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公開番号
2025069810
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-01
出願番号
2023179765
出願日
2023-10-18
発明の名称
ラジカル重合性重合体及び感光性樹脂組成物
出願人
株式会社日本触媒
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
C08F
8/00 20060101AFI20250423BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、粒径の小さな粒子を感光性樹脂組成物に配合した場合でも、低粘度で、経時安定性に優れた感光性樹脂組成物を与えることができるラジカル重合性重合体を提供する。
【解決手段】本発明に係るラジカル重合性重合体は、酸基を有する不飽和単量体由来の構成単位及び主鎖に環構造を有する構成単位を有し、側鎖に重合性二重結合を有し、重量平均分子量が18000以下であるラジカル重合性重合体であって、前記ラジカル重合性重合体の主鎖を構成する全構成単位100mol%中、アクリル系単量体由来の構成単位の割合が30~90mol%を満足するか、或いは、前記ラジカル重合性重合体の主鎖を構成する全構成単位において、メタクリル系単量体由来の構成単位に対するアクリル系単量体由来の構成単位の割合(アクリル系単量体由来の構成単位/メタクリル系単量体由来の構成単位)が、モル比で0.5~10.5を満足する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
酸基を有する不飽和単量体由来の構成単位及び主鎖に環構造を有する構成単位を有し、側鎖に重合性二重結合を有するラジカル重合性重合体であって、
前記ラジカル重合性重合体の主鎖を構成する全構成単位100mol%中、アクリル系単量体由来の構成単位の割合が30~90mol%であり、
重量平均分子量が18000以下である、ラジカル重合性重合体。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
酸基を有する不飽和単量体由来の構成単位及び主鎖に環構造を有する構成単位を有し、側鎖に重合性二重結合を有するラジカル重合性重合体であって、
前記ラジカル重合性重合体の主鎖を構成する全構成単位において、メタクリル系単量体由来の構成単位に対するアクリル系単量体由来の構成単位の割合(アクリル系単量体由来の構成単位/メタクリル系単量体由来の構成単位)が、モル比で0.5~10.5であり、
重量平均分子量が18000以下である、ラジカル重合性重合体。
【請求項3】
前記主鎖に環構造を有する構成単位として、N-置換マレイミド系単量体由来の構成単位を有する請求項1又は2に記載のラジカル重合性重合体。
【請求項4】
前記ラジカル重合性重合体がさらに、5員環以上の環状エーテル構造を有する不飽和単量体由来の構成単位を有する請求項1又は2に記載のラジカル重合性重合体。
【請求項5】
前記ラジカル重合性重合体がさらに、2級水酸基を含有するヒドロキシアルキル基を有する不飽和単量体由来の構成単位を有する請求項1又は2に記載のラジカル重合性重合体。
【請求項6】
前記ラジカル重合性重合体がさらに、シクロヘキシル基を有する不飽和単量体由来の構成単位を有する請求項1又は2に記載のラジカル重合性重合体。
【請求項7】
酸価が30~200mgKOH/gである請求項1又は2に記載のラジカル重合性重合体。
【請求項8】
二重結合当量が330~1600g/molである請求項1又は2に記載のラジカル重合性重合体。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のラジカル重合性重合体、多官能モノマー、重合開始剤、無機微粒子、及び溶剤を含む感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記無機微粒子として、平均粒子径(d50、個数基準)が100nm以下である無機微粒子(P1)を含み、
感光性樹脂組成物100質量%中、前記無機微粒子(P1)の含有量が5~60質量%である請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジカル重合性重合体、及び前記ラジカル重合性重合体を含む感光性樹脂組成物に関するものである。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
熱や活性エネルギー線によって硬化しうる硬化性樹脂組成物は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルター、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等の、各種の光学部材や電機・電子機器等の各種用途への適用が種々検討され、各用途で要求される特性に応じて優れた硬化性樹脂組成物の開発がなされている。
【0003】
特許文献1には、アルカリ可溶性樹脂、1,2-キノンジアジド化合物、及びラジカル捕捉剤を含有する感放射線性樹脂組成物が記載されており、前記アルカリ可溶性樹脂としては、不飽和カルボン酸、エポキシ基を含有する不飽和化合物、マレイミド化合物等を共重合した共重合体が開示されている。
特許文献2には、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート、アルキル基の炭素数が1~24であるアルキル(メタ)アクリレート、少なくとも2種のラジカル重合性モノマーの共重合体である(メタ)アクリル樹脂、及び重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型感光性樹脂組成物が開示されている。
特許文献3には、酸基を有する不飽和単量体由来の構成単位、5員環以上の環状エーテル構造を有する不飽和単量体由来の構成単位、主鎖に環構造を有する構成単位、及び側鎖に重合性二重結合を有する重合体であり、該重合体の重量平均分子量が、19000以下であるラジカル重合性重合体、及びこれを含む感光性樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2011/046230号
特開2013-36024号公報
特開2023-057930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
感光性樹脂組成物は一般的に無機微粒子を含有するが、本発明者が検討したところ、粒径が100nm以下となるような粒径の小さな粒子を感光性樹脂組成物に配合すると、硬化物の透明性は良好であるものの、感光性樹脂組成物の初期粘度が上がり保管後の経時安定性に劣るため、取扱い性が悪くなるという問題が生じることが分かった。一方で、粒径が600nm程度の比較的粒径の大きな粒子を感光性樹脂組成物に配合すると、感光性樹脂組成物の初期粘度が下がり、保管後の経時安定性は良好であるものの、透明性が悪化するため光学部材や電機・電子機器等への適用が難しいことが分かった。そこで本発明者は、硬化物の透明性を良好にするために粒径が100nm以下となるような粒径の小さな粒子を感光性樹脂組成物に配合した場合であっても、低粘度で経時安定性に優れた感光性樹脂組成物が得られる重合体が提供できないか検討を重ねた。しかし、特許文献1~3に記載の樹脂やラジカル重合性重合体を用いても、低粘度で経時安定性に優れた感光性樹脂組成物を得るには改善の余地があった。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、粒径が100nm以下となるような粒径の小さな粒子を感光性樹脂組成物に配合した場合でも、低粘度で、経時安定性に優れた感光性樹脂組成物を与えることができるラジカル重合性重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、酸基を有する不飽和単量体由来の構成単位及び主鎖に環構造を有する構成単位を有し、側鎖に重合性二重結合を有し、重量平均分子量が所定量以下であるラジカル重合性重合体であって、前記ラジカル重合性重合体の主鎖を構成する全構成単位100mol%中アクリル系単量体由来の構成単位の割合が30~90mol%を満足するか、或いは、前記ラジカル重合性重合体の主鎖を構成する全構成単位においてメタクリル系単量体由来の構成単位に対するアクリル系単量体由来の構成単位の割合(アクリル系単量体由来の構成単位/メタクリル系単量体由来の構成単位)がモル比で0.5~10.5を満足するラジカル重合性重合体によれば、粒径の小さな粒子を感光性樹脂組成物に配合した場合でも、低粘度で、経時安定性に優れた感光性樹脂組成物を与えることができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本発明者が検討したところ、粒径の小さな粒子では、粒径に対し粒子の表面積が大きいため、粒子の相互作用が影響して感光性樹脂組成物の粘度が上昇するものと考える。感光性樹脂組成物のベース樹脂として、主鎖に環構造を有する構成単位を有し、側鎖に重合性二重結合を有するラジカル重合性重合体を用い、特に主鎖におけるアクリル系単量体由来の構成単位の割合を高めることにより、ラジカル重合性重合体が粒子表面に作用し、感光性樹脂組成物の低粘度化及び経時安定性の改善が可能になっているものと推察される。こうした理由から、側鎖に重合性二重結合を有さない特許文献1~2の樹脂や、主鎖におけるアクリル系単量体由来の構成単位の割合が低い特許文献3のラジカル重合性重合体では、低粘度で経時安定性に優れた感光性樹脂組成物が得られなかったものと考えられる。
【0009】
すなわち本発明は、以下の構成要件によって特定される。
[1] 酸基を有する不飽和単量体由来の構成単位及び主鎖に環構造を有する構成単位を有し、側鎖に重合性二重結合を有するラジカル重合性重合体であって、
前記ラジカル重合性重合体の主鎖を構成する全構成単位100mol%中、アクリル系単量体由来の構成単位の割合が30~90mol%であり、
重量平均分子量が18000以下である、ラジカル重合性重合体。
[2] 酸基を有する不飽和単量体由来の構成単位及び主鎖に環構造を有する構成単位を有し、側鎖に重合性二重結合を有するラジカル重合性重合体であって、
前記ラジカル重合性重合体の主鎖を構成する全構成単位において、メタクリル系単量体由来の構成単位に対するアクリル系単量体由来の構成単位の割合(アクリル系単量体由来の構成単位/メタクリル系単量体由来の構成単位)が、モル比で0.5~10.5であり、
重量平均分子量が18000以下である、ラジカル重合性重合体。
[3] 前記主鎖に環構造を有する構成単位として、N-置換マレイミド系単量体由来の構成単位を有する[1]又は[2]に記載のラジカル重合性重合体。
[4] 前記ラジカル重合性重合体がさらに、5員環以上の環状エーテル構造を有する不飽和単量体由来の構成単位を有する[1]~[3]のいずれか1つに記載のラジカル重合性重合体。
[5] 前記ラジカル重合性重合体がさらに、2級水酸基を含有するヒドロキシアルキル基を有する不飽和単量体由来の構成単位を有する[1]~[4]のいずれか1つに記載のラジカル重合性重合体。
[6] 前記ラジカル重合性重合体がさらに、シクロヘキシル基を有する不飽和単量体由来の構成単位を有する[1]~[5]のいずれか1つに記載のラジカル重合性重合体。
[7] 酸価が30~200mgKOH/gである[1]~[6]のいずれか1つに記載のラジカル重合性重合体。
[8] 二重結合当量が330~1600g/molである[1]~[7]のいずれか1つに記載のラジカル重合性重合体。
[9] [1]~[8]のいずれか1つに記載のラジカル重合性重合体、多官能モノマー、重合開始剤、無機微粒子、及び溶剤を含む感光性樹脂組成物。
[10] 前記無機微粒子として、平均粒子径(d50、個数基準)が100nm以下である無機微粒子(P1)を含み、
感光性樹脂組成物100質量%中、前記無機微粒子(P1)の含有量が5~60質量%である[9]に記載の感光性樹脂組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明のラジカル重合性重合体は、粒径の小さな粒子を感光性樹脂組成物に配合した場合でも、低粘度で、経時安定性に優れた感光性樹脂組成物を形成することができる。このため本発明のラジカル重合性重合体、及び感光性樹脂組成物は、例えば、レジスト材料、各種コーティング剤、塗料等の用途において好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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