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公開番号
2025031131
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023137140
出願日
2023-08-25
発明の名称
水晶片、これを用いた水晶デバイス及び水晶デバイス用の中間体ウエハ
出願人
日本電波工業株式会社
代理人
主分類
H03H
9/19 20060101AFI20250228BHJP(基本電子回路)
要約
【課題】水晶デバイスの製造に用いて好適な新規な形状を有した水晶片を、提供する。
【解決手段】水晶片10は、水晶のX軸と水晶のZ′軸とで規定されるX-Z′平面を主面10ca、10cbとし、水晶のY′軸を厚み方向としていて、平面視で四角形状のATカット水晶片である。そして、X軸に沿う両端の側面の一方をX軸の第1側面10aa、他方をX軸の第2側面10abと定義し、前記Z′軸に沿う両端の側面の一方を第2軸の第1側面10ba、他方を第2軸の第2側面10bbと定義したとき、これら側面それぞれを、水晶に由来する結晶面10eと、非結晶面10fであって主面の法線10ccに平行な輪郭10faを持つ非結晶面と、で構成してある。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水晶のX軸に由来する第1軸と、水晶のZ軸に由来する第2軸とで規定される第1軸-第2軸平面を主面とし、水晶のY軸に由来する第3軸を厚み方向としていて、平面視で四角形状の水晶片において、
前記水晶片の前記第1軸に交差する側面の一方を第1軸の第1側面、他方を第1軸の第2側面と定義し、前記水晶片の前記第2軸に交差する側面の一方を第2軸の第1側面、他方を第2軸の第2側面と定義したとき、
前記第1軸の第1側面、前記第1軸の第2側面、前記第2軸の第1側面及び前記第2軸の第2側面それぞれを、
水晶に由来する結晶面と、非結晶面であって前記主面の法線に平行な輪郭を持つ非結晶面と、で構成してあることを特徴とする水晶片。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記水晶片の厚みをt、前記非結晶面の前記第3軸に沿う長さをt1としたとき、t1/t≧0.5であることを特徴とする請求項1に記載の水晶片。
【請求項3】
前記結晶面は、一端が、前記水晶片の表裏の主面の少なくとも一方の主面に連続していて、他端が前記非結晶面に連続している結晶面を含むことを特徴とする請求項1に記載の水晶片。
【請求項4】
前記結晶面は、一端が、前記水晶片の表裏の主面の一方の主面に連続していて、他端が前記非結晶面に連続している第1結晶面と、一端が、前記水晶片の表裏の主面の他方の主面に連続していて、他端が前記非結晶面に連続している第2結晶面との2つの結晶面とを含むことを特徴とする請求項1に記載の水晶片。
【請求項5】
前記結晶面は前記主面に所定角度をもって連続している結晶面であることを特徴とする請求項1に記載の水晶片。
【請求項6】
前記四角形状の水晶片の4つの角部は、平面視したとき直角状の角部であることを特徴とする請求項1に記載の水晶片。
【請求項7】
前記水晶片はATカットの水晶片であり、
前記第1軸は水晶のX軸であり、
前記第2軸は水晶のZ軸からATカットの切断角度に起因してずれたZ′軸であり、
前記第3軸は水晶のY軸からATカットの切断角度に起因してずれたY′軸であることを特徴とする請求項1に記載の水晶片。
【請求項8】
前記水晶片はATカットの水晶片であり、
前記第1軸は水晶のX軸であり、
前記第2軸は水晶のZ軸からATカットの切断角度に起因してずれたZ′軸であり、
前記第3軸は水晶のY軸からATカットの切断角度に起因してずれたY′軸であり、
前記X軸に沿う両端の側面それぞれに備わる非結晶面は粗面を有することを特徴とする請求項1に記載の水晶片。
【請求項9】
前記水晶片は水晶のY軸に垂直な面を水晶のZ軸を回転中心としてφ度回転し、さらにその状態から水晶のX軸を回転中心としてθ度回転して得られる2回回転の水晶片であり、
前記第1軸は前記2回回転に由来のX′軸であり、
前記第2軸は前記2回回転に由来のZ′軸であり、
前記第3軸は前記2回回転に由来のY′軸であることを特徴とする請求項1に記載の水晶片。
【請求項10】
水晶のX軸に由来する第1軸と、水晶のY軸に由来する第2軸とで規定される第1軸-第2軸平面を主面とし、水晶のZ軸に由来する第3軸を厚み方向としていて、平面視で四角形状の水晶片において、
前記水晶片の前記第1軸に交差する側面の一方を第1軸の第1側面、他方を第1軸の第2側面と定義し、前記水晶片の前記第2軸に交差する側面の一方を第2軸の第1側面、他方を第2軸の第2側面と定義したとき、
前記第1軸の第1側面、前記第1軸の第2側面、前記第2軸の第1側面及び前記第2軸の第2側面それぞれを、
水晶に由来する結晶面と、非結晶面であって前記主面の法線に平行な輪郭を持つ非結晶面と、で構成してあることを特徴とする水晶片。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶振動子、温度センサ付きの水晶振動子、及び水晶発振器(温度補償機能付きの水晶発振器も含む)等の水晶デバイスの製造に用いて好適な水晶片と、当該水晶デバイスと、当該水晶デバイスの製造に用いて好適な中間体ウエハに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
通信機器の小型化や高周波化に伴い、通信機器の周波数基準源である水晶デバイスの小型化及び高周波化が益々必要になる。従って、水晶デバイスを構成する水晶片に対しても小型かつ薄型のものが望まれる。このような水晶片の製造技術として、フォトリソグラフィ技術及びウエットエッチング技術を用いてATカットの水晶片を製造することが広く行われている。その例が、例えば、特許文献1の例えば段落42~48、図3等に、また、特許文献2の例えば段落42~46、図3等に、記載されている。
【0003】
特許文献1に開示された水晶片は、水晶のX軸に沿った両端の側面のうちの+X側の側面が6つの結晶面によって構成され、-X側の側面が2つの結晶面によって構成されているものである。特許文献2に開示されている水晶片は、水晶のZ軸に沿った両端の側面それぞれが4つの結晶面によって構成されているものである。特許文献1、特許文献2の技術では、水晶片を厚みの10%以上オーバーエッチングすることによって、上記の側面を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-27505号公報
特開2014-27506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フォトリソグラフィ技術及びウエットエッチング技術は、確かに、水晶片の小型化及び高周波化に有用な技術である。しかし、この技術の場合、水晶片の外形形状が、水晶の結晶軸の異方性に起因して、水晶デバイスの特性を損ねる形状になってしまう場合がある。
例えば、フォトリソグラフィ技術及びウエットエッチング技術によって形成される水晶片の側面は、特許文献1,2に記載の通り、水晶の結晶性に起因して水晶片の主面に対し傾斜した傾斜面で構成されることが多い。一方、水晶片の振動領域は、主面が対向する部分であり、傾斜面を持つ部分は振動領域として機能しない。よって、側面が傾斜面を多く含む程、振動領域が狭くなるので、水晶デバイスの特性向上の点では好ましくない場合がある。この問題は、水晶デバイスの小型化が進めば進むほど水晶片自体の形状が小さくなるため、深刻になる場合がある。
この出願は上記の点に鑑みなされたものであり、従って、この出願の目的は、水晶デバイスの製造に用いて好適な新規な形状を有した水晶片、これを用いた水晶デバイス及び水晶デバイス用の中間体ウエハを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の達成を図るため、この出願の第1発明である水晶片の発明によれば、水晶のX軸に由来する第1軸と、水晶のZ軸に由来する第2軸とで規定される第1軸-第2軸平面を主面とし、水晶のY軸に由来する第3軸を厚み方向としていて、平面視で四角形状の水晶片において、
水晶片の第1軸に交差する側面の一方を第1軸の第1側面、他方を第1軸の第2側面と定義し、水晶片の第2軸に交差する側面の一方を第2軸の第1側面、他方を第2軸の第2側面と定義したとき、
第1軸の第1側面、第1軸の第2側面、第2軸の第1側面及び第2軸の第2側面それぞれを、水晶に由来する結晶面と、非結晶面であって前記主面の法線に平行な輪郭を持つ非結晶面と、で構成してあることを特徴とする。
なお、この発明でいう非結晶面とは、正に非結晶面の場合、及び、マクロ的に見ると非結晶面であるがミクロ的に見た場合に水晶に由来する微小な結晶面が含まれる場合を含むものである。しかしいずれにしろ、非結晶面の輪郭を見たとき水晶片の主面の法線に平行若しくは略平行な輪郭を持つ面のことである。
また、この発明でいう非結晶面は、その表面に微小な凹凸、例えば凹凸の高低差が例えば数nm~数100nm程度の凹凸、好ましくは数10nm~数100nm程度の凹凸を含むものであることが好ましい。水晶片の主振動に対する不要振動を軽減できると期待できるからである。
【0007】
また、この第1発明を実施するに当たり、第1発明の水晶片は典型的には厚み滑りモードで振動する水晶片であり、例えばATカットの水晶片、SCカットの振動片に代表されるいわゆる2回回転の水晶片である。水晶片がATカットの水晶片である場合、第1軸は水晶のX軸、第2軸は水晶のZ′軸、第3軸は水晶のY′軸である。ここで、Z′軸、Y′軸とは、周知の通り、ATカット水晶片の水晶原石からの切断角度に応じて、水晶のZ軸、水晶のY軸からずれている角度である。
また、第1発明は、水晶のX軸に由来する第1軸、水晶のY軸に由来する第2軸の第1軸-第2軸平面を主面とし、水晶のZ軸に由来する第3軸を厚み方向にする水晶片に対しても適用できる。例えば、GTカット等の輪郭系の水晶片等に対しても第1発明は適用できる。
また、この第1発明を実施するに当たり、当該水晶片の製造は、例えば、水晶ウエハの当該水晶片の外縁予定部に沿ってレーザ光、好ましくは超短パルスレーザ光を照射して外縁予定部に、水晶ウエハの厚み方向に結晶性消失領域を形成する工程と、前記結晶性消失領域の形成が済んだ水晶ウエハをウェットエッチング用のエッチャント、例えばフッ酸系のエッチャント中に浸漬して、当該水晶ウエハの前記外縁領域を含む領域を除去して、当該水晶片の外形を形成する工程とを含む工程によって行うことが好ましい。
【0008】
また、この出願の第2発明である、水晶デバイスの発明によれば、第1発明の水晶片及びこの水晶片の表裏の主面に設けた励振用電極を備える水晶振動片と、この水晶振動片を内包する容器と、を備えることを特徴とする。
なお、この第2発明で言う水晶デバイスは、典型的には、水晶振動子、温度センサ付きの水晶振動子、水晶発振器(温度補償機能を有する水晶発振器も含む)である。
また、この出願の第3発明である水晶デバイス用の中間体ウエハの発明によれば、第1発明の水晶片及びこの水晶片の表裏に設けた励振用電極を備える水晶振動片を、マトリクス状に多数備える水晶ウエハから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この出願の第1発明の水晶片によれば、上記の第1軸の第1側面、第1軸の第2側面、第2軸の第1側面及び第2軸の第2側面それぞれを、水晶に由来する結晶面と、非結晶面であって前記主面の法線に平行な輪郭を持つ非結晶面と、で構成してある。従って、水晶片の側面を水晶の結晶面のみで構成する場合に比べ、水晶の結晶軸の異方性に起因する形状の影響が軽減できる。そのため、水晶の結晶軸の異方性に起因する形状に起因して水晶片の実効的な振動面積が狭くなってしまう等の不具合を改善できる。水晶振動片は一般に振動領域が広い方が水晶振動片の電気的特性を良化させ易く、また、水晶振動片の設計自由度が高まる等の利点があるので、本発明によれば上記利点を得やすい。従って、水晶デバイスの製造に用いて好適な新規な形状を有した水晶片を提供できる。
また、この出願の第2発明である水晶デバイスの発明によれば、従来に比べ特性に優れる水晶デバイスの実現が図れる。
また、この出願の第3発明である水晶デバイス用の中間体ウエハによれば、従来に比べ特性に優れる水晶デバイスを量産性良く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(A)~(C)は、実施形態の水晶片10を説明するための図である。
(A)及び(B)は、比較例の水晶片100の各側面の形状を説明するための図である。
(A)、(B)は、水晶デバイスの実施形態としての水晶振動子20を説明するための図である。
(A)及び(B)は、他の実施形態の水晶デバイス30を説明するための図である。
(A)~(C)は、実施形態の水晶片10の製法の一例を説明するための図、及び、水晶デバイス用の実施形態の中間体ウエハ50を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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