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公開番号
2025042051
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-27
出願番号
2023148848
出願日
2023-09-14
発明の名称
マイクロカプセル農薬組成物
出願人
日本化薬株式会社
代理人
主分類
A01N
25/28 20060101AFI20250319BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】 水溶解度が高い農薬有効成分であっても、簡便な調製操作による高カプセル化率を達成したマイクロカプセル製剤及びその調製法を提供する。
【解決手段】 (A)農薬有効成分、(B)芳香族性溶剤 を含むマイクロカプセル農薬組成物であって、
(A)農薬有効成分と(B)芳香族性溶剤の質量比が(A):(B)=0.1~0.7:1であり、
マイクロカプセル膜が、(c1)芳香族ポリイソシアネート及び(c2)脂肪族ポリイソシアネートと、ポリアミン及び/またはポリオールによる、ポリウレア膜及び/またはポリウレタン膜であって、
(c1)芳香族ポリイソシアネートと(c2)脂肪族ポリイソシアネートの質量比が(c1):(c2)=1~5:1である、マイクロカプセル農薬組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)農薬有効成分、(B)芳香族性溶剤、を含むマイクロカプセル農薬組成物であって、
(A)農薬有効成分と(B)芳香族性溶剤の質量比が(A):(B)=0.1~0.7:1であり、
マイクロカプセル膜が、(c1)芳香族ポリイソシアネート及び(c2)脂肪族ポリイソシアネートと、ポリアミン及び/またはポリオールによる、ポリウレア膜及び/またはポリウレタン膜であって、
(c1)芳香族ポリイソシアネートと(c2)脂肪族ポリイソシアネートの質量比が(c1):(c2)=1~5:1である、
マイクロカプセル農薬組成物。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
(A)農薬有効成分が、アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアメトキサム、チアクロプリド、クロチアニジン、及びジノテフランからなる群から選択される1種以上の農薬有効成分である、請求項1に記載のマイクロカプセル農薬組成物。
【請求項3】
(B)芳香族性溶剤が安息香酸エステル、フタル酸エステル、及び芳香族石油系溶剤からなる群から選択される1種以上の農薬有効成分である、請求項1に記載のマイクロカプセル農薬組成物。
【請求項4】
(A)農薬有効成分及び(B)芳香族性溶剤と、(c1)芳香族ポリイソシアネートと(c2)脂肪族ポリイソシアネートの質量比が、[(A)+(B)]:[(c1)+(c2)]=15~30:1である、請求項1に記載のマイクロカプセル農薬組成物。
【請求項5】
(A)農薬有効成分、及び(B)芳香族性溶剤をマイクロカプセル膜により内包したマイクロカプセルを、分散剤を含む水相中に分散したマイクロカプセル農薬組成物であって、
前記分散剤が、リグニン系スルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩‐ホルムアルデヒド縮合物、スチレン‐マレイン酸塩共重合物、及びポリビニルアルコールからなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載のマイクロカプセル農薬組成物。
【請求項6】
(A)農薬有効成分及び(B)芳香族性溶剤をマイクロカプセル膜により内包したマイクロカプセル、並びに
ホワイトカーボンを含む、
請求項1に記載のマイクロカプセル農薬組成物。
【請求項7】
(A)農薬有効成分及び(B)芳香族性溶剤、 を含むマイクロカプセル農薬組成物の製造方法であって、
(1) (A)農薬有効成分:(B)芳香族性溶剤の質量比が0.1~0.7:1で含み、(c1)芳香族ポリイソシアネート及び:(c2)脂肪族ポリイソシアネートを質量比で1~5:1で含む油相を、40~100℃にする工程、
(2) 前記油相と、40~80℃の水相と混合し、O/Wエマルジョンを調製する工程、
(3)ポリアミン及び/またはポリオールを加え、40~80℃にてポリウレア膜及び/またはポリウレタン膜を形成させる工程、
を含む、マイクロカプセル農薬組成物の製造方法。
【請求項8】
工程(1)における油相が、(A)農薬有効成分及び(B)芳香族性溶剤と、(c1)芳香族ポリイソシアネートと(c2)脂肪族ポリイソシアネートの質量比が、[(A)+(B)]:[(c1)+(c2)]=15~30:1である、請求項7に記載のマイクロカプセル農薬組成物の製造方法。
【請求項9】
前記水相に、リグニン系スルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びポリビニルアルコールからなる群から選択される1種以上である分散剤を含む、請求項7に記載のマイクロカプセル農薬組成物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は有害生物を防除する農薬製剤の分野に関し、その中でもマイクロカプセル農薬製剤の分野に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、世界中で作物を加害する有害生物を防除する目的で、様々な農薬が使用されている。農薬の使用は作物の価値を高め、消費者へ安全な作物を持続的に提供することを可能にすることから、現代において無くてはならない製品である。近年、農薬散布による作業者への暴露が問題になっており、農林水産省から作業者暴露に関するガイドラインが法律として施行された。これにより農薬散布時の作業者暴露に新たな基準が設けられ、毒性が高い農薬によっては使用量を低減、あるいは使用できなくなる可能性がでてきた。このため、農家は作物に対して使用できる農薬が減少し、作物の品質や価値を守れなくなる可能性がある。また、ここ最近では政府から「みどりの食料戦略」指針が出され、より毒性が低く環境負荷が小さい農薬製品が求められており、目指す姿としては「2040年までに、ネオニコチノイド系を含む従来の殺虫剤を使用しなくてもすむような新規農薬等を開発する。」とある。しかしながらネオニコチノイド系薬剤は害虫防除において大きな役割を果たしており、一朝一夕に代替できるものではない。
【0003】
ネオニコチノイド系薬剤と一部の農薬有効成分は、花粉を媒介してくれるミツバチ等の益虫に対して毒性が高いことが知られている。このため、既にヨーロッパではネオニコチノイド系薬剤の使用規制が進んでいる。国内においても「みどりの食料戦略」により今後は規制が進んでいくことが想定される。特にミツバチへの影響を避けるため、植物の花が咲く時期にはネオニコチノイドの使用が制限されるため、作物の品質を落としてしまう可能性がある。
【0004】
一方、農薬有効成分の毒性を下げる手段の一つとして、マイクロカプセル製剤化が挙げられる。この製剤化技術は古くから利用されており、薬物の放出制御、虫体への局所適用、薬物マスキングによる作業者への安全性増大など優れた機能を持っている。
マイクロカプセル化方法にはいくつか知られているが、農薬においては一般的に界面重合法、もしくはin-situ法によるマイクロカプセル化が利用されてきた。しかしいずれの方法も水中に有効成分を分散させた後、化学反応により界面でカプセル化する過程を経る。このため、水に溶けやすい有効成分には使用できない。或いは、製造中に有効成分が析出し、良質なマイクロカプセル製剤が製造できないといった問題があった。特にネオニコチノイド系農薬は水溶解度が高いものが多く、一部の農薬有効成分と限られた方法でしかマイクロカプセル化は適用できなかった。
【0005】
また、茎葉散布用マイクロカプセル製剤は、皮膜にて内封した農薬成分を外部因子による破裂や内部から有効成分の自己溶出によって対象有害生物に感作させることにより、所望の防除効果を発揮される農薬製剤である。従って茎葉散布用マイクロカプセル製剤の製剤設計は、内包農薬の溶出機構の設計、内包農薬の溶出速度制御、並びに内包農薬の適切な選択、等が重要である。十分な初期効果を発揮させるためには農薬成分を速やかに放出させるために薄いカプセル膜厚とする必要ことが望まれる。一方、持続的な有効性を担保するためには、カプセルを外部環境から守るために厚いカプセル膜厚が望ましい。しかし、あまり堅牢なマイクロカプセル製剤の場合、農薬の残留が問題になることもある。
茎葉散布剤は、初期効果を求められることが多いため、マイクロカプセル製剤は速やかな初期効果発現に課題があり効力が不足する傾向がある一方、有効成分が長期に亘り残留する懸念がある。
【0006】
特許文献1には、ネオニコチノイド系農薬をマイクロカプセル化することによって、有効成分を高濃度に封入したシロアリ防蟻剤が示されている。この製剤は、沸点が200℃以上の高沸点芳香族有機溶媒を50%以上含んでおり、有機分散媒中でクロチアニジンを湿式粉砕して使用することでネオニコチノイド系農薬をスラリー中に分散させることで油相を調製し、界面重合を達成している。
しかしながら、この製剤は、製造面において有機溶剤中で湿式粉砕を経るため、工程が複雑になるうえ、危険物中での湿式粉砕は専用の設備がないと実施できない。
【0007】
特許文献2には、アセタミプリドをポリ乳酸やグリコール等の樹脂でマイクロカプセル化した製剤が記載されている。アセタミプリドを有機溶剤に溶解させ、シリコンオイル中で乳化分散させた後にデカンテーションと遠心分離で固形化した液中乾燥法で製造している。
しかしなから、この製剤は、実施例ではアセタミプリド1gに対しシリコンオイルを200gも使用するため製造効率が悪いという問題がある。
【0008】
特許文献3には、チアメトキサムについての界面重合法によるマイクロカプセル製剤が記載されており、パラフィンワックス等の疎水性材料中に農薬有効成分を固体として分散させたマイクロカプセルである。
しかしながら、この製剤は、製造方法が複雑であり、乳化後にエマルションを冷却してワックスを析出させる、追加の水を付加してエマルジョンの温度を下げ、アミンを添加しさらにワックスが固まるまで冷却するなど、一般的な界面重合御法の方法とはかなり異なるうえ、ワックスの固化により分散系全体の固化が発生するため、製造難易度が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第4347446号公報
特許第4723859号公報
特許第5329972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
農園芸業において、農園芸作物に被害を与える害虫を防除のための農薬施用は不可避であるが、農薬散布の施用者が、安全に散布できる害虫防除農薬が希求されている。また、農園芸業の労力削減のため、一回の施用により長期に亘り有害生物防除効果が発揮できる農薬製剤が求められている。これらの要望を満たす製剤として農薬有効成分を内包したマイクロカプセル製剤がある。しかしながら、マイクロカプセル化は親油性薬剤等の一部の薬剤には適用可能であるが、水溶性薬剤の高カプセル封入は困難である。
本願は、ネオニコチノイド系薬剤といった水溶解度が高い農薬有効成分であっても、簡便な調製操作による高カプセル化率を達成したマイクロカプセル製剤及びその調製法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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