TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025030928
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136643
出願日2023-08-24
発明の名称自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物および自動食器洗浄機による食器の洗浄方法
出願人株式会社アルボース
代理人弁理士法人 津国
主分類C11D 7/06 20060101AFI20250228BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】本発明は、高倍率で希釈しても十分高い導電率を有しており、かつ保存安定性も高い、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含有する自動食器洗浄機用液体洗浄剤の処方の開発に有用な配合(配合成分)を見出すことを目的とする。
【解決手段】本発明は、(A)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム並びに(B)塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムを含有し、(A)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムの合計含有量が4質量%以上、かつ水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのそれぞれの含有量が5質量%以下であり、(B)塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムの合計含有量が5質量%以上である、自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム並びに(B)塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムを含有し、
(A)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムの合計含有量が4質量%以上、かつ水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのそれぞれの含有量が5質量%以下であり、
(B)塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムの合計含有量が5質量%以上である、
自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
pHが11.0以上である、請求項1に記載の自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
さらに、高分子分散剤及び/又はキレート剤を含有する、請求項1に記載の自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物を用いて食器を洗浄する、自動食器洗浄機による食器の洗浄方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物およびそれを用いた自動食器洗浄機による食器の洗浄方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
自動食器洗浄機は、専用の洗浄剤を希釈した洗浄剤希釈液を、汚れの付着した洗浄すべき食器類の表面に高圧水流で噴射することで、食器類に付着した汚れを落としている。このとき、業務用の自動食器洗浄機では、噴射洗浄による食器類の汚れの除去を効果的なものとするために、通常、アルカリ剤を含有する自動食器洗浄機用液体洗浄剤が使用されている。これは、アルカリ剤のもつタンパク質汚れ等に対する分解作用や可溶化作用により、スピーディで効率的な食器類の洗浄を可能とするためである。アルカリ剤を主成分とする自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物として、例えば、特許文献1に、アルカリ剤、アミノカルボン酸型キレート剤、有機リン酸又はその塩を含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。
【0003】
このようななか、近年、業務用の自動食器洗浄機では、保管時にスペースをとらないコンパクト(濃縮タイプ)液体洗浄剤のニーズが高まっており、このため、より高倍率で希釈して使用することが可能な自動食器洗浄機用液体洗浄剤の処方の開発が求められている。一方で、保管時の取り扱いが容易なように、液体洗浄剤の保存安定性(低温保存安定性も含む)を高く維持することも必要である。
【0004】
ところで、自動食器洗浄機用液体洗浄剤に含有されるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム等の炭酸塩などがあるが、この中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムは、一般的にまず配合が検討されることが多い。一方、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムは、いずれかでも5質量%超含有してしまうと、その洗浄剤は劇物扱いとなり、取り扱いに規制がかかってしまうという事情があり、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを配合する場合、それらの合計含有量を10質量%以下(すなわち、それぞれの含有量が5質量%以下)とすることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-164729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、アルカリ剤として水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含有する自動食器洗浄機用液体洗浄剤であって、コンパクト(濃縮タイプ)であり、かつ保存安定性にも優れる液体洗浄剤の新たな処方を開発すべく検討を行ったところ、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの合計含有量が10質量%以下(すなわち、それぞれの含有量が5質量%以下)であっても、一定量以上(例えば合計含有量が4質量%以上)の水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含有していれば、高倍率の希釈(例えば、2000倍希釈)によってもアルカリ剤としての分解作用や可溶化作用は確保されることを確認することができた。一方で、本発明者らは、自動食器洗浄機による実際の洗浄試験において、このような高倍率の希釈での使用においては、被洗浄物によって、自動食器洗浄機に投入される洗浄剤の量が安定しないことに気が付いた。そして、本発明者らは、この問題についてさらなる検討を行ったところ、これは洗浄時の洗浄剤希釈液の導電率が十分でないことに原因があることを見出した。
【0007】
すなわち、現在、多くの業務用の自動食器洗浄機では、省力化のために、洗浄剤の洗浄剤供給装置(自動投入機構)が備わっている。このとき洗浄剤の投入量は、希釈液の導電率を指標として、所定の洗浄剤濃度となるように制御される仕組みであることが一般的である。このため、希釈液の導電率が低い場合、被洗浄物に付着した汚れの種類や量によっては、希釈液の導電率に影響を与えてしまう。一方、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムは、上記アルカリ剤としての洗浄作用の他、洗浄剤希釈液に導電率を付与する役割も有しているが、合計含有量が10質量%以下としたときには、高倍率の希釈により十分な導電率が得られない場合もあり、このため、安定的に洗浄剤の投入量を適切に制御することができなくなっていた。これらのことから、コンパクト(濃縮タイプ)液体洗浄剤の処方の開発においては、使用時、安定的に適切な洗浄剤の自動投入が実行されるという観点も考慮すれば、希釈時において、被洗浄物由来の汚れによる影響を受けないように、十分高い導電率を付与可能な成分を配合することが有効であると考えられた。また、そのような導電率を付与する成分は、その配合によっても、液体洗浄剤の配合安定性への影響が小さいものであることが必要であるとも考えられた。
【0008】
以上のように、本発明者らは、アルカリ剤として、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含有する自動食器洗浄機用液体洗浄剤においては、コンパクト(濃縮タイプ)であり、かつ保存安定性にも優れる液体洗浄剤の新たな処方を開発しようとすると、場合によっては、使用時、希釈液の導電率が十分でない場合があることを見出した。本発明は、そのような新たに見出した観点を踏まえてなされたものである。したがって、本発明の目的は、高倍率で希釈しても十分高い導電率を有しており、かつ保存安定性も高い、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含有する自動食器洗浄機用液体洗浄剤の処方の開発に有用な配合(配合成分)を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、高倍率で希釈しても十分高い導電率を有しており、かつ保存安定性も高い、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含有する自動食器洗浄機用液体洗浄剤の処方の開発に有用な配合(配合成分)を見出すべく鋭意検討を行ったところ、意外にも、塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムが、当該自動食器洗浄機用液体洗浄剤に配合することに適していることを見出し、本発明を完成させた。本発明の要旨は以下のとおりである。
【0010】
[1] (A)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム並びに(B)塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムを含有し、(A)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムの合計含有量が4質量%以上、かつ水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのそれぞれの含有量が5質量%以下であり、(B)塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムの合計含有量が5質量%以上である、自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物。
[2] pHが11.0以上である、[1]の自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物。
[3] さらに、高分子分散剤及び/又はキレート剤を含有する、[1]又は[2]の自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物。
[4] [1]~[3]のいずれかの自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物を用いて食器を洗浄する、自動食器洗浄機による食器の洗浄方法。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許