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公開番号
2025036734
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2025002202,2022120395
出願日
2025-01-07,2022-07-28
発明の名称
機器配管接続構造及び冷凍サイクルシステム
出願人
株式会社鷺宮製作所
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B23K
1/20 20060101AFI20250306BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約
【課題】ステンレス製の冷媒配管について、作業負担を抑えて機器本体や他の配管等とろう付け接合することができる機器配管接続構造及び冷凍サイクルシステムを提供する。
【解決手段】機器配管接続構造の冷媒機器10aにおいて、機器本体15とステンレス製の冷媒配管16の一端部161とのろう付け接合のろう材17の融点が、冷媒配管16の他端部162側の外周面163aのメッキ層18の融点よりも低く、冷媒配管16としての第1冷媒配管の他端部162に第2冷媒配管の端部が内挿又は外挿されて接合され、第1冷媒配管の内周面又は外周面と対向する第2冷媒配管の対向面がメッキ層18と同材質又は同系材質の金属により形成されており、メッキ層18が第1メッキ層であり、第2冷媒配管の少なくとも対向面には、第1メッキ層18と同材質又は同系材質のメッキで形成された第2メッキ層が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
冷媒を流通させる冷凍サイクルを構成する冷媒機器を備えた機器配管接続構造であって、
前記冷媒機器が、
機器本体と、
前記機器本体に接合されるステンレス製の冷媒配管と、を備え、
前記機器本体と前記冷媒配管の一端部とがろう材によりろう付け接合され、
前記冷媒配管の他端部を含んだ所定範囲における内周面及び外周面のうちの少なくとも一方の面にメッキ層が設けられ、
前記ろう材の融点が前記メッキ層の融点よりも低く、
前記冷媒配管が第1冷媒配管であり、当該第1冷媒配管の前記他端部に第2冷媒配管の端部が内挿又は外挿されて接合され、
前記第1冷媒配管の内周面又は外周面と対向する前記第2冷媒配管の対向面が前記メッキ層と同材質又は同系材質の金属により形成されており、
前記メッキ層が第1メッキ層であり、前記第2冷媒配管の少なくとも前記対向面には、前記第1メッキ層と同材質又は同系材質のメッキで形成された第2メッキ層が設けられていることを特徴とする機器配管接続構造。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記ろう材が、2以上の金属を含む金属材料であって、融点として、固相線温度、及び、当該固相線温度よりも高温の液相線温度、の2種類の温度を有する合金材料、又は、融点として、固相線温度と液相線温度とが一致した共晶点温度を有する合金材料、であり、
前記メッキ層が、単一の融点を有する単一金属のメッキで形成されており、
前記ろう材の固相線温度又は共晶点温度が前記メッキ層の融点よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の機器配管接続構造。
【請求項3】
前記ろう材が、融点として、固相線温度、及び、当該固相線温度よりも高温の液相線温度、の2種類の温度を有する合金材料であり、
前記ろう材の液相線温度が前記メッキ層の融点よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の機器配管接続構造。
【請求項4】
前記メッキ層は、銅を主成分とするメッキで形成され、
前記ろう材は、銅を主成分とするか、又は、銅及び銀を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の機器配管接続構造。
【請求項5】
前記第2冷媒配管が前記メッキ層と同材質又は同系材質の金属により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の機器配管接続構造。
【請求項6】
前記第2冷媒配管がステンレス製であることを特徴とする請求項1に記載の機器配管接続構造。
【請求項7】
前記第1冷媒配管の前記一端部と前記機器本体とをろう付け接合するろう材が第1ろう材であり、
前記第1冷媒配管の前記他端部に前記第2冷媒配管が第2ろう材によりろう付け接合され、前記第2ろう材の融点が前記第1ろう材の融点よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の機器配管接続構造。
【請求項8】
前記第1ろう材及び前記第2ろう材の何れもが、2以上の金属を含む金属材料であって
、融点として、固相線温度、及び、当該固相線温度よりも高温の液相線温度、の2種類の温度を有する合金材料、又は、融点として、固相線温度と液相線温度とが一致した共晶点温度を有する合金材料、であり、
前記第2ろう材の固相線温度又は共晶点温度が前記第1ろう材の固相線温度又は共晶点温度よりも低いことを特徴とする請求項7に記載の機器配管接続構造。
【請求項9】
前記第2ろう材が、融点として、固相線温度、及び、当該固相線温度よりも高温の液相線温度、の2種類の温度を有する合金材料であり、
前記第2ろう材の液相線温度が前記第1ろう材の固相線温度又は共晶点温度よりも低いことを特徴とする請求項8に記載の機器配管接続構造。
【請求項10】
前記第2ろう材は、銅と、銀及びリンの少なくとも一方と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の機器配管接続構造。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機等の冷凍サイクルシステムを構成する機器配管接続構造及び冷凍サイクルシステムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機(冷凍サイクルシステム、冷凍装置)等を構成する機器として、冷媒の吐出管及び吸入管として継手部材(冷媒配管)が機器本体に接合された冷媒機器が知られている(例えば特許文献1参照)。このような冷媒機器では、多くの場合、機器本体と冷媒配管の一端部とがろう付けによって接合されている。そして、冷媒機器を弁装置として冷媒回路に設置する際には、冷媒配管における他端部が、冷媒回路を構成する他の配管等とろう付けによって接合されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-125238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、近年、材料費の高騰があり、銅管からステンレス配管への置換えがなされている。このようなステンレス配管を冷媒配管として用いる場合、例えば部品交換等における冷媒配管と機器本体や他の配管とのろう付けの際に酸化被膜の除去等が必要となり、ろう付け作業が煩雑で作業者の負担となることが多い。
【0005】
本発明の目的は、ステンレス製の冷媒配管について、作業負担を抑えて機器本体や他の配管等とろう付け接合することができる機器配管接続構造及び冷凍サイクルシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の機器配管接続構造は、冷媒を流通させる冷凍サイクルを構成する冷媒機器を備えた機器配管接続構造であって、前記冷媒機器が、機器本体と、前記機器本体に接合されるステンレス製の冷媒配管と、を備え、前記機器本体と前記冷媒配管の一端部とがろう材によりろう付け接合され、前記冷媒配管の他端部を含んだ所定範囲における内周面及び外周面のうちの少なくとも一方の面にメッキ層が設けられ、前記ろう材の融点が前記メッキ層の融点よりも低く、前記冷媒配管が第1冷媒配管であり、当該第1冷媒配管の前記他端部に第2冷媒配管の端部が内挿又は外挿されて接合され、前記第1冷媒配管の内周面又は外周面と対向する前記第2冷媒配管の対向面が前記メッキ層と同材質又は同系材質の金属により形成されており、前記メッキ層が第1メッキ層であり、前記第2冷媒配管の少なくとも前記対向面には、前記第1メッキ層と同材質又は同系材質のメッキで形成された第2メッキ層が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この機器配管接続構造によれば、ステンレス製の冷媒配管の他端部を含んだ所定範囲に設けるメッキ層の材質を他の配管等の材質に合わせて適宜に選択することで、冷媒配管の他端部について作業負担を抑えて他の配管等とろう付け接合することができる。このとき、上記の冷媒機器によれば、冷媒配管の一端部と機器本体とのろう付けに用いられるろう材の融点がメッキ層の融点よりも低い。このため、冷媒配管の一端部と機器本体とのろう付け時の熱によって他端部側のメッキ層が溶融したり変質したりすることが抑えられる。従って、冷媒配管の一端部と機器本体とのろう付けについて、メッキ層への影響の懸念が殆ど無く、作業負担が少ない炉中ろう付け等の手法を採用して、機器本体とステンレス製の冷媒配管を気密に接合することができる。炉中ろう付けは、酸化被膜を除去できる高温の雰囲気(例えば水素雰囲気)で満たされた炉の中に、ろう付け対象である冷媒配管と機器本体の全体を収めてろう付けを行う手法である。このような炉中ろう付けは、例えばフラックスを塗布して酸化被膜を除去しつつ手作業でろう付けを行うバーナ(トーチ)ろう付け等の手法に比べて作業負担が少ない。このように、上記の機器配管接続構造によれば、ステンレス製の冷媒配管について、作業負担を抑えて機器本体や他の配管等とろう付け接合することができる。
【0008】
ここで、前記ろう材が、2以上の金属を含む金属材料であって、融点として、固相線温度、及び、当該固相線温度よりも高温の液相線温度、の2種類の温度を有する合金材料、又は、融点として、固相線温度と液相線温度とが一致した共晶点温度を有する合金材料、であり、前記メッキ層が、単一の融点を有する単一金属のメッキで形成されており、前記ろう材の固相線温度又は共晶点温度が前記メッキ層の融点よりも低いことが好適である。
【0009】
この構成によれば、ろう材として合金材料を採用することで、ろう材の選択範囲を拡げることができる。その上で、ろう材の固相線温度又は共晶点温度をメッキ層の融点よりも低くすることで、冷媒配管の一端部と機器本体とのろう付け時に、他端部におけるメッキ層の溶融や変質を効果的に抑えることができる。
【0010】
また、前記ろう材が、融点として、固相線温度、及び、当該固相線温度よりも高温の液相線温度、の2種類の温度を有する合金材料であり、前記ろう材の液相線温度が前記メッキ層の融点よりも低いことが更に好適である。
(【0011】以降は省略されています)
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