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公開番号2025066749
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-23
出願番号2025004021,2022523878
出願日2025-01-10,2020-06-01
発明の名称多特異性結合タンパク質において鎖誤対合を分析する方法
出願人サノフイ,SANOFI
代理人個人,個人
主分類C07K 16/18 20060101AFI20250416BHJP(有機化学)
要約【課題】細胞株による多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の産生をモニタリングする方法、ならびにそれに関連する産生およびスクリーニングの方法を提供する。
【解決手段】一部の実施形態では、方法は、サイズ排除超高速液体クロマトグラフィーおよび質量分析(SE-UPLC-MS)によって、細胞培養培地中の多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の量(例えば、相対量)を検出することを含む。一部の実施形態では、多特異性結合タンパク質は、多特異性抗体、抗体断片またはFc融合タンパク質である。
【選択図】図1B
特許請求の範囲【請求項1】
多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の産生をモニタリングする方法であって、
サイズ排除超高速液体クロマトグラフィーおよび質量分析(SE-UPLC-MS)によって、多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種を含む細胞培養培地中の多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の量を検出し、それにより多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の産生をモニタリングすること
を含み、
多特異性結合タンパク質は、少なくとも第1のポリペプチド鎖および第1のポリペプチド鎖と異なる第2のポリペプチド鎖を含む2本以上のポリペプチド鎖の会合を含み;
1つまたはそれ以上の誤対合種は、第1のおよび第2のポリペプチド鎖の少なくとも1本を多特異性結合タンパク質のもの以外の会合で含む2本以上のポリペプチド鎖を含む、前記方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
多特異性結合タンパク質は、第1の抗体重鎖、第1の抗体軽鎖、第1の抗体重鎖と異なる第2の抗体重鎖および第1の抗体軽鎖と異なる第2の抗体軽鎖を含む多特異性抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つまたはそれ以上の誤対合種は:
(i)2本の第1の抗体重鎖を含む多特異性抗体の4本のポリペプチド鎖の会合;
(ii)2本の第2の抗体重鎖を含む多特異性抗体の4本のポリペプチド鎖の会合;
(iii)2本の第1の抗体軽鎖を含む多特異性抗体の4本のポリペプチド鎖の会合;および
(iv)2本の第2の抗体軽鎖を含む多特異性抗体の4本ポリペプチド鎖の会合
の1つまたはそれ以上を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
多特異性結合タンパク質は、3個の抗原結合部位を形成する4本のポリペプチド鎖を含み、
結合タンパク質の第1のポリペプチド鎖は、式:

L2
-L

-V
L1
-L

-C

[I]
によって表される構造を含み、
結合タンパク質の第2のポリペプチド鎖は、式:

H1
-L

-V
H2
-L

-C
H1
-ヒンジ-C
H2
-C
H3
[II]
によって表される構造を含み、
結合タンパク質の第3のポリペプチド鎖は、式:

H3
-C
H1
-ヒンジ-C
H2
-C
H3
[III]
によって表される構造を含み、
結合タンパク質の第4のポリペプチド鎖は、式:

L3
-C

[IV]
によって表される構造を含み、
式中:

L1
は第1の免疫グロブリン軽鎖可変ドメインであり;

L2
は第2の免疫グロブリン軽鎖可変ドメインであり;

L3
は第3の免疫グロブリン軽鎖可変ドメインであり;

H1
は第1の免疫グロブリン重鎖可変ドメインであり;

H2
は第2の免疫グロブリン重鎖可変ドメインであり;

H3
は第3の免疫グロブリン重鎖可変ドメインであり;


は免疫グロブリン軽鎖定常ドメインであり;

H1
は免疫グロブリンC
H1
重鎖定常ドメインであり;

H2
【請求項5】
1つまたはそれ以上の誤対合種は:
(i)式Iによる2本のポリペプチド鎖を含む結合タンパク質の4本のポリペプチド鎖の会合;
(ii)式IIによる2本のポリペプチド鎖を含む結合タンパク質の4本のポリペプチド鎖の会合;
(iii)式IIIによる2本のポリペプチド鎖を含む結合タンパク質の4本のポリペプチド鎖の会合;および
(iv)式IVによる2本のポリペプチド鎖を含む結合タンパク質の4本のポリペプチド鎖の会合
の1つまたはそれ以上を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の量を検出することは、MSによって得られた1つまたはそれ以上のMSスペクトルをデコンボリュートすることを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
1つまたはそれ以上の誤対合種と比較した多特異性結合タンパク質の相対量が検出される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
1つまたはそれ以上の個々の誤対合種の量と比較した多特異性結合タンパク質の相対量が検出される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
誤対合種の全体量と比較した多特異性結合タンパク質の相対量が検出される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
細胞培養培地は細胞培養採取物である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願第62/926,313号、2019年10月25日出願およびEP出願第EP20315271.5号、2020年5月28日出願に優先権を主張し、それぞれの開示はその全体を参照により本明細書に組み入れる。
続きを表示(約 2,600 文字)【0002】
ASCII TEXT FILEでの配列表の提出
ASCII text fileでの以下の提出物の内容は、その全体を参照により本明細書に組み入れる:配列表のコンピューター可読形態(CRF)(ファイル名:183952032840SEQLIST.TXT、データ記録:2020年5月29日、サイズ:2KB)。
【0003】
分野
本開示は、宿主細胞による多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種(mispaired species)の産生をモニタリングする方法、ならびにそれに関連する産生およびスクリーニングの方法に関する。本開示は、宿主細胞による抗体または抗体派生体および1つまたはそれ以上の重量バリアント種(weight variant species)の産生をモニタリングする方法、ならびにそれに関連する産生およびスクリーニングの方法にさらに関する。
【背景技術】
【0004】
同じまたは異なる抗原上の2つ以上の異なるエピトープに結合する多特異性抗体は、近年、がん免疫学(immune-oncology)における魅力的な治療選択肢になった(非特許文献1)。マルチターゲットは、薬物特異性の増強を達成すること、またはシグナル伝達経路において天然リガンドを模倣すること、例えば、同じ細胞表面上の受容体対への同時結合を通じた血友病処置において(非特許文献2)などのさまざまな目的のために使用されている。有名な適用は、分子の一方のアームがCD3/CD28受容体結合を介してT細胞を活性化し、他方のアームが腫瘍死滅のための腫瘍抗原を標的化するT細胞エンゲージャー(TCE)コンセプトである(非特許文献3;非特許文献4)。
【0005】
IgG様三重特異性抗体(tsAb)は、2本の異なる重鎖および2本の異なる軽鎖を含み、一般に単一の宿主細胞において発現され、細胞内鎖アセンブリが続く。この産生方法は、2つの別々の細胞株および精製工程を用いる必要性を省く一方で、望ましいtsAbに加えて望ましくない誤対合種を生成する可能性がある。合理的な設計の欠如およびサブユニットの無作為な会合で、正しく対合した種の理論的収率は、12.5%しかない(図1B)。重鎖の強制的ヘテロ二量体化は、ノブと穴(knobs-into-holes)設計(非特許文献5)などのタンパク質工学アプローチを通じて良好に達成された。しかし、軽鎖の正しい重鎖への同族対合は、tsAb産生における重要な課題のままである。
【0006】
そのため、多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の産生をモニタリングするまたは分析する方法の必要性が残っている。加えて、さまざまな分子量の複数の種(例えば、化学修飾されたシステインもしくは他の残基などのさまざまな化学修飾を有する、またはさまざまなグリコフォームを有する)を含む抗体または抗体派生体の産生をモニタリングするまたは分析する方法の必要性が残っている。
【0007】
特許出願、特許公開およびUniProtKB/Swiss-Prot受託番号を含む
本明細書に引用されるすべての参考文献は、個々の参考文献を参照により組み入れると具体的かつ個別に示されたのと同様に、その全体を参照により組み入れる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Baeuerle,P.A.&Reinhardt,C.、「Cancer Res 2009,69(12)」、4941~4頁
Kitazawa,T.ら、「Nat Med 2012,18(10)」、1570~4頁
Krah,S.ら、「N Biotechnol 2017,39(Pt B)」、167~173頁
Correnti,C.E.ら、「Leukemia 2018,32(5)」、1239~1243頁
Ridgway,J.B.ら、「Protein Eng 1996,9(7)」、617~21頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらおよび他の必要に応えるために、多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の(例えば、細胞株による)産生をモニタリングする方法が本明細書で提供される。これらの方法は、鎖誤対合および他のIgG関連種の同定および相対的定量のための変性SEC-LC-インタクトMSに基づくハイスループット分析プラットホームをとりわけ提供する。有利にはこれらの方法は、時間がかかり、費用がかかる精製(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィー)および緩衝液交換ステップを迂回して、清澄化された細胞採取物から直接mAb関連種(例えば、多特異性結合タンパク質、抗体、Fc融合タンパク質、抗体断片など)のインタクトMS分析を可能にする。そこでこれらの方法は、潜在的な産生細胞株について多数のクローンを迅速にスクリーニングするために使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一部の実施形態では、多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の産生をモニタリングする方法であって、サイズ排除超高速液体クロマトグラフィー(size-exclusion ultra-performance liquid chromatography)および質量分析(SE-UPLC-MS)によって、多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種を含む細胞培養培地中の多特異性結合タンパク質および1つまたはそれ以上の誤対合種の量を検出することを含む方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、多特異性結合タンパク質は、少なくとも第1のポリペプチド鎖および第1のポリペプチド鎖と異なる第2のポリペプチド鎖を含む2本以上のポリペプチド鎖の会合を含み、1つまたはそれ以上の誤対合種は、第1のおよび第2のポリペプチド鎖の少なくとも1本を多特異性結合タンパク質のもの以外の会合で含む2本以上のポリペプチド鎖を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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