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公開番号
2025034112
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023140292
出願日
2023-08-30
発明の名称
送電装置、制御方法及び制御プログラム
出願人
京セラ株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
H02J
50/20 20160101AFI20250306BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】複数の照射回避対象が存在する場合に、送電装置から電波を適切に放射する。
【解決手段】送電装置10は、送受信部13と、受信信号と受電装置とは異なる物体に関する情報とに基づいて、送信信号を送信する電波の前記物体への強度が所定以下となるように、送信信号を送信するアンテナの指向性を制御するウェイト生成部17と、を備える。ウェイト生成部17は、受電装置から送信される規定信号と物体に対する複数のヌル点の数及びヌル点の方向とに基づくアレー応答ベクトルを行列化した行列からグラム行列を算出し、グラム行列の固有値分解によりユニタリ行列と階数と複数の固有値を求め、複数の固有値のうちの所定条件を満たす第1固有値に基づいて階数を下げ、当該階数とユニタリ行列を用いて、受電装置への送信信号を送信するアンテナの送信ウェイトを生成する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
受電装置への送信信号の送信と前記受電装置から送信される受信信号の受信とを、複数のアンテナ素子を有するアンテナにより行う送受信部と、
前記受信信号と、前記受電装置とは異なる物体に関する情報とに基づいて、前記送信信号を送信する電波の前記物体への強度が所定以下となるように、前記送信信号を送信する前記アンテナの指向性を制御するウェイト生成部と、
を備え、
前記ウェイト生成部は、
前記受電装置から送信される規定信号と前記物体に対する複数のヌル点の数及び前記ヌル点の方向とに基づくアレー応答ベクトルを行列化した行列からグラム行列を算出し、前記グラム行列の固有値分解によりユニタリ行列と階数と複数の固有値を求め、複数の前記固有値のうちの所定条件を満たす第1固有値に基づいて前記階数を下げ、当該階数と前記ユニタリ行列を用いて、前記受電装置への前記送信信号を送信する前記アンテナの送信ウェイトを生成する、送電装置。
続きを表示(約 2,100 文字)
【請求項2】
前記ウェイト生成部は、
複数の前記アンテナ素子の数をKとし、複数の前記ヌル点の数をMとし、K×Mの前記行列をAとし、行列Aの複素共役転置(エルミート転置)をA
H
とし、前記ユニタリ行列をUとし、前記階数をrとし、前記固有値をλ
i
(i=1,2,…,r)とし、
グラム行列AA
H
を固有値分解して階数rと固有値λ
i
(i=1,2,…,r)を求め、複数の固有値λ
i
のうちの前記所定条件を満たす前記第1固有値に基づいて階数rを下げ、当該階数rとユニタリ行列Uと前記規定信号に基づき生成されたアレー応答ベクトルa
d
と以下の(式101)を用いてベクトルa’
d
を算出し、以下の(式102)に前記ベクトルa’
d
を適用してウェイトベクトルW
out
を決定し、前記ウェイトベクトルW
out
を前記受電装置への前記送信信号を送信する前記アンテナの送信ウェイトとして生成する、請求項1に記載の送電装置。
TIFF
2025034112000032.tif
13
170
TIFF
2025034112000033.tif
15
170
【請求項3】
前記ウェイト生成部は、
前記受電装置から送信される規定信号と前記物体に対する複数のヌル点の数及び前記ヌル点の方向と前記方向の重要度とに基づくアレー応答ベクトルを行列化した行列からグラム行列を算出し、前記グラム行列の固有値分解によりユニタリ行列と階数と複数の固有値を求め、複数の前記固有値から所定条件を満たす第1固有値に基づいて前記階数を下げ、当該階数と前記ユニタリ行列を用いて、前記受電装置への前記送信信号を送信する前記アンテナの送信ウェイトを生成する、請求項1に記載の送電装置。
【請求項4】
複数の前記アンテナ素子の数をKとし、複数の前記ヌル点の数をMとし、K×Mの前記行列をAとし、
前記方向の重要度に基づくアレー応答ベクトルを行列化した行列Aは、
α
i
(i=1,2,…,M)を方向についての重要度とした場合、以下の(式103)により与えられる行列である、請求項3に記載の送電装置。
TIFF
2025034112000034.tif
8
170
【請求項5】
複数の前記ヌル点の数をMが、複数の前記アンテナ素子の数をKよりも大きな自然数である、請求項2に記載の送電装置。
【請求項6】
前記ウェイト生成部は、
K×Kのグラム行列AA
H
のr個の固有値λ
i
(i=1,2,…,r)とし、λ
1
≧λ
2
≧・・・≧λ
r
>0とし、変数iを0から順次インクリメントして前記固有値λ
i
の総和が前記アンテナ素子の数までの前記固有値λ
i
までの総和に所定の比率を乗じた値よりも大きくなった場合に、変数iの値を前記階数とする、請求項5に記載の送電装置。
【請求項7】
前記ウェイト生成部は、
K×Kのグラム行列AA
H
のr個の固有値λ
i
(i=1,2,…,r)とし、λ
1
≧λ
2
≧・・・≧λ
r
>0とし、変数iを0から順次インクリメントした前記固有値λ
i
が複数の前記固有値λ
i
の平均値に所定の比率を乗じた値よりも小さくなった場合に、変数i-1の値を前記階数とする、請求項5に記載の送電装置。
【請求項8】
前記ウェイト生成部は、
K×Kのグラム行列AA
H
のr個の固有値λ
i
(i=1,2,…,r)とし、λ
1
≧λ
2
≧・・・≧λ
r
>0とし、変数iを0から順次インクリメントした前記固有値λ
i
が複数の前記固有値λ
i
の最大値に所定の比率を乗じた値よりも小さくなった場合に、変数i-1の値を前記階数とする、請求項5に記載の送電装置。
【請求項9】
前記受電装置とは異なる前記物体の方向を検出するセンサ部をさらに備える、請求項2に記載の送電装置。
【請求項10】
前記ウェイト生成部は、
前記送信信号を送信する電波の、前記アンテナに対する前記物体の方向である第1方向への電波強度が所定以下となるように、前記指向性を制御する、請求項9に記載の送電装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本出願は、送電装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
アレーアンテナを用いた無線給電では、レトロディレクティブ方式が用いられることがある。レトロディレクティブ方式は、電力伝送に先立ち受電装置からパイロット信号を送信し、送電装置側でパイロット信号の電波伝搬チャネル特性を推定し、これをもとに送信ウェイトを生成することでアンテナ指向性を制御する。特許文献1には、複数のアンテナ素子と給電対象機器のアンテナとの間の伝搬係数を計算し、伝搬係数に基づいて給電信号の位相及び振幅を複数のアンテナ素子ごとに調整する無線給電装置が開示されている。
【0003】
引用文献2には、電波防護指針を遵守しつつ、開空間無線電力配電方式で、大電力を必要とするアクチュエータなどの無線機器に電力を供給する技術が開示されている。引用文献3には、人のいる空間において漏洩電磁波の到達範囲に人が入ることがない漏洩電磁波制御システムが開示されている。引用文献4には、物体が所定の範囲内にある場合、被給電物への電波による給電を停止することなく、当該物体の位置に到達する電波の強度を弱める無線給電装置が開示されている。また、非特許文献1には、反射波が存在するマルチパス環境や遮蔽物が存在する見通し外環境における有効性が記されている。当該文献では当該方式をマルチパス・レトロディレクティブ方式と呼んでいる。そして、利用環境に人が存在する場合でも、受電装置から送電装置へ伝搬するパイロット信号は人体を通り抜けないため、送電装置から人体に向けて放射されることはない技術が記されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-010485号公報
特開2010-233430号公報
特開2014-217093号公報
特開2020-005468号公報
【非特許文献】
【0005】
Taichi Sasaki, Naoki Shinohara, “Study on Multipath Retrodirective for Efficient and Safe Indoor Microwave Power Transmission,” 2019 IEEE Wireless Power Transfer Conference(WPTC), 2019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
屋内有人環境におけるワイヤレス伝送システムでは、受電電力の伝送効率向上と人体安全の両立が課題となる。この解決策の1つとして、送電装置側にアレーアンテナを用いた多点ヌル拘束付きレトロディレクティブ方式がある。多点ヌル拘束付きレトロディレクティブ方式を用いる従来の送電装置は、複数の照射回避対象が存在する場合に、送電装置からの電波の適切な放射について改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
態様の1つに係る送電装置は、受電装置への送信信号の送信と前記受電装置から送信される受信信号の受信とを、複数のアンテナ素子を有するアンテナにより行う送受信部と、前記受信信号と、前記受電装置とは異なる物体に関する情報とに基づいて、前記送信信号を送信する電波の前記物体への強度が所定以下となるように、前記送信信号を送信する前記アンテナの指向性を制御するウェイト生成部と、を備え、前記ウェイト生成部は、前記受電装置から送信される規定信号と前記物体に対する複数のヌル点の数及び前記ヌル点の方向とに基づくアレー応答ベクトルを行列化した行列からグラム行列を算出し、前記グラム行列の固有値分解によりユニタリ行列と階数と複数の固有値を求め、複数の前記固有値のうちの所定条件を満たす第1固有値に基づいて前記階数を下げ、当該階数と前記ユニタリ行列を用いて、前記受電装置への前記送信信号を送信する前記アンテナの送信ウェイトを生成する。
【0008】
態様の1つに係る制御方法は、受電装置への送信信号の送信と前記受電装置から送信される受信信号の受信とを、複数のアンテナ素子を有するアンテナにより行う送受信工程と、前記受信信号と、前記受電装置とは異なる物体に関する情報とに基づいて、前記送信信号を送信する電波の前記物体への強度が所定以下となるように、前記送信信号を送信する前記アンテナの指向性を制御するウェイト生成工程と、を備え、前記ウェイト生成工程は、前記受電装置から送信される規定信号と前記物体に対する複数のヌル点の数及び前記ヌル点の方向とに基づくアレー応答ベクトルを行列化した行列からグラム行列を算出し、前記グラム行列の固有値分解によりユニタリ行列と階数と複数の固有値を求め、複数の前記固有値から所定条件を満たす第1固有値に基づいて前記階数を下げ、当該階数と前記ユニタリ行列を用いて、前記受電装置への前記送信信号を送信する前記アンテナの送信ウェイトを生成する。
【0009】
態様の1つに係る制御プログラムは、コンピュータに、受電装置への送信信号の送信と前記受電装置から送信される受信信号の受信とを、複数のアンテナ素子を有するアンテナにより行う送受信工程と、前記受信信号と、前記受電装置とは異なる物体に関する情報とに基づいて、前記送信信号を送信する電波の前記物体への強度が所定以下となるように、前記送信信号を送信する前記アンテナの指向性を制御するウェイト生成工程と、を実行させ、前記ウェイト生成工程は、前記受電装置から送信される規定信号と前記物体に対する複数のヌル点の数及び前記ヌル点の方向とに基づくアレー応答ベクトルを行列化した行列からグラム行列を算出し、前記グラム行列の固有値分解によりユニタリ行列と階数と複数の固有値を求め、複数の前記固有値から所定条件を満たす第1固有値に基づいて前記階数を下げ、当該階数と前記ユニタリ行列を用いて、前記受電装置への前記送信信号を送信する前記アンテナの送信ウェイトを生成する処理を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの概要を説明するための図である。
図2は、実施形態に係る送電装置の構成の一例を示す図である。
図3は、アダプティブアレーアンテナの等価低域系解析モデルの一例を示す図である。
図4は、アダプティブアレーアンテナにおける方向と位相の関係の一例を示す図である。
図5は、物体の領域における複数のヌル点の一例を説明するための図である。
図6は、ウェイト生成部がアレー応答ベクトルを算出する一例を示すデータフローである。
図7は、アレー応答ベクトルから固有値分解を行って低ランク化しベクトルa’
d
を算出するまでのデータフローの一例を示す図である。
図8は、検出部から複数の物体の物体情報としての方向と領域と物体全体の重要度情報を受け取り、アレー応答ベクトルを算出するまでのデータフローの一例を示す図である。
図9は、図8のステップS16の一例を説明するための図である。
図10は、アレー応答ベクトルと重要度から固有値分解を行って低ランク化しa’
d
を算出するまでのデータフローの一例を示す図である。
図11は、実施形態に係る受電装置の構成の一例を示す図である。
図12は、図1に示すシステムの送電装置の処理手順の一例を説明するための図である。
図13は、図12に示す送電装置のデータフローを説明するための図である。
図14は、行列の階数を決定する第1例を示すフローチャートである。
図15は、行列の階数を決定する第2例を示すフローチャートである。
図16は、行列の階数を決定する第3例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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