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公開番号2025007663
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023109213
出願日2023-07-03
発明の名称癌治療装置
出願人個人
代理人個人,個人
主分類A61N 5/06 20060101AFI20250109BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】波長1.27μmの近赤外光を、1~3cmの大きさに集光させることができるコンパクトな癌治療装置を提供すること。
【解決手段】癌治療装置300は、超音波振動子114と、超音波振動子114の直上近傍の空間像をリレーする結像光学系111と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アルカリ性溶液と過酸化水素水とを混合した混合溶液をミスト状にする超音波振動子と、
前記超音波振動子の振動面近傍の空間像をリレーする結像光学系と、を備えたことを特徴とする癌治療装置。
続きを表示(約 62 文字)【請求項2】
前記結像光学系が回転楕円面鏡と集光レンズとを含むことを特徴とする請求項1に記載の癌治療装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、本開示は、波長1.27μmの近赤外光を癌細胞周辺に照射することで癌を治療する癌治療装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
波長1.3μm前後の近赤外光を発生できる様々な光源の中で、波長1.315μmで高出力動作が可能な化学励起ヨウ素レーザ(一般にCOILと呼ばれている。COILはChemical Oxygen-Iodine Laserの頭文字である)が広く知られている。COILには、過酸化水素水(H
2
O
2
)と水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)の混合溶液(以下、BHP溶液と呼ぶ。BHPとは、Basic Hydrogen Peroxideの頭文字である)が用いられる。
【0003】
COILは、この混合溶液と塩素ガスとの化学反応によって発生した励起一重項状態の酸素分子(O2(1Δg)と示されるが、ここでは一重項酸素と記す)のエネルギーをヨウ素原子に移乗させている。このようにすることで、励起状態のヨウ素原子が生成され、レーザ発振する。化学励起ヨウ素レーザに関しては、非特許文献1~4において説明されている。
【0004】
これに対して、ヨウ素にエネルギー移乗させずに、一重項酸素から直接レーザ発振させるレーザ光源も研究されている。このレーザ光源は酸素分子レーザと呼ばれるが、ゲインが極めて低いことから、レーザ発振は難しいとされている。酸素分子レーザに関しては、特許文献1、及び非特許文献5において説明されている。
【0005】
酸素分子レーザの波長は1.27μmであり、この波長のレーザ光は、ラマン変換に基づくラマンレーザ等からも得られる。酸素分子レーザ、すなわち一重項酸素の発光スペクトルの場合に効果が期待される応用として、癌の治療が検討されている。これに関しては、特許文献2において説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開2015/114682号明細書
特許第6859556号公報
【非特許文献】
【0007】
Stephen C. Hurlick, et al., “COIL technology development at Boeing,” Proceedings of SPIE Vol. 4631, 101-115 (2002).
Masamori Endo, “History of COIL development in Japan: 1982-2002,” Proceedings of SPIE Vol. 4631, 116-127 (2002).
Edward A. Duff and Keith A. Truesdell, “Chemical oxygen iodine laser (COIL) technology and development, ” Proceedings of SPIE Vol. 5414, 52-68 (2004).
Jarmila Kodymova, “COIL--Chemical Oxygen Iodine Laser: advances in development and applications,” Proceedings of SPIE Vol. 5958, 595818 (2005).
宮島啓成「O2(1Δg)に基づくレーザ発振器の研究開発」卒業論文、慶応大学理工学部、1986年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが酸素分子レーザでは、利得が極めて低いことから、レーザ発振させるために、ゲイン長を数メートル以上に長くする必要がある。したがって、装置が長くて大きくなることが問題であった。
【0009】
本開示の目的は、所望の大きさの癌細胞に対して、波長1.27μmの近赤外光を照射して治療するためのコンパクトな癌治療装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目標を達成するために、本実施形態の癌治療装置では、超音波振動子と波長1.27μmの近赤外光を集光できる結像光学系を用いたものである。これによると、BHP溶液を、超音波振動子を用いて、アルカリ性溶液と過酸化水素水とを混合した混合溶液を霧(ミスト)状にして、塩素ガスと反応させることで、一重項酸素が発生する。このため、その一重項酸素が放射する波長1.27μmの光の像を、結像光学系を用いてリレーすることができる。よって、装置外部において、近赤外光を集光させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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