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公開番号
2025068595
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-28
出願番号
2024171248
出願日
2024-09-30
発明の名称
樹脂法による合成ビスフェノールAの製造方法及び装置
出願人
天津大学
,
Tian Jin University
代理人
個人
主分類
C07C
37/20 20060101AFI20250421BHJP(有機化学)
要約
【課題】樹脂法による合成ビスフェノールAの製造方法及び裝置を提供することを課題とする。
【解決手段】樹脂触媒の作用下でフェノールとアセトンとを触媒的縮合反応させてビスフェノールAを生成する縮合反応ユニットと、縮合反応濃縮液を溶融後の回収された付加物結晶と混合した後、付加物の晶析を実施するための付加物晶析ユニットと、付加物を溶融してビスフェノールA製品を得るための液相脱フェノールユニットと、母液中のフェノール、ビスフェノールAを回収するための二次付加物晶析ユニットと、未反応のフェノール及びアセトンを回収し、フェノール含有排水を汚水処理に送るための溶媒回収ユニットと、母液中のフェノールを回収し、まずその中のビスフェノールA、2,4-ビスフェノールAを分解してから転位し、ビスフェノールAに変換して系に戻すための分解転位ユニットとを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂法による合成ビスフェノールAの製造方法であって、
(1)樹脂触媒の作用下でフェノールとアセトンとを触媒的縮合反応させてビスフェノールAを生成する縮合反応ユニットを備え、前記ユニットの反応器は、1段目の反応器と2段目の反応器とを備え、前記1段目の反応器に外部循環熱移動、前記2段目の反応器間にフラッシュ蒸発脱水を設ける工程、
(2)縮合反応濃縮液を、溶融後の回収された付加物結晶と混合した後、付加物の晶析を実施し、加圧・ドラム回転・濾過した後、付加物結晶含有溶液にフェノールを加え、均一に撹拌・洗浄し、次いで遠心分離して付加物結晶を得る第1付加物晶析ユニットを備え、加圧分離機で固相と液相を分離する工程、
(3)付加物溶融液からフェノールを抜き取り、造粒し、包装して、ビスフェノールA製品を得るための液相脱フェノールユニット、
(4)母液中のフェノール、ビスフェノールAを回収するための二次付加物晶析ユニットを備え、二重効果液膜降下式蒸発でフェノールとビスフェノールAを分離し、異性化反応器で副生物をビスフェノールAに変換する工程、
(5)未反応のフェノール及びアセトンを回収し、フェノール含有排水を汚水処理に送るため溶媒回収ユニット、
(6)製造プロセス中で生成した不純物を除去し、母液中のフェノールを回収し、まずその中のビスフェノールA、2,4-ビスフェノールAを分解してから転位し、ビスフェノールAに変換して系に戻すための分解転位ユニット、
以上の構成を有することを特徴とする、樹脂法による合成ビスフェノールAの製造方法。
続きを表示(約 7,300 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂法による合成ビスフェノールAを実現する方法であって、原料アセトン、回収アセトン、循環フェノールを縮合反応ユニット(100#)に送り込んで反応させ、生成物と未反応原料とを簡単に分離した後、反応液を付加物晶析ユニット(200#)に送り込み、含水フェノールを溶媒回収ユニット(500#)に送り込み、原料フェノールの一部は、前記付加物晶析ユニットから添加され、上流反応液、脱フェノール精製ユニット(300#)からの回収フェノール、及び母液回収ユニット(400#)からの付加物結晶溶融液を洗浄するために用いられ、洗浄後1段目の遠心分離母液/洗浄液と2段目の遠心分離母液を前記母液回収ユニット(400#)に送り込み、付加物結晶溶融液を前記脱フェノール精製ユニットに送り込み、脱フェノールユニットで最終製品BPAを生成すると共に、含水フェノールを前記溶媒回収ユニットに送り込み、前記原料フェノールの一部は、前記母液回収ユニットから添加され、母液、洗浄液、回収フェノール及び分解転位ユニット(600#)からの回収BPAを洗浄するために用いられ、その後前記2段目の遠心分離母液を前記分解転位ユニットに送り込み、前記溶媒回収ユニットに共沸剤としてエチルベンゼンを加え、回収アセトンを縮合反応ユニットに送り込み、回収フェノールを前記母液回収ユニットに送り込むと共に廃水を系外に排出し、前記分解転位ユニットは、前記2段目の遠心分離母液を受けて分解・転位し、前記回収BPAを前記母液回収ユニットに返送し、イソプロピルフェノール及び廃液を系外に送り出すことを特徴とする、方法。
【請求項3】
前記縮合反応ユニット(100#):精製後の新鮮なアセトンは、計量されて1段目の反応器(102)及び2段目の反応器(112)にそれぞれ比例して送り込み、反応器(102)に送り込まれたアセトンは分解供給予熱器(601)からの回収フェノール及び1段目の循環ポンプ(105)からの物質と混合し、1段目の冷却器(101)に入り、循環水により冷却された後、1段目の反応器(102~104)に入り、1段目の反応器(104)から流出した反応液の一部は前記1段目の循環ポンプ(105)により循環して前記1段目の反応器(102)に戻し、残りは脱水フラッシュヒーター(106)により昇温された後、脱水フラッシュ蒸発缶(107)に入って一部の水分を抜き取り、前記脱水フラッシュ蒸発缶(107)からのフラッシュ蒸気は、フラッシュ蒸発第1凝縮器(108)及びフラッシュ蒸発第2凝縮器(109)により凝縮、冷却された後、水、アセトン及びフェノールを含む凝縮液が軽質分受槽(124)に流れ、テールガスが真空システムに送られ、前記脱水フラッシュ蒸発缶(107)からの脱水後の物質は、回収アセトン及び第2ストリームの新鮮なアセトンと混合した後、2段目の供給ポンプ(110)により2段目の冷却器(111)に送り込み、循環水で冷却された後2段目の反応器(112~114)に入り、2段目の反応器(114)から出た縮合反応液は、フェノール吸収塔(306)からの塔底液と混合した後、吸着カラム(115)に入り、その後予熱器(116)により軽質留分除去塔(117)の塔底液と熱交換して昇温された後前記軽質留分除去塔(117)に入り、反応液中の水、未反応アセトン及び一部のフェノールが塔頂から蒸発し、凝縮器(122)及びアフタークーラー(123)で凝縮された後、テールガスが真空システムに入り、凝縮液は軽質分受槽(124)に流入し、払出ポンプ(125)により前記溶媒回収ユニット(500#)に送ってフェノール及びアセトンを回収し、軽質留分除去塔リボイラー(118)は低圧蒸気を用いて加熱し、塔底物を濃縮し、払出ポンプ(119)により送り出し、前記予熱器(116)で熱交換して温度を下げた後縮合反応液受槽(120)に送ることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記付加物晶析ユニット(200#):縮合反応液払出ポンプ(121)からの反応濃縮液と結晶融解装置の循環ポンプ(427)の前記母液回収ユニット(400#)からの回収付加物結晶溶融液は、晶析供給緩衝タンク(201)内で混合され、その後晶析供給ポンプ(202)により送り出し、供給冷却器(203)で冷却された後、主循環型晶析装置(204)に入り、結晶スラリーは、晶析循環ポンプ(205)により主循環型晶析装置(204)から汲み出された後、晶析冷却器(206)に入り、脱イオン水の冷却作用下で晶析熱を除去し、主循環型晶析装置(204)から流出する結晶スラリーは、流量制御弁により加圧主分離機(207)に連続的に送られて固液分離を実施し、濾過ケーク洗浄用のフェノールは、スラリー混合洗浄母液ポンプ(214)の第2段遠心機からの濾液であり、分離された母液及び洗浄液は主分離機母液/洗浄液タンク(208)に入り、払出ポンプ(218)により母液受槽(401)に送られ、主分離機から導入され、フェノール払出ポンプ(311)からのフェノールは、濾過された付加物結晶とスラリー混合洗浄タンク(210)内でスラリー混合・洗浄され、スラリー混合後の結晶スラリーは、それぞれ対応する結晶スラリーポンプ(211)により2段目の加圧主分離機(212)に送られ、固液分離が行われ、濾液は、スラリー混合遠心機母液タンク(213)に入り、前記スラリー混合洗浄母液ポンプ(214)により送り出され、それぞれ前記加圧主分離機(207)及び加圧副分離機(423)に送られ、フェノール洗浄に使用され、濾過ケークは遠心機により取り出され、結晶融解装置(215)に入り、前記結晶融解装置(215)内の物質は、対応する結晶融解循環ポンプ(216)によりヒーター(217)に送って加熱され、その後前記結晶融解装置(215)に戻されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記脱フェノール精製ユニット(300#):脱フェノール供給ポンプ(218)からの付加物溶融液が液膜降下式脱フェノール装置(301)に入り、水蒸気の加熱により蒸発して、気液分離タンク(302)に入り、液相はスチームストリッピング脱フェノール装置(305)の塔頂に入り、気相は凝縮器(303)により凝縮され、テールガスは真空システムに入り、凝縮液はフェノールタンク(310)に入り、タンク領域からの新鮮なフェノールは新鮮なフェノールタンク(313)に入り、新鮮なフェノールポンプ(314)により送り出され、一部は計量された後前記フェノールタンク(310)に送り込まれ、残りは回収フェノールタンク(416)に送られ、前記フェノールタンク(310)内のフェノールは、フェノール払出ポンプ(311)により送り出され、洗浄フェノール冷却器(312)で設定値まで冷却された後、スラリー混合洗浄タンク(210)に送られて洗浄フェノールとし、水蒸気は、電熱式蒸気過熱器(304)により加熱された後、スチームストリッピングの蒸気として前記スチームストリッピング脱フェノール装置(305)の塔底に入り、塔底で得られた液体ビスフェノールAはBPA溶融ポンプ(315)により送り出された後成形され、造粒され、包装機(316)に入って包装されて、ビスフェノールA製品を得、塔頂の気相は、フェノール吸収塔(306)の塔底に入り、塔頂から添加された吸収フェノールと気液物質移動を行い、塔頂から出たガスはフェノール吸収塔凝縮器(309)に入り、テールガスは真空システムに入り、凝縮液は含水フェノールであり、エチルベンゼンタンク(526)に入り、塔底液は、ビスフェノールAフェノール溶液であり、フェノール循環ポンプ(307)により冷却器(308)に送られて冷却され、その後前記フェノール吸収塔(306)の塔頂に戻されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記母液回収ユニット(400#):母液受槽(401)からの物質は、供給ポンプ(402)により1段目の供給予熱器(403)、2段目の供給予熱器(404)に順次送られ、前記予熱器(403)は、熱的結合熱交換器であり、熱媒体は3段目の気液分離タンク(411)からの気相物質であり、前記2段目の供給予熱器(404)も熱的結合熱交換器であり、熱媒体は回収フェノールポンプ(419)からのフェノールであり、物質は2段の予熱を経た後計量されて2つの部分に分けられ、一部は高圧液膜降下式蒸発器(406)に入り、水蒸気の加熱により蒸発し、前記高圧液膜降下式蒸発器(406)の下部から流出する気相・液相物質は1段目の気液分離タンク(407)に入り、液相物質は、ポンプ(410)により3段目の気液分離タンク(411)に送り込み、気相物質は熱媒体として低圧液膜降下式蒸発器(405)に入り、凝縮後、気相・液相は2段目の気液分離タンク(408)内で分離され、液相は、回収フェノールタンク(416)に入り、気相はテールガス凝縮器(409)に入り、循環水によりさらに凝縮され、凝縮液は前記回収フェノールタンク(416)に入り、テールガスは真空システムに送られ、予熱後の母液の他の部分は、前記低圧液膜降下式蒸発器(405)内で受熱して蒸発し、前記低圧液膜降下式蒸発器(405)の下部から流出する気液二相物質は前記3段目の気液分離タンク(411)に入り、気相物質の一部は、熱媒体として1段目の供給予熱器(403)に入り、残りは凝縮器(414)内で循環水の作用下により凝縮され、前記1段目の供給予熱器(403)及び前記凝縮器(414)のテールガスが合流した後、アフタークーラー(415)に入り、循環水の作用下でさらに凝縮され、テールガスは真空システムに送られ、前記1段目の供給予熱器(403)、前記凝縮器(414)及び前記アフタークーラー(415)の凝縮液は前記回収フェノールタンク(416)に流れ、前記回収フェノールタンク(416)内の物質は、フェノール払出ポンプ(417)により回収フェノール貯蔵タンク(418)に送り込まれ、次いで、前記回収フェノールポンプ(419)により送り出され、前記2段目の供給予熱器(404)、分解供給予熱器(601)の熱交換により温度を下げた後、それぞれ縮合反応器の前記1段目の冷却器(101)及び前記フェノール循環ポンプ(307)の吐出口に送られ、前記3段目の気液分離タンク(411)内の液相物質は、濃縮ビスフェノールAフェノール溶液であり、晶析供給ポンプ(412)により送り出され、晶析仕込原料冷却器(413)を経由して循環水で冷却された後、回収晶析装置(420)に入り、付加物結晶スラリーは、晶析循環ポンプ(422)により前記回収晶析装置(420)から汲み出された後、晶析冷却器(421)に入り、脱イオン水により晶析熱を冷却して除去し、前記回収晶析装置(420)から流出する結晶スラリーは、加圧副分離機(423)に連続的に送られて固液分離され、濾過ケーク洗浄用のフェノールは、前記スラリー混合洗浄母液ポンプ(214)の第2段遠心機からの濾液であり、前記加圧副分離機(423)から分離された母液は母液受槽(429)に入り、母液払出ポンプ(430)により送り出され、母液ヒーター(431)で予熱された後、一部は異性化反応器(432)に送られ、その中の2,4-ビスフェノールA、トリフェノール、クロマノール等の一部をビスフェノールAに変換してから母液受槽(401)に入り、他の部分を前記分解転位ユニット(600#)に送って分解転位され、前記加圧副分離機(423)からの洗浄液は、洗浄液受槽(424)に入り、洗浄液払出ポンプ(425)により前記母液受槽(401)に送られ、主分離機から導入され、前記縮合反応液払出ポンプ(121)により計量された反応液の一部は、結晶融解装置426内で濾過された付加物結晶と混合され、結晶融解装置426内の物質は、対応する結晶融解循環ポンプ(427)によりヒーター(428)に送られて加熱されてから結晶融解装置426に戻り、結晶融解装置426内の物質は、結晶融解循環ポンプ(427)により晶析供給緩衝タンク(201)に送られることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒回収ユニット(500#):脱水塔(502)が共沸精留塔であり、エチルベンゼンが共沸剤であり、軽質分払出ポンプ(125)からの物質は、エチルベンゼン供給ポンプ(527)からの物質と混合した後、脱水塔供給予熱器(501)内で低圧蒸気により予熱された後、前記脱水塔(502)に入り、塔頂ガスは、直接アセトン回収塔(504)に入り、塔底液はエチルベンゼンを含むフェノールであり、塔釜払出ポンプ(518)によりフェノール回収塔(519)に送られ、前記アセトン回収塔(504)の塔頂ガスは、アセトン塔凝縮器(506)、アフタークーラー(507)を経て凝縮された後、テールガスが真空システムに送られ、凝縮液は、アセトン塔還流タンク(508)に入り、アセトン塔還流ポンプ(509)により送り出され,一方のストランドは還流としてアセトン回収塔の塔頂に送られ、もう一方のストランドは回収アセトンとして、前記縮合反応ユニット(100#)反応器の前記2段目の供給ポンプ(110)の吸込口に送られ、塔底物は、相分離器(510)に入り、水相と有機相を形成し、水相物質は、水相払出ポンプ(511)により送り出され、冷却器(512)、(513)により冷却された後、相分離器(514)に入り、さらに相分離され、有機相は前記相分離器(510)に流れ、水相は本装置の廃水として廃水ポンプ(516)により境界領域から送り出され、生物化学的処理を実施し、前記相分離器(510)の有機相は、エチルベンゼン払出ポンプ(515)により送り出され、一部が還流液として前記脱水塔(502)の塔頂に返送され、残りがエチルベンゼン冷却器(517)により冷却された後、エチルベンゼン液封式真空ポンプの補助作動液として真空ポンプに入り、リボイラー(505)の加熱蒸気流量を調整することにより、塔内の上昇蒸気量を制御し、前記脱水塔(502)の塔釜払出ポンプ(518)からの物質は、前記フェノール回収塔(519)に入り、塔頂ガスは、フェノール塔凝縮器(522)、アフタークーラー(523)を経て凝縮され、テールガスは真空システムに入り、凝縮液は還流タンク(524)に入り、一部は、還流とし、還流ポンプ(525)により塔頂に返送され、残りはエチルベンゼンタンク(526)にオーバーフローし、前記エチルベンゼンタンク(526)はフェノール吸収塔凝縮器(309)からの含水フェノール、真空システムからの置換エチルベンゼン及び補給エチルベンゼンを受け、前記エチルベンゼンタンク(526)内の物質は前記エチルベンゼン供給ポンプ(527)から前記脱水塔(502)に送って仕込み、塔底液は、エチルベンゼンを含まないフェノールであり、塔釜払出ポンプ(521)により回収フェノール貯蔵タンク(416)に送られ、リボイラー(520)の加熱蒸気流量を調整することにより、塔内の上昇蒸気量を制御することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記分解転位ユニット(600#):前記母液払出ポンプ(430)からの母液が分解供給予熱器(601)により予熱された後、液膜降下式蒸発器(602)に入り、前記分解供給予熱器(601)は、熱的結合熱交換器であり、熱媒体は前記2段目の供給予熱器(404)からの回収フェノールであり、母液は、液膜降下式蒸発器(602)内で水蒸気の加熱により蒸発し、気液二相物質は気液分離タンク(603)に入り、液相は分解反応器(610)の塔釜部に入り、気相は脱p―イソプロピルフェノール塔(604)に入り、前記脱p―イソプロピルフェノール塔(604)の塔底液は、p―イソプロピルフェノールを含む重質分であり、払出ポンプ(606)を介して系外に排出され、焼却され、塔頂ガスは、凝縮器(607)により凝縮、冷却され、テールガスは真空システムに入り、凝縮液は還流タンク(608)に入り、次に還流ポンプ(609)により送り出され、一部は前記脱p―イソプロピルフェノール塔(604)の還流として塔頂に戻され、他の部分は分解反応器(610)の還流として前記分解反応器(610)の塔頂に入り、前記還流タンク(608)から溢れた物質は、分解生成物タンク(614)に入り、リボイラー(605)の加熱水蒸気の流量を調整することにより、塔内の上昇蒸気量を制御し、前記気液分離タンク(603)からの物質は、前記分解反応器(610)の塔釜部に入った後、分解反応循環ポンプ(611)により分解反応ヒーター(612)に送られて物質を加熱した後、一定量のアルカリ液を添加して分解反応の触媒として、分解反応器(610)の塔釜部に戻され、分解により生成されたタールは、前記分解反応循環ポンプ(611)を介して系外に排出され、焼却され、前記分解反応器(610)の塔頂ガスが分解生成物凝縮器(613)により凝縮、冷却され、テールガスは真空システムに入り、凝縮液は前記分解生成物タンク(614)に入り、次に転位反応供給ポンプ(615)により循環冷却器(616)に送られて冷却され、一部は、前記分解生成物タンク(614)に循環して戻され、他の部分は転位反応器(617)の仕込みとし、転位後の物質は、前記母液受槽(401)に戻されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビスフェノールAの製造方法に関し、特に、樹脂法による合成ビスフェノールAの製造方法及び装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ビスフェノールA(Bisphenol-A,BPA)の分子式は、C
15
H
16
O
2
、分子量は228.29であり、化学構造式は次のとおりである。
【0003】
TIFF
2025068595000002.tif
31
166
【0004】
ビスフェノールAは、白色結晶で、エタノール、エーテル、無水酢酸に溶け、水への溶解性は非常に低く (重量比は1:2820)、沸騰水にはわずかに溶ける(重量比は1:130)。ビスフェノールAは、さまざまな無機物質及び有機物質(フェノール、イソプロピルアルコール、アミン、アンモニア類など)と成分が通常、等モル比である結晶質付加物を形成できる。これらの付加物は非常に不安定であり、水洗、常圧、真空、又は不活性ガス吹き込みの場合、加熱しても分解を引き起こす可能性がある。
【0005】
ビスフェノールAは、重要な工業用化学物質の1つであり、エポキシ樹脂及びポリカーボネート製造の主原料であり、ポリスルホン樹脂、フェノール性不飽和樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリ塩化ビニル用熱安定剤、ゴム用老化防止剤などの高分子材料の製造にも使用される。
【0006】
現在、ビスフェノールAは、通常酸性触媒存在下に過剰量のフェノールとアセトンとを縮合反応させることにより製造され、該酸性触媒としては強酸性陽イオン交換樹脂が最も一般的である。得られた反応混合物は、ビスフェノールAの他、未反応のフェノール、アセトン、副生水、ビスフェノールAの異性体及びトリフェノール、クロマノールなどの10種類以上の物質が含まれる。縮合反応で得られた反応混合物を晶析、固液分離し、それから粗結晶を洗浄し、次いで脱フェノール処理してビスフェノールAを回収する方法が一般的である。
【0007】
特許文献1は、エネルギー消費を削減するため、反応液循環を用いてビスフェノールAの濃度を高める方法を開示している。該方法は、反応液からアセトン、水及びフェノールの一部を除去した後、真空蒸発システムに送ってフェノールを除去し、複数回の晶析、溶融循環を通じて高純度のビスフェノールA溶融液を得、真空脱水後の物質を反応入口に戻す。
【0008】
特許文献2は、反応液の少なくとも一部を処理して得られた母液を、異性化反応-濃縮-部分予備濃縮-分解-転位反応工程に順次かける工程と、ビスフェノールAを製造するための反応系を運転させた後、前記異性化反応及び前記転位反応は異性化転位反応器で同時に行われ、循環運転システムを形成し、分解プロセスで生成したイソプロピルフェノールは、前記部分予備濃縮工程で軽質分とともにフェノール回収システムに入り、混合ポリフェノールとともにフェノールから分離される工程とを含む、ビスフェノールA反応系を製造するための最適化方法を開示している。
【0009】
特許文献3は、縮合反応器において過剰量のフェノールとアセトンとの触媒的縮合反応後の反応液の少なくとも一部を異性化―分解―転位工程を経て転位液を得、イソプロピルフェノールを含む前記転位液を濃縮工程にかけてイソプロピルフェノールをフェノール回収システムに入らせ、混合ポリフェノールと一緒にフェノールから抜け出し、前記縮合反応器内のイソプロピルフェノールの質量パーセント含有量を0.25%以下にさせる、ビスフェノールA反応系の製造におけるイソプロピルフェノールの低減方法を開示している。
【0010】
上記及び他の参考文献をまとめると、現在のビスフェノールAの製造プロセスでは、反応系の多くは直列に連結された1段又は2段の管型反応器であり、反応が進行するに伴い、反応熱の放出により、系の温度を上昇し続けさせ、副生水の含有量も増加し続け、高温と水の存在により正反応が抑制され、平衡転化率も低下して、理想的な反応速度及び転化率が得られなくなる。
(【0011】以降は省略されています)
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