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公開番号2025033680
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023139569
出願日2023-08-30
発明の名称車載空調装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類B60H 1/32 20060101AFI20250306BHJP(車両一般)
要約【課題】冷媒通過音の発生を抑制する。
【解決手段】車載空調装置は、冷凍サイクル装置と、冷凍サイクル装置におけるエバポレータの空気流れ方向の下流端での温度であるエバ後温を検出するセンサと、エンジン冷却装置の冷却水回路に設けられたヒータコア及びヒータコアへの冷却水の供給有無を切り替えるFSVと、空調空気をエバポレータを通過させてヒータコアを選択的に通過させて車室内に送る空調ケースと、コントローラを備える。コントローラは、空調空気の目標吹出温度を設定し、目標吹出温度からエバ後温の目標温度であるエバ後温目標を設定し、エバ後温とエバ後温目標に基づいて冷凍サイクル装置のコンプレッサを制御する。コントローラは、FSVが閉であり、かつ、冷凍サイクル装置の冷媒通過音が乗員に認識され易い所定条件が満たされる場合には、そうでない場合に比べて、目標吹出温度の一定範囲においてエバ後温目標を低く設定する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
冷凍サイクル装置を循環する冷媒を圧縮するコンプレッサと、
前記コンプレッサで圧縮された気相冷媒を凝縮させるコンデンサと、
前記コンデンサで凝縮された液相冷媒を膨張させる膨張弁と、
前記膨張弁で膨張した液相冷媒と車室内に提供される空調空気とを熱交換させて液相冷媒を蒸発させるエバポレータと、
前記エバポレータの空気流れ方向の下流端での温度であるエバ後温を検出するセンサと、
前記コンプレッサ、前記コンデンサ、前記膨張弁、および前記エバポレータを接続して内部に冷媒が流れる冷媒配管と、
エンジン冷却装置を循環する冷却水の冷却水回路に設けられた、ヒータコアおよび前記ヒータコアへの前記冷却水の供給有無を切り替えるFSVと、
前記エバポレータと前記ヒータコアが内部に収容されて、送風機からの前記空調空気を、前記エバポレータを通過させると共に前記ヒータコアを選択的に通過させて車室内に送る空調ケースと、
空調運転の制御を行うコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
車室内に吹き出す前記空調空気の目標温度である目標吹出温度を設定し、
前記目標吹出温度に基づいて、前記エバ後温の目標温度であるエバ後温目標を設定し、
前記エバ後温が前記エバ後温目標に近づくように前記コンプレッサを制御し、
前記FSVが閉状態であり、かつ、前記冷凍サイクル装置の冷媒通過音が車室内乗員に認識されやすい予め定められた条件が満たされる場合には、そうでない場合に比べて、前記目標吹出温度の一定範囲において前記エバ後温目標を低く設定する、
ことを特徴とする車載空調装置。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
請求項1に記載の車載空調装置であって、
前記予め定められた条件は、前記空調装置が搭載された車両の停車状態を含む、
ことを特徴とする車載空調装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載空調装置であって、
前記予め定められた条件は、
車室内の一席のみに、または、そこに優先して前記空調空気が吹き出される一席集中送風が実行されることで前記送風機の出力レベルが比較的低くなっている状態、を含み、
前記コントローラは、前記車両が停車状態において、
前記一席集中送風が実行状態である場合には、それが実行状態でない場合に比べて、前記目標吹出温度のより低い温度を含む一定範囲において前記エバ後温目標を低く設定する、
ことを特徴とする車載空調装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車載空調装置に関し、特に、冷凍サイクル装置のコンプレッサの制御装置(コントローラ)に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
車両には、空調装置が搭載されている。空調装置は冷凍サイクル装置を備える。冷凍サイクル装置において、液相状態の冷媒が流れるはずの冷媒流路に気液二相状態の冷媒が流れることで、意図しない振動が発生して冷媒通過音が生じる場合がある。この冷媒通過音は、コンプレッサの冷媒吐出量が少ない時に生じやすい。乗員が冷媒通過音を騒音として認識すると、車室内の快適性が損なわれる虞があるため、従来から対策が検討されている。
【0003】
特許文献1には、ヒートポンプシステムと、ヒートポンプシステムによる送風空気の加熱を補助するためのPTCヒータを備えた車両用空調装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-109614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空調装置の空調ケースの中には、冷凍サイクル装置のエバポレータと、エンジン冷却装置のヒータコアが配置されている。エバポレータは、空調空気を冷却、除湿する機能を有する。ヒータコアは、エンジンの冷却水が供給されることで、空調空気を温める機能を有する。送風機から送出された空調空気は、エバポレータを通過した後、選択的にヒータコアを通過して、車室内に吹き出される。
【0006】
エンジン冷却装置は、ヒータコアへの冷却水の供給有無を切り替えるFSV(フローシャッティングバルブ:遮断弁)を備える。空調装置は、冷房時に、FSVを閉としてヒータコアへの冷却水の供給を止めて、ヒータコアで空調空気が温められないように制御される。そして、空調装置は、エバポレータの空気冷却性能を比較的低くするFSV省動力制御により制御される。すなわち、ヒータコアで空調空気が温められないため、エバポレータの空気冷却性能を低下させても、所望の冷たい目標吹出温度(車室内に吹き出される空調空気の目標温度)の空調空気が得られやすいため、冷凍サイクル装置を省動力で動作させて、消費電力を低減させている。
【0007】
冷凍サイクル装置では、エバポレータの空気流れ方向の下流端での温度であるエバ後温が、センサで検出されている。エアコンECU(コントローラの一例)は、エバ後温がエバ後温目標(エバ後温の目標温度)に近づくようにコンプレッサを制御する。FSV省動力制御では、このエバ後温目標が比較的高く設定されることで、コンプレッサの出力が低くなっており、エバポレータの空気冷却性能が低くなっている。
【0008】
このように、FSV省動力制御では、コンプレッサの出力が比較的低くなるので、コンプレッサの冷媒吐出量が比較的少なくなる。そのため、FSV省動力制御では、冷凍サイクル装置において冷媒通過音が発生しやすくなってしまう問題がある。乗員が冷媒通過音を騒音として認識すると、車室内の快適性が損なわれる可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、FSV省動力制御(FSVが閉の場合の空調制御)において冷媒通過音の発生を抑制できる車載空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る車載空調装置は、冷凍サイクル装置を循環する冷媒を圧縮するコンプレッサと、前記コンプレッサで圧縮された気相冷媒を凝縮させるコンデンサと、前記コンデンサで凝縮された液相冷媒を膨張させる膨張弁と、前記膨張弁で膨張した液相冷媒と車室内に提供される空調空気とを熱交換させて液相冷媒を蒸発させるエバポレータと、前記エバポレータの空気流れ方向の下流端での温度であるエバ後温を検出するセンサと、前記コンプレッサ、前記コンデンサ、前記膨張弁、および前記エバポレータを接続して内部に冷媒が流れる冷媒配管と、を備える。また、車載空調装置は、エンジン冷却装置を循環する冷却水の冷却水回路に設けられた、ヒータコアおよび前記ヒータコアへの前記冷却水の供給有無を切り替えるFSV(遮断弁)を備える。また、車載空調装置は、前記エバポレータと前記ヒータコアが内部に収容されて、送風機からの前記空調空気を、前記エバポレータを通過させると共に前記ヒータコアを選択的に通過させて車室内に送る空調ケースと、空調運転の制御を行うコントローラを備える。前記コントローラは、車室内に吹き出す前記空調空気の目標温度である目標吹出温度を設定し、前記目標吹出温度に基づいて、前記エバ後温の目標温度であるエバ後温目標を設定し、前記エバ後温が前記エバ後温目標に近づくように前記コンプレッサを制御する。前記コントローラは、前記FSVが閉状態(前記FSVが閉状態であることにより、前記エバ後温目標が比較的高く設定されて前記コンプレッサが比較的低出力で稼働し得る状態)であり、かつ、前記冷凍サイクル装置の冷媒通過音が車室内乗員に認識されやすい予め定められた条件が満たされる場合には、そうでない場合に比べて、前記目標吹出温度の一定範囲において前記エバ後温目標を低く設定(して前記コンプレッサの出力を高めにして冷媒通過音を抑制)する。
(【0011】以降は省略されています)

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