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公開番号2025076559
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-16
出願番号2023188157
出願日2023-11-02
発明の名称塗料組成物
出願人大日本塗料株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C09D 133/00 20060101AFI20250509BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】樹脂の溶解性が良好で、付着性、耐薬品性、及び耐加水分解性に優れる塗料組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート硬化剤(B)、及び溶剤(C)を含有する塗料組成物であって、アクリル樹脂(A)のガラス転移温度Tgが、70℃以上であり、溶剤(C)が、第2級アルコール及び第3級アルコールの少なくとも一方を含むアルコール溶剤(C1)を含有し、塗料組成物を80℃条件下で30分焼付けて形成した塗膜が持つ平坦領域の貯蔵弾性率(単位Pa)(E’1)と、塗料組成物を80℃条件下で30分焼付け後に60℃条件下で72時間養生して形成した塗膜が持つ平坦領域の貯蔵弾性率(単位Pa)(E’2)が、下記式(1)を満たす塗料組成物である。
(E’2)-(E’1)≦8.00×106 (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート硬化剤(B)、及び溶剤(C)を含有する塗料組成物であって、
前記アクリル樹脂(A)のガラス転移温度Tgが、70℃以上であり、
前記溶剤(C)が、第2級アルコール及び第3級アルコールの少なくとも一方を含むアルコール溶剤(C1)を含有し、
前記塗料組成物を80℃条件下で30分焼付けて形成した塗膜が持つ平坦領域の貯蔵弾性率(単位Pa)(E’min1)と、前記塗料組成物を80℃条件下で30分焼付け後に60℃条件下で72時間養生して形成した塗膜が持つ平坦領域の貯蔵弾性率(単位Pa)(E’min2)が、下記式(1)を満たす塗料組成物。
(E’min2)-(E’min1)≦8.00×10

(1)
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記塗料組成物を80℃条件下で30分焼付けて形成した塗膜の架橋密度(単位mol/cc)(n1)と、前記塗料組成物を80℃条件下で30分焼付け後に60℃条件下で72時間養生して形成した塗膜の架橋密度(単位mol/cc)(n2)が、下記式(2)を満たす請求項1記載の塗料組成物。
(n2)-(n1)≦8.00×10
-4
(2)
【請求項3】
前記塗料組成物を80℃条件下で30分焼付け後に60℃条件下で72時間養生して形成した塗膜のガラス転移温度Tgが、100℃未満である請求項1記載の塗料組成物。
【請求項4】
前記溶剤(C)が、更にエステル溶剤(C2)を含有する請求項1又は2に記載の塗料組成物。
【請求項5】
前記塗料組成物に含まれる前記アルコール溶剤(C1)と前記エステル溶剤(C2)の含有量が、下記式(3)を満たす請求項4に記載の塗料組成物。
0.01≦(C1)/(C2)≦0.20 (3)
【請求項6】
前記アクリル樹脂(A)が、構成モノマーとしてメタクリル酸を有するモノマーを75%以上含有する請求項1又は2記載の塗料組成物。
【請求項7】
前記アクリル樹脂(A)の水酸基価が、140mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載の塗料組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料組成物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
携帯電話、家電製品、OA機器等には、プラスチック成形品が用いられており、プラスチック成形品の表面は、装飾を施したり又は機能を付与したりするために塗装されている場合がある。そのため、プラスチックを塗装するための塗料組成物は、装飾を施す他、用途に応じて、塗膜に耐摩耗性、耐変退色性、耐皮脂性、高光沢性、高耐候性、電気絶縁性等の機能を付与することが求められる場合がある。また、人の肌及び手が長時間接触するようなプラスチック成形品、例えば、携帯電話の外装部材や自動車内装部材については、耐汗性、耐乳酸性、耐ハンドクリーム性、耐日焼け止めクリーム性等の耐薬品性に優れることも求められる。
【0003】
このような塗料組成物として、例えば、特許文献1には、水酸基価が180以上のポリオール(a)と(a)に該当しないアクリルポリオール(b)、及びポリイソシアネート(c)を含有する塗料組成物が開示されている。
また、特許文献2には、重量平均分子量3000~20000、水酸基価が100~200mgKOH/gの範囲内である水酸基含有アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、硬化触媒(C)、及びシリコン系表面調整剤(D-1)及びアクリル系表面調整剤(D-2)を必須とする表面調整剤(D)を含有する塗料組成物が開示されている。
さらに、特許文献3には、水酸基含有アクリル樹脂(A)、水酸基含有ポリエステル樹脂(B、)及び樹脂ビーズ(C)を含有する主剤と、ポリイソシアネート硬化剤とからなる塗料組成物が開示されている。
またさらに、特許文献4には、セルロース誘導体にアクリル成分をグラフト重合又は単に結合させて得られるアクリル変性セルロース誘導体以外のセルロース誘導体(B)とアクリル樹脂(C)との混合物であって、混合物中の組成、セルロース誘導体(B)の重量平均分子量及びアクリル樹脂(C)のガラス転移温度を特定の範囲で有する混合物を樹脂成分として含み、樹脂成分が、酸価と水酸基価の合計が7~100mgKOH/gである樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-095131号公報
特開2014-019714号公報
特開2015-105297号公報
特開2014-181343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献の組成物に対して、付着性、耐薬品性、耐加水分解性を更に優れたものにしようとすると、樹脂の溶解性が低下し、塗料及び塗膜が白濁する場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、樹脂の溶解性が良好で、付着性、耐薬品性、及び耐加水分解性に優れる塗料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らの鋭意検討の結果、付着性、耐薬品性、及び耐加水分解性を十分な性能にするためには、配合樹脂として、低分子の親水性モノマーを多く重合させたもの、及び、高いガラス転移度Tgを有するものが必須であることがわかった。しかし、上記要件を満たす樹脂を用いると、現行の溶剤では樹脂が溶解せず白濁する現象が発生した。
そこで、本発明者らは、アクリル樹脂に関して、ガラス転移度Tgを70℃以上とし、構成要素として水溶解性の高い低分子モノマーとすることに加え、第3級アルコールを含む溶剤を溶解時に加えることで付着性、耐薬品性及び耐加水分解性と、塗料時での溶解性を両立することが可能となり、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート硬化剤(B)、及び溶剤(C)を含有する塗料組成物であって、アクリル樹脂(A)のガラス転移温度Tgが、70℃以上であり、溶剤(C)が、第2級アルコール及び第3級アルコールの少なくとも一方を含むアルコール溶剤(C1)を含有し、塗料組成物を80℃条件下で30分焼付けて形成した塗膜が持つ平坦領域の貯蔵弾性率(単位Pa)(E’min1)と、塗料組成物を80℃条件下で30分焼付け後に60℃条件下で72時間養生して形成した塗膜が持つ平坦領域の貯蔵弾性率(単位Pa)(E’min2)が、下記式(1)を満たす塗料組成物である。
(E’min2)-(E’min1)≦8.00×10

(1)
【0008】
塗料組成物を80℃条件下で30分焼付けて形成した塗膜の架橋密度(単位mol/cc)(n1)と、塗料組成物を80℃条件下で30分焼付け後に60℃条件下で72時間養生して形成した塗膜の架橋密度(単位mol/cc)(n2)は、下記式(2)を満たすことが好ましい。
(n2)-(n1)≦8.00×10
-4
(2)
【0009】
塗料組成物を80℃条件下で30分焼付け後に60℃条件下で72時間養生して形成した塗膜のガラス転移温度Tgは、100℃未満であることが好ましい。
【0010】
溶剤(C)は、更にエステル溶剤(C2)を含有することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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