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公開番号2025029809
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023134654
出願日2023-08-22
発明の名称構造物の健全性評価方法
出願人株式会社安藤・間
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01M 7/02 20060101AFI20250228BHJP(測定;試験)
要約【課題】 各種のコンクリート構造物や鋼構造物の劣化や損傷を、早い段階から高い精度で検出し、構造物の健全性を評価する。
【解決手段】 評価対象となる構造物を加振して計測された加速度波形データをもとに、アトラクタ軌跡を生成する。アトラクタ軌跡をもとに定義されたアトラクタ特徴量の変化を把握して構造物の損傷、劣化の進行度合いを評価する。このときアトラクタ軌跡を、構造物の無損傷時から損傷、劣化の発生、進行が見込まれる、定める経過段階ごとに生成し、生成された前記アトラクタ軌跡に対応するアトラクタ特徴量を、アトラクタ軌跡の軌跡長aと、アトラクタ軌跡と原点間との距離bの累積値Σa・bとして計算する。アトラクタ特徴量の無損傷時と前記経過段階での比を求め、無損傷時あるいは経過段階以前の比と比較し、アトラクタ特徴量の変化から構造物の損傷、劣化の進行度合いを評価する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
評価対象となる構造物を加振して計測された加速度波形データをもとに、アトラクタ軌跡を生成し、前記アトラクタ軌跡をもとに定義されたアトラクタ特徴量の変化を把握して前記構造物の損傷、劣化の進行度合いを評価するようにした構造物の健全性評価方法であって、
前記アトラクタ軌跡を、前記構造物の無損傷時から損傷、劣化の発生、進行が見込まれる、定める経過段階ごとに生成し、生成された前記アトラクタ軌跡に対応する前記アトラクタ特徴量を、前記アトラクタ軌跡の軌跡長aと、前記アトラクタ軌跡と原点間との距離bの累積値Σa・bとして計算し、前記アトラクタ特徴量の無損傷時と前記経過段階での比を求め、無損傷時あるいは前記経過段階以前の比と比較し、前記アトラクタ特徴量の変化から前記構造物の損傷、劣化の進行度合いを評価することを特徴とする構造物の健全性評価方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記アトラクタ軌跡は、横軸を加速度波形データ、縦軸を所定遅れ時間での加速度波形データとした平面上に生成された請求項1に記載の構造物の健全性評価方法。
【請求項3】
前記加速度波形データは、高周波ノイズ除去処理されるとともに、前記アトラクタ軌跡の生成のために所定区間で抽出された請求項1に記載の構造物の健全性評価方法。
【請求項4】
前記所定区間で抽出された波形データは、前記所定区間に含まれたピーク値が平均値化された請求項3に記載の構造物の健全性評価方法。
【請求項5】
前記加速度波形データは、前記構造物に水平衝撃打撃を加えて得られた請求項1または請求項4に記載の構造物の健全性評価方法。
【請求項6】
前記加速度波形データは、前記構造物に鉛直振動を加えて得られた請求項1または請求項4に記載の構造物の健全性評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は構造物の健全性評価方法に係り、カオス応答アトラクタによる構造物の健全性評価方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、構造物の劣化や損傷を把握するために、構造物の加振により得られる計測データをもとに、例えば固有振動数の変化に着目して構造物の劣化や損傷の度合いを評価する様々な健全性評価方法がある。構造物の健全性評価方法においては、劣化や損傷を初期の軽微な状態から把握し、その後継続的な監視を行うことが必要である。しかし、上述した固有振動数の変化等を把握する方法では、比較的軽微な劣化や損傷の検出を行うことは難しく、初期における損傷の検出が困難であった。
【0003】
これに対して、近年、カオス信号を外力として入力した構造物の応答からアトラクタを生成し、アトラクタの変化(軌跡)を、たとえば構造物の損傷前後において比較することで損傷検出を行う、アトラクタの変化に基づく評価法(アトラクタ評価法)が提案されており、比較的軽微な損傷等を検出できることが示されている。アトラクタ評価法によれば比較的軽微な損傷等の検出が可能となるため構造物の維持管理を効率的に行うことが期待できる。よって、異常検出の感度が比較的高くかつ適用が比較的容易なアトラクタ評価法の開発は構造物の維持管理において大いに望まれている。出願人もコンクリート構造物の損傷前後のアトラクタ軌跡の長さ比を用いたアトラクタ評価法の論文を公表している(非特許文献1)。
【0004】
非特許文献1で開示したアトラクタ評価法では、図7に示したように、試験体を加振することで得られた加速度波形データA1を横軸、加速度波形データA1の0.002秒遅れの加速度波形データを縦軸にとったアトラクタ軌跡を描き、このアトラクタ軌跡から得られる各時間ステップの軌跡長の累積値Σaを、以下の(式1)の形でアトラクタ特徴量として定義した。(式1)において、nは最終時間ステップ表す。そして、無損傷時のアトラクタ特徴量と損傷時のアトラクタ特徴量との比によって損傷率を求めたコンクリート構造物の損傷検出方法を提案している。
【0005】
(式1)
TIFF
2025029809000002.tif
15
144
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
加藤証一郎,他5名,「アトラクタによる構造物の損傷検出に関する検討」,令和4年度土木学会全国大会第77回年次講演会,土木学会,2022年8月1日,VI-853
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
出願人は、上述したアトラクタによる損傷検出方法(非特許文献1参照)の評価精度を向上させる検討を進めているが、その過程において、以下の問題点が認められた。
(1)アトラクタ軌跡から得たアトラクタ特徴量では、評価精度が実用化に達していないため、アトラクタ特徴量を再定義し、精度向上を図る必要がある。
(2)計測された加速度波形データに含まれたノイズによって、生成されたアトラクタ軌跡長に誤差が生じる。
(3)試験の各回で計測された加速度波形データのピーク値にバラツキがあり、生成されたアトラクタが不明りょうになる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する問題点を解消するために、評価指標としてアトラクタ軌跡長を利用する場合の新たなアトラクタ特徴量を再定義し、さらにアトラクタ生成のために採用する加振試験の計測データ(加速度波形データ)に前処理を施すことで、より評価精度を高めた構造物の健全性評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の構造物の健全性評価方法は、評価対象となる構造物を加振して計測された加速度波形データをもとに、アトラクタ軌跡を生成し、前記アトラクタ軌跡をもとに定義されたアトラクタ特徴量の変化を把握して前記構造物の損傷、劣化の進行度合いを評価するようにした構造物の健全性評価方法であって、前記アトラクタ軌跡を、前記構造物の無損傷時から損傷、劣化の発生、進行が見込まれる、定める経過段階ごとに生成し、生成された前記アトラクタ軌跡に対応する前記アトラクタ特徴量を、前記アトラクタ軌跡の軌跡長aと、前記アトラクタ軌跡と原点間との距離bの累積値Σa・bとして計算し、前記アトラクタ特徴量の無損傷時と前記経過段階での比を求め、無損傷時あるいは前記経過段階以前の比と比較し、前記アトラクタ特徴量の変化から前記構造物の損傷、劣化の進行度合いを評価することを特徴とする。
【0010】
前記アトラクタ軌跡は、横軸を加速度波形データ、縦軸を所定遅れ時間での加速度波形データとした平面上に生成することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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