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公開番号
2025067005
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2023176632
出願日
2023-10-12
発明の名称
透明化剤、その製造方法、透明化紙及びその製造方法
出願人
王子ホールディングス株式会社
,
ハリマ化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
D21H
21/28 20060101AFI20250417BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】バイオ由来の原料使用の、透明性及び経時安定性に優れる透明化紙が得られる透明化剤を提供する。
【解決手段】(A)ロジン類と(B)多価カルボン酸と(C)ポリオールと(D)脂肪族モノカルボン酸とを含む原料成分の反応生成物であるポリエステル樹脂成分を含み、前記ポリエステル樹脂成分の酸価が100mgKOH/g以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の重量平均分子量が100万以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の屈折率が1.40以上1.60以下である、透明化剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)ロジン類と(B)多価カルボン酸と(C)ポリオールと(D)脂肪族モノカルボン酸とを含む原料成分の反応生成物であるポリエステル樹脂成分を含み、前記ポリエステル樹脂成分の酸価が100mgKOH/g以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の重量平均分子量が100万以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の屈折率が1.40以上1.60以下である、透明化剤。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記ポリエステル樹脂成分のヨウ素価が10g/100g以上140g/100g以下である、請求項1に記載の透明化剤。
【請求項3】
(A)ロジン類と(B)多価カルボン酸と(C)ポリオールと(D)脂肪族モノカルボン酸とを含む原料成分を反応させ、酸価が100mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が100万以下であり、屈折率が1.40以上1.60以下であるポリエステル樹脂成分を得る、透明化剤の製造方法。
【請求項4】
前記ポリエステル樹脂成分のヨウ素価が10g/100g以上140g/100g以下である、請求項3に記載の透明化剤の製造方法。
【請求項5】
前記(B)多価カルボン酸が、α,β-不飽和ジカルボン酸を含み、
前記ポリエステル樹脂成分を得る際に、前記(A)ロジン類と前記α,β-不飽和ジカルボン酸とを反応させて第1生成物を得、前記第1生成物と前記(C)ポリオールと前記(D)脂肪族モノカルボン酸とを反応させる、請求項3又は4に記載の透明化剤の製造方法。
【請求項6】
前記(B)多価カルボン酸が、α,β-不飽和ジカルボン酸を含み、
前記ポリエステル樹脂成分を得る際に、前記(A)ロジン類と前記α,β-不飽和ジカルボン酸とを反応させて第1生成物を得、前記(C)ポリオールを、前記(D)脂肪族モノカルボン酸を構成脂肪酸とする油脂により変性して変性物を得、前記第1生成物と前記変性物とを反応させる、請求項3又は4に記載の透明化剤の製造方法。
【請求項7】
紙基材の少なくとも内部に透明化剤を含み、
前記透明化剤が、(A)ロジン類と(B)多価カルボン酸と(C)ポリオールと(D)脂肪族モノカルボン酸とを含む原料成分の反応生成物であるポリエステル樹脂成分を含み、前記ポリエステル樹脂成分の酸価が100mgKOH/g以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の重量平均分子量が100万以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の屈折率が1.40以上1.60以下である、透明化紙。
【請求項8】
前記ポリエステル樹脂成分のヨウ素価が10g/100g以上140g/100g以下である、請求項7に記載の透明化紙。
【請求項9】
前記紙基材が、針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプとを含む、請求項7又は8に記載の透明化紙。
【請求項10】
透明化剤と液状媒体とを含む液状組成物を紙基材に塗布又は含浸し、乾燥して透明化紙を製造する方法であり、
前記透明化剤が、(A)ロジン類と(B)多価カルボン酸と(C)ポリオールと(D)脂肪族モノカルボン酸とを含む原料成分の反応生成物であるポリエステル樹脂成分を含み、前記ポリエステル樹脂成分の酸価が100mgKOH/g以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の重量平均分子量が100万以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の屈折率が1.40以上1.60以下である、透明化紙の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明化剤、その製造方法、透明化紙及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
透明度の高い紙を製造する方法としては、例えば、叩解度を高めたパルプ繊維を用いて抄紙する方法や、抄紙された原紙の繊維間の空間に樹脂等を含浸させる方法が一般的である。
叩解度を高めたパルプ繊維を用いて抄紙する方法は、グラシン紙、トレーシングペーパー等の製造に用いられる。叩解度を高めたパルプ繊維を用いて抄紙された紙は、包装用紙としては封筒等の窓部などに使用される。しかし、このような紙は、高叩解によりパルプ繊維がすり潰され、カットされていること等の理由から、強度が求められる包装袋等の用途には適用しにくいことが一般的である。
【0003】
一方、抄紙された原紙の繊維間の空間に樹脂等を含浸させる方法は、油紙、ろう紙等の製造に用いられる。例えば、特許文献1では、原紙に樹脂及びパラフィンワックスを含有する透明化剤を熱溶融して塗布又は含浸させて透明紙を得ることが提案されている。特許文献2では、液状ジエン系重合体を含む組成物を紙に塗被又は含浸して紫外線を照射して透明紙を得ることが提案されている。特許文献3では、原紙の一部にロジン系水性透明化剤を塗布し、加熱して窓付き包装袋を得ることが提案されている。特許文献4では、不透明紙の一部特定面に植物油を主成分とする透明化剤を印刷浸透させ、その両面に油層保護膜を形成して不透明紙を透明にすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-132698号公報
特開昭61-132699号公報
特開2011-63286号公報
特開昭62-15395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、サステナブルでリサイクル可能な材料への転換として、プラスチックフィルムから紙への代替が検討されている。例えば、包装材料の分野においても紙への代替が進んでいる。プラスチックフィルムの有する透明性を紙に付与できれば、更に用途が広がると考えられる。
【0006】
特許文献1~4の技術では、紙のセルロース繊維間の空隙に透明化剤を含浸させることで、透明化剤が含浸した半透明領域の透明度を高めることができる。
しかし、特許文献1で用いられているパラフィンワックスは石油から作られた固形の炭化水素の混合物であり、バイオ由来の原料使用とはならない。
特許文献2で用いられている液状ジエン系重合体も石油由来の樹脂であり、バイオ由来の原料使用とはならない。
【0007】
特許文献3で用いられているロジン系水性透明化剤は、十分な透明性を得ることができない。
特許文献4では、含浸した植物油が外部に浸出するのを防ぐために、油層保護層が必要であった。油層保護層を設けない場合、経時で植物油が浸出したり乾燥したりして、紙が白濁する。
【0008】
本発明は、バイオ由来の原料使用の、透明性及び経時安定性に優れる透明化紙が得られる透明化剤及びその製造方法、並びにバイオ由来の原料使用の透明化剤を用いた、透明性及び経時安定性に優れる透明化紙及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者等は、ロジン類と脂肪族カルボン酸を併用した透明化剤を検討した。ロジン類、脂肪族カルボン酸はそれぞれ、セルロースパルプの屈折率に近い値を示す物質であるが、それらを併用することで、それぞれの屈折率よりもセルロースパルプの屈折率に近づく。しかし、そのままでは、特許文献4と同様、脂肪族カルボン酸が浸出したり乾燥したりして、紙が白濁する。そこで、さらに検討を重ねたところ、ロジン類と脂肪族カルボン酸をポリエステル樹脂に導入することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明は、下記の態様を有する。
[1](A)ロジン類と(B)多価カルボン酸と(C)ポリオールと(D)脂肪族モノカルボン酸とを含む原料成分の反応生成物であるポリエステル樹脂成分を含み、前記ポリエステル樹脂成分の酸価が100mgKOH/g以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の重量平均分子量が100万以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の屈折率が1.40以上1.60以下である、透明化剤。
[2]前記ポリエステル樹脂成分のヨウ素価が10g/100g以上140g/100g以下である、[1]に記載の透明化剤。
[3](A)ロジン類と(B)多価カルボン酸と(C)ポリオールと(D)脂肪族モノカルボン酸とを含む原料成分を反応させ、酸価が100mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が100万以下であり、屈折率が1.40以上1.60以下であるポリエステル樹脂成分を得る、透明化剤の製造方法。
[4]前記ポリエステル樹脂成分のヨウ素価が10g/100g以上140g/100g以下である、[3]に記載の透明化剤の製造方法。
[5]前記(B)多価カルボン酸が、α,β-不飽和ジカルボン酸を含み、
前記ポリエステル樹脂成分を得る際に、前記(A)ロジン類と前記α,β-不飽和ジカルボン酸とを反応させて第1生成物を得、前記第1生成物と前記(C)ポリオールと前記(D)脂肪族モノカルボン酸とを反応させる、[3]又は[4]に記載の透明化剤の製造方法。
[6]前記(B)多価カルボン酸が、α,β-不飽和ジカルボン酸を含み、
前記ポリエステル樹脂成分を得る際に、前記(A)ロジン類と前記α,β-不飽和ジカルボン酸とを反応させて第1生成物を得、前記(C)ポリオールを、前記(D)脂肪族モノカルボン酸を構成脂肪酸とする油脂により変性して変性物を得、前記第1生成物と前記変性物とを反応させる、[3]又は[4]に記載の透明化剤の製造方法。
[7]紙基材の少なくとも内部に透明化剤を含み、
前記透明化剤が、(A)ロジン類と(B)多価カルボン酸と(C)ポリオールと(D)脂肪族モノカルボン酸とを含む原料成分の反応生成物であるポリエステル樹脂成分を含み、前記ポリエステル樹脂成分の酸価が100mgKOH/g以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の重量平均分子量が100万以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の屈折率が1.40以上1.60以下である、透明化紙。
[8]前記ポリエステル樹脂成分のヨウ素価が10g/100g以上140g/100g以下である、[7]に記載の透明化紙。
[9]前記紙基材が、針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプとを含む、[7]又は[8]に記載の透明化紙。
[10]透明化剤と液状媒体とを含む液状組成物を紙基材に塗布又は含浸し、乾燥して透明化紙を製造する方法であり、
前記透明化剤が、(A)ロジン類と(B)多価カルボン酸と(C)ポリオールと(D)脂肪族モノカルボン酸とを含む原料成分の反応生成物であるポリエステル樹脂成分を含み、前記ポリエステル樹脂成分の酸価が100mgKOH/g以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の重量平均分子量が100万以下であり、前記ポリエステル樹脂成分の屈折率が1.40以上1.60以下である、透明化紙の製造方法。
[11]前記ポリエステル樹脂成分のヨウ素価が10g/100g以上140g/100g以下である、[10]に記載の透明化紙の製造方法。
[12]前記紙基材が、針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプとを含む、[10]又は[11]に記載の透明化紙の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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