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公開番号2025063544
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-16
出願番号2023172849
出願日2023-10-04
発明の名称中性子捕捉療法装置
出願人住友重機械工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61N 5/10 20060101AFI20250409BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】照射時における被照射体の位置決め精度を向上できる中性子捕捉療法装置を提供する。
【解決手段】模擬照射ポート107において第2移動機構110Bを用いて位置決めが完了したら、搬送機構120は、患者50を治療部へ搬送する。そして、第1移動機構110Aは、模擬照射ポート107での位置決めが再現されるように、患者50を移動させる。ここで、第2移動機構110Bは、模擬照射ポート107に対する患者50の位置が、治療部102における照射ポート106に対する患者50の所定位置と略同一となるように移動させ、第1移動機構110Aは、治療部102における照射ポート106に対する患者50の所定位置へ移動させる。この場合、治療部102では第1移動機構110Aが、模擬照射ポート107に対する第2移動機構110Bでの位置合わせの状態を正確に再現することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
被照射体に中性子線を照射する照射部を有する治療部と、
前記治療部での前記照射部に対する前記被照射体の位置の調整を模擬する模擬部と、
前記治療部において前記被照射体を移動可能な第１移動機構と、
前記模擬部に対して前記被照射体を移動可能な第２移動機構と、
前記第２移動機構から前記第１移動機構へ前記被照射体を搬送可能な搬送機構と、を備え、
前記第２移動機構は、前記模擬部に対する前記被照射体の位置が、前記照射部に対する前記被照射体の所定位置と略同一となるように移動させ、
前記第１移動機構は、前記照射部に対する前記被照射体の前記所定位置へ、前記被照射体を移動させる、中性子捕捉療法装置。
続きを表示（約 920 文字）【請求項２】
前記治療部の前記照射部は、第１コリメータを備え、
前記模擬部は、前記第１コリメータを模擬する第２コリメータを備える、請求項１に記載の中性子捕捉療法装置。
【請求項３】
記憶部を更に備え、
前記記憶部は、前記模擬部に対する位置決め時における前記第２移動機構のパラメータを記憶し、
前記第１移動機構は、前記記憶部に記憶された前記パラメータに基づき、前記被照射体の位置決めを行う、請求項１又は２に記載の中性子捕捉療法装置。
【請求項４】
前記被照射体を固定する固定部を更に備え、
前記第１移動機構及び前記第２移動機構は、前記固定部を移動させることで前記被照射体を移動させ、
前記搬送機構は、前記固定部と共に前記被照射体を搬送する、請求項１又は２に記載の中性子捕捉療法装置。
【請求項５】
複数の前記模擬部を備え、
前記搬送機構は、前記治療部と複数の前記模擬部との間を走行する自動搬送台車を有する、請求項１に記載の中性子捕捉療法装置。
【請求項６】
前記被照射体を固定する固定部と、
前記搬送機構と前記第１移動機構及び前記第２移動機構の一方の移動機構との間で前記固定部を受け渡す受け渡し機構と、を更に備え、
前記搬送機構は、前記固定部と共に前記被照射体を搬送し、
前記受け渡し機構は、受け渡しの際に、前記搬送機構及び前記一方の移動機構の少なくともいずれかに保持された状態を維持する、請求項１に記載の中性子捕捉療法装置。
【請求項７】
前記受け渡し機構は、
前記固定部の保持状態を検出する検出部を有し、
受け渡し時に、前記検出部は、前記固定部が前記搬送機構及び前記一方の移動機構に保持された状態を検出し、
当該検出の後、前記搬送機構及び前記一方の移動機構のいずれかの保持状態を解除する、請求項６に記載の中性子捕捉療法装置。
【請求項８】
前記受け渡し機構は、受け渡し中であることを出力する出力部を有する、請求項６に記載の中性子捕捉療法装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、中性子捕捉療法装置に関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
中性子線を照射してがん細胞を死滅させる中性子捕捉療法として、ホウ素化合物を用いたホウ素中性子捕捉療法（ＢＮＣＴ：Boron Neutron Capture Therapy）が知られている。ホウ素中性子捕捉療法では、がん細胞に予め取り込ませておいたホウ素に中性子線を照射し、これにより生じる重荷電粒子の飛散によってがん細胞を選択的に破壊する。
【０００３】
上述のような中性子捕捉療法装置として、例えば特許文献１に示されるものが知られている。特許文献１に示される中性子捕捉療法装置は、載置部材に患者を固定した状態で、中性子線の照射口の手前に配置することで治療を行っている。そのため、準備室で患者の位置決めを行い、患者を治療室へ搬送して再び位置決めを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１６－８３３５１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述の中性子捕捉療法装置では、準備室で位置決め機構によって位置決めを行い、位置決め機構及び被照射体を治療室へ搬送機構で搬送し、治療室にて位置決め機構で再び位置決めを行っている。このような中性子捕捉療法装置では、搬送機構の走行駆動の位置誤差等の影響によって、治療室での位置決め機構の位置と治療室での位置決め機構の位置との間でずれが生じる。これにより、照射時における被照射体の位置決め精度が低下するという問題が生じる。
【０００６】
従って、本発明は、照射時における被照射体の位置決め精度を向上できる中性子捕捉療法装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明に係る中性子捕捉療法装置は、被照射体に中性子線を照射する照射部を有する治療部と、治療部での照射部に対する被照射体の位置の調整を模擬する模擬部と、治療部において被照射体を移動可能な第１移動機構と、模擬部に対して被照射体を移動可能な第２移動機構と、第２移動機構から第１移動機構へ被照射体を搬送可能な搬送機構と、を備え、第２移動機構は、模擬部に対する被照射体の位置が、照射部に対する被照射体の所定位置と略同一となるように移動させ、第１移動機構は、照射部に対する被照射体の所定位置へ、被照射体を移動させる。
【０００８】
本発明に係る中性子捕捉療法装置では、治療部において被照射体を移動可能な第１移動機構と、少なくとも一つの模擬部に対して被照射体を移動可能な少なくとも一つの第２移動機構と、第２移動機構から第１移動機構へ被照射体を搬送可能な少なくとも一つの搬送機構と、を備える。これにより、模擬部に対して第２移動機構を用いて位置決めが完了したら、搬送機構は、被照射体を治療部へ搬送する。そして、第１移動機構は、模擬部での位置決めが再現されるように、被照射体を移動させる。ここで、第２移動機構は、模擬部に対する被照射体の位置が、照射部に対する被照射体の所定位置と略同一となるように移動させ、第１移動機構は、照射部に対する被照射体の所定位置へ、被照射体を移動させる。この場合、治療部では第１移動機構が、模擬部に対する第２移動機構での位置合わせの状態を正確に再現することができる。以上より、照射時における被照射体の位置決め精度を向上できる。
【０００９】
治療部の照射部は、第１コリメータを備え、模擬部は、第１コリメータを模擬する第２コリメータを備えてよい。この場合、模擬部に対し、コリメータの位置まで考慮した上で、被照射体の位置決めを模擬することができる。
【００１０】
中性子捕捉療法装置は、記憶部を更に備え、記憶部は、模擬部に対する位置決め時における第２移動機構のパラメータを記憶し、第１移動機構は、記憶部に記憶されたパラメータに基づき、被照射体の位置決めを行ってよい。この場合、治療部では第１移動機構が、模擬部に対する第２移動機構での位置合わせの状態を容易、且つ正確に再現することができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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