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公開番号
2025034746
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023141324
出願日
2023-08-31
発明の名称
医療用ガラス容器、医療用ガラス容器用の膜、及び医療用ガラス容器の製造方法
出願人
AGC株式会社
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
C09D
7/63 20180101AFI20250306BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】薬剤の保存安定性に優れる透明な医療用ガラス容器の提供。
【解決手段】底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体と、少なくとも前記胴部において前記容器本体の表面を覆う膜と、を備え、前記膜が、紫外線吸収剤を含み、前記紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アゾメチン系紫外線吸収剤、インドール系紫外線吸収剤、ベンゾジチオール系紫外線吸収剤及びオキサゾロン系紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種の有機紫外線吸収剤のみからなり、前記膜の厚さt1(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c1(質量%)との積を100で割った値(t1×c11/100)が5.0×10
-6
以上である、医療用ガラス容器。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体と、少なくとも前記胴部において前記容器本体の表面を覆う膜と、を備え、
前記膜が、紫外線吸収剤を含み、
前記紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アゾメチン系紫外線吸収剤、インドール系紫外線吸収剤、ベンゾジチオール系紫外線吸収剤及びオキサゾロン系紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種の有機紫外線吸収剤のみからなり、
前記膜の厚さt1(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c1(質量%)との積を100で割った値(t1×c1/100)が、5.0×10
-6
以上である、医療用ガラス容器。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記膜の厚さt1が1.0~10.0μmである請求項1に記載の医療用ガラス容器。
【請求項3】
底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体と、少なくとも前記胴部において前記容器本体の表面を覆う膜と、を備え、
前記膜が、紫外線吸収剤を含み、
前記紫外線吸収剤が、金属酸化物粒子のみからなり、
前記膜の厚さt2(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c2(質量%)との積を100で割った値(t2×c2/100)が、1.78×10
-5
~1.18×10
-3
である、医療用ガラス容器。
【請求項4】
前記膜の厚さt2が1.0~5.0μmである請求項3に記載の医療用ガラス容器。
【請求項5】
前記金属酸化物粒子の平均粒子径が1~500nmである請求項3に記載の医療用ガラス容器。
【請求項6】
底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体を備え、
前記胴部の位置で測定される紫外線透過率が50%以下であり、前記胴部の位置で測定される可視光透過率が60%以上である、医療用ガラス容器。
【請求項7】
前記胴部の位置で測定される黄色度が20以下である請求項6に記載の医療用ガラス容器。
【請求項8】
前記容器本体がガラスバイアルである請求項1~7のいずれか一項に記載の医療用ガラス容器。
【請求項9】
前記薬剤が抗体薬物複合体を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の医療用ガラス容器。
【請求項10】
紫外線吸収剤を含み、
前記紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アゾメチン系紫外線吸収剤、インドール系紫外線吸収剤、ベンゾジチオール系紫外線吸収剤及びオキサゾロン系紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種の有機紫外線吸収剤のみからなり、
前記膜の厚さt1(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c1(質量%)との積を100で割った値(t1×c1/100)が、5.0×10
-6
以上である、医療用ガラス容器用の膜。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用ガラス容器、医療用ガラス容器用の膜、及び医療用ガラス容器の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
透明なガラス包装容器、例えばガラスバイアルは、薬剤の包装容器として広く用いられている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
“Vials | SCHOTT Pharma”,[online],schott-pharma.com,[令和5年8月8日検索],インターネット<URL:https://www.schott-pharma.com/en/products/vials>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のガラス包装容器は、薬剤の保存安定性が充分ではなく、薬剤の種類等によっては保存中に薬剤の劣化が見られる。
本発明は、薬剤の保存安定性に優れる医療用ガラス容器、並びに薬剤の保存安定性に優れる医療用ガラス容器が得られる医療用ガラス容器用の膜及び医療用ガラス容器の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の[1]~[15]の構成を有する医療用ガラス容器、医療用ガラス容器用の膜、及び医療用ガラス容器の製造方法を提供する。
[1]底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体と、少なくとも前記胴部において前記容器本体の表面を覆う膜と、を備え、
前記膜が、紫外線吸収剤を含み、
前記紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アゾメチン系紫外線吸収剤、インドール系紫外線吸収剤、ベンゾジチオール系紫外線吸収剤及びオキサゾロン系紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種の有機紫外線吸収剤のみからなり、
前記膜の厚さt1(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c1(質量%)との積を100で割った値(t1×c1/100)が、5.0×10
-6
以上である、医療用ガラス容器。
[2]前記膜の厚さt1が1.0~10.0μmである[1]の医療用ガラス容器。
[3]底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体と、少なくとも前記胴部において前記容器本体の表面を覆う膜と、を備え、
前記膜が、紫外線吸収剤を含み、
前記紫外線吸収剤が、金属酸化物粒子のみからなり、
前記膜の厚さt2(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c2(質量%)との積を100で割った値(t2×c2/100)が、1.78×10
-5
~1.18×10
-3
である、医療用ガラス容器。
[4]前記膜の厚さt2が1.0~5.0μmである[3]の医療用ガラス容器。
[5]前記金属酸化物粒子の平均粒子径が1~500nmである[3]又は[4]の医療用ガラス容器。
[6]底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体を備え、
前記胴部の位置で測定される紫外線透過率が50%以下であり、前記胴部の位置で測定される可視光透過率が60%以上である、医療用ガラス容器。
[7]前記胴部の位置で測定される黄色度が20以下である[1]~[6]のいずれかの医療用ガラス容器。
[8]前記容器本体がガラスバイアルである[1]~[7]のいずれかの医療用ガラス容器。
[9]前記薬剤が抗体薬物複合体を含む[1]~[8]のいずれかの医療用ガラス容器。
[10]紫外線吸収剤を含み、
前記紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アゾメチン系紫外線吸収剤、インドール系紫外線吸収剤、ベンゾジチオール系紫外線吸収剤及びオキサゾロン系紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種の有機紫外線吸収剤のみからなり、
前記膜の厚さt1(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c1(質量%)との積を100で割った値(t1×c1/100)が、5.0×10
-6
以上である、医療用ガラス容器用の膜。
[11]紫外線吸収剤を含み、
前記紫外線吸収剤が、金属酸化物粒子のみからなり、
前記膜の厚さt2(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c2(質量%)との積を100で割った値(t2×c2/100)が、1.78×10
-5
~1.18×10
-3
である、医療用ガラス容器用の膜。
[12]前記紫外線吸収剤とマトリックス材料とを含む組成物から形成された膜である[10]又は[11]の医療用ガラス容器用の膜。
[13]底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体の少なくとも前記胴部の表面に、紫外線吸収剤とマトリックス材料とを含む組成物を塗布し、膜を形成する、医療用ガラス容器の製造方法であり、
前記紫外線吸収剤が、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アゾメチン系紫外線吸収剤、インドール系紫外線吸収剤、ベンゾジチオール系紫外線吸収剤及びオキサゾロン系紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種の有機紫外線吸収剤のみからなり、
前記膜の厚さt1(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c1(質量%)との積を100で割った値(t1×c1/100)を、5.0×10
-6
以上とする、医療用ガラス容器の製造方法。
[14]底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体の少なくとも前記胴部の表面に、紫外線吸収剤とマトリックス材料とを含む組成物を塗布し、膜を形成する、医療用ガラス容器の製造方法であり、
前記紫外線吸収剤が、金属酸化物粒子のみからなり、
前記膜の厚さt2(cm)と、前記膜中の前記紫外線吸収剤の含有量c2(質量%)との積を100で割った値(t2×c2/100)を、1.78×10
-5
~1.18×10
-3
とする、医療用ガラス容器の製造方法。
[15]前記マトリックス材料が硬化性シラン化合物を含み、前記組成物が、触媒及び水性媒体をさらに含む[13]又は[14]の医療用ガラス容器の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の医療用ガラス容器は、薬剤の保存安定性に優れる。
本発明の医療用ガラス容器用の膜によれば、薬剤の保存安定性に優れる医療用ガラス容器が得られる。
本発明の医療用ガラス容器の製造方法によれば、薬剤の保存安定性に優れる医療用ガラス容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
医療用ガラス容器の一例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書においては、「紫外線」を「UV」とも記す。
本明細書において、「反応性シリル基」は、加水分解性シリル基及びシラノール基(Si-OH)の総称であり、「加水分解性シリル基」とは、加水分解反応してシラノール基を形成し得る基を意味する。
「胴部の位置で測定されるUV透過率」を「側面UV透過率」とも記す。「側面UV透過率」は、側面1枚のUV透過率である。「側面」は、胴部において医療用ガラス容器の外部と内部とを区画する部分である。医療用ガラス容器の側面UV透過率は、ISO9050:2003に準拠して求められる。
「胴部の位置で測定される可視光透過率」を「側面可視光透過率」とも記す。「側面可視光透過率」は、側面1枚の可視光透過率である。医療用ガラス容器の側面可視光透過率は、JIS R 3106:1998に準拠して求められる。
「黄色度」を「YI」とも記す。
「胴部の位置で測定されるYI」を「側面YI」とも記す。側面YIは、JIS Z 8722:2009で規定される分光測色法により求められる三刺激値X、Y、Zを用い、JIS K 7373:2006に記載の計算式により求められる。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図面における各部の縮尺は、説明の便宜上、実際とは異なる場合がある。
【0009】
〔第一実施形態〕
第一実施形態に係る医療用ガラス容器は、底部及び前記底部の周縁から立ち上がる胴部を有する、薬剤が収容されるガラス製の容器本体と、少なくとも前記胴部において前記容器本体の表面を覆う膜と、を備える。
膜は、UV吸収剤を含む。そのため、膜はUV遮蔽能を有する。以下、UV吸収剤を含む膜を「UV遮蔽膜」とも記す。
UV遮蔽膜は、典型的にはマトリックス中にUV吸収剤を含む。
【0010】
図1を参照して医療用ガラス容器の構成の一例について説明する。
この例の医療用ガラス容器100は、ガラスバイアル10(容器本体)と、UV遮蔽膜20とを有している。
ガラスバイアル10は、底部11と、底部11の周縁から立ち上がる胴部12と、を有している。胴部12の上方には、胴部12側から順に、肩部13、首部14、口部15が順次設けられている。ここで、上方とは、ガラスバイアル10の中心軸に沿った方向において底部11側とは反対側を示す。肩部13は、上方に向かって縮径している。首部14は、胴部12と同軸で胴部12よりも小径の筒状に形成されている。口部15は、内径が首部14と同じで外径が首部14よりも大径の筒状に形成されている。
UV遮蔽膜20は、底部11、胴部12、肩部13及び首部14においてガラスバイアル10の外表面を覆っている。
(【0011】以降は省略されています)
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