TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025026138
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023131530
出願日2023-08-10
発明の名称車載空調制御装置、該方法および該プログラム
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人
主分類B60H 1/00 20060101AFI20250214BHJP(車両一般)
要約【課題】本発明は、生体モデルの推定精度をより向上することにより、制御精度をより向上できる車載空調制御装置、該方法および該プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の車載空調制御装置は、生体モデルで推定した乗員の体温に基づいて車載の空調装置6を制御する装置である。前記生体モデルは、少なくとも発汗蒸泄の潜熱量を含む説明変数で表され、目的変数の皮膚温を推定するモデル式を含み、前記発汗蒸泄の潜熱量は、前記乗員における着衣の熱抵抗係数を用いて定義されたサブモデル式で表される。この車載空調制御装置を備える車載空調システム1000は、乗員の発汗量を取得し、前記取得した乗員の発汗量に基づいて前記乗員における着衣の熱抵抗係数を求め、前記求めた前記乗員における着衣の熱抵抗係数を用いた前記サブモデル式の前記生体モデルで前記乗員の体温を推定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
生体モデルで推定した乗員の体温に基づいて車載空調装置を制御する車載空調制御装置であって、
前記生体モデルは、少なくとも発汗蒸泄の潜熱量を含む説明変数で表され、目的変数の皮膚温を推定するモデル式を含み、
前記発汗蒸泄の潜熱量は、前記乗員における着衣の熱抵抗係数を用いて定義されたサブモデル式で表され、
前記乗員の発汗量を取得する発汗量取得部と、
前記発汗量取得部で取得した乗員の発汗量に基づいて前記乗員における着衣の熱抵抗係数を求める熱抵抗係数処理部と、
前記熱抵抗係数処理部で求めた前記乗員における着衣の熱抵抗係数を用いた前記サブモデル式の前記生体モデルで前記乗員の体温を推定する体温推定部とを備える、
車載空調制御装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記発汗量と前記着衣の熱抵抗係数との対応関係を表す対応関係情報を記憶する対応関係情報記憶部をさらに備え、
前記対応関係は、前記乗員における個体の種類に応じた複数である、
請求項1に記載の車載空調制御装置。
【請求項3】
前記サブモデル式は、さらに、皮膚温と発汗による体温調節の始まる時の調節開始皮膚温との皮膚温差分を用いて定義され、
前記乗員の前記皮膚温を取得する皮膚温取得部と、
前記乗員の前記調節開始皮膚温を取得する調節開始皮膚温取得部とをさらに備える、
請求項1に記載の車載空調制御装置。
【請求項4】
前記皮膚温取得部は、前記乗員の前記皮膚温を測定する皮膚温センサを備え、
前記調節開始皮膚温取得部は、前記乗員の快適である旨の入力を受け付ける快適入力部と、前記皮膚温センサで測定した前記乗員の前記皮膚温が時間的に安定したか否かを判定し、前記判定の結果、前記乗員の前記皮膚温が時間的に安定したと判定した場合であって前記快適入力部で前記乗員の快適である旨の入力を受け付けた場合に、前記乗員の前記皮膚温が時間的に安定したと判定した場合における前記乗員の前記皮膚温を、前記乗員の前記調節開始皮膚温とする判定処理部とを備える、
請求項3に記載の車載空調制御装置。
【請求項5】
前記皮膚温取得部は、外部の機器から、前記乗員の前記調節開始皮膚温を表す調節開始皮膚温データを受信するインターフェース部である、
請求項3に記載の車載空調制御装置。
【請求項6】
生体モデルで推定した乗員の体温に基づいて車載空調装置を制御する車載空調制御方法であって、
前記生体モデルは、少なくとも発汗蒸泄の潜熱量を含む説明変数で表され、目的変数の皮膚温を推定するモデル式を含み、
前記発汗蒸泄の潜熱量は、前記乗員における着衣の熱抵抗係数を用いて定義されたサブモデル式で表され、
前記乗員の発汗量を取得する発汗量取得工程と、
前記発汗量取得工程で取得した乗員の発汗量に基づいて前記乗員における着衣の熱抵抗係数を求める熱抵抗係数処理工程と、
前記熱抵抗係数処理工程で求めた前記乗員における着衣の熱抵抗係数を用いた前記サブモデル式の前記生体モデルで前記乗員の体温を推定する体温推定工程とを備える、
車載空調制御方法。
【請求項7】
生体モデルで推定した乗員の体温に基づいて車載空調装置を制御する車載空調制御プログラムであって、
コンピュータを、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車載空調制御装置として機能させるための、
車載空調制御プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され車室内の空気を調節する車載空調装置を制御する車載空調制御装置、車載空調制御方法および車載空調制御プログラムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
車室内の環境を快適にするために、従来、インストルメントパネル(インパネ)に設けられた吹出口や足元に設けられた吹出口等から空調空気を吹き出す車載空調装置が知られている。このような車載空調装置によって車室内の環境を調節する場合、熱源となる乗員を車載空調装置によって冷暖することから、車室内における乗員の熱収支に基づいて車載空調装置を制御することが考えられる。熱産生は、熱力学的に説明することができることから、従来、様々な生体モデルが提案されており、例えば非特許文献1に提案されている。
【0003】
この非特許文献1では、生体温熱モデル(生体モデル)に、人体を深部と体表(皮膚)との2層から成る球体とみなすGaggeの2ノードモデルが用いられ、多項式の皮膚温モデルに含まれる2個の項の、発汗量および皮膚血流量それぞれが、6個のパラメータを含む式で定義される。発汗量および皮膚血流量は、例えば年齢、性別および体格(身長、体重)等の違いによる個体の個体差に最も影響されることから、発汗量および皮膚血流量を個体にフィット(同定)させるために、個体の個体差を表す前記6個のパラメータを前記個体にフィットさせることで、生体温熱モデルを個体にフィットさせることができる。生体温熱モデルを個体にフィットさせるためのパラメータの決定(キャリブレーション)には、前記非特許文献1では、探索範囲(キャリブレーションの対象範囲)における全ての組み合わせについてパラメータが算出され、皮膚温の各実測値に最も近い皮膚温の各推定値を算出できるパラメータ値が前記個体にフィットしたパラメータとして決定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
濱谷尚志、内山彰、東野輝夫、「ウェアラブルセンサを用いた生体温熱モデルに基づく深部体温推定法の提案」、情報処理学会研究報告、2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、生体モデルによって推定される体温に基づいて車載空調装置を制御する場合、暑熱環境では、車載空調装置の制御精度が劣化してしまうという事象があった。種々の検討の結果、暑熱環境では、生体モデルの推定精度に劣化が見られた。このため、前記生体モデルには、改善の余地があり、したがって、前記空調制御装置にも改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、生体モデルの推定精度をより向上することにより、制御精度をより向上できる車載空調制御装置、車載空調制御方法および車載空調制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる車載空調制御装置は、生体モデルで推定した乗員の体温に基づいて車載空調装置を制御する装置であって、前記生体モデルは、少なくとも発汗蒸泄の潜熱量を含む説明変数で表され、目的変数の皮膚温を推定するモデル式を含み、前記発汗蒸泄の潜熱量は、前記乗員における着衣の熱抵抗係数を用いて定義されたサブモデル式で表され、前記乗員の発汗量を取得する発汗量取得部と、前記発汗量取得部で取得した乗員の発汗量に基づいて前記乗員における着衣の熱抵抗係数を求める熱抵抗係数処理部と、前記熱抵抗係数処理部で求めた前記乗員における着衣の熱抵抗係数を用いた前記サブモデル式の前記生体モデルで前記乗員の体温を推定する体温推定部とを備える。好ましくは、上述の車載空調制御装置において、前記体温は、深部温と皮膚温とを含み、前記発汗量取得部は、前記乗員における深部温および皮膚温に基づいて前記乗員の発汗量を求める発汗量処理部を備える。好ましくは、上述の車載空調制御装置において、前記発汗量取得部は、前記乗員の発汗量を測定する発汗量センサを備える。ここで、上記発汗蒸泄は、不感蒸泄と有感蒸泄とを含む。
【0008】
通常、乗員における着衣(乗員が着ている衣服)と肌との間には、比較的高い断熱性を有する空気層が存在し、着衣の熱抵抗係数は、相対的に高い(大きい)。乗員が発汗するような環境では、乗員の発汗によって衣服が濡れると、衣服が肌に付き、衣服が濡れる前に衣服と肌との間にあった前記空気層が低減または消滅する。空気層が低減または消滅すると、衣服の熱抵抗係数が低減し、相対的に低くなる(小さくなる)。上記車載空調制御装置は、乗員の発汗量を取得し、この取得した乗員の発汗量に基づいて前記乗員における着衣の熱抵抗係数を求め、この求めた前記乗員における着衣の熱抵抗係数を用いた前記サブモデル式の前記生体モデルで前記乗員の体温を推定するので、より高精度に前記乗員の体温を推定でき、よって、より高精度に車載空調装置を制御できる。したがって、上記車載空調制御装置は、生体モデルの推定精度をより向上することにより、制御精度をより向上できる。
【0009】
他の一態様では、上述の車載空調制御装置において、前記発汗量と前記着衣の熱抵抗係数との対応関係を表す対応関係情報を記憶する対応関係情報記憶部をさらに備え、前記対応関係は、前記乗員における個体の種類に応じた複数である。好ましくは、上述の車載空調制御装置において、前記発汗量と前記着衣の熱抵抗係数との対応関係は、前記発汗量が多くなるに従って前記着衣の熱抵抗係数が小さくなる関係である(前記着衣の熱抵抗係数は、前記発汗量が多いほど小さくなる)。好ましくは、上述の車載空調制御装置において、前記個体の種類は、性別、年齢および体格のうちの少なくとも何れかによって分けられる。好ましくは、前記体格は、身長および体重によって分けられる。好ましくは、上述の車載空調制御装置において、前記乗員における個体の種類(前記乗員の個人情報(乗員情報))の入力を受け付ける個体種類入力部をさらに備える。好ましくは、上述の車載空調制御装置において、前記乗員の個体差に応じた前記対応関係は、さらに、季節に応じた複数である。好ましくは、前記季節は、少なくとも冬期および夏期を含む。好ましくは、前記季節は、冬期、夏期および春秋期(中間期)を含む。
【0010】
乗員の着衣は、例えば、性別、年齢および体格等の違いによって分けられる個体の種類に応じて異なることが多い。上記車載空調制御装置は、発汗量と着衣の熱抵抗係数との対応関係を、乗員における個体の種類に応じて複数、備えるので、乗員における個体の種類に応じて着衣の熱抵抗係数を設定することが可能となり、乗員によりフィット(適合)するように車載空調装置を制御できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
飛行自動車
2か月前
個人
警告装置
7日前
個人
授乳用車両
3か月前
個人
小型EVシステム
9日前
日本精機株式会社
ケース
15日前
日本精機株式会社
表示装置
1か月前
日本精機株式会社
表示装置
22日前
日本精機株式会社
表示装置
1か月前
井関農機株式会社
作業車両
3か月前
日本精機株式会社
表示装置
22日前
日本精機株式会社
表示装置
1か月前
日本精機株式会社
照明装置
1か月前
日本精機株式会社
表示装置
2か月前
個人
アンチロール制御装置
29日前
日本精機株式会社
表示装置
1か月前
個人
ブレーキシステム
20日前
株式会社松華
懸架装置
1か月前
個人
ステージカー
1か月前
個人
自動車ドア開度規制ベルト
8日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
19日前
個人
自走式立体型洗車場
1か月前
日本精機株式会社
車両用表示装置
1か月前
日本精機株式会社
車両用表示装置
1か月前
日本精機株式会社
車両用表示装置
3か月前
マツダ株式会社
車両
2か月前
帝国繊維株式会社
作業車両
14日前
株式会社ユーシン
照明装置
22日前
井関農機株式会社
作業車両
27日前
日本精機株式会社
車両用表示装置
1か月前
マツダ株式会社
車両
1か月前
日本精機株式会社
車両用照明装置
2か月前
マツダ株式会社
車両
1か月前
個人
農業機械への架線給電システム
1か月前
株式会社小糸製作所
投影装置
3か月前
スズキ株式会社
車両制御装置
16日前
エムケー精工株式会社
車両処理装置
21日前
続きを見る