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公開番号2025059815
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023170136
出願日2023-09-29
発明の名称量子ドット製造用添加剤、シェル形成用混合溶液、コアシェル型量子ドットの製造方法及びジアルキルアミン-ハロゲン化水素酸塩
出願人日本化学工業株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類C09K 11/08 20060101AFI20250403BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】フロー法において揮発することなく量子ドット表面の欠陥を修復することができ、反応性に優れるため反応時間を短くすることが可能で、かつ室温付近にて固形分を含まずにポンプによって送液可能な反応液を得ることのできる量子ドット製造用添加剤、該添加剤を含んだシェル形成用混合溶液及びフロー法によるコアシェル型量子ドットの製造方法を提供すること。
【解決手段】ジアルキルアミン-ハロゲン化水素酸塩からなる量子ドット製造用添加剤及び該添加剤を含むシェル形成用混合溶液、並びにそれらを用いるフロー法によるコアシェル型量子ドットの製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)で表されるジアルキルアミン-ハロゲン化水素酸塩からなる量子ドット製造用添加剤。
TIFF
2025059815000008.tif
13
170
(式中、Rは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数4~20の分岐鎖状のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
Xが、フッ素、塩素又は臭素である請求項1に記載の量子ドット製造用添加剤。
【請求項3】
量子ドットの表面処理に使用される請求項1に記載の量子ドット製造用添加剤。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の量子ドット製造用添加剤と、シェル前駆体とを少なくとも含有するシェル形成用混合溶液。
【請求項5】
シェル前駆体が、シェル形成用元素としてZn、S、Se、Te、Ga、P、N、Cd、Mg及びAlから選ばれる元素の少なくとも一種を含む請求項4に記載のシェル形成用混合溶液。
【請求項6】
フロー法によるコアシェル型量子ドットの製造方法であって、
コアを含む溶液が流通する流路と、請求項1~3のいずれか一項に記載の添加剤を含む溶液が流通する流路と、シェル前駆体溶液が流通する流路とを合流させて混合溶液を得る工程、及び得られた混合溶液を管状の反応器に供給し、通過させながら反応を行う工程を有し、これらの工程を連続で行うコアシェル型量子ドットの製造方法。
【請求項7】
フロー法によるコアシェル型量子ドットの製造方法であって、
コアを含む溶液が流通する流路と、請求項4に記載のシェル形成用混合溶液が流通する流路とを合流させて混合溶液を得る工程、及び得られた混合溶液を管状の反応器に供給し、通過させながら反応を行う工程を有し、これらの工程を連続で行うコアシェル型量子ドットの製造方法。
【請求項8】
下記一般式(2)で表されるジアルキルアミン-フッ化水素酸塩。
TIFF
2025059815000009.tif
13
170
(式中、R’は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数4~20の分岐鎖状のアルキル基を表す。)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアルキルアミン-ハロゲン化水素酸塩を有効成分とする量子ドット製造用の添加剤、該添加剤を含んだシェル形成用混合溶液及びこれらを用いたフロー法によるコアシェル型量子ドットの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、発光材料として量子ドット(quantum dots)の開発が進んでいる。代表的な量子ドットとして、優れた発光特性などからCdSe、CdTe、CdS等のカドミウム系量子ドットの開発が進められている。また、カドミウムの毒性及び環境負荷が高いことから、InP、CuInS

、AgInS

、PbS、InAs等のカドミウムフリーの量子ドットの開発も盛んに行われている。
【0003】
量子ドットの性能を高めるためには、反応生成物の粒子径や表面状態の個々のばらつきを制御し、より均一な品質を付与することが必要となる。このような観点から、マイクロリアクター及びチューブリアクターといった装置を用いたフロー法による量子ドットの合成が検討されている。例えば特許文献1では、2以上の原料溶液を内径1μm~1mmの流路内で合流して第1加熱反応させて半導体微粒子前駆体を形成させた後、第1加熱反応よりも高温で反応させる第2加熱反応を行うことで、粒子サイズの揃った半導体微粒子を得ることが記載されている。また、特許文献2では、第III族元素を含む化合物の溶液と、第V族元素を含む化合物の溶液とが合流する合流部を、多層筒形ミキサーで構成することで、T字ミキサーを用いた均一混合に比べて、よりシャープな発光特性を示すIII-V族半導体量子ドットが得られたことが記載されている。
【0004】
このようにフロー法により合成を行うことで、反応温度や反応時間を制御し易くなるため、得られる量子ドットの粒子サイズが揃ったものとなり、発光ピークの半値全幅(Full Width at Half Maximum、以下FWHMともいう)の向上が期待できる。
【0005】
ところで、量子ドットの合成時に量子ドット表面に酸化物や欠陥が生ずると、それらが形成する不純物準位に励起子がトラップされて熱的にエネルギーが失活してしまい、効率の良い発光が得られず、量子収率(Photoluminescence Quantum Yield、以下PLQYともいう)の低下が懸念される。このため量子ドット表面の酸化物や欠陥を除去すること、及びその酸化されやすい表面を保護するためのシェル層の形成は、高効率でかつ安定な量子ドットの合成には重要である。
【0006】
量子ドット表面の欠陥の修復には、フッ化水素酸等によりエッチングすることで、量子ドット表面の酸化物等を除去して清浄な表面状態にする方法が採られている。またフッ化水素酸により清浄表面を得た後に、シェルを形成することで極めて高効率でかつ安定な量子ドットの合成が報告されている(例えば非特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、フロー法により清浄な量子ドット表面を得るための表面処理とシェル形成を行うことは困難であるとされている。このため例えば非特許文献2では、コアの製造はフロー法で実施しているが、表面処理工程とシェル形成工程は回分式反応容器を用いてバッチ法で実施している。また非特許文献3ではコア合成からシェル形成までを連続的に合成することを報告しているが、バッチ法と比較すると発光性能は大幅に劣っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2008-37716号公報
国際公開WO2018/180456号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
Reinout F. Ubbink, et al., “A Water-Free In Situ HF Treatment for Ultrabright InP Quantum Dots” Chemistry of Materials 2022, 34, 22, 10093-10103
Takafumi Moriyama, et al., “Highly luminescent and narrow-band-emitting InP/ZnSe/ZnS quantum dot synthesis by halide modified shell reaction” Appl. Phys. Express 2023, 16, 015504
Ajit Vikram, et al., “A Millifluidic Reactor System for Multistep Continuous Synthesis of InP/ZnSeS Nanoparticles” ChemNanoMat 2018, 4, 943-953
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記したように、フロー法による量子ドットの高性能化は、コア合成に留まっており、表面処理やシェル形成まですべてをフロー法で実施し、バッチ法と同品質のものを得た例はない。それゆえ量子ドットの合成をフロー法で行う利点は極めて限定的である。この理由としては、量子ドットのコア合成以降の、表面処理とシェル形成の工程をフロー法で実施する際、その前駆体溶液の最適化がされていないことに起因している。すなわち、量子ドットの合成条件によっては、高温にして微細な流路に反応液を流す必要があるが、この際、反応液中の成分が揮発してガスとなって流路内で滞留してしまい、以降の反応が進まなくなったり、滞留時間を制御できなくなったりするために、PLQYの悪い量子ドットしか得られないといった問題が生じていた。
(【0011】以降は省略されています)

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