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公開番号
2025026261
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2024007569
出願日
2024-01-22
発明の名称
イリジウムの回収方法
出願人
JX金属株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C22B
11/00 20060101AFI20250214BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】イリジウムと、硫黄と、銅、アンチモン、鉛、ヒ素のうち一種以上と、を含む塩酸酸性液からイリジウムを良好に分離して回収する方法を提供する。
【解決手段】イリジウムと、硫黄と、銅、アンチモン、鉛、ヒ素のうち一種以上と、を含む塩酸酸性液に対して、下記(1)~(3)の処理工程をこの順に行う、イリジウムの回収方法。
(1)塩酸酸性液を40℃以上に加温し、チオ硫酸塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を添加してイリジウムを沈殿させて回収する沈殿回収工程、
(2)工程(1)で回収した沈殿を、0.5N以上の硫酸酸性もしくは塩酸酸性溶液に投入して金属成分を溶解分離する工程、
(3)工程(2)で金属成分を分離した後の沈殿を、亜硫酸類を含むアルカリ液に投入し、20℃以上に加温して硫黄を溶解分離する工程。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
イリジウムと、硫黄と、銅、アンチモン、鉛、ヒ素のうち一種以上と、を含む塩酸酸性液に対して、下記(1)~(3)の処理工程をこの順に行う、イリジウムの回収方法。
(1)前記塩酸酸性液を40℃以上に加温し、チオ硫酸塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を添加してイリジウムを沈殿させて回収する沈殿回収工程、
(2)前記工程(1)で回収した沈殿を、0.5N以上の硫酸酸性もしくは塩酸酸性溶液に投入して金属成分を溶解分離する工程、
(3)前記工程(2)で金属成分を分離した後の沈殿を、亜硫酸類を含むアルカリ液に投入し、20℃以上に加温して硫黄を溶解分離する工程。
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
前記(1)の工程において、チオ硫酸塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を、チオ硫酸イオン基準で、チオ硫酸ナトリウム5水和物に換算して10g/L以上になるように添加してイリジウムを沈殿させる、請求項1に記載のイリジウムの回収方法。
【請求項3】
前記(1)の工程において、前記塩酸酸性液はルテニウムを含み、前記ルテニウムがイリジウムと同時に沈殿回収される、請求項1に記載のイリジウムの回収方法。
【請求項4】
前記(2)の工程において、前記硫酸酸性もしくは塩酸酸性溶液に鉄(III)イオンがイリジウム含有沈殿物の0.05質量倍以上含まれている、請求項1に記載のイリジウムの回収方法。
【請求項5】
前記(2)の工程において、前記(1)の工程で回収した沈殿を前記硫酸酸性もしくは塩酸酸性溶液に、スラリー濃度が150g/L以下となるように添加する、請求項1に記載のイリジウムの回収方法。
【請求項6】
前記(3)の工程において、前記アルカリ液における亜硫酸類の含有量は、前記(1)の工程で得た沈殿の質量に対し、亜硫酸ナトリウムに換算して1.5質量倍以上相当である、請求項1に記載のイリジウムの回収方法。
【請求項7】
前記(3)の工程において、前記硫黄を溶解分離して得られた液を、チオ硫酸イオンの濃度を調整した後、前記(1)の工程における前記チオ硫酸イオン含有溶液として用いる、請求項1に記載のイリジウムの回収方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はイリジウムの回収方法に関し、特に、イリジウムと、硫黄と、銅、アンチモン、鉛、ヒ素のうち一種以上と、を含む塩酸酸性液からイリジウムを回収する方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
銅乾式製錬では銅精鉱を熔解し、転炉、精製炉で99%以上の粗銅とした後に電解精製工程において、例えば純度99.99%以上の電気銅を生産する。近年では転炉においてリサイクル原料として電子部品由来の貴金属を含む金属屑が投入されており、銅以外の有価物は電解精製時にスライムとして沈殿する。
【0003】
このスライムには貴金族類、希少金属、銅精鉱に含まれているセレンやテルルも同時に濃縮される。銅製錬副産物としてこれらの元素は個別に分離・回収される。
【0004】
このスライムの処理には湿式製錬法が適用される場合が多い。例えば特許文献1においてはスライムを塩酸-過酸化水素により銀を回収し、溶解した金は溶媒抽出により回収した後に、その他の有価物を二酸化硫黄で順次還元回収する方法が開示されている。特許文献2には同様の方法で金銀を回収した後、二酸化硫黄で有価物を還元して沈殿せしめ、セレンのみを蒸留して除去して貴金属類を濃縮する方法が開示されている。
【0005】
貴金属を回収した後の溶液には希少金属イオン、テルル、セレンが含まれておりさらにこれら有価物を回収することが必要である。回収方法としては還元剤により生じた沈殿を回収する方法、溶液ごと銅精鉱に混合しドライヤーで乾燥させて製錬炉に繰り返す方法が知られている。
【0006】
とりわけ特許文献1に示されている、二酸化硫黄により生じた沈殿を回収する方法は、コストや製造規模の面で利点が多い。加えて各元素が順次沈殿することから分離精製にも効果がある。
【0007】
二酸化硫黄を用いて有価物を回収する方法では、溶解後に順次有価物を還元して回収することができる。初めに白金、パラジウムが沈殿する。次にセレンが還元を受ける。イリジウム、ルテニウムは酸化還元電位が比較的低いので還元を受け難く、最後まで溶液に残留する。イリジウムについては、特許文献3に記載されているように、溶媒抽出により分離、濃縮後に焼成して回収する方法が広く知られる。また、特許文献4には、イリジウムを含む水溶液にチオ硫酸ナトリウム塩を添加しイリジウムを沈殿させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2001-316735号公報
特開2016-160479号公報
特開2004-332041号公報
特開2022-135956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
チオ硫酸塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液により得られた沈殿は多くの夾雑物を含む。多くの夾雑物はチオ硫酸イオンの分解で生じる単体硫黄、チオ硫酸イオンにより硫化された金属硫化物である。この中には、一般にイリジウムは0.5~3質量%程度しか含まれない。
【0010】
この程度の品位のイリジウムを精錬する方法としては再溶解後に特許文献3に示されるような溶媒抽出が挙げられるが、酸を大量に消費してコストが上昇する。また、単体硫黄が溶解しないため、イリジウム回収率の低下や単体硫黄の処理コスト増加が懸念される。
(【0011】以降は省略されています)
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