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公開番号
2025050047
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-04
出願番号
2023158618
出願日
2023-09-22
発明の名称
高吸水性樹脂の濃縮装置および高吸水性樹脂の濃縮方法
出願人
住友重機械エンバイロメント株式会社
,
トータルケア・システム株式会社
,
株式会社日本触媒
代理人
弁理士法人雄渾
主分類
B09B
5/00 20060101AFI20250327BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】本発明の課題は、使用済高吸水性樹脂の再生処理過程において生じる、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂に関し、他の処理工程への導入前に含水率の最適化を図ることが可能な高吸水性樹脂の濃縮装置および高吸水性樹脂の濃縮方法を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂を導入する導入部と、高吸水性樹脂を移送する移送部と、高吸水性樹脂を加圧する加圧部と、移送部に導入された高吸水性樹脂の含水率、厚み、幅のいずれか一つ以上を測定する測定部と、測定部における測定値の変動量に基づいて、加圧部と移送部の距離を調整する制御部とを備える高吸水性樹脂の濃縮装置およびこの装置を用いた濃縮方法を提供する。
この発明によれば、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂から付着水や保有水を除去するに当たり、過分な圧力負荷をかけることなく、濃縮処理が可能となる。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂を導入する導入部と、
前記高吸水性樹脂を移送する移送部と、
前記高吸水性樹脂を加圧する加圧部と、
前記移送部に導入された高吸水性樹脂の含水率、厚み、幅のいずれか一つ以上を測定する測定部と、
前記測定部における測定値の変動量に基づいて、前記加圧部と前記移送部の距離を調整する制御部と、
を備えることを特徴とする、高吸水性樹脂の濃縮装置。
続きを表示(約 370 文字)
【請求項2】
前記移送部が傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載の高吸水性樹脂の濃縮装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記導入部での導入量を制御することを特徴とする、請求項1又は2に記載の高吸水性樹脂の濃縮装置。
【請求項4】
酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂を導入する導入ステップと、
前記高吸水性樹脂を移送する移送ステップと、
前記高吸水性樹脂を加圧する加圧ステップと、
前記移送ステップに導入された高吸水性樹脂の含水率、厚み、幅のいずれか一つ以上を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにおける測定値の変動量に基づいて、前記加圧ステップと前記移送ステップの距離を調整する制御ステップと、
を備えることを特徴とする、高吸水性樹脂の濃縮方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高吸水性樹脂の濃縮装置および高吸水性樹脂の濃縮方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、使用済高吸水性樹脂の再生処理に係る高吸水性樹脂の濃縮装置および使用済高吸水性樹脂の濃縮方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッドのように、体液を吸収させることを目的とした物品(以下、「体液吸収性物品」と呼ぶ)は、主にパルプ、高吸水性樹脂(以下、「SAP」とも呼ぶ)、プラスチックから構成されており、幅広く利用されている。特に、高齢者社会を迎える中、一般家庭、病院や福祉施設において、紙おむつの使用量は年々増加している。
そして、大量に排出される使用済の体液吸収性物品の処分については、廃棄物として主に焼却処理が行われている。
【0003】
しかし、水分を多く含む使用済の体液吸収性物品を焼却処理するには、高温処理や焼却設備の大型化が必要となり、炉の劣化を促進するなど、焼却設備への負荷が大きいという問題がある。また、資源の有効活用という観点からも、焼却処理によらず、使用済の体液吸収性物品から構成成分を分離回収し、再利用することが求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、使用済の体液吸収性物品の処理として、使用済体液吸収性物品に含有されるパルプと高吸水性樹脂(吸水性ポリマー)とのゲル状混合物に、金属塩の混合物を添加して高吸水性樹脂の脱水、収縮・固化を行うとともに、着色した後、パルプおよび高吸水性樹脂を分離回収し、この分離回収した高吸水性樹脂に対して酸処理、アルカリ処理を行うことで高吸水性樹脂の吸水力を回復させる使用済体液吸収性物品からのパルプおよび高吸水性樹脂の分離回収方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-225645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるように、使用済体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離回収する際に、金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水後、酸処理およびアルカリ処理を経ることで高吸水性樹脂の吸水力を回復させることは知られている。そして、吸水力の回復した高吸水性樹脂を再生品(製品)とするには、一度乾燥処理を行う必要がある。
このとき、酸による処理(酸反応)後の含水状態の高吸水性樹脂は、吸水力が一定程度回復しており、表面の付着水とともに樹脂自体が抱え込む水(保有水)が存在することや、粘着性が高い上に圧力をかけて脱水しようとすると物性変化によりさらに粘着性が増すという非常に水分を除去しにくい性質を有するため、乾燥処理に必要となるエネルギー(熱エネルギー)の増加を招き、高吸水性樹脂の再生コスト増大の一因となっている。
【0007】
本発明の課題は、使用済高吸水性樹脂の再生処理過程において生じる、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂に関し、他の処理工程への導入前に含水率(水分量)の最適化を図ることが可能な高吸水性樹脂の濃縮装置および高吸水性樹脂の濃縮方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂の濃縮(脱水)処理において、高吸水性樹脂を移送しつつ加圧すること、および、移送時における高吸水性樹脂の状態に係る特定のパラメータ値を基に、加圧の程度を制御することで、他の処理工程への導入前に高吸水性樹脂の含水率(水分量)の最適化を図ることが可能になることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の高吸水性樹脂の濃縮装置および高吸水性樹脂の濃縮方法である。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の高吸水性樹脂の濃縮装置は、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂を導入する導入部と、高吸水性樹脂を移送する移送部と、高吸水性樹脂を加圧する加圧部と、移送部に導入された高吸水性樹脂の含水率、厚み、幅のいずれか一つ以上を測定する測定部と、測定部における測定値の変動量に基づいて、加圧部と移送部の距離を調整する制御部と、を備えるという特徴を有する。
酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂に対し濃縮(脱水)処理を行うに当たっては、高吸水性樹脂の自重によるろ過装置では、付着水や保有水を除去することは困難である。一方、通常のスクリュープレスやベルトプレスのような加圧によるろ過装置では、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂が有する特性(不定形かつ高粘性)のため、高吸水性樹脂の変形や物性劣化を生じさせることなく圧力を負荷することに係る調整が困難である。
ここで、本発明の高吸水性樹脂の濃縮装置は、強酸添加による酸反応を経て含水状態となった高吸水性樹脂を移送しつつ加圧するものであり、かつ移送部に導入された高吸水性樹脂の状態のうち、高吸水性樹脂の含水率、厚み、幅のいずれか一つをパラメータとし、このパラメータ値の変動を基に加圧の程度を制御するものである。これにより、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂から付着水や保有水を除去するに当たり、過分な圧力負荷をかけることなく、濃縮処理を行うことが可能となる。すなわち、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂に関し、他の処理工程への導入前に含水率(水分量)の最適化を図ることが可能となり、乾燥処理に必要となるエネルギー(熱エネルギー)の低減が可能となる。併せて、次工程(アルカリによる中和処理)においては、高吸水性樹脂の固形分に対して薬剤を添加することになるが、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂に係る含水率を最適化し、所定範囲内とすることで、次工程で使用する薬剤使用量の最適化を図ることが容易となる。
【0010】
また、本発明の高吸水性樹脂の濃縮装置の一実施態様としては、移送部が傾斜しているという特徴を有する。
この特徴によれば、移送部を地面と平行に設置するものと比べ、装置の配置に必要となる面積が低減し、省スペース化を図ることが可能となる。また、酸反応後の含水状態の高吸水性樹脂の移送において、位置エネルギーを活用することができるため、移送に係る動力(移送部の駆動エネルギー)を低減することも可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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