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公開番号2025062321
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-14
出願番号2023171298
出願日2023-10-02
発明の名称量子演算システムおよび量子演算における装置間同期制御方法
出願人株式会社日立製作所
代理人青稜弁理士法人
主分類G06N 10/20 20220101AFI20250407BHJP(計算;計数)
要約【課題】量子演算を高速に制御する精度の良い同期信号を供給する量子演算システム及び装置間同期制御方法を提供する。
【解決手段】量子演算システムは、量子操作を実行する量子デバイスと、量子操作を実行するための制御信号を量子デバイスに送信する複数の計装装置と、タイミングを示す第1のトリガ信号に基づいて、制御信号の送信を指示する第2のトリガ信号を複数の計装装置の少なくとも一つに対して送信する同期トリガ分配装置と、を備え、同期トリガ分配装置は、第1のトリガ信号に基づいて、複数の計装装置のうち、第2のトリガ信号を出力するべき所定の計装装置を特定する制御シーケンステーブルと、複数の計装装置それぞれに対応して遅延時間を特定する遅延時間テーブルと、を備え、制御シーケンステーブルに基づいて特定された計装装置に対して、遅延時間テーブルに基づいて特定された遅延時間に基づいたタイミングで、第2のトリガ信号を出力する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
量子操作を実行する量子デバイスと、
前記量子操作を実行するための制御信号を前記量子デバイスに送信する、複数の計装装置と、
タイミングを示す第1のトリガ信号に基づいて、前記制御信号の送信を指示する第2のトリガ信号を前記複数の計装装置の少なくとも一つに対して送信する、同期トリガ分配装置と、を備え、
前記同期トリガ分配装置は、
前記第1のトリガ信号に基づいて、前記複数の計装装置のうち、前記第2のトリガ信号を出力するべき所定の計装装置を特定する、制御シーケンステーブルと、
前記複数の計装装置それぞれに対応して遅延時間を特定する、遅延時間テーブルと、を備え、
前記制御シーケンステーブルに基づいて特定された計装装置に対して、前記遅延時間テーブルに基づいて特定された遅延時間に基づいたタイミングで、前記第2のトリガ信号を出力する、
量子演算システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記同期トリガ分配装置は、テーブル読出し制御部を備え、
前記テーブル読出し制御部は、
前記第1のトリガ信号をカウントする、トリガ数カウンタを備え、
前記制御シーケンステーブルは、
前記トリガ数カウンタでカウントされたカウント数に基づいて、前記複数の計装装置のうち、前記第2のトリガ信号を出力するべき所定の計装装置を特定する、
請求項1記載の量子演算システム。
【請求項3】
前記同期トリガ分配装置は、
前記トリガ数カウンタのカウント値を指定した値に更新するよう、前記テーブル読出し制御部に要求するコマンドを受信する、
請求項2記載の量子演算システム。
【請求項4】
前記同期トリガ分配装置は、
前記複数の計装装置のうちの少なくとも一つから、前記計装装置の処理状態を特定する情報を受信する、
請求項2記載の量子演算システム。
【請求項5】
前記同期トリガ分配装置は、前記複数の計装装置それぞれに対応した遅延補正部を備え、
前記遅延補正部は、
前記制御シーケンステーブルにより、自己に対応した計装装置が特定された場合、前記遅延時間テーブルで特定された自己の遅延時間によりタイミングを修正して、前記第2のトリガ信号を出力する、
請求項1記載の量子演算システム。
【請求項6】
前記遅延時間は、前記第2のトリガ信号を起点とする遅延時間である、
請求項1記載の量子演算システム。
【請求項7】
前記遅延時間には、伝送媒体の伝搬遅延および通信プロトコルに基づく遅延の少なくとも一方が含まれることを特徴とする、
請求項1記載の量子演算システム。
【請求項8】
冷却装置を備え、
前記量子デバイスは、前記冷却装置中で最も低温部位に配置され、
前記複数の計装装置および前記同期トリガ分配装置の少なくとも一つは、前記量子デバイスが配置された部位とは異なる温度の部位に配置される、
請求項1記載の量子演算システム。
【請求項9】
前記第1のトリガ信号は、前記複数の計装装置の少なくとも一つで生成される、
請求項8記載の量子演算システム。
【請求項10】
前記第1のトリガ信号は、前記第1のトリガ信号に係る機能に特化され、前記制御信号に係る機能を持たない装置であって、前記量子デバイスが配置された部位とは異なる温度の部位に配置された装置で生成される、
請求項8に記載の量子演算システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はゲート型量子コンピュータシステムに関し、特に単一電子スピン量子ドットを複数配列した量子演算デバイスの電子スピンを操作し、また電子スピン状態を読み出すために必要な制御信号を生成する手段として、高いタイミング精度で相互に連携動作する複数の計装装置(半導体チップの態様を含む)によりシステムを構成する際の、装置間同期制御方式に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
半世紀以上にわたりコンピュータの進展を支えてきた半導体素子の微細化による性能向上は、プロセスルールとシリコンの原子間距離との対比から、近い将来限界が訪れることが確実視されている。量子コンピュータは、新しい計算原理やデバイスによりその限界を打破する試みであり、超伝導回路、イオントラップ、光子、シリコン量子ドットなどを利用した量子演算デバイスや演算方式が提案されている。加えて、大規模で実用的なアプリケーションを、誤り耐性のある汎用量子コンピュータシステムで実行するという将来構想への前段階として、現時点では、量子ビット数が100個程度と少なく誤り訂正ができないという概念を前提とした、NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum device)と呼ばれるシステムの原理実証やアルゴリズム探索が進んでいる。
【0003】
シリコン量子ドット内の単一電子スピンのように、極低温で発現する量子効果を演算原理とする量子演算デバイスを応用した量子コンピュータシステムを実現するには、組み込み先となる装置として希釈冷凍機を選択するのが通例である。この場合、量子演算デバイスは希釈冷凍機内で最も温度が下がるミキシングチャンバに熱的に接触して固定されており、量子演算デバイスの動作制御に必要な信号は希釈冷凍機外部に配置した信号発生器から印加し、同様に希釈冷凍機外部の測定機により演算結果(量子ドット状態)を読み出すという、さながら実験装置のような構成を採ることが多い。
【0004】
特許文献2は、少なくとも2セットの超電導論理デバイスと、論理デバイスを第1の動作温度に冷却するように適合された冷却装置と、超電導論理デバイスを結合する相互接続とを含むシステムを開示している。
【0005】
特許文献3には、量子ビットアレイであって、半導体層と、前記半導体層の上に配置される絶縁層と、前記絶縁層の上に配置され、電圧を印加することによって、前記半導体層に所定のスピン状態の電子をトラップする複数の第1ゲート電極と、を備え、前記電子のスピン状態を変更する場合に、少なくとも一つの前記第1ゲート電極に、前記電子に作用する磁場を形成するための電流を当該第1ゲート電極の伸長方向に流す手段を有することを特徴とする量子ビットアレイが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-090358号公報
特表2021-523572号公報
特開2022-130893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、特許文献3記載の量子ビットアレイを、希釈冷凍機の最も冷却された部位(極低温環境)に配置し、量子演算を高速に制御するためには、精度の良い同期信号を供給する必要がある。極低温環境に保たれる領域のスペースは限られるため、同期信号は極低温環境外部から供給するのが好ましいが、そのためには配線長を短くするのが困難であり、同期精度を向上させるのが難しい。
【0008】
特許文献1は、系統と連携動作する直列多重インバータ装置における系統電圧検出および位相同期制御に関連し、位相同期信号をその生成に要する時間だけマスタ制御装置側で補正(前倒し)することで、当該信号により制御される複数のスレーブ制御装置の系統に対する同期精度を向上させる技術が開示されている。本技術を利用することで、装置動作の基準となる同期対象が系統電圧のような繰り返し波形をもち、かつ複数のスレーブ制御装置が同一の動作をする場合に、全スレーブ制御装置の動作を効率的に系統と同期させることが期待できる。
【0009】
量子演算デバイスを核とする量子コンピュータは、事実上量子ドットにアナログ情報が付与されたアナログコンピュータである。量子コンピュータの最終的な演算精度を決定づける量子操作の忠実度(フィデリティ)を所望のものとするためには、必要十分な精度と特性を備えたバイアス電圧発生装置や高周波発生装置、電子スピンなど量子ドットの状態読み出しに利用する微小電圧/電流増幅装置等の計装装置を導入し、量子演算デバイスに接続するだけでは不十分であり、実行したい量子操作の制御シーケンスに応じて各計装装置の動作タイミングを制御し、かつ装置間の相対的な動作タイミングを高い時間精度(例えば10ナノ秒)で一致させる(同期させる)ことが要件となる。
【0010】
通常、導入した計装装置のベンダが単一であることはなく、加えて計装装置の応答遅延時間、すなわち、当該計装装置を制御する装置が所定の動作要求を出してから要求された動作が計装装置側で実際に開始されるまでの時間(動作要求を伝送する媒体の伝搬遅延やプロトコルに起因する遅延を含む)は、計装装置毎に異なる。この特性は、PXI(商標)等のモジュール式計測システムを導入する場合においても共通であり、応答遅延時間を考慮したモジュール間の制御同期が必要であることは言うまでもない。
(【0011】以降は省略されています)

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