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公開番号2025046801
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2023147600
出願日2023-09-12
発明の名称スイッチング増幅器
出願人株式会社京三製作所
代理人あいわ弁理士法人
主分類H03F 3/217 20060101AFI20250327BHJP(基本電子回路)
要約【課題】方形波に起因する第1のサージ電圧、及び高調波周波数成分に起因する第2のサージ電圧のサージ電圧を抑制し、スイッチング増幅器の出力の周波数特性を広帯域化し出力周波数を可変とする。
【解決手段】出力側に狭帯域フィルタを備えたプッシュプル構成のスイッチング増幅器において、方形波に起因する第1のサージ電圧を抑制する部分共振回路と、高調波周波数成分に起因する第2のサージ電圧を抑制するLCR直列共振体とを備え、スイッチング素子のドレイン-ソース電圧Vdsの波形形状を台形波形とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
互いに逆相の入力信号によってオン/オフのスイッチング動作を交互に行う一対のスイッチング素子と、両端に前記スイッチング素子の出力信号を入力する1次巻線、及び互いに逆相の出力信号を取り出す2次巻線、及び前記1次巻線の中間タップに外部電源が接続される出力トランスと、により構成されるトランス結合のプッシュプル回路と、
前記出力トランスの2次巻線の出力端に接続された狭帯域フィルタと、
前記各スイッチング素子のドレイン側のインダクタンス成分と、前記各スイッチング素子のドレイン-ソース間のキャパシタンス成分と、により構成される一対の部分共振回路と、
前記各スイッチング素子のドレイン端間に接続された、インダクタンスとキャパシタンスと抵抗の直列回路により構成されるLCR直列共振体と、
を備える、スイッチング増幅器。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記各部分共振回路が備えるインダクタンス成分は、各スイッチング素子と前記出力トランスの各一端との間に直列接続される直列インダクタンス、前記出力トランスのリーケージインダクタンス、各スイッチング素子と前記出力トランスの一端との間の配線インダクタンスの何れか、又は何れかの組み合わせであり、
前記各部分共振回路が備えるキャパシタンス成分は、前記スイッチング素子の出力寄生容量、又は前記スイッチング素子の出力寄生容量と前記スイッチング素子に並列接続された付加容量との合成容量である、
請求項1に記載のスイッチング増幅器。
【請求項3】
前記各部分共振回路の共振周波数は、
前記出力トランスの2次側から出力される高周波出力の基本波周波数f0から3次高調波周波数(3×f0)の範囲において、
部分共振回路によってインピーダンスが高くなる周波数範囲のインピーダンスを低下させるように設定すると共に、
スイッチング素子のドレイン-ソース電圧の立ち上がり及び立ち下がりの各時定数を設定値とする周波数である、
請求項1に記載のスイッチング増幅器。
【請求項4】
前記出力トランスの2次側から出力される高周波出力の基本波周波数f0に対して、
前記LCR直列共振体の共振周波数は高調波周波数n×f0(nは整数)であり、
前記共振周波数の帯域幅は、基本波周波数f0の可変周波数範囲(f0-min~f0-max)に応じて(n×f0-min~n×f0-max)の周波数範囲に設定される、
請求項1に記載のスイッチング増幅器。
【請求項5】
並列接続された共振周波数を異にする複数の前記LCR直列共振体を備える、
請求項1に記載のスイッチング増幅器。
【請求項6】
前記出力トランスの2次側から出力される高周波出力の基本波周波数f0に対して、
高周波出力の高調波周波数n×f0よりも低周波数側に共振周波数を持つ第1のLCR直列共振体と、
高周波出力の高調波周波数n×f0よりも高周波数側に共振周波数を持つ第2のLCR直列共振体を備える、
請求項5に記載のスイッチング増幅器。
【請求項7】
前記スイッチング素子はDMOSである、
請求項1~6の何れか一つに記載のスイッチング増幅器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、D級、E級、F級、逆F級、EF級等のスイッチングモード方式によるスイッチング増幅器に関し、特に出力周波数を広帯域に可変できる可変周波数高周波電源に好適なスイッチング増幅器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
スイッチング増幅器は、スイッチング動作により方形波を生成し、生成した方形波のパルス幅を入力信号レベルに応じて変調することにより出力を増幅する。スイッチング増幅器の回路方式として、2つのスイッチング素子を逆位相で動作させ、電流を流し出す動作と電流を引き込む動作を交互に行うことによって出力電流を増加させる方式があり、プッシュプル回路を適用することで大容量出力を得ることができる。
【0003】
プッシュプルによるD級アンプのスイッチング増幅器では、スイッチング動作により生成されるドレイン-ソース電圧の電圧波形は方形波状である。ドレイン-ソース電圧の電圧波形はリーケージインダクタンスによって方形波状から波形に歪み(サージ)が生じる。ドレイン-ソース電圧波形を方形波状とするために、出力トランスの結合度を上げてリーケージインダクタンスを減らすことが知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Microsemi PPG Application Note1812/13.56 MHz, Class D Push-Pull, 2KW RF Generator with Microsemi DRF1300 Power MOSFET Hybrid/By Gui Choi 2011 September
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スイッチング増幅器において、方形波を生成するスイッチング動作では出力トランス等のリーケージインダクタンスによってサージ電圧(以下、第1のサージ電圧と呼称する)が発生するという問題がある。
【0006】
また、スイッチング増幅器の出力トランスの出力波形には基本波周波数成分の他に高調波周波数成分が含まれている。この高調波周波数成分を出力から除く高調波対策として、出力トランスの2次側にLPF等の狭帯域フィルタを設けることが考えられる。狭帯域フィルタは基本波周波数成分を通過させ、一方、高調波周波数成分を阻止する。この高調波周波数成分は狭帯域フィルタで反射され、スイッチング素子側に戻される。戻された高調波周波数成分はスイッチング素子に対してサージ電圧(以下、第2のサージ電圧と呼称する)として作用する。LDMOS等の周波数帯域が数百MHzまで広いスイッチング素子を用いたVHF帯のスイッチング増幅器では、狭帯域フィルタで反射されて戻された高調波周波数成分の周波数もスイッチング素子の周波数帯域内にあることからサージ電圧による影響を受け、第2のサージ電圧の問題はより顕著となる。
【0007】
図14は、高調波周波数成分による第2のサージ電圧を説明するための図である。プッシュプルによるD級アンプのスイッチング増幅器の回路例において、図14Aは狭帯域フィルタを備えない回路例を示し、図14Bは狭帯域フィルタを備えた回路例を示している。
【0008】
図14Aに示すスイッチング増幅器101aは、2つのスイッチング素子111A、111Bを備えたスイッチング部111と、スイッチング素子111A、111B素子の両ドレイン間に接続された出力トランス112と、出力トランス112の1次巻線112aの中間タップに接続された直流電源113とを備える。スイッチング増幅器101aは、信号源110A、110Bの互いに逆相のゲート信号Pgによりスイッチング素子111A及び111Bを交互にスイッチング動作させることによってプッシュプル回路114を構成している。プッシュプル回路114によって出力トランス112の2次巻線112bに電流が伝送される。伝送された電流は出力端116に接続された負荷117に供給される。
【0009】
図14Aのスイッチング増幅器101aにおいて、スイッチング素子111A及び111Bのドレイン-ソース電圧VdsA及びVdsBはスイッチング動作によって方形波If0と高調波周波数成分の電流Inf0は負荷117まで伝送されて消費される。この構成では出力波形も方形波状となるため、正弦波波形を出力する必要がある半導体製造装置向けの高周波電源には適していない。
【0010】
一方、図14Bのスイッチング増幅器101bは、出力トランス112の2次側に狭帯域フィルタ115を設けることによって出力波形を正弦波波形としている。この狭帯域フィルタ115を設けた構成は、正弦波状の出力電圧が得られるものの、ドレイン-ソース電圧VdsA及びVdsBの波形を方形波波形に維持することができない。本願の発明者は、方形波波形が維持されない要因として、ドレイン-ソース電圧VdsA及びVdsBに含まれる高調波周波数成分の電流Inf0が狭帯域フィルタ115で反射してスイッチング素子111A及び111Bに戻ることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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