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公開番号2025038825
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-19
出願番号2023145667
出願日2023-09-07
発明の名称造花用の紙のグラデーションカラーリング方法
出願人一般社団法人ブラッサムアート協会
代理人弁理士法人共生国際特許事務所
主分類D06P 7/00 20060101AFI20250312BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】本発明の目的は、紙の繊維の流れ方向と毛細管力を使用した染色の向きとの組み合わせによって、濃淡及び色調変化に方向性を持たせることが可能な造花用の紙のグラデーションカラーリング方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の造花用の紙のグラデーションカラーリング方法は、染色する染料を含む染色液の容器と、加熱器と、無色もしくは任意の色の被染色紙と、昇降可能な治具とを準備する段階、染色液の容器を加熱器で所定の温度まで加熱する段階、被染色紙を昇降可能な治具に被染色紙を固定する段階、昇降可能な治具によって被染色紙を染色液に浸漬する段階、及び染色液に浸漬した所定の時間後に被染色紙を引き上げる段階を含み、被染色紙の毛細管力によって染色することを特徴とする。
【選択図】 図14
特許請求の範囲【請求項1】
染色する染料を含む染色液の容器と、加熱器と、無色もしくは任意の色の被染色紙と、昇降可能な治具とを準備する段階、
前記染色液の容器を加熱器で所定の温度まで加熱する段階、
前記被染色紙を前記昇降可能な治具に、前記被染色紙の繊維の流れ方向と浸漬方向とが0度以上90度以下となるように固定する段階、
前記昇降可能な治具によって、前記被染色紙の一端の端辺を前記染色液に浸漬する段階、及び
前記染色液に浸漬した所定の時間後に、前記被染色紙を引き上げる段階を含み、
被染色紙の毛細管力によって染色することを特徴とする造花用の紙のグラデーションカラーリング方法。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記被染色紙を前記染色液に浸す前に、前記被染色紙の一部又は全部を所定時間予め水に浸漬しておく段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の造花用の紙のグラデーションカラーリング方法。
【請求項3】
前記被染色紙は、上質紙、マット紙、アートポスト紙、クラフト紙、マットポスト紙、ケント紙、和紙、クレープ紙、不織紙又はエンボス加工のある表面が加工された吸水性のある天然パルプを含む紙であることを特徴とする請求項1又は2に記載の造花用の紙のグラデーションカラーリング方法。
【請求項4】
前記被染色紙は、染色液に浸漬させる被染色紙の一端の端辺が一直線であるか又は直線状に山谷もしくは曲線状の山谷の形状である被染色紙であることを特徴とする請求項3に記載の造花用の紙のグラデーションカラーリング方法。
【請求項5】
前記被染色紙が染色液に浸漬させる被染色紙の一端の端辺が一直線でなく、直線状に山谷もしくは曲線状の山谷の形状である被染色紙である場合に、前記山谷の形状の全て染色液に浸漬させる又は前記山谷の形状の一部を染色液に浸漬させること特徴とする請求項3に記載の造花用の紙のグラデーションカラーリング方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紙に任意の濃淡又は彩色のグラデーションを施すための造花用の紙のグラデーションカラーリング方法に係り、より詳しくは、毛細管力と紙の繊維の流れ方向との組み合わせで、通常の染料の塗布では得られない自然で微妙な「揺らぎ」のグラデーションを容易に発現させることができる造花用の紙のグラデーションカラーリング方法に関する。本発明でグラデーションカラーリングされた紙は、特に、多種で自然な色調が望まれ、さらに、自然な濃淡及び自然な色調変化の花を再現する造花を製作するための紙に最適である。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
印刷物や包装用紙等には、種々の色調の彩色紙が必要とされている。このような用途に使用される彩色紙は、一般に無色の紙に種々の染料を塗布することにより製造されている。現在は、化学合成技術により極めて多種の染料が開発されており、要求があれば、どのような色調の紙も製造することが可能である。
近年、微細に加工されたノズルを用いた塗布技術とこれを制御するデジタル技術とを組み合わせたデジタル印刷技術の進歩によって、種々の微細に制御された濃淡及び彩色のグラデーションを再現できる画像形成装置が開示され(特許文献1)、濃淡及び彩色のグラデーションカラーの絵画の多色刷り用版下の作成も可能となってきた。
【0003】
このような大量生産及び複製が可能なデジタル印刷技術の応用の影響を受けて、自然に近い濃淡及び彩色のグラデーションカラーリング方法の開発の要望が高まっている。
多種多様な色彩を持つ花のフラワーアレンジメントにおいて、短命な生花を人工的に再現して継続的に鑑賞可能とする造花が提供されている。しかし、樹脂製の造花では、樹脂加工技術によって本物に近い形の成形物の製造は可能である一方、生花に近づけるための自然な彩色の再現は困難である。
そのために、自然に近い色調に彩色する代わりに、デジタル制御可能なLED照明のカラーリング制御によって白色で成形された造花に内蔵されたLED照明で彩色するフラワーアレンジメントが提案されている(特許文献2)。
しかし、このような電子デバイスを用いたデジタル技術は、専門的な知識と技術および設備を必要とするために、多くのユーザーが種々の用途で簡便に用いるには問題があった。
【0004】
一方、従来から手軽な素材として広く用いられている紙で、自然な濃淡及び彩色のグラデーションカラー紙が得られれば様々な種々の用途での利用が期待される。
出願人は、どのような彩色にでも簡便にできる紙のカラーリング方法をこれまで提供してきた(特許文献3)。しかしながら、グラデーション、特に、自然な濃淡及び自然な色調変化並びにこれらの濃淡及び色調変化に方向性を持たせることは従来の方法では困難であった。
【0005】
本発明が目的としている自然な濃淡及び自然な色調変化の造花に好適な紙のグラデーションカラーリング方法として、先行技術は上記の問題がある。
そのために、出願人は、植物の葉及び花の発色に注目して造花用の紙のグラデーションカラーリング方法を探求した。
植物は、根の根毛から毛細管現象によって土の水分を吸収し、導管を通して茎や葉へ水を輸送する。水の一部は、葉の気孔から蒸散される。根から水分と共に吸収された養分が呼吸や成長及び開花に使われ、植物の葉や花の色は、おもに、フラボノイド、カロテノイド、ベタレイン、クロロフィルの4種類の色素成分により発現する。
【0006】
現在、紙素材は、天然セルロースからなる和紙をはじめ、種々のコート紙、加工紙、印刷用紙、さらには、吸水性に注目した生理・衛生用紙材など、用途によって多種多様な紙が用いられている。
本発明では、植物での水分の輸送や葉及び花の発色に深く関係する毛細管現象に注目し、さらに、植物の導管にみられる毛細管力の方向性に着目して造花用の紙のグラデーションカラーリング方法を探求した。
毛細管現象に着目した紙の応用では、毛細管力の方向性の利用したセルロース成分を多く含むレーヨン紐を用いた植栽用水分供給具が提案されている(特許文献4)。
また、種々のセルロース系吸水性繊維を含む吸収性物品用の吸収体が開示されている(特許文献5)。
しかしながら、毛細管現象を利用した造花用の紙のグラデーションカラーリング方法の提案はなされていない。
上記の先行技術を鑑み、出願人は、植物における毛細管現象による葉や花の発色に注目し、鋭意研究して、本発明を完成させるに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2012-195727号公報
特開2016-102281号公報
特許第4058714号公報
特許第4615341号公報
特開2022-031459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的とするところは、紙の彩色において、自然な濃淡及び自然な色調変化並びにこれら濃淡及び色調変化に方向性を持たせる造花用の紙のグラデーションカラーリング方法を提供することにある。
より詳細には、紙の繊維の流れ方向と毛細管力を使用した染色の向きとの組み合わせによって、濃淡及び色調変化に方向性を持たせることが可能な造花用の紙のグラデーションカラーリング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の造花用の紙のグラデーションカラーリング方法は、
染色する染料を含む染色液の容器と、加熱器と、無色もしくは任意の色の被染色紙と、昇降可能な治具とを準備する段階、
染色液の容器を加熱器で所定の温度まで加熱する段階、
被染色紙を昇降可能な治具に被染色紙の繊維の流れ方向と浸漬方向とが0度以上90度以下となるように固定する段階、
昇降可能な治具によって被染色紙の一端の端辺を染色液に浸漬する段階、及び
染色液に浸漬した所定の時間後に被染色紙を引き上げる段階を含み、
被染色紙の毛細管力によって染色することを特徴とする。
【0010】
本発明のグラデーションカラー紙は、毛細管力によって染色されたことによって、自然な濃淡及び自然な色調変化を有し、これら濃淡及び色調変化が毛細管力に沿った方向性を有する、造花用及びフラワーアレンジメントに好適であることを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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