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公開番号
2025066056
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-22
出願番号
2024151308
出願日
2024-09-03
発明の名称
熱潜在性カチオン重合開始剤、硬化性樹脂組成物、及び金属接合体
出願人
株式会社日本触媒
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
C08G
59/72 20060101AFI20250415BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、熱潜在性であり、温度の調整によりカチオン硬化性官能基を有する化合物の重合の開始を制御することができるカチオン重合開始剤、当該カチオン重合開始剤を含む熱潜在性カチオン重合性樹脂組成物、並びに、湿熱条件下における絶縁層および金属層の変色が抑制されている金属張積層板を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る熱潜在性カチオン重合開始剤は、特定のルイス酸型カチオン重合開始剤、及びアミン化合物を含有し、前記ルイス酸型カチオン重合開始剤と前記アミン化合物の一部が錯体を形成しており、前記アミン化合物の残部が前記ルイス酸型カチオン重合開始剤から遊離して存在しており、前記ルイス酸型カチオン重合開始剤に含まれるホウ素原子1モルに対する前記遊離アミン化合物に含まれるアミノ基のモル比が0.15以上、1.70以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(I)で表されるルイス酸型カチオン重合開始剤、及びアミン化合物を含有し、
前記ルイス酸型カチオン重合開始剤と前記アミン化合物の一部が錯体を形成しており、
前記アミン化合物の残部が前記ルイス酸型カチオン重合開始剤から遊離して存在しており、
前記ルイス酸型カチオン重合開始剤に含まれるホウ素原子1モルに対する前記遊離アミン化合物に含まれるアミノ基のモル比が0.15以上、1.70以下であることを特徴とする熱潜在性カチオン重合開始剤。
TIFF
2025066056000026.tif
18
74
[式中、
Fはフルオロ基を示し、
R
1
は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、
lは、1以上、5以下の整数を示し、
mは、1以上、3以下の整数を示し、
nは、0以上、2以下の整数を示し、
m+n=3であり、
nが2である場合、2つのR
1
は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
続きを表示(約 630 文字)
【請求項2】
更に溶媒を含有する請求項1に記載の熱潜在性カチオン重合開始剤。
【請求項3】
前記アミン化合物がヒンダードアミン化合物である請求項1に記載の熱潜在性カチオン重合開始剤。
【請求項4】
前記アミン化合物がイミダゾール化合物とヒンダードアミン化合物である請求項1に記載の熱潜在性カチオン重合開始剤。
【請求項5】
前記式(I)で表されるルイス酸型カチオン重合開始剤がトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである請求項1に記載の熱潜在性カチオン重合開始剤。
【請求項6】
カチオン硬化性官能基を有する化合物、及び請求項1~5のいずれかに記載の熱潜在性カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
前記カチオン硬化性官能基を有する化合物が、脂環式エポキシ化合物、水添エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、及びオキセタン化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項6に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物、及び金属を含み、
前記硬化物と前記金属が接触していることを特徴とする接合体。
【請求項9】
請求項6に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層、及び前記絶縁層の片面または両面に導体層を有することを特徴とするプリント配線板。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱潜在性であり、温度の調整によりカチオン硬化性官能基を有する化合物の重合の開始を制御することができるカチオン重合開始剤、当該カチオン重合開始剤を含む硬化性樹脂組成物、並びに、湿熱条件下における硬化物および金属の変色が抑制されている硬化物と金属との接合体に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
熱硬化性であるエポキシ樹脂は、高い電気絶縁性、耐水性、耐薬品性などにより、プリント基板、メモリ、CPUといったエレクトロニクス製品に汎用されている。また、高い耐食性から、自動車や船舶などの防腐用塗料成分としても使用されている。更には飲料用缶の内面塗装用としても使われている。その他、工業用接着剤として、建築分野ではコンクリートや鉄鋼板の構造用接着剤として使用されている。最近では炭素繊維やガラス繊維のような軽量・高強度の高機能材料の接着剤としても使用されている。
【0003】
エポキシモノマーは、カチオン重合反応により重合する。カチオン重合反応には、ラジカル重合反応に比べて、酸素による硬化阻害が起こらず、また、硬化時の収縮が小さいといった利点がある。しかし、エポキシモノマーとカチオン重合開始剤との混合直後に重合が開始すると、使用する前に硬化してしまうおそれがある。
【0004】
そこで、本発明者らの研究グループは、カチオン重合開始剤であるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランと特定のアミン化合物を含み、常温で重合を開始しない一方でより低温で重合を開始し、且つ優れた触媒能を有する熱潜在性重合開始剤組成物を開発している(特許文献1)。また、カチオン硬化性の環状エーテル基を有する化合物、カチオン硬化性の二重結合を有する化合物、及び特定のホウ素化合物を含有し、貯蔵安定性などに優れ、透明性や均一性の高い硬化物を生産性良く与える硬化性樹脂組成物も開発している(特許文献2)。更に、トリアリールホウ素化合物と環状エーテル化合物を含む重合開始剤用組成物も開発している(特許文献3)。
【0005】
その他、エポキシ樹脂、特定の芳香族アミン化合物、特定のホウ素-リン錯体、及び特定のリン化合物を含み、短い硬化時間で耐電圧性、接着性および耐熱性に優れた硬化膜を形成できる熱硬化性エポキシ樹脂組成物が知られている(特許文献4)。また、特許文献5には、ルイス酸およびモノアミンまたは複素環式芳香族有機化合物を含む硬化触媒が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2012/036164号パンフレット
特開2014-152194号公報
特開2019-218267号公報
特開2021-66890号公報
特表2008-544067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、加熱により硬化を開始する熱潜在性の樹脂組成物は知られていた。
しかし、本発明者は、熱潜在性樹脂組成物の硬化物には、湿熱条件下において金属との接触部分やその周辺の金属部分を変色させるものがあることを見出した。変色した金属部分は、特性劣化や腐食が進行し、絶縁不良を引き起こす。
そこで本発明は、熱潜在性であり、温度の調整によりカチオン硬化性官能基を有する化合物の重合の開始を制御することができるカチオン重合開始剤、当該カチオン重合開始剤を含む熱潜在性カチオン重合性樹脂組成物、並びに、湿熱条件下における絶縁層および金属層の変色が抑制されている金属張積層板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ルイス酸型カチオン重合開始剤とアミン化合物との錯体を含む組成物において、錯体を形成しない遊離のアミン化合物の割合も硬化物や金属の耐腐食性などに重要であることを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
【0009】
[1] 下記式(I)で表されるルイス酸型カチオン重合開始剤、及びアミン化合物を含有し、
前記ルイス酸型カチオン重合開始剤と前記アミン化合物の一部が錯体を形成しており、
前記アミン化合物の残部が前記ルイス酸型カチオン重合開始剤から遊離して存在しており、
前記ルイス酸型カチオン重合開始剤に含まれるホウ素原子1モルに対する前記遊離アミン化合物に含まれるアミノ基のモル比が0.15以上、1.70以下であることを特徴とする熱潜在性カチオン重合開始剤。
【0010】
TIFF
2025066056000001.tif
18
74
(【0011】以降は省略されています)
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