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公開番号2025029748
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023134545
出願日2023-08-22
発明の名称増幅回路のノイズ抑制回路
出願人アキュフェーズ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H03F 1/00 20060101AFI20250228BHJP(基本電子回路)
要約【課題】増幅回路の電源OFFに伴うポップノイズ抑制回路を提供する。
【解決手段】電圧値が異なると共に増幅回路2の電源OFF後の電圧降下率が異なる時間回路を有して並列接続された複数の並列電源と、この並列電源に対して直列接続されて電源OFF後の電圧値の逆転時点で点灯する発光手段31と受光手段32とから成るフォトカップラー3を備え、受光手段32の導通による電流信号を、増幅回路2を構成する電力増幅回路24の増幅素子の入力点バイアス変更信号として印加する構成とした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
入力信号を処理して負荷に出力する機器を構成する増幅回路の当該増幅回路の電源OFFに伴う負帰還機能の不安定化で生じる不要発振信号を前記負荷に伝達されることで生じるノイズを抑制する増幅回路のノイズ抑制回路であって、
前記ノイズ抑制回路は、電圧値が異なると共に前記増幅回路の電源OFF後の電圧降下率が異なる時間回路を有して並列接続された複数の並列電源と、この並列電源に対して直列接続されたフォトカップラーを備え、
前記フォトカップラーは、電源OFF後の電圧値の逆転時点で点灯する発光手段と、前記発光手段の発光光を受けて導通状態となる受光手段とから成り、
前記受光手段の導通による電流信号を、前記増幅回路を構成する電力増幅回路の増幅素子の入力点バイアス変更信号として印加する構成としたことを特徴とする増幅回路のノイズ抑制回路。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記フォトカップラーは、前記発光手段としてLED、前記受光手段としてフォトトランジスタで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の増幅回路のノイズ抑制回路。
【請求項3】
前記フォトカップラーは、前記発光手段としてLED、前記受光手段としてフォトダイオードで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の増幅回路のノイズ抑制回路。
【請求項4】
前記複数の並列電源は、増幅回路を構成する電源ラインの一部を利用したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の増幅回路のノイズ抑制回路。
【請求項5】
前記複数の並列電源は、増幅回路を構成する電源とは電気的に独立したものとしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の増幅回路のノイズ抑制回路。
【請求項6】
前記複数の並列電源は異なる電圧値の2系統電源であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の増幅回路のノイズ抑制回路。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅回路のノイズ抑制回路に係り、特にオーディオアンプの電源を
オフ時に生じる不要な発振に起因してスピ-カから生じる音響ノイズを低減するための増幅回路のノイズ抑制回路に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
各種の増幅回路では、その電源をOFFした際に、電源電圧の低下で帰還回路(フィードバックループ)の効果が不安定化となる。これにより、増幅回路のコントロールが喪失して、瞬時ではあるが音響ノイズの原因となる不要発振が起こり、その不要発振波形の信号(ノイズ信号)が利用負荷であるスピーカ等に出力されて不興音や不要データ、所謂ポップノイズが発生する。
このポップノイズは、電源ON時でもそのフィードバックが十分に立ち上がらない時点においても発生する。
以下では、上記の不興音等をポップアップノイズとも称することもある。以下の説明では主として電源OFF時のポップノイズの抑制手段を説明するが、電源ON時のポップノイズの抑制にも効果がある。
【0003】
特に、オーディオシステムでは、声音や楽曲などを鑑賞した後の素晴らしい余韻を、その増幅器の電源OFFに伴うポップノイズで上記余韻の中断を招かないようにするため、電源OFF時のポップノイズの抑制は特に重要である。なお、オーディオシステムに限らず、様々な測定機器等では、ポップノイズは測定結果に不要なデータとして混入し、測定精度を劣化させる等の影響をもたらすこともある。
【0004】
この種の不要発振に起因するポップノイズを抑制又は防止する従来技術としては、オーディオシステムに絞ってみても、例えば特許文献1、特許文献2に開示されたように電源スイッチのON/OFFを感知して機械式のリレーや電子スイッチ(半導体スイッチ)を用いてポップノイズがスピーカに伝達されるのを防止する構成とするものが多い。また、特許文献3では、電源スイッチの操作信号を検知して動作するポップノイズ防止回路をスピーカと並列に設けることで、不要発振信号(不要信号波形)によるポップノイズを抑制する構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-175822号公報
特開2005-538626号公報
特開2008-99285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した従来のポップノイズ防止手段では、ポップノイズ抑制のための回路規模が大きくなるだけでなく、上記の機械式のリレー回路は長期安定性に劣り実装面積が大きくなるなどのデメリットがある。
また、半導体スイッチを使用した場合、半導体の寄生容量によりポップノイズの発生源となる高い周波数の不要発振の発生が抑制しきれないために完全な防止は困難である。
さらに、上記の不要発振が発生すると、増幅回路に接続されている機器の誤動作や故障を招くこともあり、接続されている機器がヘッドホンやスピーカであれば不快音(不興音)が出力されてしまう。
したがって、増幅回路自身が、根本的に不要発振を起こさないものとすることが必要である。
【0007】
本発明の目的は、単純な回路構成で電源OFF(電源ON時も含め)に伴うポップノイズの原因となる不要発振による信号が負荷(スピーカ等)に伝達されることなく、また増幅回路に接続されている他の回路機器にも悪影響を及ぼさない構成とした増幅回路のポップノイズ抑制回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、電源OFF時の電源電圧が下がり始めたところで、増幅回路の出力段用パワートランジスタのバイアス電流を強制的に0(ゼロ)に近づけ、出力インピーダンスを高くすることで負荷であるスピーカ等への不要発振信号の伝達を抑制する構成とした。
【0009】
増幅回路の内部には電圧が異なる複数の電源があり、それぞれの電源電圧と電源OFF時の立下り時間は異なる時定数を持っていることに着目し、立下り時間が早くて高電圧な電源と立下り時間が遅くて低電圧な電源があれば高電圧電源と低電圧電源が所定の時定数の時間経過時点で入れ替わることになる。なお、電源が負(-)電源である場合は、立ち上がり電圧が入れ替わる時間となる。以下では、電源電圧を正(+)電源とした場合について説明する。
【0010】
本発明では、このことを利用し、増幅回路の通常動作時は動作せず、電源OFF後に高電圧と低電圧の時定数で決まる異なる電圧降下のカーブが入れ替わった時点で動作して不要発振信号が負荷に伝達されるのを抑制することで、所謂ポップノイズの発生を防止する構成としたことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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