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公開番号
2025100306
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2024107402
出願日
2024-07-03
発明の名称
ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価する方法
出願人
天津大学
代理人
SK弁理士法人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
17/00 20060101AFI20250626BHJP(測定;試験)
要約
【課題】本発明は、金属性能試験の技術分野に属し、より具体的には、ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価する方法に関する。
【解決手段】本発明では、ステンレス鋼管上の1つ又は複数の溶接部の異なる位置から複数の溶接部試料を採取し、各溶接部試料の表面酸化介在物密度及び臨界孔食温度を取得し、各溶接部試料の表面酸化介在物密度を独立変数とし、各溶接部試料の臨界孔食温度を従属変数とし、表面酸化介在物密度と臨界孔食温度のフィッティング関数関係式を取得し、被験ステンレス鋼管における同じ溶接プロセスにより溶接して得られた被験溶接部の表面酸化介在物密度を前記フィッティング関数関係式に代入して被験溶接部の標準臨界孔食温度を得ることによって、被験ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速、全面、正確に評価することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記のステップS1からS5を含む、ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価する方法であって、
S1:ステンレス鋼管上の1つ又は複数の溶接部の異なる位置から複数の溶接部試料を採取し、前記複数の溶接部試料の採取点は、少なくともいずれか1つの溶接部の根部から上部までをカバーし、各溶接部試料における単位面積当たりの酸化介在物の個数、即ち、表面酸化介在物密度を取得し、
S2:臨界孔食温度試験により各溶接部試料的臨界孔食温度を取得し、
S3:各溶接部試料の表面酸化介在物密度を独立変数とし、各溶接部試料の臨界孔食温度を従属変数として、表面酸化介在物密度と臨界孔食温度のフィッティング関数関係式:
y=f(x)
(式中、yは臨界孔食温度、xは表面酸化介在物密度、fはフィッティング関数である。)を取得し、
S4:被験ステンレス鋼管から被験溶接部試料を採取し、前記被験溶接部試料の溶接プロセスは、前記溶接部試料の溶接プロセスと同じであり、被験溶接部試料における単位面積当たりの酸化介在物の個数、即ち、表面酸化介在物密度を取得し、
S5:被験溶接部試料の表面酸化介在物密度を前記フィッティング関数関係式に代入し、被験溶接部試料の標準臨界孔食温度を取得することにより、被験ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価することができることを特徴とする、方法。
続きを表示(約 880 文字)
【請求項2】
ステップS1において、前記ステンレス鋼は、オーステナイトステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、マルテンサイトステンレス鋼、二相ステンレス鋼、及び時効硬化ステンレス鋼のうちのいずれか1種を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップS1において、前記複数の溶接部試料の個数は≧5であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップS1において、前記複数の溶接部試料の個数は≧8であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップS1において、前記溶接部試料のサイズは、10×10×Bmmであり、ここで、B≧5であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップS1において、各溶接部試料における単位面積当たりの酸化介在物の個数を取得する前に、電解研磨処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップS2において、前記臨界孔食温度試験は、定電位臨界孔食温度試験であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記溶接部試料に対して定電位臨界孔食温度試験を行う前に、前処理を行い、前記前処理は、
前記溶接部試料を研磨し、アセトン溶液で浸漬し、さらにアルコール溶液で洗い流し、乾燥させるステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップS3において、前記フィッティング関数関係式の分析方法は、線形回帰分析及び多項式回帰分析のうちのいずれか1種を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップS3において、前記フィッティング関数関係式は、
y=ax
2
+bx+c
であり、式中、yは臨界孔食温度であり、xは表面酸化介在物密度であり、a、b及びcはフィッティングパラメータであることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属性能試験の技術分野に属し、より具体的には、ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価する方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
AISI 316Lステンレス鋼は、良好な耐食性を有するため、海洋産業に幅広く使用されている。添加されるCrは、鋼表面にFe/Cr酸化物を形成することができ、パッシベーション膜の安定性の向上に有利である。ガスメタルアーク溶接(Gas Metal Arc Welding,GMAW)は、通常316L鋼管のライニング溶接に使用されている。GMAWの効率が非常に高いが、ライニング溶接金属における溶接欠陥などは、溶接部の耐孔食性の低下を引き起こすことが多い。国際定電位臨界孔食温度測定標準(GB/T 32550-2016金属及び合金の腐食定電位制御下での臨界孔食温度測定標準)には、被験試料の表面積が1cm
2
、一般的に使用される試料のサイズが10×10×Bmm(Bは試料の厚さ)であることが要求されている。GMAWによりオーステナイトステンレス鋼管を溶接する過程において、溶接過程において溶接プロセスが不合格であり、溶接部の保護が不十分であり、溶接後のスラグ除去が不完全であるなどの理由により、オーステナイトステンレス鋼の溶接部に孔食が発生するリスクが大幅に増加し、オーステナイトステンレス鋼の溶接部自体の耐孔食性に影響を与える。オーステナイトステンレス鋼の実際の使用過程において、臨界孔食温度が比較的低い溶接部の局所孔食速度はより速いため、局所的な孔食は溶接部の内部まで迅速に発展し、溶接部全体の失陥を引き起こす。
【0003】
そのため、ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価する方法切望されている。溶接部全体の耐孔食性に対する正確で総合的な評価に有利であり、オーステナイトステンレス鋼の海洋産業用油気管路としての使用寿命の正確な予測に対して極めて大きな価値を有する。
【発明の概要】
【0004】
従来技術の不足に対して、本発明の目的は、ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価する方法を提供することにより、従来技術によりステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を評価する正確さ及び信頼性が低く、異なる溶接プロセス又は異なる入熱溶接によるステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性に対する影響を評価する実験コストが高く、ステンレス鋼管の使用寿命、特に海洋産業油気管路としての使用寿命を正確に予測可能な方法がないなどの技術的問題を解決することにある。
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明によれば、下記のステップS1からS5を含む、ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価する方法であって、
S1:ステンレス鋼管上の1つ又は複数の溶接部の異なる位置から複数の溶接部試料を採取し、前記複数の溶接部試料の採取点は、少なくともいずれか1つの溶接部の根部から上部までをカバーし、各溶接部試料における単位面積当たりの酸化介在物の個数、即ち、表面酸化介在物密度を取得し、
S2:臨界孔食温度試験により各溶接部試料的臨界孔食温度を取得し、
S3:各溶接部試料の表面酸化介在物密度を独立変数とし、各溶接部試料の臨界孔食温度を従属変数として、表面酸化介在物密度と臨界孔食温度のフィッティング関数関係式:
y=f(x)
(式中、yは臨界孔食温度、xは表面酸化介在物密度、fはフィッティング関数である。)を取得し、
S4:被験ステンレス鋼管から被験溶接部試料を採取し、前記被験溶接部試料の溶接プロセスは、前記溶接部試料の溶接プロセスと同じであり、被験溶接部試料における単位面積当たりの酸化介在物の個数、即ち、表面酸化介在物密度を取得し、
S5:被験溶接部試料の表面酸化介在物密度を前記フィッティング関数関係式に代入し、被験溶接部試料の標準臨界孔食温度を取得することにより、被験ステンレス鋼管の溶接部の耐孔食性を迅速かつ総合的に評価することができる方法が提供される。
【0006】
好ましくは、ステップS1において、前記ステンレス鋼は、オーステナイトステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、マルテンサイトステンレス鋼、二相ステンレス鋼、及び時効硬化ステンレス鋼のうちのいずれか1種を含む。
【0007】
好ましくは、ステップS1において、前記複数の溶接部試料の個数は≧5である。
【0008】
さらに好ましくは、ステップS1において、前記複数の溶接部試料の個数は≧8である。
【0009】
好ましくは、ステップS1において、前記溶接部試料のサイズは、10×10×Bmmであり、ここで、B≧5である。
【0010】
さらに好ましくは、ステップS1において、前記溶接部試料のサイズは、10×10×Bmmであり、Bは8~15である。
(【0011】以降は省略されています)
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