TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025025615
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023130514
出願日
2023-08-09
発明の名称
再生吸水性樹脂組成物の製造方法
出願人
株式会社日本触媒
代理人
主分類
B29B
17/00 20060101AFI20250214BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】リサイクルで過度に資源を消費することなく、使用済み吸水性樹脂から異物や着色や残存モノマーの少ない劣化を抑えた再生吸水性樹脂を得る方法を提供する。
【解決手段】使用済み吸水性樹脂又はその可溶化物を、原料の一部又は全部に用いた再生吸水性樹脂組成物の製造方法であって、含水ゲル状架橋重合体を、厚さ1cm以上20cm以下の層状に載置し、ゲル層の上面及び下面から交互に100℃以上の熱風を当該含水ゲル状架橋重合体に通気して静置乾燥し、含水率が1質量%以上20質量%以下の乾燥重合体を得た後、当該乾燥重合体を粉砕及び分級する、再生吸水性樹脂組成物の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
使用済み吸水性樹脂又はその可溶化物を、原料の一部又は全部に用いた再生吸水性樹脂組成物の製造方法であって、
(A)精製後の使用済み吸水性樹脂に由来する含水ゲル状架橋重合体の乾燥工程、又は、
(B)不飽和単量体水溶液の重合工程を含む再生吸水性樹脂組成物の製造工程で、精製後の使用済み吸水性樹脂又はその可溶化物を原料の一部に用いて得られた含水ゲル状架橋重合体の乾燥工程において、
上記含水ゲル状架橋重合体を、厚さ1cm以上20cm以下の層状に載置し、ゲル層の上面及び下面から交互に100℃以上の熱風を当該含水ゲル状架橋重合体に通気して静置乾燥し、含水率が1質量%以上20質量%以下の乾燥重合体を得た後、当該乾燥重合体を粉砕及び分級する、再生吸水性樹脂組成物の製造方法。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
上記静置乾燥における上向きの熱風及び下向きの熱風との時間比が1:99~95:5である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
上記静置乾燥において、乾燥の初期は上向きの熱風で乾燥を行った後、下向きの熱風で乾燥を行う、その後さらに任意に上向きの熱風で乾燥を行う、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
上記熱風の露点が30℃以上100℃以下であり、風速が0.5m/秒以上5m/秒以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
上記静置乾燥に供される含水ゲル状架橋重合体の温度が40℃以上100℃以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
上記乾燥工程の前にゲル粉砕工程を含み、
当該ゲル粉砕工程において、粒径2mm以下の含水ゲル状架橋重合体にゲル粉砕した後に乾燥する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
上記乾燥工程において、含水ゲル状架橋重合体にキレート剤がさらに添加される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
上記乾燥工程の前及び/又は後において、含水ゲル状架橋重合体及び/又は乾燥重合体に還元剤をさらに添加する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
上記乾燥工程後、積層状態の乾燥重合体を粗砕し、粗大粒子を分級で除去し、さらに任意に粉砕した後、当該粗砕粒子が除去された乾燥重合体を粉砕する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
上記使用済み吸水性樹脂又はその可溶化物が尿素又はアンモニアを含む、請求項1に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み吸水性樹脂又はその可溶化物(吸水性樹脂の分解物)を原料とする再生吸水性樹脂組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット、吸水シート、猫砂等の吸収性物品には、体液吸収の観点から、その構成材として吸水性樹脂が幅広く利用されている。吸水性樹脂の主用途である吸収性物品は使い捨てが一般的であるが、環境意識の高まりから、紙オムツ等の衛生用品のリサイクルに関心が集まっている。
【0003】
使用済み衛生用品(例えば、し尿を吸収した使用後の紙オムツ)のリサイクル方法としては、使用済みの衛生用品を回収して、パルプ/不織布/接着剤/吸水性樹脂などの構成部材に分離して水洗・精製・殺菌・漂白などを行い、リサイクルする方法が提案されている。
【0004】
これら構成部材の中でも吸水性樹脂は、リサイクル工程での洗浄水や殺菌水、洗浄工程で洗浄水に含まれる尿を吸収し膨潤するため、製品として再使用するには、洗浄や乾燥を行う必要があること、また乾燥時の熱によって劣化や着色が生じることが知られている。そのため、吸水性樹脂のリサイクルは、技術的に困難であった。
【0005】
従来、衛生用品からパルプ/不織布/接着剤などの回収のため、使用済み吸水性樹脂を分解剤で可溶化する技術が提案されているが、吸水性樹脂はリサイクルや分離が困難なことから、パルプなどの分離のために吸水性樹脂を可溶化して廃棄されるのが一般的であった。
【0006】
しかし、近年になって、吸収性物品に用いられる吸水性樹脂において、使用済み吸水性樹脂を分離再生して、吸水性樹脂又はその他の有用な物質(例えば、水溶性ポリマーや粘着剤)にリサイクルする技術が開発されている。
【0007】
使用済み吸水性樹脂のリサイクル方法としては、使用済みの吸収性物品(特に紙オムツなどの衛生用品)から使用済み吸水性樹脂を分離して精製し再使用する方法が提案されている(特許文献1~3)。
【0008】
使用済み吸水性樹脂から得られた再生吸水性樹脂組成物は、そのまま吸水性樹脂として再使用されるが、一般的に再生吸水性樹脂組成物はリサイクル工程において性能の低下が見られるため、その用途に制限があるのが実情であった。
【0009】
そこで、リサイクルによって性能の低下を伴い易い再生吸水性樹脂組成物の用途として、再生吸水性樹脂組成物を吸水性樹脂の原料として使用したり(特許文献6)、使用済み吸水性樹脂の可溶化物を吸水性樹脂の原料として使用(特許文献4,7~11)することで、吸水性樹脂の使用原料の削減や再生吸水性樹脂組成物の性能を復活する方法が提案されている。
【0010】
しかし、使用済み吸水性樹脂(特に使用済み衛生用品から分離された吸水性樹脂)では吸水性樹脂が吸水、膨潤するが故に、尿などの水溶性成分の分離制御が困難であり、さらに、吸水性樹脂を分離する際に、吸水性樹脂の膨潤後の粘着性に由来して分離した吸水性樹脂にパルプや不織布などの異物が混入するという問題となっていた。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る