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公開番号2025068366
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-28
出願番号2023178216
出願日2023-10-16
発明の名称転動装置およびその製造方法
出願人THK株式会社
代理人弁理士法人海田国際特許事務所
主分類F16C 33/32 20060101AFI20250421BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】高い非磁性特性および高耐食性と、高い硬度を有し、加工性とヤング率が鋼並みである材料を得て、高い性能を有する転動装置を得る。
【解決手段】転動装置を構成する内方部材、外方部材および転動体のうちの少なくとも1つを構成する部材が、35~45重量%のCr、3.7~5重量%のAl、残部Niおよび不可避的不純物からなるニッケル基合金で構成され、内方部材、外方部材および転動体のうちの少なくとも1つを構成するニッケル基合金の表層におけるロックウェル硬さが、固溶化処理後に40HRC以下であって、析出硬化処理後に58HRC以上であり、また、内方部材、外方部材および転動体のうちの少なくとも1つを構成するニッケル基合金の表層における平均KAM(Kernel Average Misorientation)値が、固溶化処理後に0.35以下であって、析出硬化処理後に0.5以上である。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
外面に軌道面を有する内方部材と、
前記内方部材の前記軌道面に対向する軌道面を有して前記内方部材の外側に配置された外方部材と、
前記両軌道面間に転動自在に配置された複数の転動体と、
を備える転動装置において、
前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する部材が、35~45重量%のCr、3.7~5重量%のAl、残部Niおよび不可避的不純物からなるニッケル基合金で構成され、
前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の表層におけるロックウェル硬さが、固溶化処理後に40HRC以下であって、析出硬化処理後に58HRC以上であり、また、
前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の表層における平均KAM(Kernel Average Misorientation)値が、固溶化処理後に0.35以下であって、析出硬化処理後に0.5以上であることを特徴とする転動装置。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
請求項1に記載の転動装置であって、
前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の磁界強度3.5×10

A/mにおける比透磁率μ

が、μ

<1.001なる不等式を満たすものであることを特徴とする転動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の転動装置であって、
前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の磁界強度3.5×10

A/mにおける比透磁率μ

が、μ

≦1.0004なる不等式を満たすものであることを特徴とする転動装置。
【請求項4】
外面に軌道面を有する内方部材と、
前記内方部材の前記軌道面に対向する軌道面を有して前記内方部材の外側に配置された外方部材と、
前記両軌道面間に転動自在に配置された複数の転動体と、
を備える転動装置の製造方法であって、
前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する部材として、35~45重量%のCr、3.7~5重量%のAl、残部Niおよび不可避的不純物からなるニッケル基合金を選定し、
前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の表層におけるロックウェル硬さを、固溶化処理後に40HRC以下とするとともに、析出硬化処理後に58HRC以上とし、また、
前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の表層における平均KAM(Kernel Average Misorientation)値を、固溶化処理後に0.35以下とするとともに、析出硬化処理後に0.5以上とすることを特徴とする転動装置の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転動装置と、その転動装置の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から用いられている機械要素として、例えば、ボールねじやリニアガイド、直動ベアリング、ボールスプライン等といった転動装置が知られている。かかる転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、内方部材の軌道面に対向する軌道面を有して内方部材の外側に配置された外方部材と、両軌道面間に転動自在に配置された複数の転動体と、を有することにより、外方部材が内方部材の軸線方向又は周方向に往復運動自在又は回転運動自在とされる装置である。
【0003】
この種の転動装置は、内方部材と外方部材との間に配設される複数の転動体が繰り返し転がり運動を行うことになるので、これら転動装置の構成部材には繰り返し接触応力が加わることとなる。そのため、内方部材、外方部材および転動体を構成する材料には、一般的に、疲労寿命や耐摩耗性等に優れた金属材料等が採用されている。
【0004】
また、この種の転動装置は、クリーンルーム、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、食品加工装置等のように清浄な環境を必要とする用途や、医療機器などの特殊な環境下で用いられることがあるため、内方部材、外方部材および転動体を構成する材料に対しては、高い耐食性や非磁性などの特性を求められる場合がある。非磁性であり、かつ、高耐食性を有する従来の材料としては、ベリリウム銅やオーステナイト系のステンレス鋼などが存在しており、これらの非磁性で高耐食性を有する材料については、転動装置に適用されることも試みられている。例えば、下記特許文献1には、オーステナイト系金属を用いた転動装置(運動案内装置)やその製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2006/112213号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ベリリウム銅やオーステナイト系のステンレス鋼といった材料については、最大硬さがロックウェル硬さで40HRC程度と低いため、これらの材料を用いて転動装置を製作した場合には、定格荷重が従来品に比べて低くなってしまうという課題が存在していた。この課題への対策手段として、従来技術では、転動装置の型番について従来のものより大きいものを選定し、転動装置のサイズアップによって定格荷重を上昇させることが行われていた。
【0007】
また、非磁性かつ高耐食で十分な硬さを有する材料としてセラミックス材料が存在するが、この材料は加工性が悪いために、精度の高い転動装置を製作することが困難であるという課題が存在していた。さらに、セラミックス材料については、ヤング率が高く靭性が低いために、転動装置に与圧を掛けるという構成を実現できないという欠点が存在していた。
【0008】
本発明は、上述した従来技術に存在する種々の課題に鑑みて成されたものであって、その目的は、高い非磁性特性および高耐食性を有しながらも、転動装置として使用可能な高い硬度を有し、さらに、加工性とヤング率が鋼並みである材料を得ることで、高い性能を有する転動装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の前記軌道面に対向する軌道面を有して前記内方部材の外側に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配置された複数の転動体と、を備える転動装置であって、前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する部材が、35~45重量%のCr、3.7~5重量%のAl、残部Niおよび不可避的不純物からなるニッケル基合金で構成され、前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の表層におけるロックウェル硬さが、固溶化処理後に40HRC以下であって、析出硬化処理後に58HRC以上であり、また、前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の表層における平均KAM(Kernel Average Misorientation)値が、固溶化処理後に0.35以下であって、析出硬化処理後に0.5以上であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る転動装置の製造方法は、外面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の前記軌道面に対向する軌道面を有して前記内方部材の外側に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配置された複数の転動体と、を備える転動装置の製造方法であって、前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する部材として、35~45重量%のCr、3.7~5重量%のAl、残部Niおよび不可避的不純物からなるニッケル基合金を選定し、前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の表層におけるロックウェル硬さを、固溶化処理後に40HRC以下とするとともに、析出硬化処理後に58HRC以上とし、また、前記内方部材、前記外方部材および前記転動体のうちの少なくとも1つを構成する前記ニッケル基合金の表層における平均KAM(Kernel Average Misorientation)値を、固溶化処理後に0.35以下とするとともに、析出硬化処理後に0.5以上とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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