舵軸を中心に車輪の向きが自在に変化可能な自在輪を備える台車が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特許第４０９７５７５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
自在輪を備える台車では、前進と後退とで進行方向を切り替える際に、車体に自在輪のトレールに起因する横振れが発生する。
【０００５】
この横振れは、自在輪が転舵軸を中心に回転（つまり、反転）することにより発生するものであり、例えば、台車を停止位置に向けて前進方向に進入させ、前向きに停止させた後、停止位置を後退方向に退出させる際に、退出の過程で転舵軸が自在輪の接地点に対して左右に移動することにより発生する。台車に荷物を積んでいる場合は、横振れによる揺れが荷物に伝わり、荷崩れを生じさせることが懸念される。さらに、荷物の搬出入場所やエレベータのかご内など、狭い場所で台車を停止させる場合は、横振れにより台車が周囲の人または物に接触することも懸念される。
【０００６】
自在輪の反転は、その発生タイミングや方向（右回りによるか、左回りによるか）を事前に予測することが困難である。よって、自在輪の反転により台車に生じる横振れのタイミングや方向を予測することも困難であり、横振れの発生自体を制御により抑制することもまた、困難である。
【０００７】
このような実状に鑑み、本発明は、自在輪の反転を制御または予測されたタイミングおよび向きに生じさせることを可能として、自在輪の反転により生じる横振れの影響を抑制または緩和することのできる電動台車の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る電動台車の制御装置は、前輪および後輪の一方に自在輪を備え、電動モータの動力を前記前輪および前記後輪の他方である駆動輪に伝達可能に構成された電動台車の制御装置であって、前記台車が走行を停止した後、走行を再開する際の前記駆動輪の回転方向が、走行停止前とは反対となる進行方向切替時にあるか否かを判定する切替時判定手段と、前記切替時判定手段により前記進行方向切替時にあると判定した場合に、前記台車の平面視において前記自在輪の接地点と転舵軸とを結ぶ車輪中心線が、前記走行再開後の前記台車の進行方向に対して傾斜した状態で、前記台車を停止させる切替時停止手段と、を備える。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の一形態によれば、電動台車の進行方向切替時に、停車後の走行再開に際し、自在輪の反転を制御または予測されたタイミングおよび方向に生じさせ、自在輪の反転により生じる横振れの影響を抑制ないし緩和することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
本発明の一実施形態に係る電動台車の側面図である。
同上実施形態に係る電動台車の背面図であり、自動制御システムの模式的な構成を併せて示す。
同上実施形態に係る電動台車の、進行方向切替時における制御（停止制御）の基本的な流れを示すフローチャートである。
同上実施形態に係る電動台車の、進行方向切替時における制御（走行再開制御）の基本的な流れを示すフローチャートである。
同上実施形態に係る電動台車の、停止から走行再開までの動作を時系列に示す説明図である。
同上実施形態に係る電動台車の、走行再開後の動作を時系列に示す説明図である。
比較例である台車において走行再開後に生じる横振れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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