TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025036118
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024107392
出願日2024-07-03
発明の名称パイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルの構築方法及びその使用
出願人天津大学
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類G01N 27/26 20060101AFI20250306BHJP(測定;試験)
要約【課題】パイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルの構築方法及びその使用を提供する。
【解決手段】それぞれ陰極水素チャージ法及び湿潤硫化水素環境法により、それぞれの被験試料に異なる反応条件下で水素チャージして複数の第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料を取得し、各第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料の水素含有量を測定し、得られた水素含有量に基づいて2つの方法における変数をそれぞれカーブフィッティングし、フィッティング結果に基づいてパイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルを得る。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記のステップS1からS3を含むパイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルの構築方法であって、
S1:それぞれ陰極水素チャージ法及び湿潤硫化水素環境法により、各被験試料に異なる反応条件下で水素チャージして複数の第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料を取得し、前記陰極水素チャージ法は、具体的に、被験試料を陰極として電解質溶液中に置き、所定の水素チャージ時間及び電流密度で陰極水素チャージを行うことであり、
S2:それぞれの前記第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料の水素含有量を測定し、電気化学的方法により水素含有量を測定し、具体的には、非水素チャージ試料の陽極電流の変化を測定し、それをバックグラウンド電流曲線とし、その後、各前記第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料の同等条件下での陽極電流の変化をそれぞれ測定し、それと前記バックグラウンド電流曲線の面積に対して補間演算を行い、前記第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料のそれぞれの水素含有量を取得し、
S3:ステップS2で得られた水素含有量に基づいて2つの方法における変数をカーブフィッティングし、フィッティング結果に基づいてパイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルを取得し、前記パイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルは、具体的に、
JPEG
2025036118000017.jpg
14
51
であり、
式中、C
H1
は、陰極水素チャージ法により得られた第1水素チャージ試料の水素濃度であり、A

、B

、C

は、それぞれ陰極水素チャージ法におけるフィッティング曲面の対応項係数であり、t

は、陰極水素チャージ法の水素チャージ時間であり、iは、陰極水素チャージ法の電流密度であり、C
H2
は、湿潤硫化水素環境法により得られた第2水素チャージ試料の水素濃度であり、A

、B

、C

は、それぞれ湿潤硫化水素環境法におけるフィッティング曲面の対応項係数であり、t

は、湿潤硫化水素環境法の水素チャージ時間であり、C
H2S
は、湿潤硫化水素環境法における溶液の硫化水素濃度であることを特徴とする、方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
ステップS1において、前記被験試料の取得方法は、パイプライン鋼から複数の試料を採取し、試料を採取するときに各前記試料の厚さ方向がパイプライン鋼の直径方向に平行であることを保証し、その後、試料をアセトン及び無水エタノール中で超音波洗浄することによって前記被験試料が得られることであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップS1において、水素チャージする前に、前記被験試料を前処理し、具体的には、被験試料の一方面に導線を接続し、他方面を研磨し、その後、研磨面及び電線コネクタのみが露出するように全体的に密封することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップS1において、前記湿潤硫化水素環境法は、具体的には、密閉環境下で被験試料を試験溶液中に置き、所定の水素チャージ時間及び硫化水素濃度で試験溶液に硫化水素ガスを導入することによって、湿潤硫化水素環境での水素チャージを実現することであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップS3において、最小二乗法によりカーブフィッティングすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
下記のステップ(a)から(c)を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法によりパイプライン鋼の水素損傷を評価する方法であって、
(a):前記パイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルを用いて、目的湿潤硫化水素環境の硫化水素濃度に基づいて、等価する陰極水素チャージ法の水素チャージ時間及び電流密度を確定し、
(b)ステップ(a)で確定されたパラメータに基づいて、陰極水素チャージ法により被験パイプライン鋼に水素チャージすることによって等価水素チャージパイプライン鋼が得られ、
(c)前記等価水素チャージパイプライン鋼に対して水素損傷を評価し、評価結果をパイプライン鋼の目的湿潤硫化水素環境での水素損傷とすることを特徴とする、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、腐食電気化学分野に属し、より具体的には、パイプライン鋼等価(equivalent)湿潤硫化水素環境水素チャージモデルの構築方法及びその使用に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
石油及び天然ガスは重要な再生不可能エネルギーとして、その開発及び使用は国民生活に関わる。パイプライン輸送の安全、効率、便利などの利点は、長距離輸送エネルギーの主なタイプとなる。パイプライン輸送の主要なキャリアとして、パイプライン鋼の安全性評価が注目されている問題となっている。H

Sは、オイルガス輸送プロセスにおいて一般的なガスであり、一般的に強い腐食性はないが、水に溶解して酸性溶液を形成しやすく、パイプラインの腐食を引き起こす。湿潤硫化水素環境の腐食と防護は、石油化学工業装置にとって考慮しなければならない安全因子と考えられている。
【0003】
米国腐食技術者協会のNACE MR0175-2015「油田機械耐硫化物応力割れ金属材料」の規格に定義されている湿潤硫化水素環境は、(1)酸性ガスシステム:ガス全圧≧0.4MPaであり、H

S分圧≧0.0003MPaである;(2)酸性多相システム:処理原油中に二相又は三相媒体(油、水、ガス)がある場合、条件は、気相全圧≧1.8MPa且つH2S分圧≧0.0003MPa;気相圧力≦1.8MPa且つH

S分圧≧0.07MPa;又は気相H

S含有量が15%を超えることである。現在、水素損傷を評価するための実験方法において、該標準における推奨される疑似湿潤硫化水素環境、即ち、24±3℃において、試料をNACE-A溶液(質量分率5%のNaClと0.5%のCH

COOH水溶液)に浸し、分圧が100KPaのH

Sガスを通気し、4日間水素チャージし、この環境下で試験を行う。しかし、パイプライン鋼の実際の使用における湿潤硫化水素環境が互いに異なり、且つ上記試験方法の手順が複雑で、操作要求が高く、使用されるH

Sガスは劇的に毒性があり、試験者の安全及び環境安全に大きなリスクをもたらし、研究に不便である。
【発明の概要】
【0004】
従来技術の欠陥に対して、本発明の目的は、パイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルの構築方法及びその使用を提供し、従来のパイプライン鋼の水素損傷評価方法ステップの煩雑、高操作要求、低安全性の問題を解決することを目的とする。
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、パイプライン鋼の等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルの構築方法が提供される。この構築方法は、下記のステップを含む。
S1:それぞれ陰極水素チャージ法及び湿潤硫化水素環境法により、各被験試料に異なる反応条件下で水素チャージして複数の第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料を得る。
S2:それぞれの前記第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料の水素含有量を測定する。
S3:ステップS2で得られた水素含有量に基づいて2つの方法における変数をカーブフィッティングし、フィッティング結果に基づいてパイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルを得る。
【0006】
好ましくは、ステップS1において、前記被験試料の取得方法は、パイプライン鋼から複数の試料を採取し、試料を採取するときに各前記試料の厚さ方向がパイプライン鋼の直径方向に平行であることを保証し、その後、試料をアセトン及び無水エタノール中で超音波洗浄し、前記被験試料を得ることである。
【0007】
好ましくは、ステップS1において、水素チャージする前に前記被験試料を前処理し、具体的には、被験試料の一方面に導線を接続し、他方面を研磨し、その後、研磨面及び電線コネクタのみが露出するように全体的に密封する。
【0008】
好ましくは、ステップS1において、前記陰極水素チャージ法は、具体的には、被験試料を陰極として電解質溶液に置き、所定の水素チャージ時間及び電流密度で陰極水素チャージを行うことである。
【0009】
好ましくは、ステップS1において、前記湿潤硫化水素環境法は、具体的には、密閉環境下で被験試料を試験溶液に置き、所定の水素チャージ時間及び硫化水素濃度で試験溶液に硫化水素ガスを導入し、湿潤硫化水素環境での水素チャージを実現する。
【0010】
好ましくは、ステップS2において、電気化学的方法により水素含有量を測定する。具体的には、非水素チャージ試料の陽極電流の変化を測定し、それをバックグラウンド電流曲線とし、その後、それぞれ各前記第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料の同等条件下での陽極電流の変化を測定し、それと前記バックグラウンド電流曲線の面積に対して補間演算を行い、前記第1水素チャージ試料及び第2水素チャージ試料のそれぞれの水素含有量を取得する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

天津大学
NiTi形状記憶合金の製造方法
11か月前
天津大学
インホイールモーター用一体型冷却器
3か月前
天津大学
ビスフェノールAの製造方法及び装置
4か月前
天津大学
ビスフェノールA合成用樹脂触媒の前処理方法
2日前
天津大学
樹脂法による合成ビスフェノールAの製造方法及び装置
6か月前
天津大学
ビスフェノールAの反応系における副生成物を低減する方法
13日前
天津大学
深水ジャケット用TKYジョイントの高強度高靭性防食溶接方法
4か月前
天津大学
ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価する方法
4か月前
天津大学
照射下金属材料中のヘリウムバブルの進化を予測する方法及びシステム
5か月前
天津大学
パイプライン鋼等価湿潤硫化水素環境水素チャージモデルの構築方法及びその使用
7か月前
個人
メジャー文具
1か月前
個人
採尿及び採便具
7日前
日本精機株式会社
検出装置
1日前
個人
高精度同時多点測定装置
22日前
個人
アクセサリー型テスター
23日前
甲神電機株式会社
電流検出装置
1日前
株式会社ミツトヨ
測定器
13日前
ユニパルス株式会社
ロードセル
29日前
アズビル株式会社
電磁流量計
16日前
株式会社ヨコオ
ソケット
29日前
ダイキン工業株式会社
監視装置
27日前
トヨタ自動車株式会社
監視装置
28日前
株式会社チノー
放射光測温装置
29日前
株式会社ヨコオ
ソケット
28日前
大和製衡株式会社
組合せ計量装置
10日前
TDK株式会社
磁気センサ
28日前
長崎県
形状計測方法
23日前
ローム株式会社
半導体装置
21日前
愛知時計電機株式会社
ガスメータ
13日前
双庸電子株式会社
誤配線検査装置
2日前
愛知電機株式会社
軸部材の外観検査装置
10日前
TDK株式会社
ガスセンサ
1か月前
個人
システム、装置及び実験方法
16日前
ローム株式会社
半導体装置
21日前
大和製衡株式会社
組合せ計量装置
10日前
TDK株式会社
ガスセンサ
29日前
続きを見る