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公開番号2025032853
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023138343
出願日2023-08-28
発明の名称射出成形用コンパウンド
出願人株式会社トーキン
代理人個人,個人,個人
主分類H01F 1/14 20060101AFI20250305BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】硬磁性体粉末に代えて軟磁性体粉末を含む射出成形用コンパウンドに最適な構成を特定して提供する。
【解決手段】射出成形用コンパウンドは、球状の軟磁性体粉末と、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂と、半芳香族ポリアミド(PPA)樹脂とを含んでいる。軟磁性体粉末は、絶縁コートされている。射出成形用コンパウンドにおける軟磁性体粉末の含有量は、60vol%以上である。PPS樹脂とPPA樹脂との重量比は、90:10~60:40である。
【選択図】無し
特許請求の範囲【請求項1】
球状の軟磁性体粉末と、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂と、半芳香族ポリアミド(PPA)樹脂とを含む射出成形用コンパウンドであって、
前記軟磁性体粉末は、絶縁コートされており、
前記射出成形用コンパウンドにおける前記軟磁性体粉末の含有量は、60vol%以上であり、
前記PPS樹脂と前記PPA樹脂との重量比は、90:10~60:40である
射出成形用コンパウンド。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
請求項1記載の射出成形用コンパウンドであって、
前記PPA樹脂は、モノマー単位として、炭素数9以上のジアミンと、テレフタル酸とを含んでいる
射出成形用コンパウンド。
【請求項3】
請求項2記載の射出成形用コンパウンドであって、
前記PPS樹脂と前記PPA樹脂との重量比は、80:20~60:40である
射出成形用コンパウンド。
【請求項4】
請求項1記載の射出成形用コンパウンドであって、
前記射出成形用コンパウンドは、カップリング剤を含んでおり、
前記射出成形用コンパウンドにおける前記カップリング剤の含有量は、0.01wt%~2wt%である
射出成形用コンパウンド。
【請求項5】
請求項1記載の射出成形用コンパウンドであって、
前記軟磁性体粉末の粒径は、1μm~100μmであり、
前記軟磁性体粉末の結晶化度は、0~60%であり、
前記軟磁性体粉末における初期析出物の含有量は、5vol%以下であり、
前記軟磁性体粉末のアスペクト比は、0.4~1.0であり、
前記軟磁性体粉末の表面には、鋭角状の凸部が形成されていない
射出成形用コンパウンド。
【請求項6】
請求項1記載の射出成形用コンパウンドであって、
前記軟磁性体粉末は、アモルファス合金粉末、又はFe基ナノ結晶合金粉末である
射出成形用コンパウンド。
【請求項7】
請求項1記載の射出成形用コンパウンドであって、
前記絶縁コートは、耐熱性を有する無機ガラスからなる
射出成形用コンパウンド。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軟磁性体粉末を含む射出成形用コンパウンドに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、射出成形時のコンパウンドの流動性と、成形体の強度及び耐熱性とを両立させるために、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂及びポリアミド(PA)樹脂の2種類の樹脂と磁石粉末(硬磁性体粉末)とを窒素雰囲気中で加熱しながら混練して形成したボンド磁石用コンパウンドが開示されている。ここで、特許文献1には、ボンド磁石用コンパウンドに含まれる硬磁性体粉末として、フェライト系磁石粉末などが例示されている。また、特許文献1には、硬磁性体粉末がPA樹脂で被覆されていることや、ボンド磁石用コンパウンドにおけるPA樹脂の含有量が2wt%を超えると、PA樹脂による吸湿の影響が大きくなり、硬磁性体粉末、即ち、金属粉末が酸化劣化してしまうこと、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-77802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、硬磁性体粉末に代えて軟磁性体粉末を含む射出成形用コンパウンドに最適な構成を特定して提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
軟磁性体粉末においては、製造過程で非晶質が凝固する際に歪みが蓄積される。また、軟磁性体粉末と樹脂との射出成形体の製造において、軟磁性体粉末と、低融点のPA樹脂等とを混練して成形した場合においても、低融点のPA樹脂の耐熱性が低いため、低融点のPA樹脂の熱分解によるガス発生やこれに伴う樹脂の強度の低下の問題から、混錬温度及び成形温度を上げることができず、混練過程や成形過程において加熱温度が必然的に低くなるがゆえに軟磁性体粉末に新たな歪みが生じやすくなる。一方、軟磁性体粉末と樹脂との射出成形体の製造において、軟磁性体粉末と、高融点の樹脂とを混練して成形した場合、混練過程や成形過程において、加熱温度が高いゆえに、軟磁性体粉末の製造過程で生じた歪みが緩和されると共に、軟磁性体粉末に新たな歪みが生じにくくなる。よって、軟磁性体粉末を含む射出成形用コンパウンドは、軟磁性体粉末の製造過程で生じた歪みの緩和と、軟磁性体粉末と樹脂との混練過程や成形過程における軟磁性体粉末への新たな歪みの発生の抑制のため、高融点の樹脂を含んでいる必要がある。
【0006】
特許文献1のボンド磁石用コンパウンドは、高融点のPPS樹脂を含んでいるが、これは、成形体の高温下での使用を想定して、成形体に予防的に耐熱性を持たせることを目的としている。一方、軟磁性体粉末を含む射出成形用コンパウンドは、上記の通り、軟磁性体粉末の製造過程で生じた歪みの緩和と、軟磁性体粉末と樹脂との混練過程や成形過程における軟磁性体粉末への新たな歪みの発生の抑制のため、高融点の樹脂を含んでいる必要がある。また、特許文献1においては、ボンド磁石用コンパウンドに含まれる金属粉末の酸化劣化が問題とされていたが、軟磁性体粉末を含むコンパウンド自体を熱処理する場合においても、コンパウンドに含まれる金属粉末である軟磁性体粉末の酸化劣化が憂慮される。しかしながら、コンパウンドに含まれる軟磁性体粉末の加熱による酸化劣化を避けるために、特許文献1のように、軟磁性体粉末と樹脂との混練を窒素雰囲気中で行うこととした場合、コンパウンドの製造コストが増大することとなる。
【0007】
これらを考慮して、本願の発明者は、PPS樹脂と、PA樹脂の一種である半芳香族ポリアミド(PPA)樹脂と、軟磁性体粉末とを含む射出成形用コンパウンドであって、コンパウンドに含まれる軟磁性体粉末が、アトマイズ紛のように球状であり、且つ、ガラスコートのような絶縁コートが付加されている、射出成形用コンパウンドを発案した。この発案された射出成形用コンパウンドにおいては、軟磁性体粉末が絶縁コートされていることにより、コンパウンドを大気中で熱処理しても軟磁性体粉末が酸化劣化することがなく、また、PPA樹脂の吸湿によって軟磁性体粉末が酸化劣化する可能性も低減されている。
【0008】
一方、本願の発明者は、PPS樹脂に対するPPA樹脂の配合割合をある程度大きくしなければ、射出成形の際のコンパウンドに必要な流動性を確保できず、且つ、射出成形体の強度を確保できないことに気づくとともに、PPS樹脂に対するPPA樹脂の配合割合があまりに大きくなると、射出形成後の金型のスプルー内やランナー内で固化したコンパウンドに割れが発生することにも気づいた。そこで本願の発明者は、PPS樹脂に対するPPA樹脂の配合割合を、特許文献1のコンパウンドにおけるPPS樹脂に対するPA樹脂の配合割合よりも、比較的大きい割合としつつ、ある程度上限を設けるように、PPS樹脂に対してPPA樹脂を配合することを発案し、本発明を完成させた。なお、本発明のコンパウンドは、上述のように絶縁コートされた軟磁性体粉末を含んでいることから、PPS樹脂に対するPPA樹脂の配合割合が高くなったとしても、特許文献1のコンパウンドにおいて問題となっていたPA樹脂の吸湿による金属粉末の酸化劣化と同様の問題、即ち、PPA樹脂の吸湿による軟磁性体粉末の酸化劣化、が生じにくくなっている。
【0009】
即ち、本発明は、第1の射出成形用コンパウンドとして、
球状の軟磁性体粉末と、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂と、半芳香族ポリアミド(PPA)樹脂とを含む射出成形用コンパウンドであって、
前記軟磁性体粉末は、絶縁コートされており、
前記射出成形用コンパウンドにおける前記軟磁性体粉末の含有量は、60vol%以上であり、
前記PPS樹脂と前記PPA樹脂との重量比は、90:10~60:40である
射出成形用コンパウンドを提供する。
【0010】
また、本発明は、第2の射出成形用コンパウンドとして、第1の射出成形用コンパウンドであって、
前記PPA樹脂は、モノマー単位として、炭素数9以上のジアミンと、テレフタル酸とを含んでいる
射出成形用コンパウンドを提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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