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公開番号2025022646
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023127421
出願日2023-08-03
発明の名称情報処理方法、情報処理システム、計算量子回路、計算量子回路の生成方法、及びプログラム
出願人株式会社Quemix,国立大学法人東京科学大学
代理人弁理士法人IPX
主分類G06N 10/60 20220101AFI20250206BHJP(計算;計数)
要約【課題】効率的に所望の状態を得やすい量子アルゴリズムを提供する。
【解決手段】方法は、n個の計算量子ビットによって表現される入力状態に関する情報と、ハミルトニアンに関する情報と、ハミルトニアンに基づく演算の繰り返し数K(Kは2以上の整数)とを取得するステップと、Kに応じて複数の補助ビットを割り当て、取得結果に基づき、計算量子ビット及び補助ビットに対して演算量子回路を作用させる計算量子回路を生成するステップと、を含む。演算量子回路は、n個の計算量子ビットに作用するように構成され、割り当てられた補助ビットのそれぞれに対応する単位ゲート操作を含み、単位ゲート操作のそれぞれは、異なる複数の補助ビットの1つを制御ビットとし、計算量子ビットを標的ビットとし、補助ビットの状態に応じて計算量子ビットへの作用態様を変更し、当該補助ビットの観測結果に基づき、計算量子ビットの状態を計算結果として出力する。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
情報処理方法であって、
次の各ステップを含み、
取得ステップでは、n個の計算量子ビットによって表現される入力状態に関する情報と、ハミルトニアンに関する情報と、前記ハミルトニアンに基づく演算の繰り返し数K(ただし、Kは2以上の整数である。)とを取得し、
割当ステップでは、前記繰り返し数Kに応じて複数の補助ビットを割り当て、
ここで、前記n個の計算量子ビット及び前記複数の補助ビットのそれぞれの状態は、観測可能な、第1の状態と第2の状態とを少なくとも用いて表現可能に構成され、
生成ステップでは、前記取得ステップでの取得結果に基づき計算量子回路を生成し、ここで、
前記計算量子回路は、第1の反射操作と、第1の演算量子回路と、第2の反射操作と、第2の演算量子回路と、を順に作用させるように構成され、
前記第1の反射操作は、前記複数の補助ビットのそれぞれに含まれる、前記第1の状態の成分及び第2の状態の成分のうちのいずれか1つである第1の反射状態の位相を変化させるように、前記複数の補助ビットに対して作用するように構成され、
前記第1の演算量子回路は、前記入力状態に対応する前記n個の計算量子ビットに作用するように構成され、前記補助ビットのそれぞれに対応する単位ゲート操作を含み、
前記単位ゲート操作のそれぞれは、異なる前記複数の補助ビットの1つを制御ビットとし、前記計算量子ビットを標的ビットとし、前記補助ビットの状態に応じて前記計算量子ビットへの作用態様を変更するように構成され、
前記第2の反射操作は、前記計算量子ビット及び前記補助ビットのそれぞれに含まれる、前記第1の状態の成分及び第2の状態の成分のうちのいずれか1つである第2の反射状態の位相を変化させるように、前記計算量子ビット及び前記補助ビットに対して作用するように構成され、
前記第2の演算量子回路は、所定のユニタリゲート操作を用いて前記第1の演算量子回路のエルミート共役な回路に変換可能に構成される、情報処理方法。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記計算量子回路は、前記計算量子ビットに作用するように構成される参照回路を含み、前記参照回路は、初期化された前記計算量子ビットの状態に基づき前記入力状態を出力するように構成される、情報処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記計算量子回路は、さらに観測操作を含み、前記観測操作は、前記単位ゲート操作の制御ビットとして機能する前記補助ビットのそれぞれの状態を観測するように構成され、
さらに、出力ステップでは、当該補助ビットの観測結果に基づき、前記計算量子ビットの状態を計算結果として出力する、情報処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1の反射状態に含まれる前記補助ビットの状態と前記第2の反射状態に含まれる前記補助ビットの状態とは、共通の状態であり、
前記第2の演算量子回路は、前記第1の演算量子回路とエルミート共役に構成される、情報処理方法。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1の反射操作の位相は、前記第2の反射操作の位相に対して反転している、情報処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記演算は、前記補助ビットの状態に応じて成功するか否かを表現可能な確率的演算である、情報処理方法。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記単位ゲート操作のそれぞれは、前記補助ビットの状態に応じて、単位演算、又は前記単位演算のエルミート共役な演算のいずれか一方を前記計算量子ビットに作用させるように構成され、前記単位演算は、前記演算を1回行うことに対応するように構成される、情報処理方法。
【請求項8】
情報処理方法であって、
次の各ステップを含み、
取得ステップでは、n個の計算量子ビットによって表現される入力状態に関する情報と、ハミルトニアンに関する情報と、前記ハミルトニアンに基づく演算の繰り返し数K(ただしKは2以上の整数)とを取得し、
割当ステップでは、前記繰り返し数Kに応じて複数の補助ビットを割り当て、
生成ステップでは、前記取得ステップでの取得結果に基づき計算量子回路を生成し、
前記計算量子回路は、前記計算量子ビット及び前記補助ビットに対して演算量子回路を作用させるように構成され、
前記演算量子回路は、前記入力状態に対応する前記n個の計算量子ビットに作用するように構成され、割り当てられた前記補助ビットのそれぞれに対応する単位ゲート操作を含み、
前記単位ゲート操作のそれぞれは、異なる前記複数の補助ビットの1つを制御ビットとし、前記計算量子ビットを標的ビットとし、前記補助ビットの状態に応じて前記計算量子ビットへの作用態様を変更するように構成され、
出力ステップでは、当該補助ビットの観測結果に基づき、前記計算量子ビットの状態を計算結果として出力する、情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理方法において、
前記計算量子回路は、前記計算量子ビット及び前記補助ビットに対して前記演算量子回路を作用させた後に、さらに前記複数の補助ビットの少なくとも1つに対して観測操作を行うように構成され、
前記観測操作は、前記単位ゲート操作の制御ビットとして機能する前記補助ビットの状態を観測するように構成される、情報処理方法。
【請求項10】
計算量子回路であって、
n個の計算量子ビットによって表現される入力状態に対してハミルトニアンに基づく演算をK回繰り返すように構成され(ただし、Kは2以上の整数である。)、
前記n個の計算量子ビットと、前記Kに応じて複数の補助ビットとに対して作用するように構成され、
ここで、前記計算量子ビット及び前記補助ビットのそれぞれの状態は、観測可能な、第1の状態と第2の状態とを少なくとも用いて表現可能に構成され、
前記計算量子回路は、第1の反射操作と、第1の演算量子回路と、第2の反射操作と、第2の演算量子回路と、を順に作用させるように構成され、
前記第1の反射操作は、前記複数の補助ビットのそれぞれに含まれる、前記第1の状態の成分及び第2の状態の成分のうちのいずれか1つである第1の反射状態の位相を変化させるように、前記複数の補助ビットに対して作用するように構成され、
前記第1の演算量子回路は、前記入力状態に対応する前記n個の計算量子ビットに作用するように構成され、前記補助ビットのそれぞれに対応する単位ゲート操作を含み、
前記単位ゲート操作のそれぞれは、異なる前記複数の補助ビットの1つを制御ビットとし、前記計算量子ビットを標的ビットとし、前記補助ビットの状態に応じて前記計算量子ビットへの作用態様を変更するように構成され、
前記第2の反射操作は、前記計算量子ビット及び前記補助ビットのそれぞれに含まれる、前記第1の状態の成分及び第2の状態の成分のうちのいずれか1つである第2の反射状態の位相を変化させるように、前記計算量子ビット及び前記補助ビットに対して作用するように構成され、
前記第2の演算量子回路は、所定のユニタリゲート操作を用いて前記第1の演算量子回路のエルミート共役な回路に変換可能に構成される、計算量子回路。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、計算量子回路、請求項10に記載の計算量子回路の生成方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
量子力学を情報処理に用いた量子情報処理が提案されている。また、このような量子情報処理に基づく量子計算機が、多く研究されている。例えば、特許文献1には、量子情報処理の従来技術が開示されている。非特許文献は、参考文献である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-135377号公報
【非特許文献】
【0004】
H. Nishi, K. Hamada, Y. Nishiya, T. Kosugi, and Y. ichiro Matsushita, Analyzing computational cost of probabilistic imaginary-time evolution method (2023), arXiv:2305.04600 [quant-ph].
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、あるハミルトニアンの基底状態等の所望の状態を取得する技術には、未だ改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを含む。取得ステップでは、n個の計算量子ビットによって表現される入力状態に関する情報と、ハミルトニアンに関する情報と、ハミルトニアンに基づく演算の繰り返し数K(ただし、Kは2以上の整数である。)とを取得する。割当ステップでは、繰り返し数Kに応じて複数の補助ビットを割り当てる。ここで、n個の計算量子ビット及び複数の補助ビットのそれぞれの状態は、観測可能な、第1の状態と第2の状態とを少なくとも用いて表現可能に構成される。生成ステップでは、取得ステップでの取得結果に基づき計算量子回路を生成する。計算量子回路は、第1の反射操作と、第1の演算量子回路と、第2の反射操作と、第2の演算量子回路と、を順に作用させるように構成される。第1の反射操作は、複数の補助ビットのそれぞれに含まれる、第1の状態の成分及び第2の状態の成分のうちのいずれか1つである第1の反射状態の位相を変化させるように、複数の補助ビットに対して作用するように構成される。第1の演算量子回路は、入力状態に対応するn個の計算量子ビットに作用するように構成され、補助ビットのそれぞれに対応する単位ゲート操作を含む。単位ゲート操作のそれぞれは、異なる複数の補助ビットの1つを制御ビットとし、計算量子ビットを標的ビットとし、補助ビットの状態に応じて計算量子ビットへの作用態様を変更するように構成される。第2の反射操作は、計算量子ビット及び補助ビットのそれぞれに含まれる、第1の状態の成分及び第2の状態の成分のうちのいずれか1つである第2の反射状態の位相を変化させるように、計算量子ビット及び補助ビットに対して作用するように構成される。第2の演算量子回路は、所定のユニタリゲート操作を用いて第1の演算量子回路のエルミート共役な回路に変換可能に構成される。
【0007】
これによれば、より効率的に所望の状態を得やすい量子アルゴリズムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
情報処理システム1を表す構成図である。
情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
量子計算機3のハードウェア構成を示すブロック図である。
ユーザ端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
プロセッサ23の機能構成を示すブロック図である。
ハミルトニアンの基底状態を準備するための確率的アルゴリズムの量子回路QC1の一例を示す図である。
計算量子回路5の一例を示す図である。

RTE
の一例を示す図である。

RTE
の変形例を示す図である。
情報処理システム1において実行される情報処理の概要を示すフローチャートである。
ハミルトニアンHの基底状態を生成するための各方法における、計算コストとインフィデリティδKの関係のシミュレーション結果を示す図である。
各方法を用いた、入力状態|ψ>の基底状態の確率の重み|c1|-1と、計算コストの関係性のシミュレーション結果を示す図である。
一般の演算子Lを生成子とする時間発展演算子exp(LΔt)を実装する量子回路である。
一般のエルミート演算子Hを生成子とする虚時間発展演算子exp(-HΔτ)を実装する量子回路である。
余弦関数演算子cos(tkH)に対応する量子回路QC2の一例である。
確率的演算として余弦関数演算子cos(tkH)を採用した場合における計算量子回路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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