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公開番号
2025041902
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-26
出願番号
2024229720,2022573108
出願日
2024-12-26,2021-12-28
発明の名称
フッ化カルシウム焼結体、フッ化カルシウム粒子の製造方法、フッ化カルシウム焼結体の製造方法、光学素子、光学系、交換レンズおよび光学装置
出願人
株式会社ニコン
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
35/553 20060101AFI20250318BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】フッ化カルシウム焼結体、フッ化カルシウム粒子の製造方法、フッ化カルシウム焼結体の製造方法、光学素子、光学系、交換レンズおよび光学装置の提供。
【解決手段】フッ化カルシウム焼結体であって、厚さ10mmあたりの、波長550nmの光の内部透過率が98%以上である、フッ化カルシウム焼結体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
フッ化カルシウム焼結体であって、
厚さ10mmあたりの、波長550nmの光の内部透過率が98%以上である、フッ化カルシウム焼結体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ化カルシウム焼結体、フッ化カルシウム粒子の製造方法、フッ化カルシウム焼結体の製造方法、光学素子、光学系、交換レンズおよび光学装置に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)
【背景技術】
【0002】
フッ化カルシウム焼結体をホットプレスにより得るための製造方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、焼結体の透過率は単結晶の透過率に比べて低く、光学部材として利用するためには、透過率を高めることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
日本国特開2003-300777号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、フッ化カルシウム焼結体は、厚さ10mmあたりの、波長550nmの光の内部透過率が98%以上である。
第2の態様によれば、フッ化カルシウム粒子の製造方法は、カルシウム化合物とフッ素化合物とを溶液中で反応させてフッ化カルシウム粒子を含む分散液を生成する生成工程と、前記分散液に含まれる前記フッ化カルシウム粒子とフッ化水素酸とを混合する混合工程と、前記混合工程の後、前記フッ化カルシウム粒子と前記フッ化水素酸とを分離する分離工程と、を有する。
第3の態様によれば、フッ化カルシウム焼結体の製造方法は、第2の態様のフッ化カルシウム粒子の製造方法により製造されたフッ化カルシウム粒子を成形して成形体を形成する成形工程と、前記成形体を不活性雰囲気中にて焼結して焼結体を生成する焼結工程とを備える。
第4の態様によれば、光学素子は、第1の態様のフッ化カルシウム焼結体を用いる。
本発明の第5の態様によれば、光学系は、第4の態様の光学素子を有する。
第6の態様によれば、交換レンズは、第5の態様の光学系を備える。
第7の態様によれば、光学装置は、第5の態様の光学系を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施の形態によるフッ化カルシウム焼結体の製造方法を説明するフローチャートである。
カルシウム化合物水溶液とフッ素化合物水溶液とを反応させる際に使用する攪拌装置の一例を模式的に示す図である。
実施の形態による撮像装置の一例を示す斜視図である。
実施の形態による撮像装置の他の一例を示す正面図である。
実施の形態による撮像装置の他の一例を示す背面図である。
実施の形態による多光子顕微鏡の一例を示すブロック図である。
実施例のフッ化カルシウム粒子の製造時の条件と、フッ化カルシウム焼結体の波長550nmの光に対する内部透過率および光学歪の計測結果とを示す。
実施例のフッ化カルシウム粒子の製造時の条件と、フッ化カルシウム焼結体の波長550nmの光に対する内部透過率および光学歪の計測結果とを示す。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
比較例1におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
比較例1におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
比較例2におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
比較例2におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
実施例のフッ化カルシウム粒子の製造時の条件と、フッ化カルシウム焼結体の波長550nmの光に対する内部透過率および光学歪の計測結果とを示す。
実施例におけるフッ化カルシウム焼結体の分光透過率を測定した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面を参照しながら、実施の形態に係るフッ化カルシウム(CaF
2
)焼結体、フッ化カルシウム粒子の製造方法およびフッ化カルシウム焼結体の製造方法について説明する。なお、本明細書における焼結体とは多結晶体のことをいう。
本実施の形態のフッ化カルシウム焼結体は、厚さ10mmあたりの、波長550nmの光の内部透過率が98%以上である。本実施の形態のフッ化カルシウム焼結体は、厚さ10mmあたりの、波長380nmから780nmまでの光の内部透過率が90%以上であってよい。また、本実施の形態のフッ化カルシウム焼結体は、厚さ10mmあたりの、波長3μmから7μmまでの光の内部透過率が90%以上であってよい。また、本実施の形態のフッ化カルシウム焼結体は、赤外領域において、厚さ10mmあたりの内部透過率が80%以上となる波長IRλ
80
が8μm以上であってよい。また、本実施の形態のフッ化カルシウム焼結体は、光学歪が25nm/cm以下であってよく、20nm/cm以下であってよく、10nm/cm以下であってよい。また、本実施の形態のフッ化カルシウム焼結体は、フッ化カルシウム単結晶の密度に対する相対密度が98%以上であってよい。
【0007】
図1を参照して、上述したフッ化カルシウム焼結体の製造方法と、フッ化カルシウム焼結体の材料となるフッ化カルシウム粒子の製造方法とについて説明する。
ステップS1においては、カルシウム化合物(例えば、高純度の酢酸カルシウム水和物や高純度の炭酸カルシウム、高純度の硝酸カルシウム等)を蒸留水に溶解し、カルシウム化合物水溶液を調製する。この時、酢酸カルシウム等の有機塩を使用する場合は、硝酸を酸化剤として加えることが好ましい。
ステップS2においては、高純度のフッ化水素酸(フッ酸)に蒸留水を加えて適当な濃度に希釈してフッ素化合物水溶液を調製する。なお、フッ化水素酸に代えてフッ化アンモニウムなどを用い、当該フッ化アンモニウムを蒸留水に溶解することでフッ素化合物水溶液を調製してもよい。
【0008】
ステップS3においては、カルシウム化合物水溶液とフッ素化合物水溶液とを反応させて、(すなわちカルシウム化合物とフッ素化合物とを水溶液中で反応させて)フッ化カルシウム粒子を含む分散液を生成する(生成工程)。具体的には、カルシウム化合物水溶液を攪拌しながら、カルシウム化合物水溶液に対し、mol比で2.4~5.0のフッ素化合物水溶液を注入する。この場合、図2に示す攪拌装置3が有する攪拌棒31(羽根径10cm)を300rpmで回転させて、カルシウム化合物水溶液を攪拌しながらフッ素化合物水溶液をゆっくり注入する。攪拌装置3のプラスチックビーカー32の側面にはフッ素化合物水溶液の注入口33、34が取り付けられており、ローラーチューブポンプ(不図示)によりフッ素化合物水溶液を収容した容器(不図示)からフッ素化合物水溶液をカルシウム化合物水溶液の中に、例えば、約1時間かけて注入する。カルシウム化合物水溶液へのフッ素化合物水溶液の注入が終了したら、例えば2~6時間、攪拌を続ける。これにより、フッ化カルシウム粒子の凝集を抑制して粒径の小さなフッ化カルシウム粒子を生成することができる。フッ素化合物水溶液の注入後の攪拌は、例えばウォーターバスを用いて5~10℃の温度に保持した状態で行う。低温の状態で撹拌を行う方が、生成されたフッ化カルシウム粒子を用いて製造されるフッ化カルシウム焼結体の透過率を高くすることができる。
【0009】
ステップS4においては、フッ化カルシウム粒子を含む分散液に対して加熱と加圧を同時に行い、カルシム化合物とフッ素化合物との反応を促進し、フッ化カルシウム粒子を大きく成長させて結晶性を高める(加熱加圧工程)。具体的には、フッ化カルシウム粒子を含む分散液(フッ化カルシウム微粒子が懸濁した分散液(スラリー))を密閉容器(例えばテフロン(登録商標)製容器を備えたオートクレーブ)内で、例えば加熱温度100℃以上180℃以下の温度に保持した状態で10時間以上24時間以下の間で加熱・加圧処理をする。加熱加圧工程の後、密閉容器の温度が室温まで低下したら、上澄み液を吸い取って除去し、フッ化カルシウム粒子を残留させて分離する。ステップS5では、分離したフッ化カルシウム粒子を、例えば0.1~20%のフッ化水素酸に混合して攪拌する(混合工程)。
【0010】
ステップS6では、混合工程により生成されたフッ化カルシウム粒子のフッ化水素酸混合液を遠沈管に移し替えて、遠沈管を遠心分離機にかけ、混合液を固体(フッ化カルシウム粒子)と液体(フッ化水素酸)とに分離する(分離工程)。この場合、例えば、遠心分離機の回転数を1000rpmとし、10分間、遠心分離を行う。固体と液体とが分離された後、上澄み液を排除し、その後、フッ化カルシウム粒子が残留した遠沈管に蒸留水を注入してフッ化カルシウム粒子を十分に分散させる。このとき、振盪機を使用して分散させることで、外部からの異物の流入を防ぐことができる。振盪機によりフッ化カルシウム粒子が沈殿しない状態になるまで約30分振盪後、再び遠心分離機で固体と液体に分離して上澄み液を除去し、さらに蒸留水を注入して十分に分散させる。蒸留水を加えて分散させる工程と遠心分離機で固体と液体とを分離する工程とを、上澄み液におけるフッ化水素酸の濃度が200ppm以下になるまで繰り返す。蒸留水の注入回数が少ないと、生成されたフッ化カルシウム粒子を用いて製造されるフッ化カルシウム焼結体の透過率が低く、内部には微細な泡の集合体である0.1mmほどの白い斑点が多数観察される。また、蒸留水を注入する回数が増えるに従って、フッ化カルシウム粒子の凝集がほぐれて粒径が小さくなるため沈殿しにくくなる。そのため、遠心分離機の回転数は、例えば1000rpm、1200rpm、1400rpm、1600rpm、1800rpm、2000rpmのように、徐々に回転数を増加させる。
なお、分離工程は、上述した振盪機と遠心分離機を用いた方法に限定されない。例えば、公知のろ過装置により分離工程を行ってもよい。ろ過装置としては、ヌッチェ型ろ過装置などが挙げられる。ヌッチェ型ろ過装置を用いる場合は、まず、混合工程により生成されたフッ化カルシウム粒子のフッ化水素酸混合液に水を加えて攪拌して希薄スラリーを作製する。次いで、ヌッチェ型ろ過装置に希薄スラリーを供給し、当該希薄スラリーに圧力をかけながらろ過を行う。このとき、水を供給しながら圧力をかけることが好ましい。このようなろ過装置を用いる場合、振盪機と遠心分離機を用いる場合よりもより短時間で分離工程を行うことができる。
上述したステップS1~S6の処理が、本実施の形態におけるフッ化カルシウム粒子の製造方法における処理である。
(【0011】以降は省略されています)
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