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公開番号2025032824
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023138309
出願日2023-08-28
発明の名称脱酸油の製造方法
出願人株式会社J-オイルミルズ
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類C11B 3/02 20060101AFI20250305BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】脱ガム助剤としてリン酸を使用しなくても、脱酸工程で遊離脂肪酸を効率的に除去できる方法を提供する。
【解決手段】未精製又は脱ガム処理された油脂を脱酸する脱酸油の製造方法が、この油脂に酸を添加混合する酸添加工程と、この酸添加工程後の油脂にアルカリを添加混合するアルカリ添加工程と、70℃以上90℃以下の温水をこのアルカリ添加工程後の油脂に添加する温水添加工程と、この温水添加工程後の油脂から遠心分離により石鹸分を分離する遠心分離工程を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
未精製又は脱ガム処理された油脂を脱酸する脱酸油の製造方法であって、
当該油脂に酸を添加混合する酸添加工程と、
当該酸添加工程後の油脂にアルカリを添加混合するアルカリ添加工程と、70℃以上90℃以下の温水を当該アルカリ添加工程後の油脂に添加する温水添加工程と、
当該温水添加工程後の油脂から遠心分離により石鹸分を分離する遠心分離工程を含むことを特徴とする脱酸油の製造方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記温水添加工程の前に、前記アルカリ添加工程後の油脂を超音波で処理する超音波処理工程を更に含む、請求項1に記載された脱酸油の製造方法。
【請求項3】
前記酸添加工程において、酸としてクエン酸を添加する、請求項1に記載された油脂の脱酸油の製造方法。
【請求項4】
前記酸添加工程において、酸としてクエン酸を添加する、請求項2に記載された油脂の脱酸方法。
【請求項5】
前記クエン酸の添加量が、前記未精製又は脱ガム処理された油脂に含まれるカルシウムとマグネシウムとの合計量に対して、モル比で2倍以上5倍以下の範囲である、請求項3に記載された脱酸油の製造方法。
【請求項6】
前記クエン酸の添加量が、前記未精製又は脱ガム処理された油脂に含まれるカルシウムとマグネシウムとの合計量に対して、モル比で1倍以上5倍以下の範囲である、請求項4に記載された脱酸油の製造方法。
【請求項7】
前記温水の添加量が、前記アルカリ添加工程後の油脂100質量部に対して1質量部以上5質量部以下の範囲である、請求項1~6のいずれか1項に記載された脱酸油の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脱酸油の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
フライ、天ぷら等の揚げ物を調理するための油として、大豆油、菜種油等の食用油脂が使用されている。これらの食用油脂は、油糧原料から得られる粗原油を精製工程に付して得られる。前記精製工程は、脱ガム工程、脱酸工程、脱色工程、及び脱臭工程を含む(特許文献1参照)。
【0003】
前記脱ガム工程は、油分中に含まれるリン脂質を主成分とするガム質を水和して除去する工程である。前記脱ガム工程において、クエン酸、リン酸等の酸の水溶液からなる脱ガム助剤が前記粗原油に添加され、次いで水蒸気又は水が加えられて攪拌され、ガム質が水和して水溶性となって水層へ移り、当該水層が遠心分離等で油水分離されて脱ガム油が得られる。
【0004】
前記脱酸工程では、前記脱ガム油が炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリの水溶液で処理され、油分中に含まれる遊離脂肪酸が石鹸分として除去される。前記脱ガム工程で使用される前記脱ガム助剤がリン酸である場合、前記脱ガム助剤がクエン酸である場合より、前記脱酸工程で遊離脂肪酸を効率的に除去できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭55-73793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近、リン酸の供給が不安定になっており、前記脱ガム助剤としてリン酸を使用しなくても、前記脱酸工程で遊離脂肪酸を効率的に除去できる方法が希求されている。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、脱ガム助剤としてリン酸を使用しなくても、脱酸工程で遊離脂肪酸を効率的に除去できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、前記脱酸工程においてアルカリが添加された後、油水分離を実施する前に70℃以上90℃以下の温水を油脂に添加すると、脱ガム助剤としてリン酸を使用しなくても、脱酸工程で遊離脂肪酸を効率的に除去できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0009】
本発明は、以下に示した実施態様および実施形態を包含する。
[1]未精製又は脱ガム処理された油脂を脱酸する脱酸油の製造方法であって、当該油脂に酸を添加混合する酸添加工程と、当該酸添加工程後の油脂にアルカリを添加混合するアルカリ添加工程と、70℃以上90℃以下の温水を当該アルカリ添加工程後の油脂に添加する温水添加工程と、当該温水添加工程後の油脂から遠心分離により石鹸分を分離する遠心分離工程を含むことを特徴とする脱酸油の製造方法。
[2]前記温水添加工程の前に、前記アルカリ添加工程後の油脂を超音波で処理する超音波処理工程を更に含む、[1]に記載された脱酸油の製造方法。
[3]前記酸添加工程において、酸としてクエン酸を添加する、[1]に記載された油脂の脱酸油の製造方法。
[4]前記酸添加工程において、酸としてクエン酸を添加する、[2]に記載された油脂の脱酸方法。
[5]前記クエン酸の添加量が、前記未精製又は脱ガム処理された油脂に含まれるカルシウムとマグネシウムとの合計量 に対して、モル比で2倍以上5倍以下の範囲である、[3]に記載された脱酸油の製造方法。
[6]前記クエン酸の添加量が、前記未精製又は脱ガム処理された油脂に含まれるカルシウムとマグネシウムとの合計量に対して、モル比で1倍以上5倍以下の範囲である、[4]に記載された脱酸油の製造方法。
[7]前記温水の添加量が、前記アルカリ添加工程後の油脂100質量部に対して1質量部以上5質量部以下の範囲である、[1]~[6]のいずれか1つに記載された脱酸油の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の脱酸油の製造方法は、脱ガム助剤としてリン酸を使用しなくても、脱酸工程で遊離脂肪酸を効率的に除去できる、脱酸油の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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