TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025060985
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2025000026,2022211739
出願日2025-01-05,2012-05-17
発明の名称網膜疾患を処置するための組成物および方法
出願人ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア,The Regents of the University of California
代理人個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20250403BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】網膜疾患を処置するための組成物および方法を提供すること。
【解決手段】網膜前駆細胞を投与することによって、網膜疾患もしくは網膜の状態を処置する、軽減する、もしくは防止する、明所(昼間)視を改善するための、矯正視力を改善する、黄斑機能を改善する、視野を改善する、または暗所(夜間)視を改善するための、組成物および方法が、本明細書に開示されている。本明細書に記載の主題は、網膜前駆細胞を含む細胞集団およびこれを単離する方法も提供する。代替の実施形態では、本発明は、胎児神経網膜細胞の異種混合物、ならびにこれらを作製および使用するための方法および組成物(例えば、キット、製剤など)を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の方法または組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
技術分野
本明細書に記載の主題は、一般に、幹細胞生物学および再生医療の分野に関する。特に、本明細書に開示の主題により、網膜前駆細胞を投与することによって、網膜疾患もしくは網膜の状態を処置する、軽減する、もしくは防止する、明所(昼間)視を改善する、視力を改善もしくは矯正する(improving or correcting visual acurity)、黄斑機能を改善する、視野を改善する、または暗所(夜間)視を改善するための組成物および方法が提供される。本明細書に記載の主題により、網膜前駆細胞を含む細胞集団およびこれを単離する方法も提供される。代替の実施形態では、本発明は、網膜疾患または網膜の状態、例えば、アッシャー病、網膜色素変性症(RP)、網膜変性疾患(degenerative retinal disease)、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMDもしくは萎縮型AMD、地図状萎縮、網膜光受容体疾患、糖尿病性網膜症、類嚢胞黄斑浮腫、ブドウ膜炎、網膜剥離、網膜損傷、黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症、外傷性もしくは医原性網膜損傷、神経節細胞もしくは視神経細胞疾患、緑内障または視神経症、虚血性網膜疾患、例えば、未熟児網膜症、網膜血管閉塞、もしくは虚血性視神経症を処置する、軽減する、または防止する、あるいは明所(昼間)視を改善する、あるいは矯正視力を改善する(improving correcting visual acurity)、あるいは黄斑機能を改善する、あるいは視野を改善する、あるいは暗所(夜間)視を改善するための組成物および方法を提供する。代替の実施形態では、本発明は、胎児神経網膜細胞の異種混合物、ならびにこれらを作製および使用するための方法および組成物(例えば、キット、製剤など)を提供する。
続きを表示(約 5,000 文字)【背景技術】
【0002】
背景
網膜変性症は、視覚の永久喪失をもたらし、世界中で数百万の個人に影響する眼疾患の異質の群である。これらの状態の基礎をなす分子機構は様々であるが、これらは、共通のエンドポイント、すなわち、光受容細胞の不可逆的な死を共有する。失った光受容体および視覚機能を回復するのに有効な処置は、現在利用可能でなく、大部分の治療的な介入は、せいぜい疾患の進行を遅延させることだけである。
【0003】
網膜変性症を有する患者における以前の臨床試験では、胎児網膜シート移植片の使用が含まれていた。この移植ストラテジーでは、細胞突起を伸ばし、変性した宿主網膜とシナプス結合を形成する未成熟の網膜シートが利用される。これの裏にある原理は、宿主の内側網膜神経細胞がインタクトなままであり、したがって、視覚機能を回復するのに、光受容体とのシナプス結合を必要とするだけであることである。患者における網膜シート移植を調査する試験では、いくらかの主観的な視覚の改善が示されているが、移植片拒絶、組織の利用可能性、および信頼できない臨床的効力が、この手法が実行可能な処置選択肢となるのを妨げている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
幹細胞および他の多能性細胞も、網膜変性症を有する患者の処置に使用するために企図されており、胚組織、成体(adult)脳、遺伝子操作された皮膚線維芽細胞、およびさらには網膜を含めていくつかの源から単離することができる。しかし、胚細胞または幹細胞は、これまでのところ、胎児様網膜前駆細胞集団へと最初に予め分化されない限り、成体網膜中に移植されたとき、分化して網膜表現型になる能力が小さいことが示されている。さらに、その収率および生着の効率は低く、残留する腫瘍形成多能性細胞の混入が問題となっている。光受容細胞配置の分野における現在の課題は、これらの細胞の多数が、免疫反応または移植細胞の腫瘍形成表現型への形質転換のリスクが最小である最適段階で移植され得るように、細胞を光受容体分化の方向に導く発達過程を理解すること包含する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
要旨
代替の実施形態では、本発明は、網膜疾患または網膜の状態、例えば、アッシャー病、網膜色素変性症(RP)、網膜変性疾患、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMDもしくは萎縮型AMD、地図状萎縮、網膜光受容体疾患、糖尿病性網膜症、類嚢胞黄斑浮腫、ブドウ膜炎、網膜剥離、網膜損傷、黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症、外傷性もしくは医原性網膜損傷、神経節細胞もしくは視神経細胞疾患、緑内障または視神経症、虚血性網膜疾患、例えば、未熟児網膜症、網膜血管閉塞、もしくは虚血性視神経症を処置する、軽減する、または防止する、あるいは明所(昼間)視を改善する、あるいは矯正視力を改善する、あるいは黄斑機能を改善する、あるいは視野を改善する、あるいは暗所(夜間)視を改善するための組成物および方法を提供する。代替の実施形態では、本発明は、胎児神経網膜細胞の異種混合物、ならびにこれらを作製および使用するための方法および組成物(例えば、キット、製剤など)を提供する。
【0006】
代替の実施形態では、本発明は、
(a)(i)ヒトについて、在胎約17~18週齢、または在胎約16~19週齢、または在胎15~20週齢、または在胎14~26週齢、または在胎約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、もしくは26週齢、あるいは非ヒト動物、必要に応じてネコ、イヌ、もしくはブタの細胞について約3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは11週、またはネコについて6~7週、またはブタ細胞について6~9週において、または
(ii)哺乳動物網膜が明らかに形成される後であるが、光受容体外側セグメントが完全に形成され、網膜の血管新生が実質的に完了し、または完了する前の段階において、または類似の哺乳動物の胎児期(fetal staging)において、哺乳動物胎児からの複数の哺乳動物胎児神経網膜細胞を含む細胞の試料を回収するステップであって、必要に応じて細胞の試料は、ヒトまたはネコまたはイヌの細胞を含む、ステップと、
(b)回収した細胞の試料を酵素的に解離して、細胞の解離懸濁物ならびに/または小サイズおよび中サイズ細胞群(cell cluster)を作製するステップであって、
必要に応じて回収した細胞および/または小細胞群の試料は、トリプシンもしくは均等物、またはTRYP-LE EXPRESS(商標)(TrypLE(商標)Express、Invitrogen-Life Technologies、Carlsbad CA)もしくは均等物を使用して酵素的に解離される、ステップと、
(c)無血清培地または血清を含む培地を含み、抗生物質および抗真菌薬を含み、または抗生物質も抗真菌薬も含まない滅菌環境下で、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10、またはそれ以上を超えない継代にわたって細胞および/または小細胞群を培養するステップと
を含み、
必要に応じて細胞および/または小細胞群は、ダルベッコ変法イーグル培地を含む培地:Nutrient Mixture F-12(商標)(DMEM/F12(商標))培地、またはADVANCED DMEM/F12(商標)培地(Gibco-Invitrogen-Life Technologies、Carlsbad CA))、またはULTRACULTURE(商標)培地(BioWhittaker-Lonza Walkersville,Inc.、Walkersville、MD)で、N2補充物(Invitrogen)、またはB27もしくはB27 Xeno Free(Invitrogen)、L-グルタミンもしくはGlutaMax(Invitrogen)、ならびにEGFおよびbFGFからなるヒト組換え増殖因子(Invitrogen)、または他の増殖因子と必要に応じて一緒に培養され、
必要に応じてDMEM/F12(商標)培地は、ヒト細胞に使用され、ULTRACULTURE(商標)培地は、ネコまたはイヌの細胞に使用され、
低酸素条件、または妊娠の間に発生中の胎児網膜の酸素レベルに近似するもしくは密接に模倣する酸素条件下、あるいは約2%、2.5%、3%、3.5%の酸素で必要に応じて細胞を培養し、あるいは増殖させ、
必要に応じて培地は、ビタミンCを補充され、必要に応じてビタミンCは、1日または2日毎に添加され、必要に応じてビタミンCは、約0.1mg/mlもしくは0.05mg/ml、または約0.01mg/ml~約0.5mg/mlの間の初期濃度を有する量で添加され、
必要に応じて培地は、アルブミン、またはヒトもしくはネコもしくはイヌのアルブミン、または組換えアルブミンを補充され、あるいはアルブミンは、約1.0mg/mlの初期濃度を有する量で添加され、
必要に応じて細胞の試料は、病原体、細菌、エンドトキシン、真菌、マイコプラズマ、ウイルス、肝炎ウイルス、またはHIVウイルスの存在についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の試料は、正常核型の存在についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の試料は、テロメラーゼ活性の上昇を呈さず、
必要に応じて細胞の試料は、生存能についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の試料は、腫瘍形成能についてスクリーニングされる
方法によって作製される哺乳動物胎児神経網膜細胞の異種混合物を含む、製剤、製造産物、あるいは組成物を提供する。
【0007】
製剤、製造産物、または組成物の代替の実施形態では、胎児神経網膜細胞の異種混合物を作製するための方法は、
(a)細胞表面マーカーまたは遺伝子マーカーに基づいて胎児神経網膜細胞を選択し、培養するステップの前(将来を見越して)もしくは培養するステップの後のいずれかに、または両方で細胞を必要に応じて選択するステップであって、
必要に応じて細胞表面マーカーまたは遺伝子マーカーは、CD15/LeX/SSEA1および/またはGD2ガングリオシド、必要に応じてCD9、CD81、CD133、またはAQP4、CXCR4を含むステップ、あるいは
(b)胎児神経網膜細胞トランスクリプトームプロファイル、プロテオームプロファイル、および/またはゲノムプロファイルに基づいて胎児神経網膜細胞を選択するステップをさらに含む。
代替の実施形態では、本発明の胎児神経網膜細胞の異種混合物を作製するための方法は、
細胞に最適速度(または最適速度付近)で増殖させ、かつ/または胎児神経網膜細胞表現型もしくはトランスクリプトームプロファイルを発現させる条件下で細胞を培養するステップであって、
必要に応じて、胎児神経網膜細胞表現型プロファイルは、(必要に応じて中等度の)レベルのKi67、p21、および/もしくは、テロメラーゼならびに/または高レベルの、多分化能細胞であるが多能性細胞でない細胞に関連した1つもしくは複数の幹細胞マーカーの発現を含み、
あるいは必要に応じて、胎児神経網膜細胞表現型プロファイルは、ネスチン、ビメンチン、Ki-67、分化マーカー、β3-チューブリン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、および/もしくはロドプシン、またはこれらの任意の組合せの(遺伝子またはメッセージ)発現を含み、
必要に応じてDach1、Lhx2、および/またはPax6メッセージが測定される、ステップをさらに含む。
【0008】
代替の実施形態では、製剤、製造産物、または組成物は、注射、または硝子体腔もしくは網膜下腔内への注射用に製剤化される。
代替の実施形態では、本発明は、網膜疾患または網膜の状態を処置するための方法であって、
(a)本発明の製剤、製造産物、または組成物を提供するステップと、
(b)硝子体腔もしくは網膜下腔内に(a)の製剤、製造産物、または組成物を注射するステップと、
を含み、
必要に応じて硝子体腔もしくは網膜下腔は、ヒトまたはネコまたはイヌの硝子体腔もしくは網膜下腔であり、
必要に応じて標準的な眼内注射手順が使用され、
必要に応じて本方法は、前房穿刺をさらに含み、
それによって、手順の安全性を改善する、
それによって、網膜疾患または網膜の状態を処置する、方法を提供する。
【0009】
本方法の代替の実施形態では、網膜疾患または網膜の状態は、アッシャー病、網膜色素変性症(RP)、網膜変性疾患、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMDもしくは萎縮型AMD、網膜光受容体疾患、糖尿病性網膜症、網膜剥離、網膜損傷、外傷性もしくは医原性網膜損傷、神経節細胞もしくは視神経細胞疾患、緑内障または視神経症を含む。
【0010】
代替の実施形態では、本発明は、明所(昼間)視を改善するための方法であって、
(a)本発明の製剤、製造産物、または組成物を提供するステップと、
(b)硝子体腔もしくは網膜下腔内に(a)の製剤、製造産物、または組成物を注射するステップと、
を含み、
必要に応じて硝子体腔もしくは網膜下腔は、ヒトまたはネコまたはイヌの硝子体腔もしくは網膜下腔であり、
必要に応じて標準的な眼内注射手順が使用され、
必要に応じて本方法は、前房穿刺をさらに含み、
それによって、明所(昼間)視を改善する、方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

合同酒精株式会社
麦汁の製造方法
2か月前
池田食研株式会社
RNAの合成方法
2か月前
東洋紡株式会社
細菌からの核酸抽出法
2か月前
杏林製薬株式会社
核酸検出用PCR溶液
14日前
東洋紡株式会社
ウイルスからの核酸抽出法
2か月前
サッポロビール株式会社
飲料
10日前
熊本県
低褐変レタスとその作製方法
2か月前
学校法人近畿大学
培養肉の製造方法
1か月前
JNC株式会社
アデノ随伴ウイルスの精製方法
1か月前
国立大学法人山梨大学
受精胚の選別方法及び装置
3か月前
朝日酒造 株式会社
発泡性清酒の製造方法
2か月前
株式会社東海ヒット
灌流培養ユニット
1日前
セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
C7、C12、およびC16置換神経刺激性ステロイドおよびそれらの使用方法
2か月前
個人
ナノ微粒子の製造方法
10日前
ヤマト科学株式会社
インキュベータ
1か月前
大和ハウス工業株式会社
藻類培養システム
2か月前
個人
超音波機能着きウィスキー熟成ボトル用のキャップ
25日前
日本特殊陶業株式会社
メタン発生抑制装置
1か月前
東洋紡株式会社
緩衝剤によるヘムタンパク質の安定化方法
25日前
株式会社アテクト
培養シート
1か月前
学校法人慈恵大学
培養皿用の定規
2か月前
日本臓器製薬株式会社
髄核細胞の培養方法
3か月前
住友化学株式会社
細胞用基材
3か月前
住友化学株式会社
細胞用基材
3か月前
三井化学株式会社
作業用装置
3か月前
住友化学株式会社
細胞チップ
2か月前
ニプロ株式会社
コネクタ及びバッグ
1か月前
キヤノン株式会社
細胞剥離装置
2か月前
花王株式会社
肌タイプの分類方法
1か月前
学校法人藤田学園
アンチセンス核酸およびその利用
17日前
国立研究開発法人産業技術総合研究所
細胞観察方法及びその装置
3か月前
学校法人上智学院
核酸塩基検出剤
24日前
学校法人東京電機大学
酵母、及び食品用添加剤
2日前
御木本製薬株式会社
ナガミルエキスの製造方法
2か月前
学校法人上智学院
生物の管理方法
2か月前
学校法人近畿大学
遺伝子組換えコクナーゼおよびその前駆体
1か月前
続きを見る