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公開番号2025039430
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-21
出願番号2023146521
出願日2023-09-08
発明の名称筆記具
出願人三菱鉛筆株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B43K 8/04 20060101AFI20250313BHJP(筆記用または製図用の器具;机上付属具)
要約【課題】本体を押圧することで開弁するバルブを有した筆記具にて、急激な液流出を防止する。
【解決手段】内部空間がインクを収容するインク収容部であるとともに、側面が押圧されることで変形可能な軸筒と、繊維を束ねた筆穂として形成される筆記先端と、筆記先端が挿通されつつ軸筒の先端に装着される先軸と、軸筒の先端部分に収容されるとともに、軸筒の側面の押圧に伴い開弁する弁機構と、弁機構の先端縁に位置するとともに軸心に弁挿通孔が形成されている底板と、弁機構の先端側内部へ挿入されるとともに内部空間に後方収容部とが形成されている筒部と、を有する弁挿通部材と、後方収容部に収容されるとともに、先端面が弁挿通部材の底板の後端面に接する円柱部と、円柱部の先端面から突設されるともに、弁挿通孔に挿通される挿通部と、を有する流路抵抗弁と、を備え、流路抵抗弁の円柱部の先端面の一部に、後方に陥凹した通液溝が形成されている、筆記具。
【選択図】図17
特許請求の範囲【請求項１】
内部空間がインクを収容するインク収容部であるとともに、側面が押圧されることで変形可能な軸筒と、
繊維を束ねた筆穂として形成される筆記先端と、
前記筆記先端が挿通されつつ前記軸筒の先端に装着される先軸と、
前記軸筒の先端部分に収容されるとともに、前記軸筒の側面の押圧に伴い開弁する弁機構と、
前記弁機構の先端縁に位置するとともに軸心に弁挿通孔が形成されている底板と、前記弁機構の先端側内部へ挿入されるとともに内部空間に後方収容部とが形成されている筒部と、を有する弁挿通部材と、
前記後方収容部に収容されるとともに、先端面が前記弁挿通部材の底板の後端面に接する円柱部と、前記円柱部の先端面から突設されるともに、前記弁挿通孔に挿通される挿通部と、を有する流路抵抗弁と、
を備えるとともに、
前記弁機構は、
前記軸筒に対し固定されるバルブ保持部材と、
前記バルブ保持部材に内挿され、前後方向に移動可能なバルブと、
前記バルブの内部に挿入され、前記バルブと前記流路抵抗弁の後端面との間に介装されるとともに、前記バルブを前記バルブ保持部材に対し常に後方に付勢するスプリングと、を有し、
前記流路抵抗弁の前記円柱部の先端面の一部に、後方に陥凹した通液溝が形成されている、筆記具。
続きを表示（約 300 文字）【請求項２】
前記筆記先端が挿通された状態で前記先軸の先端に挿通されつつ、先端縁が前記先軸の先端から露出する先軸インサートと、
軸心に前記流路抵抗弁の前記挿通部が挿通されつつ保持されるとともに、後端に形成される当接板を前記先軸インサートの後端に当接させつつ、前記先軸インサートに挿入されて前記筆記先端を保持する筆先保持部材と、
前記先軸の先端を被覆するとともに、内部に設けられた複数本のリブの後端が段差となっているキャップをさらに備え、
前記キャップを前記先軸に装着した状態で、前記リブの段差が、前記先軸インサートの先端を後方へ押圧する、請求項１に記載の筆記具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、軸筒内部に弁機構を備え、軸筒押圧によるインクを供給する筆記具に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、軸筒内部に弁機構を備えた、いわゆるバルブ式サインペンでは筆圧でペン芯を押すことで開弁する方法（特許文献１）や後端をノックすることで開弁する方法（特許文献２）などが知られている。一方、それらの方法では、ペン芯として筆穂のような軟質なものは使用できず、また、液の吐出量をコントロールしにくいなどの課題があった。また、キャップの装着により内部の弁機構が閉鎖される筆記具が開示されている（特許文献３）
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１４－８７９４７号公報
特開平９－２７１７１０号公報
特開２０２１－１１５７１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特に特許文献１記載の技術によれば、意図せずに多量のインキが流れ出す直流現象、いわゆる「ドバ落ち」などと称されるインク又は塗布液の吹き出し現象を防止することは可能である。しかし、軸筒を弾性に富むブロー容器を使用し、容器側面を押圧することで開弁させ液を流出させる機構を有したサインペンでは、液が開弁とともに噴出することがあった。そこで、本開示の態様は、本体を押圧することで開弁するバルブを有した筆記具にて、急激な液流出（いわゆるドバ落ち）を防止するとともに、押圧の強弱で液吐出量のコントロールをしやすくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本開示の様態は、下記の通りである。
【０００６】
＜態様１＞
態様１の筆記具は、内部空間がインクを収容するインク収容部であるとともに、側面が押圧されることで変形可能な軸筒と、
繊維を束ねた筆穂として形成される筆記先端と、
前記筆記先端が挿通されつつ前記軸筒の先端に装着される先軸と、
前記軸筒の先端部分に収容されるとともに、前記軸筒の側面の押圧に伴い開弁する弁機構と、
前記弁機構の先端縁に位置するとともに軸心に弁挿通孔が形成されている底板と、前記弁機構の先端側内部へ挿入されるとともに内部空間に後方収容部とが形成されている筒部と、を有する弁挿通部材と、
前記後方収容部に収容されるとともに、先端面が前記弁挿通部材の底板の後端面に接する円柱部と、前記円柱部の先端面から突設されるともに、前記弁挿通孔に遊嵌される挿通部と、を有する流路抵抗弁と、
を備えるとともに、
前記弁機構は、
前記軸筒に対し固定されるバルブ保持部材と、
前記バルブ保持部材に内挿され、前後方向に移動可能なバルブと、
前記バルブの内部に挿入され、前記バルブと前記流路抵抗弁の後端面との間に介装されるとともに、前記バルブを前記バルブ保持部材に対し常に後方に付勢するスプリングと、を有し、
前記流路抵抗弁の前記円柱部の先端面の一部に、後方に陥凹した通液溝が形成されている。
【０００７】
態様１の筆記具では、軸筒から弁機構を経由してインクが筆記先端に供給されるが、流路抵抗弁によりインクの流路が制限されるため、軸筒を押圧してインクを供給しようとしてもインクの流出が制限され、いわゆるドバ落ちが防止できる。
【０００８】
＜態様２＞
態様２の筆記具は、態様１の構成に加え、前記筆記先端が挿通された状態で前記先軸の先端に挿通されつつ、先端縁が前記先軸の先端から露出する先軸インサートと、
軸心に前記流路抵抗弁の前記挿通部が挿通されつつ保持されるとともに、後端に形成される当接板を前記先軸インサートの後端に当接させつつ、前記先軸インサートに挿入されて前記筆記先端を保持する筆先保持部材と、
前記先軸の先端を被覆するとともに、内部に設けられた複数本のリブの後端が段差となっているキャップをさらに備え、
前記キャップを前記先軸に装着した状態で、前記リブの段差が、前記先軸インサートの先端を後方へ押圧する。
【０００９】
態様２の筆記具では、キャップを装着すると、先軸インサートの先端がキャップ内のリブに当接し、押圧されて後方へ移動する。そして、先軸インサートの後端に配置された筆先保持部材が、先軸インサートの移動とともに後方へ移動し、挿通されている流路抵抗弁がバルブのスプリングを後方へ押圧することで、バルブの開弁を制限する。すなわち、キャップが装着されているときは、バルブが開弁しないようになっている。したがって、キャップを装着した状態で軸筒を押圧してもインクが漏れ出すことが制限される。
【発明の効果】
【００１０】
本体を押圧することで開弁するバルブを有した筆記具にて、急激な液流出（いわゆるドバ落ち）を防止するとともに、押圧の強弱で液吐出量のコントロールをしやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

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