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公開番号
2025060087
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2023170599
出願日
2023-09-29
発明の名称
圧縮機制御システムおよび圧縮機制御方法
出願人
株式会社日立産機システム
代理人
青稜弁理士法人
主分類
F04B
49/08 20060101AFI20250403BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約
【課題】複数の末端の各流量に対する圧力の応答を測定して、末端圧力の変動を予測する機械学習モデルを構築して空気圧縮機の最適制御を行う。
【解決手段】圧縮空気を消費する複数の末端を有する空圧システムにおける圧縮機制御方法であって、システム400の制御部は、a)圧縮空気を供給する吐出側の圧力計305~307により供給側圧力を測定し、b)配管11、12、24の末端の一部に設けられた圧力計113、123、243と流量計112、122、242とバルブ111、121、241を用い、バルブの開放又は閉鎖時の圧力値と流量値を取得し、c)空気圧縮機2~4からの供給圧力値と、需要側の圧力値と流量値を用いて末端11、12、24毎の圧力の末端圧予測モデルを学習する。空圧システムの実稼働時には、制御部が末端圧予測モデルに供給圧力値と末端の空気流量値を入力することで、空気圧縮機の最適吐出圧力を算出する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
空気圧縮機から吐出された圧縮空気を、複数の配管を介して圧縮空気を消費する複数の末端に供給する設備を制御する圧縮機制御システムであって、
空気圧縮機もしくはレシーバタンク付近の単一もしくは複数の供給点に圧力計を設け、
前記配管の末端のすべて又は一部に圧力計と流量計とバルブをそれぞれ接続し、
前記バルブの開度を変えながら前記末端を開放して、その際の圧力および流量を実測したデータを蓄積する記憶手段と、
前記実測された前記データを用いて、前記供給点の圧力と、複数の前記末端の流量を入力とし、末端圧力を出力に持つ末端圧予測モデルを学習する末端圧予測モデル構築部と、
学習された前記末端圧予測モデルに、前記設備の実際の稼働時における前記供給点の圧力の計測値と前記末端毎の流量情報を入力して前記末端の圧力を予測する末端圧予測部と、
予測された前記末端の圧力の値を用いて前記空気圧縮機の最適吐出圧力を設定する設定圧探索部と、を有することを特徴とする圧縮機制御システム。
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【請求項2】
前記空気圧縮機は1台以上設けられ、
前記設定圧探索部によって設定される複数の前記末端の圧力が、所定の範囲に収まるように前記空気圧縮機の回転数や運転台数を制御する運転操作部を有することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機制御システム。
【請求項3】
前記末端圧予測部を用いて、複数の前記末端の圧力と、前記空気圧縮機の吐出圧の将来予測値が一定となるように前記空気圧縮機の回転数や運転台数を制御することを特徴とする請求項2に記載の圧縮機制御システム。
【請求項4】
前記末端圧予測モデル構築部は、前記末端圧予測モデルの学習時には多くの前記末端の圧力の計測値と流量情報を利用し、
前記末端圧予測部は、前記最適吐出圧力の設定時には、前記学習時よりも少ない数の前記末端の流量情報を利用して予測することを特徴とする請求項3に記載の圧縮機制御システム。
【請求項5】
前記配管のうち分岐する複数の部分をゾーンとして定義し、前記ゾーンごとに流量と圧力を測定する代表的な前記末端を設定し、
前記末端圧予測部は、代表的な前記末端の流量と圧力の実測データを用いて前記空気圧縮機の最適吐出圧力を設定することを特徴とする請求項4に記載の圧縮機制御システム。
【請求項6】
情報の入力と出力を行う入出力部を有し、
ユーザによって入力される前記末端に接続される機器の定格流量、稼働方法、稼働率を格納するモデルデータベースを有し、
前記末端圧予測部は、前記入力された情報から末端流量の変化パターンを推定して、
供給点圧力の計測値と、将来の圧力変化パターンを予測することを特徴とする請求項5に記載の圧縮機制御システム。
【請求項7】
ユーザに対して可視的に情報を表示する表示装置を設け、
前記設定圧探索部よって設定された前記空気圧縮機の最適吐出圧を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項5に記載の圧縮機制御システム。
【請求項8】
情報の入力と出力を行う入出力部を有し、
ユーザによる前記末端の目標圧力を前記入出力部から入力することに応じて、
前記設定圧探索部は、前記空気圧縮機の最適吐出圧力をシミュレーションして前記入出力部に表示することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機制御システム。
【請求項9】
プロセッサを有する制御部と、制御部に接続される入出力装置及び記憶装置を有する末端圧予測制御システムを用いて、空気圧縮機から吐出された圧縮空気を複数の配管を介して圧縮空気を消費する複数の末端に供給する空圧システムにおける圧縮機制御方法であって、
前記制御部は、
a)前記複数の配管に対して圧縮空気を供給する吐出側に設けられた単一もしくは複数の圧力計により供給側圧力を測定し、
b)前記配管の末端のすべて又は一部に設けられた圧力計と流量計とバルブを用いて前記バルブの開放又は閉鎖時の圧力値と流量値を取得し、
c)前記空気圧縮機からの供給圧力値と、需要側の前記圧力値と前記流量値を用いて前記末端毎の圧力を出力に持つ末端圧予測モデルを学習し、
前記空圧システムの稼働時に前記制御部は、
d)前記バルブの代わりに前記末端に圧縮空気利用機器を接続し、
e)前記末端圧予測モデルに前記供給圧力値と前記末端の前記流量値を入力することによって前記空気圧縮機の最適吐出圧力を算出することを特徴とする圧縮機制御方法。
【請求項10】
前記空気圧縮機は1台以上設けられ、
前記制御部は、前記ステップe)にて設定された最適吐出圧力にて運転できるように、前記空気圧縮機の回転数や運転台数を調整することを特徴とする請求項9に記載の圧縮機制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変速装置で制御される空気圧縮機を備えて、複数の配管を介して末端に接続された圧縮空気使用機器に圧縮空気を供給する設備における圧縮機制御システムおよびその制御方法に関し、特に、設備で使用する圧縮空気量の変動を考慮して圧縮機を効率良く制御するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
工場等の設備の各箇所に圧縮空気を供給する空圧設備は、一つ以上の空気圧縮機により圧縮された圧縮空気をレシーバタンク(空気槽)で一時的に蓄積し、このレシーバタンクから配管系統および空圧機器(フィルタ、ドライヤー、制御弁等)を介して、工場内のエアシリンダやエアブロー等、工場の生産工程で圧縮空気を使用する機器へ供給する。空気圧縮機の吐出口から末端に至る空気配管は、末端に近くなるほど圧力損失が大きくなるが、空気圧縮機の吐出空気量と末端での使用空気量の変動によって圧力損失も変化する。また、配管網のそれぞれの末端は数か所未満の少ない場合もある一方で、大規模な工場においては、数十~数百か所にも及ぶ場合があるため、末端の各々での吐出空気の使用変動によって圧力損失は絶えず変化する。
【0003】
多数の末端に供給する圧縮空気の圧力を所定の圧力以上に保つため、従来の空圧設備では最大圧力損失を見込んで空気圧縮機の吐出圧力の設定値を高めに設定することが行われてきた。しかし、圧縮空気使用機器の種類や稼働率によって末端における使用空気量は変動する場合が多く、また、日によって使用する空気量やその際の圧力変動も異なることが多い。通常、使用空気量が少ないと前記圧力損失は小さくなり、末端の圧力が無駄に高くなることから、空気圧縮機の運転に無駄が生じる。特に、空気圧縮機の吐出圧力を一定とすると、使用空気量が少ないタイミングでは吐出圧力が必要以上に高くなるため、余分な電力を消費することになる。
【0004】
従来技術では、省エネ効果を得つつ圧縮空気の吐出圧力の安定を図るために、末端での使用空気量変動に応じた末端圧力一定制御を行っている。すなわち、末端への供給圧力が一定となるように、空気圧縮機の吐出圧力を変更する方法である。当該制御を実現するには、制御対象とする末端の圧力を監視するとともに、圧縮機の吐出口から末端に至るまでの圧力の伝達遅れを把握する必要がある。一般的な手法としては、末端に圧力計を設置するとともに、空気配管の物理モデル(流体差分演算を用いたシミュレータ)を構築して末端の圧力を算出することが考えられる。しかしながら、予測すべき末端の圧力が数十から数百か所に及ぶような規模の大きい設備においては、設置する圧力計の数が膨大になったり、物理モデル構築に必要な配管図が残っておらず配管の確認や測定などの工数が大きくなってしまい、工場等の大規模な空圧設備における実稼働時の制御に使用するには難しい場合がある。
【0005】
設置する圧力計の数を削減し、かつ配管図を用いずに、末端の圧力や伝達遅れを把握するためのアプローチとして、データから空気配管の特性をモデル化することが考えられる。これに関連する技術として、特許文献1では、配管網中の障害を、ガスの物理パラメータを決定するセンサで検出する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2022-517504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術では、配管網において、調節可能な絞り弁を予め規定された順序で開閉し、2つのグループの圧力計(必要なら流量計も)で前記開閉時に測定を行い、第1のグループと第2のグループの間の測定値の違いから、各配管網における部分的もしくは全体的な閉塞、または各配管内での抵抗の増加を特定・定量化する数学モデルを構築している。このモデルは、空気配管網の特性を表すものではあるが、末端の圧力や吐出口から末端までの伝達遅れを直接的に算出する機能を有していないため、末端圧に基づく圧縮機の制御に活用するには難しい。
【0008】
本発明の目的は、複数の末端に圧力計と流量計を設けて、各流量に対する圧力の応答を測定することによって、流量から末端圧力を予測する機械学習モデルを事前に構築するようにした圧縮機制御システムおよびその方法を実現することにある。
本発明の他の目的は、空圧設備の実稼働時には配管網をゾーニングして、各ゾーンの代表的な末端又はすべての末端の空気流量値を機械学習モデルに入力することで末端圧力を予測し、その予測値に基づいて空気圧縮機の吐出圧力の最適制御を行う圧縮機制御システムおよびその方法を実現することにある。
本発明のさらに他の目的は、空気圧縮機の運転台数や吐出圧力を設定するユーザに対して、構築された機械学習モデルを用いて空気圧縮機の吐出圧と、ゾーニングされたゾーンの末端圧力のシミュレーションを可能とした圧縮機制御システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、空気圧縮機から吐出された圧縮空気を、複数の配管を介して圧縮空気を消費する複数の末端に供給する設備を制御する圧縮機制御システムであって、空気圧縮機もしくはレシーバタンク付近の単一もしくは複数の供給点に圧力計を設け、配管の末端のすべて又は一部に圧力計と流量計とバルブをそれぞれ接続し、バルブの開度を変えながら末端を開放して、その際の圧力および流量を実測したデータを記憶手段に蓄積する。これら実測されたデータを用いて、供給点の圧力と、複数の末端の流量を入力とし、末端圧力を出力に持つ末端圧予測モデルを末端圧予測モデル構築部によって学習する。実際の設備の稼働時には、学習された末端圧予測モデルに、設備の実際の稼働時における供給点の圧力の計測値と末端毎の流量情報を入力して末端圧予測部によって末端の圧力を予測し、設定圧探索部は予測された末端の圧力値を用いて空気圧縮機の最適吐出圧力を探索して設定する。空気圧縮機は1台以上設けられ、設定圧探索部によって設定される複数の末端の圧力が、所定の範囲に収まるように運転操作部は空気圧縮機の回転数や運転台数を制御する。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、末端圧予測部を用いて、複数の末端の圧力と、空気圧縮機の吐出圧の将来予測値が一定となるように空気圧縮機の回転数や運転台数を制御する。この予測値算出の際には末端圧予測モデルを使用し、末端圧予測モデル構築部は、モデルの学習時には多くの末端の圧力の計測値と流量情報を利用し、最適吐出圧力の設定を行う。実稼働時には、学習時よりも少ない数の末端の流量情報だけを利用して末端の圧力予測を行う。さらに、複数の配管(配管群)から分岐する複数の末端部分をゾーンとして区画して定義し、ゾーンごとに流量を測定する代表的な末端を設定する。末端圧予測部は、代表的な末端の流量の実測データだけを用いて空気圧縮機の最適吐出圧力を設定するようにした。この結果、設備の稼働時には少ない端末からの流量測定データを入力として、末端圧予測モデルを使用することで空気圧縮機の制御が可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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